平成23年度と平成24年度の税制改正 の概要

法人税関係


* 国税と地方税を合わせて5%の実効税率が引き下げられました。但し平成24年4月1日から3年間は、震災復興特別法人税が加算されることになりましたので、若干の減税にとどまります。平成24年4月1日から開始する事業年度から適用。

* 減価償却の定率法の率が、若干低くなることになりました。平成24年4月1日以降取得する減価償却資産から適用。

*平成20年41日以降終了の事業年度より、繰越欠損金の有効年が7年間から9年間になりました。

*大法人(資本金1億円以上)は、繰越欠損金を利用するときは、所得の80%までに制限されました。平成24年41日以降開始する事業年度より。

消費税関係

* 2年前の課税売上が1000万円を超えるかどうかで、その年が課税事業者となるかどうかが決まっていましたが、それに加えて1年前のスタートから6カ月間の売上又は従業員の給与が1000万以下かどうかでも課税事業者となるかどうかを判定することになりました。個人の場合は、前年の1月から6月までの期間となります。平成25年1月1日以降開始する事業年度より適用。

* 課税売上の割合が、95%以上の場合は、従来全額が仕入れ税額控除できましたが、その年の売上高が5億円超の事業者は、非課税売上に対応する仕入消費税は、控除出来なくなりました。平成24年4月1日以降開始する事業年度より。

個人所得税関係

* 震災復興特別所得税として、平成25年1月1日より25年間、従来の所得税の額に一律2.1%を掛けた特別税が加算されることになりました。たとえば、今まで所得税が100万円だった人は、102.1万円となることになりました。

* 公的年金等の収入が400万以下の人でかつその他の所得が20万以下の場合、確定申告書を提出しなくても良いことになりました。平成23年分所得より。

* 特定のNPO法人や公益社団法人などに寄付をした場合、選択により寄付した額から2000円を控除した額の40%相当の税額控除(所得税の25%が限度)を受けられることになりました。平成23年分より

* 給与所得控除が、年収1500万以上部分については一律245万となりました。この関連で給与所得者の特定支出控除を受ける際の計算方法が改善されました。平成25年分の所得税より。

* 勤続5年以内の法人役員などに対する退職金は、2分の1課税をしないで100%に課税することになりました。平成25年分より。

* 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合、譲渡所得税を減額する特例がありますが、譲渡価格が1.5億以下のものを対象とすることになりました。平成24年1月1日より。

相続、贈与税関係

* 相続税の連帯納付義務について、申告期限から5年経過した場合と納税義務者が延納または納税猶予の適用を受けた場合、連帯納税義務を解除することになりました。平成24年4月1日より。

* 祖父母、両親などからの住宅資金を贈与されたときに非課税となる金額は、24年1500万、25年1200万、26年1000万となりました。省エネ住宅、耐震性住宅など一定のものが対象です。

その他
* 納税者からの更正の請求は、従来申告してから1年とされていましたが、5年(贈与税6年)に、税務署からの更正も5年(贈与税6年)になりました。平成23年12月2日以降法定申告期限が来る国税より。

以上ポイントの抜粋です。昨年の4月に改正予定だったものが、一部のみ昨年の6月と11月にずれ込んで改正されましたので2年分まとめました。詳細についてのご質問は、当事務所にお問い合わせ願います。

平成24年3月30日 作成    増田潔税理士事務所  03−3645−8282