令和5年度の税制改正の概要  を作成致しましたのでお目通し願います。

法人税関係  

    只今のところ中小法人の800万円以下の所得金額に対する法人税率が、特例で15%になっていますが、特例の期間が2年間延長となりました。800万超の部分は、23.2%で変更ありません。

個人所得税関係

l   令和6年1月1日以後からNISAの積み立て上限が、現行120万円から240万円になり、非課税の保有期間が一般は5年積立は20年とされていましたが、無期限に変更されます。また、非課税で保有できる最高限度総額が、1800万円になります。

l   令和7年分の所得税より、超高額な所得者だけが対象ですが、その年分の基準所得金額から33000万円を控除した金額に22.5%を乗じた金額が、基準所得税額を超える場合には、超えた金額に相当する所得税を課すことになりました。具体的には、所得30億円の場合で株式関係や土地関係の譲渡所得や配当所得がある場合、負担率の追加部分は、2%から3%ほどの見込みです。これは、土地譲渡や株式譲渡は15.315%の税率となり、富裕層優遇ではないかとの考えから導入されることになったものと思われます

l   低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の100万円特別控除がありますが、売却後にコインパーキングに利用される場合は、対象外となりました。令和5年1月1日以降の譲渡から適用

l   相続した空き家の譲渡所得3000万円控除ですが、現行では、譲渡前に耐震改修工事又は取り壊しが必要でしたが、譲渡後に譲受人が工事を実施しても対象となるように要件が緩和されます。令和611日以降の譲渡から。

消費税関係

l   令和5101日から消費税のインボイス制度がスタートしますが、消費税適格請求書発行事業者になるためには、令和5331日までに届け出を出さなければならないことになっていましたが、届け出困難な理由を書かなくても令和59月末までで良くなりました。

l   令和5101日から令和8930日までの日の属する課税期間において、免税事業者が、適格請求書発行事業者となったこと又は課税事業者選択届を提出したことで、免税点制度を受けられなくなる場合に限り、課税売上の2割に対する消費税のみ納付することが可能となる特例が制定されました。

l   上記の特例を受けた事業者に限り、本来なら簡易課税の選択届は、課税期間のスタート直前までに提出が必要なのですが、上記期間終了後の課税期間に限り、直前でなく、開始後でも選択が出来ることになっています。

相続税・贈与税関係

l   相続開始前3年以内に相続人へ贈与した財産は、その相続人の相続財産に加算することになっていますが、令和611日以降に贈与した財産は、7年間分は相続財産に加算することになりました。令和5年までは、今まで通りです。

l   相続時精算課税を選択した場合の贈与財産は、選択したあとのすべての贈与財産が、相続税の対象とされていましたが、令和6年以降は、年間110万円までは非課税とされることになりました。この分は、相続発生時にも相続財産に加算しなくて良いことになりました。

 

以上ポイントの抜粋です。詳細についてのご質問は、当事務所にお問い合わせ願います。 

     令和543 作成    増田潔税理士事務所  03−3645−8282