平成14年の税制改正 の概要
法人税関係
  • 資本金1000万超5000万以下の法人の、交際費枠が300万から400万に増額されました。(平成14年4月1日以降開始事業年度から)
  • 資本金1億以下の法人(中小法人)の同族会社の留保金課税率が5%減額されました。
  • 受取配当金の益金不算入割合が80%から50%に縮減されました。中小法人は3年かけて50%に縮減されます。
  • 退職給与引当金制度が中小法人については10年間(大法人は4年間)で廃止となりました。従来引当金がある法人は毎年、10分の1ずつ取り崩して益金に算入することになりました。
  • 連結納税制度の導入により、国税庁長官の承認を受ければ、100%子会社のすべてを親会社の所得と合算して、親会社が申告することが出来るようになりました。
個人所得税関係
  • 平成15年1月1日以降の上場株式等にかかる所得税は、申告分離課税に一本化し、譲渡損失が発生した場合は、3年間繰越して、株式などの譲渡所得と相殺が可能になりました。税率は20%に減額(現行26%)。一部申告不要制度(源泉分離方式)も創設されました。その他1年超保有の株など特例で税率が軽減される措置があります。
  • 青色申告者で事業を営む者は、簡易帳簿方式による記帳の場合45万控除が受けられますが平成14年限りで廃止の予定が3年間延長されました。
相続税関係
(平成14年1月1日以降から適用)
  • 事業継承者が相続した特定同族会社の株式は、発行済み株式総数の3分の1及び3億円までの部分を限度として、評価額を10%減額する特例が出来ました。但し、小規模宅地の評価減額特例規定を使う場合は、この特例は使えません。また、非上場株式の物納に関する要件を通達で明確化することになりました。
その他
  • 固定資産税の縦覧制度が創設されることになりました。これにより、固定資産課税台帳の閲覧が常時行えるようになり、借家人に対する閲覧、証明制度も創設されることになりました。
  • 特定優良賃貸住宅に係る固定資産税の軽減が、3分の2から5分の3になりました。
  • 特定優良賃貸住宅を取得した場合の、割増償却率が32%から30%に耐用年数35年以上のものは44%から40%に引き下げられました。
  • 老人マル優制度は、15年1月から廃止となりました。現在マル優を受けている老人は平成17年末までは経過措置として非課税枠(元本350万)を使えます。
  • 個人住民税の非課税の基礎控除額が4万円ほど引き上げられました。
  • 中小企業が機械装置160万以上(従来230万以上)を平成14年4月1日から平成16年3月31日までに取得した場合7%税額控除(資本金3000万超法人を除く)か、30%特別償却が引き続き可能です。(特例が2年延長となりました)
  • マンション建替円滑化法の制定に関連し、建替時には税金がかからない様に配慮されました。

     以上ポイントを抜粋致しました。連結納税制度の導入により減収となる税金を退職給与引当金制度の廃止やその他細かな軽減割合の微調整などから回収することになった様です。

平成14年3月 29日作成                                     増田潔税理士事務所

       

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