12月5日(金)

 どんどん行きます。

●11/20 向井滋春5days初日 「八向山」 at 新宿PIT INN

 向井滋春(tb)・山下洋輔(p)・ヤヒロ・トモヒロ(prc)

 久しぶりだなあ、八向山! これが聞けると思うと、もうウキウキもので、 仕事なんて手につきゃあしません。ありとあらゆる万難を排してでも、 とにかく聞きたいバンドなのですよ。

 曲目(多分、合ってると思うけど、この時とったメモが酷い状態になってて(^^;) )
1部 八向山(by山下)/サマルカンド(by向井)/Echo of Gray (山下)/Purple Field(向井)
2部 Forever(向井)/Double Sides(山下)/トーンホール(向井)/Fest of Lights(山下)
アンコール 曲名?

 この日、外は晩秋の冷たい雨が降ったり止んだり....の陰鬱な天気だったのですが、 演奏が始まった途端、日溜まりの中にいるような、ほのぼのと嬉しい気分になって しまったのは実に不思議です。
 このバンドは、音響の良いホールで演奏するときは「室内楽団」と名乗って 音響装置なしの生音で通すのが常です。ま、ピットインではそういう訳にはいきません ので、マイクが林立してましたが。でも、八向山ならではの自然で自由で暖かい音に 変わりはないのでした。

 とは言うものの、このテーマ曲ともいうべき八向山。 山下さん作らしいちょっと過激な(?)節回しで演奏者もついつい 乗せられてしまうらしく、終わって向井さん開口一番「こんなハードなバンドを 初日にもってくるんじゃ無かった」。ガンバレー! 先は長いぞー。
 あ、でも今回向井さん、主役だけあってかなり気合い入ってました。 立ち上がりも凄く早かった。もともととても柔らかい音を出す人なので、 ガンガンという感じにはなりませんけど、ソロの時、音という音がどんどん決まって 実に格好良かったです。
 続くサマルカンド。その柔らかいトローンボーンにぴったりの牧歌的な曲です。 ピアノソロが、最初オアシスの水底から空を見上げているような、 そう、ちょっとくぐもって明るい感じから始まって、それがやがて奔流のような 怒濤の勢いを見せて、これまた気持ちよかった。
 そして、ミミズお気に入りのEcho of Gray。この辺りから、実は意識が 八尋さんのほうに釘付けになってました。八尋さんはいつ聞いても凄いんだけど、 この日はまた格別に凄い気がしまして....。どこがどうってわけじゃないんだけどなあ?
 とにかくこのEcho of Grayの時の八尋さんは、 (ご存じの通りバッハ的な曲でございますから)ピアノ、トロンボーンの向こうを張って、 まさに打楽器で奏でる対旋律。決して伴奏役なんかに収まっていなかったのです。

 2部になると、八尋さん凄い凄い!(と、メモにも書いてある(苦笑))という傾向は ますます強くなっていきます。もしかしたら、山下さん・向井さん、 二人のおじさんたちが八尋さんと遊びたくて続いているバンドなんじゃないかなあ、 八向山って。あ、八・向・山それぞれ30代・40代・50代なんですよ、 知ってました?どーでもいいか、んなこと (^^;)

 Foreverは、p・tbのデュオ演奏でした。ゆったりめの落ち着いた、 これまた向井さんの音色にぴったりのしみじみとした曲です。Double Sidesは 山下さんの今年の新曲で、前にも書きましたけど変拍子のちと複雑な曲。 これが不思議と、この日の演奏の中ではもっともジャズらしかったという。 八尋さんはハイハットを使わないんだけど、なぜかあの、チーチキチーチキいう 4ビートの音がちゃんとする。器用な人です。 (器用とか、そーゆー問題じゃないと思うけど、ね。)
 その後は、格闘技でした(笑)。おじさん二人vs八尋さんの(爆笑)。 ほんと、二人がかりで八尋さんと戦ってる感じ。一度八尋さんが金属系の楽器を 多用してほとんど蛇踊り(ジャオドリ:ほら、中華街でやる)みたいになっちゃって、 実際あの時は、手が着けられない雰囲気でしたね。面白かったあ!
 で、そういう決戦のさいの山下さん・向井さんが、こっちが羨ましくなるくらい、 いや、もとい、嬉しくなるくらい楽しそうな訳です。たまりません。 (とにかく、お近くに八向山が来るようなら、是非聞いて下さいよ。 損はさせませんから。)

 お陰様で、ほのぼのと楽しい気分で家に辿り着きましたが、しかし、 これが初日では、確かに先が思いやられたでしょうね、向井さん。
 などと言いつつ、4日目にも出かけていくミミズなのであった。次回もこうご期待!?


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