科学エッセイのページだよ☆

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本のタイトル作者出版社・その他備考点数
恐竜の再生法教えますロブ=デサール・デヴィッド=リンドレー共著同朋舎75点
新恐竜伝説金子隆一ハヤカワ文庫NF75点
科学鑑定石山いく夫文春新書70点



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『恐竜の再生法教えます』
 一昔前に流行って、未だに惰性で続いている「謎本」とか「研究本」に似ているかもしれない。サブタイトルも、「ジュラシック・パークを科学する」とちゃんと振っている。
 でも、深い。おもいっきりディープな生物学の話題に引きずり込まれる。「空想科学読本」のように、ムチャクチャな結論を引きずり出して喜ぶようなマネはしていない。何せ、ロブ・デサールというのはニューヨークの自然史博物館副館長で、琥珀の中の昆虫からDNA片を分離した人だから(笑)。
 それでいておカタくない。冒頭では茶目っ気たっぷりに映画のシーンを自分の「畑」にまで引きずり込んでいる。たのしめますよ、この本。


















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『新恐竜伝説』『覇者・恐竜の進化戦略』
 恐竜が続くのは私の趣味を反映していることは確かである(笑)。おまけにこのブックレビューでハヤカワ文庫の占める率が多いのも、私の趣味です(笑)。
 科学エッセイというジャンルが日本人の著作物に存在するとすれば、せいぜいこの人のものくらいだと思う。科学ライターなどという肩書は、少なくとも他の人では聞いたことがない。この人の著作はみんな面白いです。「謎と不思議の生物史」(同文書院)なんて見ていて(イラスト図解のいっぱいある本なのです)ゾクゾクする。アノマロカリスとかハルキゲニアとかオパビニアとか、はっきりいって「エイリアン」より怖いカッコしてますよう!
 ……まあそんな太古のロマンでも究極が恐竜でしょう。数億年前は恐竜の天下だったわけで、この地上は――想像つきます? 生態系のウサギの位置にはそういう恐竜、オオカミのかわりに恐竜、ゾウのかわりに……。
 まあ、とりあえず本の内容に戻ると……実はこの「新――」と「覇者――」は、文庫になった順番が、著作の順番と逆なのだ。実は、文庫としては古い「覇者――」の方が、新しいデータに基づいて書かれているのだ。だから、前者で「口止めされているのでここには書けない」と書かれている事実が、「覇者――」にはしっかり載っていたりする。(多分、中国で見つかった恐竜「ジンギスカン(!)」のことでは?)お読みの際にはこの順番で読むことをおすすめする。












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『科学鑑定』
 この人の名前の「いく」という字なのだが、どうしても変換できない(「日」のカンムリに「立」)ので、しかたなくひらがな表記とした。マイクロソフト、もう少し漢字を勉強しなさい。曹操の軍師の一人は、この漢字を使うぞ(怒)。
 さて、この本の内容はというと……う〜ん、読んでいて眠くなる本は、「カオス」以来久しぶり。犯罪捜査について、さほど深くは掘り下げてはいない。ただし、鑑定は古来より行われてきたという実例に、日本書紀を引用しているくだりは別の意味で絶品。この人に推理小説を書かせたら、全編ソーンダイクものみたいな感じになるんだろうなあ。












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