personel:Cecil McBee(b) James Zollar(tp) Randall Connors(as) David Berkman(p) Matt Wilson(ds) date:1996年10月20日 place:Sound on Sound,NY Inside Out is dedicated to the great Yosuke Yamashita. Catfish is a dedication to the great Lester Bowie.
山下洋輔NYトリオの重鎮、セシル・マクビーが若手ばかりを起用した バンドです。バンドの結成そのものは94年で、ヨーロッパ公演もこなしている そうですから、十分な準備期間を経た上での録音ですね。そう言うわけで、若手 ばかりだからと言ってひやひやすることはないです。
unspoken とは、日の目を見ない若い才能と、バンドリーダー・作曲者 としてのセシル・マクビーのことである。と本人は説明しています。 (ライナーノーツ及びJazzLife誌97年5月号のインタビューより。) 最年少のコナーズはもともとセシルが教えている学校の学生で、書きためて いた自作を彼に吹いてもらおう、とバンドを結成したのがことの起こりとか。 ロン・カーターもこういうことやってますけど、どんな気持ちでしょうね。 偉大な先生に気に入られバンドまで作って世界デビューしちゃう、ってのは。
経験を積んだベテランとのセッションで一発録り、は敢えてしなかった。
むしろ、とことん付き合ってくれる若い世代と一緒に、じっくり時間をかけて
自分の音楽を醸成したかった(上記インタビューでのコメントを要約)。
この辺の考え方は山下洋輔と共通するものがあります。
(1曲山下さんに献呈してるのだな (^^) )
2管というせいもありますが、元気です。どの曲もテーマが結構複雑、 ひょうきんでユーモラスな雰囲気のものが多いです。これ、聞き手に '難しいことをやってる'という印象を起こさせないためには、かなりの鍛錬が 必要だったかも。曲の形式があって無いような曲もいくつかあって、経験のない 若手相手にこういうのをまとめ上げるのは大変なはずです。リーダー、よくここ まで皆の音を引っぱり出した、という感じ。
ベースの音がどっしりと控えてますけど、それが浮くわけでもなくまとまり 過ぎるでもなく、元気で楽しくて生きがいい! 飽きません。
(1997年5月28日)