personel:山下洋輔(p) Cecil McBee(b) Pheeroan akLaff(ds) Joe Lovano(ts)(M1,5,6) Tim Berne(as,bs)(M2,5,8) date:1994年5月31日・6月1日 place:Clinton Recording Studios,NY 発売元:ポリドール株式会社
これらの曲目を見て懐かしい! と思ったあなた。迷わずすぐに買いま しょう。まず失望することないと思いますよ。もし聞いていて胸が熱くなるよう だったら、是非、次は勇を奮って、ライブに行きましょう。そりゃ、昔程じゃ ないかもしれませんが、ジャズの生演奏を聞ける場所はまだまだ沢山あります。
なあぁんてね。
このCDの出た1994年という年は、「世界に衝撃を与えた」という 枕詞付きで語られる、あの旧山下洋輔トリオが結成されてから25年という 記念すべき年だったそうです。(結成メンバーは山下洋輔・中村誠一(s)・ 森山威男(ds)でした。みんな、20代。)そこで、現山下洋輔NYトリオが かつてのトリオの名曲を演奏したらどーなるだろうってんで作ったのが、これ。
と言っても、ああ昔は良かったね、みたいな辛気くささはございません。 ここで聞くことの出来るのは、あくまでも今の山下さんが作る音楽です。 試行錯誤の連続だったであろうかつてのトリオの頃と違って、今の山下さんには 確固とした自分の方法論があるでしょうし、NYトリオで作るCDもこれで7枚目。 その熟成の妙味というものもあります。
それでも、熱くなると言うか、ドキドキ・ワクワクさせられるものが、 このCDにはありまして。スタジオに火花が散っているのが見えるような気が するんです。唯一の新曲 Acupuntura なんかははサックス二人が揃い踏みでして、 圧巻。ゲストの入っていない曲、例えばM4のような静かな曲でも、どこか 静かな興奮というようなものが伝わってきます。やっぱり、山下さんにとって 思い入れの強い曲が揃っているせいかもしれませんね。
しかしこうなると、オリジナルもちゃんと聞きたいよなあ。レコード時代の 山下さんのアルバムは数え切れないほどあるのですが、早いとこCDで再発して 欲しいです。
(1997年5月25日)