千鳥の曲 作曲 吉沢検校
作曲年代 幕末
1991年12月12日リサイタル
しほの山
さしでの磯にすむ千鳥
君が御代をば
八千代とぞなく(合)
君が御代をば

(手事)
淡路島かよふ
千鳥のなく声に(合)
幾夜寝ざめぬ
須磨の関守(合)
幾夜寝ざめぬ
須磨の関守

この曲は吉沢検校が従来の古曲形式(筝が三弦に従属している形式)
から、三弦を離して筝のみの二重奏による「筝曲もの」として作曲
している。また「古今組」の一曲である。「古今組」とは歌詞を古今
和歌集の和歌より用いて、調弦を古今調子にする曲である。この曲の
撰歌に当っては古今集から一首、もう一首は百人一首からとってい
る。このように、古今集以外の和歌を用いているのは、後の「古今組」
の春、夏、秋、冬の四曲の最初の曲であり、「古今組」を確立する過
渡的な作品だからであろう。