personel:山下洋輔(p) Maurcio Carriho(g) Pedro Amorim(bandolin) Paulo Sergio Santos(cl,ss) Marcos Suzano(prc) date:1995年10月31日(サン・パウロ)、11月1日(リオデジャネイロ) place:Teatro Municipal de Sao Paulo, Hotel Copacabana Palace,Rio de Janeiro,Brazil All selections composed by Antonio Carlos Jobim, except M8. M1,4-7 arranged by Mauricio Carriho.
These two concerts titled “Yosuke Yamashita Chamber Music Concert -Homage to Antonio Carlos Jobim” were held as “Close-up Japan Sao Paulo/Rio de Janeiro 1995”,sponsered by the Mitsui Public Relations Commitee.
インナースリーブに、このような但し書きが付いています。
95から96年にかけて、このコンサートの余波でしょうか、 山下さんはジョビンの曲を弾きまくっていました。「ちょっと妙な曲です」 という紹介で、 Meu Amigo Radames や Surfboard をよく取り上げていました。 聞きながら、なーんとなく違和感があったのを覚えています。ラテンの リズムと山下さんの音楽は相容れないんじゃないか? というような。
そういう訳で、今年(97年)になって、こんな素晴らしいCDが発売 され、正直言ってかなり衝撃を受けました。
詳しいことはわかりませんが、ブラジルの音楽家たちがサンバではなく ショーロ(よりブラジルの伝統音楽に近いポピュラー音楽?)の人たち だったのが成功の一因だったようです。ライナーによれば、ショーロの 世界では当代随一の売れっ子たちだそうです。Suzanoのアルバムは 手に入れたのですが、確かに素晴らしいです。他の3人が組んでいる オ・トリオというバンドのにはまだお目にかかってない!
山下さんがジョビン本人と出会い、その演奏を聞いて感銘を受けたのが 94年4月のカーネギーホール。その半年後に、日本ブラジル修好百周年記念 イベントの企画が舞い込む。すかさず山下さん、ジョビンを取り上げることに 決めた。ライナーにはこのアルバム成立の経緯がこのように記されています。
このCDをさんざん聞いた後に、ジョビンのCDを聞き返してみると、 今までとは全然聞こえ方が違う。何というか、都会的で洗練された メロディーやハーモニーの根底から、じわじわと民族のエネルギーが にじみ出てくるような....。ショーロ風のアレンジを聞いてしまったせいで、 そういうイメージが頭から離れなくなってしまいました。(民族といって 一括りにできる民族じゃないですけど、そこは置いといて。)
M8は唯一山下さんのオリジナルでソロ演奏です。これが、切々として 涙が出そうなほど美しい! 後半のアルペジオを多用しながら最高潮に達する あたりは、何度聞いても(今も3回程聞いてますが)鳥肌がたちます。
とにかくはまります。
(97年6月9日)