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古謡”さくら”に基づく (第一楽章) 色づいて、今ほころびかける花の蕾を連想して作曲された。淡々と始まる挿入部
に自然に誘い込まれていくと、さくらのテーマが箏、尺八へと展開する。フレーズ
の語尾についた短いグリッサンドがいっそう愛らしさを添えている。
(第二楽章) 黄昏どき、蒼い空に浮かび上がる薄墨の桜の姿を、尺八が朗々と奏でる。箏と十七
絃が、思いがけぬ表情を 演出している。
(第三楽章) 風に吹かれて、とめどなく散り急ぐ花吹雪である。縦横無尽に散り交う様は、さ
ながら絢爛豪華な舞い踊りを見るようである。
(守山偕子) |