培養、発生室
水槽を使った培養発生室温室を使った培養発生室

室内できのこを育てる為の培養、発生室。
 室内できのこを育てるには、きのこの成育に合った環境を整える必要があります。ここでは、その装置として、水槽を使ったものと、温室を使ったものを紹介します。




水槽を使った培養発生室(冬向き)
使う道具:60センチ水槽、空焚き防止機能付きセラミックヒーター、サーモスタット、上蓋。
(必要に応じて)エアーポンプ、エアーストーン、タイマー。

  蓋をした水槽下部に水を張ってそれをヒーターで暖めます。水を温めた余熱で水槽上部の空間を温めると共に、水温と気温の差から発生した湯気で空間の湿度を保つ仕組です。必要に応じてタイマーでエアーポンプを動かして新鮮な空気を送り込んで換気してあげます。

長所:身近な道具で手軽に安価にきのこ栽培がはじめられる。小スペースでオッケー。

短所:空焚きに気を付けないと危険(毎日の水量チェックが不可欠)。湿度の調節が難しい(室温の寒い冬しか湯気としての湿度が得られないし、冬得られてもいつも湿度100%、ビショビショして培養には不向き)。


温室を使った培養発生室(写真は冬仕様)

 
使う道具:1:湿度調節器、温度調節器、タイマー 2:温風ヒーター 3:家庭用加湿器 4:センサー 5:ファンモーター ガラス温室

温室内を専用の調節器を使って温度、湿度、換気を管理していく方法。

長所:温度、湿度、換気の細かい設定が可能(結果として培養、発生中の害菌、害虫のトラブルもなく、管理が楽)。

短所:調節器の性能面からある程度の大きさの温室が必要(スペースの問題。あと冬はその大きい空間を暖めるために温風ヒーターがフル稼働、電気代がかかる)。専用の道具が高い。


 

培養室と発生室の違い
 きのこの成育過程によって成育条件は若干の違いを見せるようです。ここではきのこの成育過程を大きく二つ(菌糸成長期と、きのこ(子実体)発生期)に分け、各々の成育過程にあった条件を満たす培養室と発生室を考えてみています。(培養室と発生室の違いは環境条件の違いだけです)

 各々条件の違いを下に簡単にまとめてみました。設定する条件はきのこの種類によって微妙に変わってきます。

環境条件

きのこの成育期

用意する装置

温度

湿度

換気

菌糸成長期

培養室

一般にきのこ発生期より高めに設定、20度C〜23度C。

65%位

こまめに

遮光する

きのこ発生期

発生室

一般に菌糸成長期より低くめに設定、16度C〜20度C。

90〜100%近く

こまめに

弱い光で明るくする