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フィンランドでの自作品による公演の依頼を受け、尺八との二重奏を構想していた柳井
が、冒頭の部分がまず浮かび、後は導かれたように自然に出来上がったと聞く。当初「天
上の蒼」と名付けられたが、この曲を聴かせた、父上の薦めにより「天上大風」に改名する。
(第一楽章) 激しく唐突な導入がある。筝のブルース的な伴奏に、静かに尺八の旋律が乗り、
徐々に高まっていく。冒頭の繰り返しが、すでになつかしく感じられる。
(第二楽章) 筝ソロで始まる。尺八の音色が、微妙な変化を伴って流れると、聴衆を優しく、暖
かく抱き込んで行く。最後に、第一楽章の導入部分が三度(みたび)繰り返される。 |