OAインストラクター  

■仕事の内容

 どこに勤めるかによりますが、一般的なパソコンスクールの場合、パソコンの授業、教材の作成、スクールの問い合わせに対する電話応対、受付などです。スクールの規模によりますが、小さい所ほど授業以外の仕事は多いです。資格試験の会場校なら、試験の監督もします。会社の中で社内の人向けにパソコンの技術やソフトの操作方法について教えるインストラクターもいます。そういった人は、電話で操作方法を説明したり、トラブルがあった場所まで出向き、社員の人に直接教えることもあります。スクールや会社に属さず、フリーで活躍する人もいます。派遣で働く人もたくさんいます。女性のイメージが強いですが、男性のインストラクターもたくさんいますよ。特に男性は深い知識を持った方が多いように思います。

 

■なるには(資格や適正)

  医師や弁護士のように、コレを持っていればなれるというわけではありません。ただ、もっていると役に立つ資格はたくさんあります。パソコンの資格はイヤというほどあって、どれを取ればいいのか迷ってしまいますが、資格取得を目的にしないで、その資格を勉強することによってどんな知識が身につくのか、現在の自分にどれくらいプラスになるのかを考えて勉強するといいと思います。
  また資格を取ってもいきなりインストラクターになる人は少ないようです。ヘルプデスク(電話での問い合わせに対して電話で答える)やアシスタントを経てメインのインストラクターになる、という人もいます。ただ、大人数での講習の場合、メインの人が偉くてアシスタントの人はお手伝い、なんてことはありません。役割が違うだけで差はないです。
  OAインストラクターと一口に言っても、学校の先生に専門教科があるようにインストにも専門分野があります。ネットワークに強い人、業務ソフト(弥生会計など)に強い人、グラフィックソフトに強い人、データベースに強い人・・・などです。少し前までは、ワード・エクセルが人より使えれば重宝されましたが、現在では使えて当たり前になってきています。インストも、パソコンに関する知識が浅く、広くよりは、「この分野(あるいはアプリケーション)なら誰にも負けない」というような武器を持つことが生き残る力になると思います。深い知識を持てば持つほど、自分の専門分野以外の知識がいかに大切か痛感します。そうやって結果的に多くの知識を身につけることができます。
  まず自分の好きな分野をとことん勉強することです。好きな分野が見つかれば勉強は楽しいですよ!

 

■体験談

 事務のアルバイトをしながら、知り合いの人が始めたパソコンスクールに通って勉強していました。その後、そこでスタッフとして働くことになり、アシスタントを経てインストラクターへ。でもインスト業に専念したわけではなく、スクールのチラシを作成したり、ホームページを作成したりいろいろなことをやりました。また父からパソコンを勉強したい人を紹介してもらい、家庭教師のようなこともしました。
  そこで働きながらいろいろなタイプのインストラクターに接してわかったことは、「知識がすべてではない」ということです。もちろん知識はあるに越したことはありませんが、その人に魅力がなければ「インストラクター」とはいえないんじゃないか、ということです。
  一緒に働いていた50代のインスト(女性)の方は、生徒さんから指名の多いインストでした。自分自身も悩みながら独学でパソコンを勉強したからこそのやさしい言葉使いと、丁寧な説明、ゆっくりしたペースが同年代の生徒さんの支持を集めていました。それは彼女にしかできない教え方です。また、エクセルの研修で講師としてきてくださった先生は、限られた時間で、課題を与え考えさせて、ポイントをおさえた説明で理解を深めた後、自分なりの活用方法を披露してくれました。その先生の、本当に楽しくてこの仕事をしているんだという様子が、(たった2日間の研修でしたが)強烈に印象に残っています。
  インストラクターは、時間とお金をさいてきてくださった生徒さんや、仕事の時間を削って参加してくれる社員の人たちに「わざわざ来た価値があった」と思ってもらえるように、知識プラスアルファを提供するサービス業だと思います。

 

■アドバイス

  パソコンが好きで、インストラクターに興味があるなら、友達や身近な大人の人にパソコンについて聞かれたとき、優しく教えてあげてください。そのとき、「こんなこともわかんないの?」なんてことを言ったり、態度に表してはだめです。その人がどこでつまづいて、どこがわからないのか詳しく聞いてあげて、できるだけわかりやすく教えてあげてください。自分のわからないことを聞かれたときは、調べてきて教えてあげましょう。
  高校は普通科でも情報を勉強しますが、もしもその気があるなら工業科(電気・電子系)や商業科(情報系)のほうが深く学べます。でも普通科でだめということはありません。専門学校や大学でも情報については学べます。
  パソコンスクールに通うというのも手です。いろいろなインストラクターに接して、教え方を学びましょう。自分の目標となるインストラクターを見つけると、道は開けてくると思います。

 

■解説

ライラック さん

 

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