世阿弥の心 「初心忘るべからず」は世阿弥の最もポピュラーな言葉であり、人生の移り変わり の中で教えられたりまた自分の戒めとしてある。(花鏡) さらに私の一番好きな世阿弥の言葉は「上手は下手の手本、下手は上手の手本也」 (風姿花伝)がある。この言葉の後には「工夫すべし」とある。この言葉の意味する ところを私なりに解釈するとすれば「上手であり続ける為には下手な人の良いとこ ろは真似をし、下手な人は上手な人の欠点を見た時に、下手な自分にはもっと欠点 がある筈だ」と悟ること。 この中で一番言いたいところは「悪い所も良いと錯覚していまう」というところに あるように感じる。さらに世阿弥は「よきところを知らねば、悪きところをもよし と思ふなり。さるほどに、年はゆけども、能は上がらぬなり。これ則ち、下手の心 なり。と「下手の心」を説いている。 「花鏡」の現代語訳の公開アドレス http://dokushin.hp.infoseek.co.jp/zea-s.htm 「初心忘るべからず」は最後の項「奥段」に出てくる 絵手紙雑学に戻る |