9月29日(火)

 よし!ここまで来たぞ!

7/25 山下洋輔・金子飛鳥 in 檜原村 atフジの森檜原 野外音楽堂

   深山会(檜原太鼓)
   山下洋輔(p)、金子飛鳥(vl)


 山下さんの檜原村でのコンサートも5年目を迎えたそう。ようやっとミミズも 来ることができました!

 雨の用意おさおさ怠りなく出かけた訳ですが、斜面を利用した客席は一面に深々と 杉のチップが撒かれ、雨が滝となって足元を流れることもなく、これは凄い工夫ですね。 上から降ってくる雨は、演奏が始まっちゃうとあまり気にならなくなってたし。 (最前列で聞いてたもので、後ろの方にいた方々より集中しやすかったかも。)

 村長さんのご挨拶のあと、始めに深山会の演奏。曲目は
雷舞(らいぶ)太鼓流れ太鼓大岳(おおたけ)勇み太鼓山吹深山(みやま)太鼓
 曲名を見ても分かるとおり、檜原を取り巻く大自然を音に写した創作太鼓。 メンバーは男女取り混ぜて小学生から大人まで10人あまり、実際にはもっと会員が いるのだそうです。それぞれ揃いの法被にはちまき姿、晴れがましくて良いやねェ。
 曲のはじめに1人が「らいぶだいこぉ!」のように叫ぶと「とやっ」とばかり 演奏が始まります。当然技量にばらつきがあるでしょうから、プロのような完成度は 望むべくもありませんが、構成に工夫をもたせてなかなか見せる太鼓でした。 勇壮な曲は勇壮に軽やかな曲は軽やかに、チームワークで取り組んでいる姿が すがすがしいです。
 会長さんがマイクをとって深山会の由来や曲目紹介をする中で、 「うちの娘が学校でみんなから『村っ子、村っ子』って言われて嫌だ嫌だと言うんです。 良いじゃないですか、村っ子で、ねえ」というような発言をされてました。こういう、 胸張って郷土を愛し太鼓の会の会長やっちゃうようなお父さん、格好良くていいなあ。

 若干の休憩をはさみ、いよいよ!山下さんの登場。曲はRound Midnight 。 よくやる曲ですが、真夜中と山の中、というのがイメージ的にぴったりきて格別です。 もっとも、レインコートで雨をしのぎながら縮こまって聞いているので、 山の気を背中にひしひしと感じながら...とはいかないのが残念ですが。
 2曲目から金子飛鳥さんとのデュオです。(飛鳥さんは手持ちの中から 一番良いバイオリンを持ってこられたそうで、いつもの、顎当てしか付いてない 不思議な形のエレクトリック・バイオリンではありませんでした。)
 まず、しばらく前にNHKでこの曲をネタにしたドキュメンタリーが放映されて ますます有名になったKurdish Dance 。続いて公開が待ち遠しい 今村昌平監督の「カンゾー先生」テーマ曲Dr. Kanzo 。どちらもテンポと リズムが小気味よい曲です。うーむしかしこの曲でカンゾー先生はどんな風に 走るのだろう??? ただ走るのではなく力走するっていうんですが...?
 次に飛鳥さんオリジナルのDance of Void 。虚無の踊り...などと言われると 何やら難しげですが、飛鳥さんらしいスパイスの効いた、虚無というより、 沢山色んなものが詰まった曲に思えました。ジャズではありませんが、山下さん すいすい入っていきます。いつもながらお見事。
 あとは山下さんの曲でFuga de la Liberation 10th Theme Fuga −はバッハ・イディオムの曲でバイオリンの音に一番ぴったりしてたと 思いますが、即興同士の掛け合いの場面になるとピアノがバイオリンを圧倒。 むしろ勢いでどんどん行ける10th Theme の方が完成度が高かったかな? この辺、雨の中とてメモがとれず、はっきりしないんですが。

 雨は殆ど土砂降り状態でした。演奏が続行されるなら、死ぬ気で(というのは 大袈裟ですが)聞いていく覚悟でしたが、プログラムはここまでとなりました。 アンコールはSummer Time 。けだるい曲調。まるでもとから バイオリンの為の曲のようです。凄く美しくて聞き惚れました。 それから全くの即興によるHinohara Blues 。こっちは山下さんの独擅場でした。 一応、飛鳥さんのソロの番になると少し控えめになるんだけど、 すぐ、どわぁぁっという感じで戻ってくる(笑)。んー、 こうなるとバイオリンという楽器は根が上品だから辛いかあ?

 立ち上がったら、ベンチに水が溜まっていたのか、お尻がしっとりしていて 参りました(苦笑)。終わった途端に雨が小やみになって、全く憎たらしいったら!
 まあ、聞いている方も大変でしたが、あの雨ではスタッフがどんなに苦労されたことか。 本当は、アンケート用紙にご苦労様!と大書したいところだったのですが、 諦めてしまいました。天気が悪くてもきっとまた来ますから、 これからも是非頑張って下さい! (きっと、山下さんも弾き足りなかったでしょうし、ね。)


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