とっても素敵な夜を1本。(と言いつつ筆力が追いつかない(^^;;; )
8/2 綾戸智絵 at アルフィー
綾戸智絵(vo)、秋山一将(g)、岡田勉(b)
えー、六本木にある店です。場所は地下鉄の駅から地上に出てすぐ脇、 というとんでもないところです。(田舎者のミミズは、どーもあの街が苦手で。) 入り口を見落としそうですが、中はもの凄くおっしゃれ〜なお店でした。 例によってまた遅刻なんですけど、幸い座れました(^^;) カウンターも入れて50席くらいでしょうか、すぐに満席。
綾戸さんを聞くのは実に2年ぶりのことで、わたしゃこの日が早く来ないかと 心待ちにしてました。なっかなか機会がなくて...。ここのところ、遅刻してもいいから とにかく行く!という習慣(?)ができたおかげで、ま、とにかく聞けました。
初めて聞いた2年前というのは野外コンサートで(1回目のThe Party-Party でした)、
ミミズは今でもボーカルにはあまり関心を示さない方なんですが、とにかくこの時は
感動してしまって。こんなに説得力のある歌い手が日本にいるのか!と驚き、
迫力の歌声とコテコテの大阪弁MCとのギャップに大笑いし...。
今年になって某所で、手に入りにくいと言われている綾戸さんの96年のCD
ONLY YOU (R-9690100)を入手して感動を新たにしたミミズ、とにかく
何がなんでも行くぞ!と思った訳ですね。
ライブハウスでの綾戸さんは、記憶を上回るハッピーな人でした。 「雨の日曜日の六本木の夜」というフレーズが気に入ったみたいで、 何度もこれを連発しながら「こんな夜に来てくれはるお客さんはエライ!」とか、 御機嫌にお客さんとのコミュニケーションを楽しんでました。女性客がとにかく 多かったですね。それも、大多数がかなり熱心なファンとお見受けしました。
丁寧に面白おかしく内容を説明してから歌い始める英語の歌が、 ぐんぐん胸に迫って来ます。この人は自分の世界に浸ってしまうタイプの シンガーではないんですね。On Green Dolphin Street なんかだと、 まるきり表情が「ねえ、知ってる知ってる? グリーン・ドルフィン・ストリート、 行ったことある?」みたいな感じ。常に、お客さんに向かって歌いかけて、 歌を通してお客さんとコミュニケートしてます。 全身から幸せのオーラを発散して、それが嬉しくて仕方がない、と言っています。
その幸せのオーラに巻き込まれるのは、当然お客さんだけじゃないんですね。 随分前に秋山さんのギターを聞いたとき、何だか気むずかしそうな顔をしていて、 ミミズは、この人はそういう人なんだと思いこんでいたんですけどね。この日は 拍子抜けするほど、終始笑顔をたたえてました。それに、いつの間にか客席後方に 控えていたらしく「トコちゃん! もう、叩きたくてたまらないやろ(笑)」と 呼び出された日野元彦さん(ちゃんとドラムセットは用意済み)。 彼も満面の笑みで、元気に叩いてましたっけ。
もちろん、終始パワフルに賑やかにしてる訳ではなく、間に挟んだ ベースともしくはギターとのデュオでは、しっとりとした歌いっぷり。 また違う一面を見せてくれます。これがまた、じーんとくるんです。 どっぷりと彼女の歌声につかって、頭の中に残っていたややこしい事柄は、 ぜーんぶきれいに消え去ってしまいます。
アンコールは綾戸さんがピアノに向かい、弾き語りのBridge Over Troubled Water 。 2年前のジャズフェスで耳に焼き付いている曲。力強くソウルフルな歌に 射すくめられて、身じろぎ一つできません。終わって、はあっとため息一つ。 カタルシスというのはこういう瞬間のためにある言葉なのでしょう。
今年、発売されたCD FOR ALL WE KNOW (ewe records /EWCD 0005)は 結構、あちこちで見かけます。是非、聞いて欲しいです。が、彼女の凄さを知るには ライブに優るものなし、ですね。