無理を承知で、外タレ3本まとめて行きます! (^^;)
5/31 パコ・デ・ルシア セクステット at浦和市文化センター大ホール
パコ・デ・ルシア(g)、ホアキン・グリロ(ダンス)、カルロス・ベナベント(b)、
ラモン・デ・アルヘシーラス(2nd g)、ホルヘ・バルド(fl,s)、
ファン・マヌエル・カニザレス(g)、ルベン・ダンタス(prc)、デュケンデ(vo)
セクステットといいつつ、オリジナル・メンバーとはやや編成が違ったようです。
パコの、どこを切り取っても絵になる、素晴らしいソロからスタート。
ソロはこの1曲だけで、あとはすっかりグループの一員として演奏を楽しんでいた
様子。でこの演奏の多彩なこと。
人数や編成にとらわれずに、ひとりが何役もこなして頻繁に持ち替えたり手拍子役に
移ったり、踊りだしたり唄ったり...。
フラメンコのリズムにどうしてこんなに胸が高鳴るのか。おじさんがたったひとり
舞台中央で踊る姿が、どうしてこんなに真に迫って見えるのか。
(悪いけど、ホアキン・コルテスよりこっちの方が好きだぞ。)
メンバーの好演に見せたパコの笑顔が、何でこんなに感動的なのか。
やれブレリアだアレグリアスだ、とフラメンコの曲が並んでいますが、
何だか雰囲気がアフロ的になったり、ギターのソロがジャズのりになっちゃたり、
えらくパーカッシブなフルートが入ったり...そうそう、ベースもエレキだったし。
ああ、それなのにそれなのに...。やっぱりそれは、この上もなく贅沢なフラメンコの音楽なのでした。
地元でこーゆー豪華絢爛な出し物をやられると、つい胸をそらせたくなっちゃう(笑)。
6/2 ピアニスト100 13/100 at彩の国埼玉芸術劇場 音楽ホール
ウラディーミル・アシュケナージ(p) 曲目 モーツァルト:ソナタ第8番イ短調k.310 ベートーヴェン:ソナタ第21番ハ長調op.53「ワルトシュタイン」 ショパン:夜想曲第15番ヘ短調op.55-1/幻想曲ヘ短調op.49/ マズルカ第37番変イ長調op.59-2/マズルカ第32番嬰ハ短調op.50-3/ スケルツォ第2番変ロ短調op.31
とんでもない大物なのである。ピアノのソリストとして高名なことは勿論、 室内楽も手がけ、指揮者としては世界の有名オーケストラの音楽監督や主席指揮者を歴任。 大体、彩芸でS席10,000円はかなり高額であり、それだけでも大物ぶりがわかるというもの。
そのえらい人の登場の仕方が!
どっかの魚屋のおやじが、間違って舞台の上に迷い出てしまったような
おどおどした歩き方。はにかんだように首から上をちょこんと動かして満場の拍手に応え、
ストンと腰を下ろしやおら弾き始める!マエストロの威厳のいの字もない(笑)。
(凄い集中力だとは思います。一呼吸も置かないんだから。)
しかしこれ、なんて親しみの湧く、飾り気のない暖かい弾き方なんだろう。
大げさに腕を振り上げたり音に入れ込んだ素振りがないので、一見、たんたんと
弾いているようなんですが、柔らかく美しい音で時に情感たっぷり、時に躍動的に...。
そう、マズルカやスケルツォって、舞曲なんですよね。変にこう思い入れたっぷりに
弾くものじゃなかったんだなあ、とか。とても腑に落ちる分かりやすい、でも決して
飽きの来ない...。
やっぱり、伊達にマエストロと呼ばれている訳じゃないんですね。うわー何て罰当たりな。
6/11 レニーニ&スザーノ at渋谷ON AIR EAST
レニーニ(vo,g)、マルコス・スザーノ(prc、パンデイロ)
ゲスト:宮本和史(vo)
故あってこの頃一時的に渋谷で仕事をしていたため、職場からON AIR EAST まで
徒歩10分。夢のような環境だったなあ。それにしても、年に2回もスザーノが
聞けるとは思わなかった。
たった2人の最小ユニットが繰り広げる、それは熱いブラジリアン・ポップス。
心の憂さを吹っ飛ばしてスカッと陽気な気分に盛り上げてくれる、
見た目全然共通点のない2人組。(かたや長髪で小太りやや高めの声、
かたや頭髪やや不自由で痩身見かけによらないバリトン。)
ほんっと盛り上げ上手。スザーノは、高いところに組んであるパーカスのセットに
上がったり降りてきたり、なんですが。その間レニーニがギターかき鳴らし歌いながら、
右へ左へ、まあこまめに動く動く。それじゃなくても乗せられやすい(?)スザーノのリズム!
彼がパンデイロを叩き始めると、一際歓声が大きくなります。
実際「同じあほなら踊らにゃ...」って気分になりますよ。フロアにぎっしりのお客さんで、
とても踊るどころじゃないんですが(苦笑)。いやあ、これ2人でやってるんですからね。
ツァーの為に特別編成で人数増やして、とかなし。参っちゃいますね。
申し訳ないんだけど、ゲストはどーでも良かったな。なんて言うと熱狂的なファンから
剃刀入りのメールが届きそうだから、あんまり言わないけど。でも、アンコールで
再登場した時、わき上がる歓声の中にブーイングの声も混じっていたことは、事実です。