絵手紙の用語・言葉辞典

区別 用語・言葉 読 み 解            説
あじ 気持ちを込めて描き続けていると出てくるもの→個性美
宛名 あてな 相手の住所氏名、一般には青墨で書かない
一視点画 いっしてんが 描く対象となる立体を平面で表現すること、写生に最重点を置く→多視点画
印泥 いんでい 朱肉のこと、朱と油ともぐさから出来ている、古代の印は泥に押していた
うみ 硯で磨った墨を溜めておくところ墨池、池ともいう
梅皿 うめさら 絵の具を混ぜるパレットで陶製で梅の形をしている
写す うつす モチーフの形を写し取ること、絵手紙では単純に写し取るのでは無く心を写し取る→写意
絵手紙 えてがみ 絵のある手紙、型にとらわれない自由な手紙、日本絵手紙協会の商標
絵の役目 えのやくめ 絵手紙にとって「絵」の役目は言葉を補うこと
おか 硯の墨を磨るところ、陸、墨堂ともいう→硯
表書き おもてかき はがき、封筒の表に宛名以外に言葉絵など書くこと
画仙紙 がせんし 書画をかくための大型の紙の総称、中国のものを本画仙紙という
加工紙 かこうし どうさまたは胡粉などで加工した紙
渇筆法 かっぴつほう 筆に含ませる墨を少なくし、かすれなどを表現する技法→潤筆法
合評 がっぴよう 数人集まって作品を批評すること
顔彩 がんさい 日本画用の絵の具、絵手紙に一番多く使われている
吉祥 きっしょう 日本画絵の具和紙などの製造販売メーカー、顔彩などのブランド名
銀花 ぎんか 小池邦夫が6万枚の絵手紙を入れた季刊「銀花」第37号(1979年)が有名
工夫 くふう 留まらずいろいろと考え、、考え出した方法・手段
隈取筆 くまどりふで ぼかし筆ともいい、彩色筆でおいた絵具や墨を水だけを含ませぼかすのに用います
稽古 けいこ 書物を読んで昔の事を考え、物の道理を学ぶこと、日々精進
心の画 こころのが 自分の美意識や感覚で描くこと
個性美 こせいび 大胆な省略、誇張を駆使して描く「心の画」のこと
古墨 こぼく 中国の墨で色、にじみが最上級とされているもの
彩色筆 さいしょくふで 穂先がとがっていないやや短めの筆、彩色するときに使う筆
さくら 羊毛と馬の腹毛を使用している彩色筆の商品名
求美 きゅうび やや固めの羊毛を使用し長鋒ながら、腰が強い輪郭線用筆の商品名
三位一体 さんみいったい 絵手紙での三位一体は「言葉・書(文字)・絵」のことをいう
自運 じうん 書道で、書く人の意志のままに自由に筆を運ぶこと
下書き したがき 清書する前に準備のために書くこと、絵手紙には下描きは無い、味が消える
下敷き したじき 紙の下に敷くフェルト製のもの
失敗 しっぱい 失敗には嘘、飾り、構えがない、一生懸命描いた絵手紙に失敗は無いという
自分流 じぶんりゅう 精進し見極めて掴む個性美を貫き通すさま
写意 しゃい 物の真を写すこと、心に映じた印象を表現すること
潤筆法 じゅんぴつほう 墨をよく含ませた筆で濃淡、にじみなどを表現する方法
松煙墨 しょうえんぼく 松ヤニを燃やしたススで作った墨
消息 しょうそく 手紙のことでかなが主体の手紙、漢字の手紙は書状という
条幅 じょうふく 作品制作の形式で全紙、半切、聯、聯落がある
水滴 すいてき 硯に水を注ぐ容器、注ぎ口(水孔)が二つある
すずり 墨を磨る時に用いる、大きさは縦の長さ(インチ)で表す、縦横の比率は約3:2
すみ 原料の違いから松煙墨と油煙墨がある、墨の大きさは重さで表す
青墨 せいぼく 松ヤニを燃やしたススで作った墨で松煙墨、青みのある灰色が特徴
全紙 ぜんし 小画仙紙のことで2.3×4.5尺、70×135cmの大きさ大画仙紙もある3×5尺
線が命 せんがいのち 絵も文字も縦線・横線・曲線からなっていることから「絵手紙は線が命」といはれている
双鉤 そうこう 親指と人差し指と中指で筆を持つ持ち方→単鉤
速写 そくしゃ すばやく写すこと、絵手紙を連続してスクリーンに写し出し描くこと
側筆 そくひつ 筆を横にして書くこと、筆を立てて書くことを直筆という 
題材 だいざい モチーフ
拓本 たくほん 石に刻まれた文字とか文様に紙を当て、墨で写し取った紙、湿拓と乾拓がある
多視点画 たしてんが 子供がイメージで描くこと、三次元でありえないことでも実現できる
ダミ筆 だみふで 広い面積に絵の具をたらし込む時に用いる極太の筆
端渓 たんけい 中国を代表する硯石
単鉤 たんこう 執筆法の一つ、親指と人差し指で筆を持つ持ち方→双鉤
単純化 たんじゅんか 描き上げては残るものが無くなる、飾りの無い中に自分を表現する
短鋒 たんぽう 穂の短い筆、筆の丈と太さがおおむね三倍以下の筆をいう
稚拙 ちせつ 技法ではなく趣きを用は素人くささ子供らしいもの
中鋒 ちゅうほ 穂の長さが標準的なもので丈と太さがおおむね四倍前後の筆
長軸 ちょうじく
羊毛と馬毛の混合筆、穂先をそぎおとし細く繊細な線を表現する
長鋒 ちょうほ 穂の長さが標準的なもので丈と太さがおおむね五倍前後の筆
直筆 ちょくひつ 筆を真直ぐにして書くこと
付立筆 つけたてふで 日本画に用いられる穂先がかための長い筆
鐘墨 つりがねすみ 乾墨で、拓本に使われる
手紙 てがみ 相手を訪ねること (小池邦夫著 男の絵手紙より)
展子虔 てんしけん 約550〜604年人物がの祖、游春図が有名
手習い てならい 手の模倣(もほう)まねることにせること
篆刻 てんこく 印材に篆書体を用いて印を刻すこと
陶画筆 とうがふで 穂先が長く絵の具の含みがよい陶画用の筆
ドーサ引き どうさひき 墨のにじみを止める方法
鳥の子 とりのこ 雁皮を主原料として漉いた紙、黄卵の色に似ていることから鳥の子と呼ぶ
習う ならう 繰り返し練習・学習すること、毎日線の練習が必要であること
匂いづけ においづけ 紅葉の絵にしぐれの句を添えること、絵と言葉をうまく調和させること
にしき 馬の胴毛を使用した固めの筆、色塗りするのに適した彩色筆の商品名
盗む ぬすむ 相手の良さを取り入れること
練り墨 ねりすみ 液体墨の一種、拓本に使われる
背臨 はいりん 原本を見ないで記憶によって臨書すること
葉書 はがき 国内通常はがき、長辺14cm〜15.4cm、短辺9cm〜10.7cm、重さ2〜6g
白描 はくが 色を使わず墨線のみで描く技法
半紙 はんし 代表的な書道の練習用の紙、大きさは約33cm×約24cm 簀桁の半分の大きさ
半切 はんせつ 全紙の半分のサイズ、半折とも
筆洗 ひっせん 筆先を洗うための容器、筆池ともいう
筆圧 ひつあつ 筆の穂先にかかる圧力
筆架 ひっか 筆をかけておくもの、
筆床 ひっしょう 筆を寝かせて置く枕
筆筒 ひっとう 筆立て、筆を洗わずに下向きにして建てておく円錐形のものもある
筆鋒 ひっぽう 筆の穂の部分、竹の部分を筆管、毛の付け根を腰という
ふで 輪郭用と彩色用がある、自分を演奏してくれる→彩色筆、輪郭線筆
べたづけ べたづけ 紅葉の絵に紅葉の句を添えること、絵と言葉の表現内容が同じこと
ヘタで・・ ヘタで・・ ヘタでいい ヘタがいい、小池邦夫が提唱した言葉、一生懸命さのヘタの意 ヘタ=素直
下手の心 へたのこころ 世阿弥の言葉「上手は下手の手本下手は上手の手本也」悪いを良いと錯覚する心
穂先 ほさき 筆の先端、最も集中するところ
巻紙 まきがみ 切紙を横に何枚も継ぎ合わせ端から巻いたもの、手紙を書くために考えだされた
麻紙 まし 最も古い紙といわれている、麻の繊維で作る
慢心 まんしん 自慢していい気になること
美濃紙 みのがみ 美濃の国(岐阜県)で作られた紙、美濃判
無心 むしん (子供のように)無邪気なこと、絵手紙を描く心構え
目習い めならい 本物を見て習得すること
面相筆 めんそうふで 穂先が極めて細く長い筆、イタチ、タヌキの毛が使われる、輪郭線を描くときに使う
模写 もしゃ 原本を真似て写しかくこと
没骨法 もっこつほう 東洋画の二大技法の一つで輪郭線を描かない技法
油煙墨 ゆえんぼく 菜種油のススから採った墨、菜種の他に胡麻、椿、大豆、桐などの油がある
遊印 ゆういん 自分好みの印
余白 よはく 彩色時に塗り残し部分を作り色を際立て、風通しをよくする部分
落款 らっかん 落成款識(らくせいかんし)の略、印を押印すること
柳美 りょうび 腰の強い羊毛を使用し墨含みもよく、味わいのある線が引ける筆の商品名
臨書 りんしょ 手本を用いて書法を学習すること、形臨、意臨、背臨がある
輪郭線 りんかくせん 物の形を表す線、輪郭線を描く筆は面相筆、削用筆、線描き筆などがある
れん 全紙の縦4分の1のサイズ
聯落 れんおち 全紙の縦4分の3のサイズ
鉤勒法 ろうろくほう 東洋画の二大技法の一つで輪郭線を描く技法
鉤勒填彩 ろうこくてんさい 丁寧かつ力強い線で描かれた輪郭の中に、効果的に色が塗り込まれている技法
※解説の内容は、絵手紙を描いたり・見たり・読んだりしたことを経験的に解説しています。 (無断持ち出しを禁じます)

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