久し振りに届いた「彩色が思うように出来ません、教えてください」とのことである。この柚子の彩色を見る限り基本は身についているようだ。
ここで気がつくことは、余白が分散していることである。分散しているために全体のしまりが欠けてしまっている。余白は「光り」として存在する訳で、モチーフをよく見て光っている部分を掴んでみることです。
それから葉っぱに元気がありません。輪郭線に沿って余白を作っているために、不自然さがあるのです。彩色で一番注意しなければいけないことは「水っぽく」ならないことです。それには彩色筆に含ませる顔彩(水で薄めた)を少なくし、彩色の重なり具合が表現出来るようにすることです。
(平成17年12月16日)