出雲路
2002年5月25日あづみ野コンサート
望郷の念を郷土の風景に託したもの。
(第一楽章)清水の暮色 (第二楽章)祭 (第三楽章)宍道湖の夕映え

出雲路 昭和35年10月12日 作曲 船川利夫
望郷の念を郷土の風景に託したもの・・・・・・・・。
(第一楽章)清水の暮色 松並木に続いてうっそうした老木の生い茂る道を登
っていくと、小高い山の中腹に木立に囲まれた清水寺がある。その
鐘楼の鐘が鳴ると木陰を伝うその風が静かに夕暮れを運んでくる。
(第二楽章)祭 社日神社の境内に笛が流れるころ町にはみこしがねり歩き、人
々は祝い酒を飲んで安来節を唄う。祭のざわめきの中にもふと哀愁が
漂うのは、日本の祭の独特の表情であろう。
(第三楽章)宍道湖の夕映え 静かな日のたそがれ宍道湖に夕映えがおとずれて、
空も水も一瞬金色に輝く。一陣の夕風にさざ波がたつと波頭がきらき
らとくだけ散る。秋ならば陽はつるべ落しに沈んで一刻の饗宴はたち
まちに終りをつげる。初夏の頃ならば天地の運行に自らをまかせしは
と我を失う程の時間はある。