ノートPC用バッテリーパックのセルを交換する 2007/2/25
リチウムイオンバッテリーは取り扱いを誤ると、
爆発や火災を起こす可能性があり非常に危険です。
また、本来は行ってはならないバッテリーセル本体への直接ハンダ付けを行っております。
当ページを参照して行った作業により被った損害に関して、
当方は一切関知しませんので、ご了承願います。
ここでLibretto Lシリーズ用大容量バッテリーパックを落札した。
で、物が送られてきたが、テカテカ光っているし、見た目はかなりお疲れのご様子。
充電して実際使ってみると2時間弱しか持たず、Windowsのバッテリーメーターも
70%まで減った後、一気に0%まで低下する。
標準バッテリーよりも容量が低下している。中身のセルもかなりお疲れのご様子だ。
まあ、そんなもんだろう、安かったし、仕方がない。
そんなわけで、バラしてみた。バッテリーパックを雑巾を絞る要領でひねり、
出来た隙間に爪を引っかけてゆっくり剥がすと割と簡単に中身を拝める。
東芝Libletto Lシリーズ用大容量バッテリーパック。
型番 PABAL005 容量 5700mAh
新品の物を調達
すると3万円以上する。
SONY製18650セルが9本、並列3x直列3構成で接続されている。
単セルあたりの容量は1900mAhとなる。
リチウムイオンバッテリーの単セルをネットで探す。
半田付け用のタブが付いたものが単価1000〜1200円程度で
売っている。
今回は、
ここから調達した。SONY製18650リチウムイオンバッテリー単セル9本、5000円。
ただし、半田付け用のタブは付いていない。
容量は 2350mAh。
バッテリーパックを解体する。
バッテリーセルにスポット溶接されているタブは、
後で使用するのでラジペンの先で巻き取るようにして丁寧に剥がした後、形を整えておく。
セル交換を開始する。
あらかじめ剥がしておいたタブは、セルと接続する部分にV字に切れ込みを入れ、
切れ込みの周辺両面にハンダを塗布しておく。
セルの電極は、リュータで軽く研磨した後、フラックスを綿棒で塗布し、ハンダを塗る。
セルへの熱ダメージを避けるため、ハンダごてをあてている時間は0.5秒以下に抑える。
これだと直後に電極にふれても少し暖かい程度だ。
フラックス腐食性であるため、ハンダを塗布した丁寧に後拭き取っておく。
セルとタブの位置を合わせハンダごてを強く押し当てて、タブとセルを接合する。
ここでも、ハンダごてをあてている時間は0.5秒以下に抑える。
タブとセル両面に既にハンダを塗布しているので、ハンダごてを当てるだけで接合は完了する。
今回使用したハンダごてと、板金用フラックス。
ハンダごては100Wの大型の物。
熱容量の大きいものでないと、ハンダを塗布したり接合したりする作業が短時間で行えない。
こて先は平面になっている物がよい。
接合完了。
制御基板と内部配線を元通りに接続し、組み立てる。
ケースに組み込んだ状態。
このあと、LibretoL5に装着し、充電を開始する。
充電中電池が過熱したりしてはいないか、注意深く見守るのはいうまでもない。
3回ほど充放電を繰り返し「深呼吸」させた後、最終的なバッテリー持ち時間は、
液晶画面輝度最大、電源設定フルパワーモード、CPU負荷をかけた状態で5時間半に達した。
正常に使用できることが確認できたので、灰色のコーキング剤を塗布しケースと接着する。
セロテープで仮止めし、コーキング剤が固まるのを数日待ち最終的に完成となる。
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