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中能島欣一により昭和18年に三弦と筝とフルートの為の三重
奏だが、今回は尺八との合奏である。曲名の「さらし」とは、布を川水
にさらす作業から来ている。リズミカルな作業、川の流れ、晒された布
の動き、周囲の四季のうつろい。これらのイメージがさらしの手として
パターン化され、即興的にも様々に工夫されるようになった。作曲者自
身の名人芸は、つとに知られている。
出だし、筝の短いソロ、突然現われるさらしのきまり手が、ころがり落
ちるようにその幻想の世界にまき込んでいく、各パートが追い打ちをか
けるようにさらしの手で耳元に追って来て離れ、飛びかう。
二章は一転してゆるやかで穏やかな美しい流れを奏でて始まる。
三章は、一章をふまえ、なおリズムカルに展開して、最終の筝の三連符
は印象的である。 |