ビデオデッキの修理(その2) 2003/4/28
知人からビデオデッキの修理を頼まれた。
2年くらい使っていたら、テープを巻き込むようになったそうだ。
直らないときは部品取りにしてもOKという条件で引き受けてきた。
![ビデオデッキ](f66nv-1.jpg)
これが、
日立製ビデオデッキ"VT-F66NV"。
S無し、BS無し、HiFiのみの機能である。
一時期CMがよく流れていたテープナビ付きのデッキだ。
それでは、早速バラしてみましょう。
キャビネットを開け、全面パネルを外した状態がこれ。
![キャビネットを開けた状態](f66nv-2.jpg)
この状態で適当なビデオテープを突っ込んで動作を見てみると、見事なくらいテープを
巻き込んでくれる。それかと思うと、しばらく動いた後電源が切れたり、たまにまとも
に動いてみせたり、いまいち動作がはっきりしない。
どうも自分のアームやヘッドのメカ類の位置がわからなくなっている様で、その結果し
ばらく動いてみたあと、内部マイコンが電源を落としている様だ
意外にも、ブレーキやベルトはそれほど消耗していない状態だった。
今回はここ
で、店員にビデオデッキの型番を告げてメカ部の消耗パーツキットと内部の
メカ類の位置を検出するメカポジションセンサーを注文した。日立には三菱の様に消耗
品キットは無い様で、メカポジションセンサー(モードスイッチ)とベルトが届いた。
(メーカー品番が指定できれば消耗パーツキットも取り寄せられるかもしれないが・・・)
で、物が届いた後、判別したメーカー品番は、
メカポジションセンサー(モードスイッチ)
部品番号:7B-BF73 バーツNo.FD10271
ベルト
部品番号:VT-F33V バーツNo.KX18201
価格は共に\300だった。
安価な部品にも関わらず、丁寧に対応してくれた店員さんに感謝である。
部品交換にかかりましょう。
カセットハウジングと背面パネルをはずした状態。
![カセットハウジングと背面パネルをはずした状態](f66nv-3.jpg)
前出の三菱BS65と比べれば、内部はスカスカ、ねじの数も少なく、はめ込みになっている
ところが多いので非常にバラしやすい。
![メカ部](f66nv-4.jpg)
メカ部を取り外し、ひっくり返して新品のベルトを掛け直す。
新品のベルトと比べると多少硬くなっているが、劣化はほとんど無い状態だった。
![基盤を浮かせた状態](f66nv-5.jpg)
シャーシから基盤を取り外す。
中央の青くて丸い部品がメカポジションセンサー(モードスイッチ)。メカ部のアーム等の
位置をこのスイッチの回転角度から判別する仕組みになっている。
![メカポジションセンサー](f66nv-6.jpg)
手に持っている白い方が今回調達した物。元から付いている青い方は回転させてもスカスカで
クリック感が全く無いが、白い方はカチカチとしっかりしたクリック感がある。
![取り替え](f66nv-7.jpg)
メカポジションセンサーを基盤から撤去し、新しい物をハンダ付けする。
![シャーシへ基盤を取り付け](f66nv-8.jpg)
メカポジションセンサーを取り替えた後、基盤をシャーシにと取り付けた状態。
この後、バラした手順と逆の順番で組み立てる。
メカ部を基盤の上に載せるときはメカポジションセンサーの回転位置をメカ部側と合わ
せておかないと最終的メカ部とポジションセンサーがきっちりかみ合わない。
フロントパネルのシャッターを押し上げた状態でフロントパネルをはめ込まないと、ビ
デオテープ取り出しの時、カセットがシャッターにぶつかって出てこない状態になるか
ら要注意である。
![動作確認](f66nv-9.jpg)
修理後、メカ部の動作を見ている状態。メカポジションセンサーの交換でテープの巻き
込む症状はすっかり無くなった。
この後、キャビネットを閉めた状態で、録画再生のチェックを行った。
そういうわけで、このデッキはうちで部品取りのジャンクにされることもなく、無事持ち
主の元へ戻りました。
戻る
(C)2003 MIGITA ELECTRIC WORKS