ぼやいている場合じゃ無かったですね。こんな大切なレポートを まだやってなかった!
●10/24 山下洋輔ソロコンサート at 阿佐ヶ谷
阿佐ヶ谷ジャズストリート'97という催しが10月24・25日にわたって 行われまして、その一環です。ミミズは仕事の都合で、山下さんの以外は 聞くことが出来なかったのですが、本当は横浜Jazzプロムナード同様、 通し券で数十のコンサートが聞き放題。街を上げてジャズ!というイベントが あちらこちらで開かれているようで、嬉しいですね。
さて、この夜の曲目です。
1部 Round' Midnight / Encounter '86 / Brunetta / 仙波山
2部 Night in Tunisia / Blue Monk / Echo of Gray / Spider / Bolero
アンコール Autumn Leaves
神明宮という阿佐ヶ谷駅から徒歩5分くらいの神社の境内に、神楽殿 というか、小型の能舞台と思しきものがたってまして、そこがステージ。 (どうやってピアノを上げたんだか。)その前一面にむしろが敷かれてまして、 客はそこに膝抱えて座ってます。ピーク時で7〜800人はいたと思う。(いや 途中でどやどやとお客さんが増えたときがあったな。1000人に達してたかも 知れないぞ。)
山下さん、演奏もご機嫌ならご自身も大層ご機嫌。それもそのはず <山下洋輔ジャズを知る>という重要な8年間(とおっしゃってたと思う)を この阿佐ヶ谷で過ごしていたのですね。その頃の思い出話しとか、舞台の前で 焚かれている篝火がインスピレーションをかき立てる、火がついたピアノを 弾いたときのことを思い出した、などなど、嬉しそうに話してました。 ご本人もおっしゃっていた通り、本当に演奏を楽しんでいた模様です。野外、という状況は演奏者にも観客にも、何か特別な作用をするのでしょうか。 Brunetta の慈しむようなゆったりとしたメロディーでも、仙波山 などでの 興奮の極致での拳固・肘打ちでも、何かのびのびと自由に音を操ってる感じの山下さん。 こちらは境内を埋め尽くす無数の観客に混じって、 時にはしんみりと時には手に汗握りながら、 全身で山下さんの音を受け止めます。篝火のパチパチはぜる音や火の勢い、 ぱっと上がる火花、上空を渡っていく風に境内の大銀杏がざわざわいう音、 までがピアノの音にシンクロしているようです。山下さんの音を介して、 自然と一体になるような、不思議なひとときでした。
そうそう、青天井ではありますが、舞台がちゃんと反響板になるし
周りを塀や建物で囲まれてるしで、かなり音の通りがよいです。
よくぞ、ジャズにこういう場所を提供して下さいました。
と、面識のない宮司さんにお礼が言いたくなってしまう。
ほんと、実に良い雰囲気で最高のライブでした。