personel:山下洋輔(p) Cecil Mcbee(b) Pheeroan akLaff(ds) Joe Lovano(ts) date:1992年5月11・12日 place:Clinton Recording Studios,NY 発売元:ポリドール株式会社
変拍子の名曲 Kurdish Dance が1曲目を飾る、スイングジャーナル賞受賞の まさに名盤。NYトリオが初めて'ゲスト'というものを迎えた点も特筆すべきでしょう。
表題曲が山下ファンの間ではとりわけ人気の曲だけに、どうしても目が(耳が?) そっちに行ってしまいがちですが、このアルバム自体も変化に富んだ構成で、 聞くほどに面白い奥行きの深いCDです。
変化の一端がゲスト参加のジョー・ロバーノであることは勿論です。Kurdish Dance では 軽快な変拍子に紛れてあまり感じませんが、他の参加曲では4人の息詰まるような 緊張感が伝わってきます。ライナーノーツによると、山下さんは「とりあえずサックスを 入れてみたかった」と語っているようですが、それがNYトリオにとって良い刺激に なったのは確かなようです。
カルテット演奏とバランスをとるように、ピアノソロも2曲入ってます。どちらも 小品でながら聞きしてると聞き逃しちゃいますが (^^;) 、じっくり聞くとじわ〜っと 味の出てくる、これも名演。で、これらに挟まれたトリオの演奏のところに来ると、 聞いてる方も何となくほっと肩の力が抜けるというのが不思議です。
あ、今気が付いたんですけど、ここまでのNYトリオのCDって、電車関係のタイトル 多いですね。どれもちょっとアップテンポ、縦に刻むリズム、聞く者に迫って 来るような雰囲気が共通しているようです。
NYトリオのCDは年代順に聞いていくのも一つの手ですが、とりあえず1枚という のであれば、この辺から当たってみるのも良いかも。
(1997年5月15日)
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