平成28年度の税制改正 の概要  を作成致しましたのでお目通し願います。

法人税関係  

         法人税率を平成2841日以降開始年度から、23.4%、平成3041日以降開始年度から23.2%に引き下げることになりました。

         法人事業税の税率、法人住民税の税率などもそれぞれ改正されていますが、地方税全体では軽微な変動率となります。

         平成27年から新設された地方法人税の税率が、現行4.4% から、平成2941日以降開始する事業年度から 10.3%に引き上げとなります。地方法人特別税は、上記の地方法人税の引き上げと同時に廃止となります。

         平成2841日以後に取得する建物附属設備及び構築物の償却方法が、定額法のみになりました。(所得税も同じ)

         青色申告の欠損金の繰越控除期間について、従来は9年間でしたが、平成29年4月1日以降に開始する事業年度以降発生した欠損金は、10年間となりました。これに伴い、欠損金の繰越控除を受ける法人は、帳簿書類の保存期間も10年間となります。尚、欠損金の繰越控除などが無い法人は、従来どおり7年間が帳簿保存期間となります。

         資本金1億円超の大法人は、繰り越し欠損金がいくらあっても、その年の所得の8割までしか、相殺できませんでしたが、段階的に厳しくなり、平成30年以降は、所得の5割までしか相殺出来なくなりました。

個人所得税関係

l    空家に係る譲渡所得の3000万円控除特例が創設されました。相続した家屋で、昭和56年5月31日以前に建築されたもの(マンションなどを除く)で、相続発生時に、被相続人以外に居住者がいなかったこと、相続以降空家であったこと、譲渡価格が1億円を超えていないこと。などの条件をクリアーすれば、適用されます。

l    住宅の3世代同居改修工事等に係る特例の創設。平成2841日から平成31630日までの間に、一定の改修工事を行った場合は、ローン残高のうち1~2%を5年間控除。または、一定額の税核控除が5年間できる制度が創設されました。

消費税関係

l     消費税の軽減税率制度が、平成2941日から導入されます。また、平成3341日以降からは、「インボイス制度」が導入されます。軽減税率のイメージは、食糧品の税率が8%のままとなり、酒、外食、ケータリングなどが10%になります。また、週2回以上定期購読される新聞も8%の軽減税率となります。

l     原則課税期間中に、1000万円以上の高額資産を取得した場合は、取得した年を含めて3年間は、簡易課税制度と事業者免税点制度が適用出来ないことになりました。平成2841日以降取得資産より。

相続、贈与税関係

l   平成281月以降、贈与税の配偶者控除について、適用を受けるための申告書に添付すべき登記事項証明書が、居住用不動産を取得したことを証する書類に変更となりました。

その他

l    平成2811日以降に受ける通勤手当について、非課税限度額が、月額15万円(現行10万円)に引き上げられました。

l    国税当局の処分に不服がある場合、従来税務署に異議申し立てた後でないと、原則として国税不服審判所に審査請求できませんでしたが、平成2841日以降は、選択により、直接国税不服審判所に審査請求することができるようになりました。また、従来2か月以内に申し立てしなければなりませんでしたが、3か月以内で良いことになりました。

l    過去5年以内に重加算税などを課された者が、再び重加算税対象の不正をした場合は、10%加重した重加算税となることになりました。

以上ポイントの抜粋です。平成29年4月に消費税が10%に増税されない場合は、上記の一部が変更となりますのであらかじめご留意願います。詳細についてのご質問は、当事務所にお問い合わせ願います。

     平成2831 作成    増田潔税理士事務所  03−3645−8282