PLAYS GERSHWIN/山下洋輔

(H00U20013 / KITTY RECORDS)
personel:山下洋輔(p)
          Cecil McBee(b)
          Pheeroan akLaff(ds)
date:1989年5月2・3日
place:Clinton Recording Studios,NY
MARKETED BY POLYDOR K.K.

1.Love Is Here to Stay (I.Gershwin-G.Gershwin)
2.A Foggy Day (I.Gershwin-G.Gershwin)
3.My Favorite Things (R,Rodgers-O.HammersteinU)
4.But Not For Me (I.Gershwin-G.Gershwin)
5.I Love You Porgy (I.Gershwin-D.Heyward-G.Gershwin)
6.It Ain't Necessarily So (I.Gershwin-G.Gershwin)
7.I Got Rhythm (I.Gershwin-G.Gershwin)
8.Someone To Watch Over Me (I.Gershwin-G.Gershwin)
9.Embraceable You (I.Gershwin-G.Gershwin)

ミミズのコメント

ご覧のとおり、M3以外は全曲、アイラとジョージのガーシュイン兄弟による ナンバーです。私、このCD大好きなんですけどね、どうもアメリカでライブをやった時は 今一、評が良くなかったらしいです。うーん、「日本人にガーシュインが分かってたまるか!」 っていう感情があるのかなあ。どうなんでしょう?

山下さんのガーシュインに対する思い入れは結構強くて、95年の大晦日には、 渋谷のオーチャードホールで「ガーシュイン・ナイト」をやってました。 M6とかM7とか、おおたか静流のボーカルでやったんですよね。良かったなあ。 それに、譜面通りにやらないRhapsody in Blue 。これはもうライフワークだし。

さて、かつての(今でもしょっちゅうですが)山下洋輔の溶岩流のようなピアノしか 知らない人には、このCDは少し意外かもしれません。肘打ち拳固などの爆発シーンが あまりない。構成がきちんとしていて、行き当たりばったりな感じもない。(旧山下 トリオの演奏が行き当たりばったりだったと言っている訳じゃありません。)

でありながら、やはりこれは山下さんの音楽であり、その中でもとりわけNYトリオ だけの音なんですよ。セシル・マクビーもフェローン・アクラフも、やろうと思えば コテコテのフリージャズができる人たちです。でも、彼らが敢えて選んだやり方は そういうものでは無かった。

もう一つ、初期の山下さんのレコードというと、ライブレコーディング1本勝負、 1曲30分! 的な、ライブの現場を切り取って記録に残したものが殆どなわけです。 それが段々に、アルバムはアルバムとしてちゃんと作品の形にしたい、という考え方に 変わってきたようですね。

この辺、分析し出すと巨大長編の山下洋輔論になっちゃうし、ミミズはまだそこまで 考えがまとまってませんので、墓穴を掘る前にこのくらいでやめます。ま、ものは試し、 古い年代のCDと聞き比べてご覧なさいませ!

(1997年5月9日)

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