BANSLIKANA/山下洋輔

(ENJ-1019 / enja records)

personel:山下洋輔(p)
date:1976年7月5日
place:Tonstudio Bauer,Ludwigsburg
MANUFACTURED AND DISTRIBUTED BY CROWN RECORD CO.,LTD.TOKYO

1.A Night In Tunesia (Gillepie-Paparelli)
2.Stella (Y.Yamashita)
3.Banslikana (Y.Yamashita)
4.Chiasma (Y.Yamashita)
5.Atutumn Leaves (Prevert-Kosma)
6.Ko's Daydream
7.Lullaby (Y.Yamashita)
8.Bird (Y.Yamashita)

ミミズのコメント

1990年にCDとして再発された折りの小川隆夫さんのライナーによれば、 オリジナルアルバムの発売当時、山下さんが「チュニジアの夜」や「枯葉」を演奏する というのは晴天の霹靂であり、新境地か軟弱化かという物議をかもしたそうな。

軟弱化というのはあんまりな。今の山下さんの活躍を思えば、1つの転機で あったのだと分かるわけですが、ようするに時代が変わったのですね。 何しろ、初期の頃は山下さんにはピアノを貸さない、というホールも多かった というのに、今や各地の公立ホールがこぞって山下さんを招聘し、その上カザルス ホールでソロコンサートが開かれるご時世です。

で、現在のファンであるミミズの耳からしてみると、大好きな山下さんの 「チュニジア」や「枯葉」の初期の形が聞けるのが嬉しい。「枯葉」なんて 一見フリーそのものの演奏ですが、所々かすかに枯葉の匂いがして、あ、これはちゃんと 計算しているな、と思えるわけです。面白いですよ。「バンスリカーナ」や「キアズマ」 は山下洋輔トリオ25周年を記念して録音された、 THE WAYS OF TIME にも収録されていて、 聞き比べるのもまた一興。

あともう一つ。Ko's Day Dream というタイトルが興味深いですね。 コウと言えば、山下さんの一人っ子康輔さんのことに違いないんですが、そういえば この曲についてのコメントは読んだことがないです。

(1997年5月6日)
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