personel:山下洋輔(p) 小松康(b) 堀越彰(ds) ゲスト 林栄一(as)(M6,8,9) 菊地成孔(ts)(M7,8) date:1992年10月23・24日 place:STUDIO KEY STONE A-studio,Tokyo
山下洋輔トリオと言えば、60年代末から80年代初頭まで世界の ジャズシーンを席巻し続けたあのトリオ。続いて、86年にNYのジャズ メンとNYで結成したのが山下洋輔NYトリオ。そして1990年、 オーディションを経て日本で結成された3つめのトリオが山下洋輔 ニュートリオです。ニュートリオは93年いっぱいで解散しましたが、 山下さんとドラムの堀越さんの固定メンバーにコンサートごとにゲストを 加える、という山下洋輔デュオプラスが現在活動を続けています。
他の2つのトリオに比べて、ニュートリオの際だった特徴と言えば年齢差。 20才くらい違うのかな? 当然、若い! 雰囲気が断然若々しい。
山下さんが、若い世代のバンドに飛び入りして弾きまくる、という場面を 何度か見る機会がありましたが、面白いんですよね。まずはバンドがグチャグチャ になっちゃう。それから、メンバーが個々にありとあらゆる手を尽くして、 応酬を開始。(中にはお手上げ状態の人もいない訳じゃないですが。) やがてバンドの発するエネルギーは最高潮に達し、すると、何をどうするんだか 知りませんが、山下さんを中心にしっかり曲が曲になって、ちゃんちゃん、て 感じで終わってしまう。
山下さんがやっていることは、いつもと同じなんです。だけど、一緒に演奏して いる人たちの顔つき、音が全然変わっちゃう。いぢわるなミミズはこの変わり様 が面白くて、よく山下さんあり・なしの聞き比べとかやるんですけどね(苦笑)。
何を言ってるのか分からなくなってきましたが。要はこのCDには、そういう 山下さんと若い人たちとの衝突が生むエネルギーを彷彿とさせるものがある、て こと。本当は、現場に行って感じて欲しいんですけどね。このアルバムでも 疑似体験できます。
(97年6月8日)