3月2日(木)

今日はなかなか春らしい陽気でした。ちょっとやる気になってきたぞ!

●2000年2/19 山下洋輔4G UNIT at新宿PIT INN
 山下洋輔(p)、竹内直(ts,fl)、水谷浩章(b)、高橋信之介(ds)

長年DUO PLUS という形で色々なフォーマットを試しているように見えた山下さん、 行き着いたところは、ご覧の通りトリオではなくカルテットでした。 とりあえずこの晩は2部からしか聞けなかったのですが、いや〜行って良かった。

もともと直さんも水谷さんも、ミミズの気になるジャズメンリスト (そんなものは実在しないけど)の10位内に入るような人々で、それだけでも期待が 高まるというもの。加えて信之介君。'くん'呼ばわりは失礼とは存じますが、 この人、(未確認情報ながら)洗足学園大学の講師である某ドラマーO氏も注目するという 期待の星。ふふふ、楽しみじゃありませんか。

ミミズに限らず世間の期待も高いと見えて、休憩時間に滑り込んだ新宿ピットインは 立ち見の出る盛況でした。熱気むんむんのなかスタートした2部の曲目は For David's Sake /Fragments /パイカジ /Kurdish Dance
アンコールは 直さんの曲で、Thompkins Square Park Serenade
山下さんお馴染みのナンバーばかりですから、懐かしさや親しみも感じます。 でもそれ以上に、新メンバーのサウンドの新しさと気迫に驚かされたというのが 正直な感想。

まず、注目の新之介君ですが、ウィットに富んだドラマーという印象。 イキも良いけどテクニックも兼ね備え、多分、ユーモアも知っているドラマーだと 思います。Kurdish Dance で渾身のソロをたたき上げてテーマに戻ったとき、 カウベルをコンコン叩いて見せたりして、おや結構余裕あるじゃんなどと思ったものです。 しかも、早くも山下さんの手癖を読んでバシッとフレーズ合わせたりするあたり、 なかなか。
水谷さんは、粘っこく存在感のあるところが水に溶かした粘土のようだ、 いやむしろコールタールにでも揮発性のエーテルにもなれる原油じゃないか...? てな具合で彼の主催するLow Blow と同じく実に不可思議なベースです。 とにかくうねうねと身体をくねらせながらたっぷりと、 心ゆくまでベースを鳴らしているのを見ると、妙に嬉しさがこみ上げてきて、 うーんやっぱ良いよなあ、水谷さん。
そして!そして!!直さん!!!格好良い!硬派でクールな外見とは裏腹に、熱いです。 何しろ良い音で歌心だって天下一品ですが、熱がこもってきて海老反り状態で ブギ〜ブヒャ〜とやり始めたらもう止まりません。立ち見で聞いてるこっちも 「やれーっもっと行け〜っ」と足踏みが止まんない(苦笑)。と思うと、 パイカジ では柔らかな音色のフルートを聞かせてくれますし。やっぱ、格好良い...。 願わくば、今度はこのバンドで直さんのバスクラリネットを フィーチャーして欲しいもので。
で、バンマス山下さんのご様子は?というとこれが、 殆どはしゃいでいるように見えるほど嬉しそうで楽しそうでした。 真剣勝負というより真剣にじゃれ合っていると言うのが正しいような。 とはいえただのドシャメシャ街道一直線にならないのは、 年の功というものなんでしょうか? パイカジ の中間のソロは深くて透明感があって聞き入らずにはいられない美しさ。 肘打ち拳固の凄さも相変わらずなんですが、このメリハリがたまらない。

そう言えば、この4Gユニットという名称。Four Generations つまりバンマスから順番に 5-4-3-2と並んでしまう、ということに気付いて付けた名称のよし。 もしかしたら年代のギャップというミスマッチを強みに変えたところに、このグループの 新鮮さの秘密があるのかな?などと思ったりもしたのでした。


●2000年2/24 山下洋輔4G UNIT at高円寺ジロキチ
 メンバー同上

と言うわけで、第2夜です。曲は
1部:For David's Sake /Drカンゾーのテーマ /Fuga de la Liberation /Spider
2部:枯葉 /10th Theme /パイカジ /Kurdish Dance
アンコール:Thompkins Square Park Serenade
曲目を模索中、という感じですね。山下さん言うところの 「枯葉ともつかぬ枯葉のような枯葉」は、ソロではよくやるけれどグループでやるのは 珍しいと思うし。
2回目でちょっとこちらも聞き慣れてきたので、細部で新生グループならではの あらも見えたりしましたが、聞き応えの方がそれをはるかに凌ぎます。聞けば聞くほど 今後が楽しみになってくるバンド。まったく山下さん、 よくぞこのメンバーをセレクトしてくれました。

アンコールだけが直さんの曲なんですね。山下さんはどうしてもこの曲名が 言えないらしく2回とも「何とかかんとかセレナーデ」で済ましちゃったんですが(笑) 、 (直さんのMore than You Know /ON-27(off note)に収録されてます。このCDお薦め!) この曲になると、それまでとはうって変わって凄くスタイリッシュというか、 このグループの違う一面を見せてくれます。 この辺も、これからの楽しみの一つじゃあないでしょうか。
直さんも水谷さんも曲を書く人たちなので(新之介君は分かんないけど、書くのかな?)、 彼らの曲もどんどんレパートリーに加わっていったら、更に色んな顔のある演奏が聞けて きっと面白いだろうなあ、なんて思うわけです。

それにしても...この間のコンチェルトといい、今年の山下さん、目が離せませんね。


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