personel:山下洋輔(p) 森山威男(ds) 中村誠一(ss,ts) date:1970年1月14日(1990年9月21日発売) place:東京 JVCスタジオ price:定価2300円(税込み)
前回のスタジオ録音からわずか三ヶ月で早くもトリオは新しい地平に到達している。 山下氏と森山氏の有機的な絡み方がかなり濃密になっており、その傾向は、 ほぼ全曲に渡ってピアノとドラムのデュオ形式で展開する2に顕著 に現れている。この後5年間に渡って人々を魅了し続けた二人の掛け合いの萌芽を、 熱心なヤマシタ信者であれば随所に聴き取ることができるはずだ。 この強力なリズムに合わせて中村氏のソプラノが縦横に飛び回る1.も名演。 69年のメジャー二作が既存のフリージャズからのもがきながらの飛翔であるとすれば、 70年代初頭のこのアルバムは真のオリジナリティを確立した山下トリオの、 大いなる産声なのかもしれない。 (1998年7月)