やっぱり馬も好き
第5話
追悼サイレンススズカ
さっ、今日もひとっ走り行ってくっかな〜
今日はこないだよりも長いのか?でも広くて気持ちよさそうだな〜
ムチ入れられんのは痛いけど、一番でゴール駆け抜ければ、いっぱいご褒美もらえるし。
それに、みんなの喜ぶ顔が見たいしね。
気持ちがいいなぁ、今日はホント調子がいいや。
ぐんぐんスピードに乗って走れるぞ。
さあ、ケヤキを越えればもうすぐゴールだ。
あれ?何か足がおかしいぞ?力が上手くはいんないや。
でもせっかく一番なんだし、このまま走り続けなきゃ。みんなも待ってるしね。
あ、でも武さんが止まれって言ってるぞ。いいのかな、まだ途中なのに・・・
あれ?せんぱいのオフサイドトラップさんが、
「よくやった」って、抜かれたのに誉めてくれたぞ?
なんか、へんなの。
あ〜あ、みんな行っちゃったなあ。それにしても足が痛い。
でも、厩舎帰れば先生が手当てしてくれるからね。それまで我慢。
一晩寝れば治るかな。でも何でみんなそんな悲しそうな顔してるんだろう?
足を痛めただけじゃない。すぐに良くなって、また走るから心配しないでよ。
だって僕は、みんなの喜ぶ顔が見たいから頑張ってるんだからさ・・・
先生にレントゲンも撮ってもらったし、
今度はお注射をしてくれるんだ。
これで安心・・・・・・・。
このエッセイは、みみきちの掲示板に書き込んでいただいた、
横浜の貴公子さんのエッセイをもとに、
みみきちが手を加えさせていただいた合作になっています。
ポエム
風を切って、ひとりきりで駆け抜けていた
彼が通ったこのみちは
栄光へと続いてるようだった
割れるような拍手、ひとびとの喝采が
もうすぐに思い浮かぶようだった
世界のホースマンたちにも彼を
もうじき紹介できると思っていた
あの欅を越えるまでは
だれを責めることもできやしない
57秒のあいだ
わたしたちはしあわせな夢を
思いえがくことができたんだから
風を切って、ひとりきりで駆け抜けていた
彼が通ったこのみちは
栄光へと続いてるようだった
「池袋幾三」さん投稿作