4月18日(土)

 どーもぱっとしない天候が続いているので、頭の中までどんよりしていると
「あーめはー、ふーるーふ〜るー、じょーがしまのー」
むむむ、これはこの間、米良美一が歌った城ヶ島の雨 であるな(苦笑)。

●3/21 米良美一の世界 @彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール
 出演:米良美一(カウンターテナー) 現田茂夫(指揮) 日本フィルハーモニー交響楽団

1部:オペラ「ヘンゼルとグレーテル」序曲 (フンパーディング)/ オペラ「セルセ」より オンブラ・マイ・フ (ヘンデル)/オペラ「リナルド」より 私を泣かせたまえ (ヘンデル) オペラ「ファウスト」より ロマンス (グノー)/オペラ「ファウスト」組曲より ヌビア人の踊りトロヤの娘たちの踊りフリネの踊り (グノー)/ 万霊節(R.シュトラウス)/明日(R.シュトラウス)

2部:城ヶ島の雨 (梁田 貞)/この道 (山田耕筰) /グリーンスリーブス (作者不詳) /愛の挨拶 (エルガー)/母が教えたまいし歌 (ドヴォルザーク)/歌の翼に (メンデルスゾーン)/ジュ・トゥ・ヴ (サティ)

アンコール:映画「もののけ姫」テーマソング


 ほっとしたことに、アンコール曲だけを目当てに来たミーハー系のお客さんは 居なかったようで。
 映画の空前の大ヒットで、米良さんも度々TV出演してましたが、 歌うのは「もののけ姫」ばっかりで物足りない思いをしてました。そういう折りに こういうコンサートが企画されてグッド・タイミング!と思っていたら、 1年前にもここでコンサートをやってたそう。さすがは彩芸。

 一部は、むしろオーケストラに見せ場を持ってきた構成。 で、あれー一体これはどうしたことだ?と思ったのですが、日フィルが上手い(失礼)。 何回か国内の交響楽団のボロボロの演奏を聞いてしまい、すっかり偏見に染まっている ミミズなのですが。多分、曲の得手不得手というのもあるんでしょう。 (前に、日フィルでえらくがっかりさせられた時は、指揮者が小澤征爾でマーラーだった。)

 米良美一の衣装が面白かった。鮮やかなアースカラーのオーガンジー(っぽい布)を 重ねた、凝ったデザインのチュニック。丈が長いので一見スカートのようにも見えて、 声ともども非常に中性的な雰囲気です。

 で、オンブラ・マイ・フ。第一声で震えがきましたね。こんな声は知らない!という 感じ。世界で数人しかいないというカウンター・テナーです。ミミズも「もののけ姫」 のおかげでこういう特異な領域があることを知ったくちでして(^^;)。その点、 あの映画には感謝せねばならない。
 もっとも、「もののけ姫」が何であんなにヒットしたのか、今一つ合点がいかない のですが。あれ、決して万人受けするような内容じゃないと思うんだけどなあ。 ファンタジーでもロマンスでもないし、かなり重いテーマで 結末もすっきりと問題が解決するわけでなし。日本人は、あのテーマを突きつけられて ちゃんと受け止められるほど、人間が出来てたっけか?
 宣伝活動の勝利か? まあ、あの映画のおかげで少しでも環境問題に敏感な人が 増えたかもしれないし、いっか。

 2部は、米良美一オン・ステージだったわけですが、惜しむらくは1部よりも 声が出てなかったみたい。不調だったのだろうか。
 でも、大好きな 城ヶ島の雨 は結構良かったぞ。声も不思議な美しい声 (臈たけたと言いたいくらいの)ですが、普段オペラで活躍しているだけあって、 当然表現力もあるのですね。城ヶ島 は前編・後編でまったく曲調の違う難しい曲 ですよね。あの声では後半の力強い部分は違和感あるかな、と思ったんだけど 船頭さんのかけ声もすんなりこなして、オオー!と。
 あとは、わりとソフトな曲調の作品が多かっただけに、ミミズにとってはあの瞬間が ハイライトでした。

 アンコールは、当然これでしょう。生で聞いた方が全然良い曲です(苦笑)。 ホールの響きの良さが効いてます。

 それにしても、早く天気良くならないかな。利休鼠の雨は歌だけでいいよー。


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