墨の話し

墨は重さで表しますが、日本と中国では基準になる重さが異なっています。
日本は15gを1丁型として、その何倍かで表します。2丁型の場合は30gの重さにな
ります。
中国では500gを基準にして、その何分の一かで表記する。例えば「2丁ものの重
さは250gになります。4丁ものでは125agということになる訳です。どうして重さ
なのか、それは丸型や八角形のもながあるからでしょう。
墨にも寿命があるようです。それは墨の主成分である「膠」が変化するからとい
われています。
日本の墨は製造から2年経つと使い易く、50年以上経つと膠の力が弱くなって墨
の寿命が終わる。
製品になりたての墨は粘りがあるが、3〜5年経過するとサラサラとしてくる。
ところが中国の墨は製造方法がことなることから、百年でも使えるそうです。
墨は油煙墨と松煙墨に大別される。油煙墨の原料は安い順から重油→大豆油→
菜種油→胡麻油→椿油の順です。
墨は力を入れずにそろりそろりと磨る。一度濃く磨ってから、水を加えて濃さを
調整するといいようです。
絵手紙ではよく青墨が使われています。なぜでしょうそれは表現が豊かだからで
す。そして顔彩と相性がいいからですね。
絵手紙を何年も描いていると、あれこれ拘りが出て来ます。最初は葉書のにじみ
具合、次に墨への拘りです。墨に一番求めるのは「深み」でしょうか、それに墨
の透明感にあるようです。種類の異なる墨を混ぜることも試しにしてみてくださ
い。そして墨に合った硯を使うことになります。

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