よし!ここまで来たぞ!
7/25 山下洋輔・金子飛鳥 in 檜原村 atフジの森檜原 野外音楽堂
深山会(檜原太鼓)
山下洋輔(p)、金子飛鳥(vl)
山下さんの檜原村でのコンサートも5年目を迎えたそう。ようやっとミミズも
来ることができました!
雨の用意おさおさ怠りなく出かけた訳ですが、斜面を利用した客席は一面に深々と 杉のチップが撒かれ、雨が滝となって足元を流れることもなく、これは凄い工夫ですね。 上から降ってくる雨は、演奏が始まっちゃうとあまり気にならなくなってたし。 (最前列で聞いてたもので、後ろの方にいた方々より集中しやすかったかも。)
村長さんのご挨拶のあと、始めに深山会の演奏。曲目は
雷舞(らいぶ)太鼓/流れ太鼓/大岳(おおたけ)勇み太鼓/山吹/深山(みやま)太鼓。
曲名を見ても分かるとおり、檜原を取り巻く大自然を音に写した創作太鼓。
メンバーは男女取り混ぜて小学生から大人まで10人あまり、実際にはもっと会員が
いるのだそうです。それぞれ揃いの法被にはちまき姿、晴れがましくて良いやねェ。
曲のはじめに1人が「らいぶだいこぉ!」のように叫ぶと「とやっ」とばかり
演奏が始まります。当然技量にばらつきがあるでしょうから、プロのような完成度は
望むべくもありませんが、構成に工夫をもたせてなかなか見せる太鼓でした。
勇壮な曲は勇壮に軽やかな曲は軽やかに、チームワークで取り組んでいる姿が
すがすがしいです。
会長さんがマイクをとって深山会の由来や曲目紹介をする中で、
「うちの娘が学校でみんなから『村っ子、村っ子』って言われて嫌だ嫌だと言うんです。
良いじゃないですか、村っ子で、ねえ」というような発言をされてました。こういう、
胸張って郷土を愛し太鼓の会の会長やっちゃうようなお父さん、格好良くていいなあ。
若干の休憩をはさみ、いよいよ!山下さんの登場。曲はRound Midnight 。
よくやる曲ですが、真夜中と山の中、というのがイメージ的にぴったりきて格別です。
もっとも、レインコートで雨をしのぎながら縮こまって聞いているので、
山の気を背中にひしひしと感じながら...とはいかないのが残念ですが。
2曲目から金子飛鳥さんとのデュオです。(飛鳥さんは手持ちの中から
一番良いバイオリンを持ってこられたそうで、いつもの、顎当てしか付いてない
不思議な形のエレクトリック・バイオリンではありませんでした。)
まず、しばらく前にNHKでこの曲をネタにしたドキュメンタリーが放映されて
ますます有名になったKurdish Dance 。続いて公開が待ち遠しい
今村昌平監督の「カンゾー先生」テーマ曲Dr. Kanzo 。どちらもテンポと
リズムが小気味よい曲です。うーむしかしこの曲でカンゾー先生はどんな風に
走るのだろう???
ただ走るのではなく力走するっていうんですが...?
次に飛鳥さんオリジナルのDance of Void 。虚無の踊り...などと言われると
何やら難しげですが、飛鳥さんらしいスパイスの効いた、虚無というより、
沢山色んなものが詰まった曲に思えました。ジャズではありませんが、山下さん
すいすい入っていきます。いつもながらお見事。
あとは山下さんの曲でFuga de la Liberation /10th Theme 。
Fuga −はバッハ・イディオムの曲でバイオリンの音に一番ぴったりしてたと
思いますが、即興同士の掛け合いの場面になるとピアノがバイオリンを圧倒。
むしろ勢いでどんどん行ける10th Theme の方が完成度が高かったかな?
この辺、雨の中とてメモがとれず、はっきりしないんですが。
雨は殆ど土砂降り状態でした。演奏が続行されるなら、死ぬ気で(というのは 大袈裟ですが)聞いていく覚悟でしたが、プログラムはここまでとなりました。 アンコールはSummer Time 。けだるい曲調。まるでもとから バイオリンの為の曲のようです。凄く美しくて聞き惚れました。 それから全くの即興によるHinohara Blues 。こっちは山下さんの独擅場でした。 一応、飛鳥さんのソロの番になると少し控えめになるんだけど、 すぐ、どわぁぁっという感じで戻ってくる(笑)。んー、 こうなるとバイオリンという楽器は根が上品だから辛いかあ?
立ち上がったら、ベンチに水が溜まっていたのか、お尻がしっとりしていて
参りました(苦笑)。終わった途端に雨が小やみになって、全く憎たらしいったら!
まあ、聞いている方も大変でしたが、あの雨ではスタッフがどんなに苦労されたことか。
本当は、アンケート用紙にご苦労様!と大書したいところだったのですが、
諦めてしまいました。天気が悪くてもきっとまた来ますから、
これからも是非頑張って下さい!
(きっと、山下さんも弾き足りなかったでしょうし、ね。)