11月26日(月)

 今年は二日間行くぞーっ、とホテルまで予約して気合い入れてのぞんだ 横濱ジャズプロムナード(YJP)。もう各誌のレポートはとっくに終わってると思うし 大分遅ればせだけど、遅ればせは今に始まった事じゃないもんね。開き直りっ(苦笑)。

●10/6(土)横濱ジャズプロムナード第1日目 その1
 暑くもなく寒くもなくのやや薄曇り。歩き回るには丁度良いお天気。 いつになく余裕をもって横浜入り。関内の駅を出ると早くもジャズが 耳に飛び込んでくる。アマチュアの路上演奏かな? 例年通り通行証は 日別に色違いの缶バッチ。それをチケットと引き替えて出発! さあ歩くぞ。おーっ!てなもんで(笑)。まずは開港記念会館へGo!

12:00-13:00 開港記念会館
 de-ga-show 林栄一(as)、片山広明(ts)、松川純一郎(g)、酒井泰三(g)、
上村勝正(b)、古澤良治郎(ds)

...ベースいたよなあ? 何でプログラムに書いてないんだ?  いたよなあ...ミミズの記憶違いか?

 去年、工事中で使えなかった開港記念会館、椅子が固定になったり2階席の手すりが 頑丈になったりと大分手を入れた様子。でも、古い建物の風情はちゃんと残ってる。  で、ここの1番がデガショー。昼間っからデガショー(笑)。久しぶりだなあ、いつ以来だろ? と思った瞬間、あまりの久しぶりに「付いていけるかなあ>自分?」という不安がよぎったミミズ。 最近、ライブが以前に比べるとかなり間遠になってて、弱気。
 でもなんの! 1曲目からいきなりあの感動と興奮を呼ぶNorth East である。 次がGo-Cart-Twist 。お馴染みのノリノリのナンバーが続き、 「あ〜も〜、ここがオールスタンディングなら踊りながら聞くのに〜っ」などと、 じれている自分がいた。
 実際、最初っからかなりのテンションとノリ。このメンバーが昼日中からこの集中度は 結構えらいと思う(失礼)。パシパシ・スタスタと軽快かつ強烈に駆け抜けるリズムと、時折 ノイズの混じるごう音。全然、この建物にあってない(笑)。一方、この建物によく似合う 上品な年輩の紳士淑女の観客が周りにいっぱいいるのでそれとなく観察してみると、 すごく熱心に聞いているのだ。こりゃかなわん、出よう!という反応がない。 うーむ、さすがYJP、と嬉しくなる。

13:35-14:30? 開港記念会館
 THE TRIO + 1 国仲勝男(ウード)、林栄一(ss)、小山彰太(ds)、国中依子(箏)


 ミミズがウード奏者国仲勝男のライブと聞いて、行かねば!と思いつつ 行きそびれて地団駄踏んだのは...あれは一昨年? それがようやっとチャンス到来。 ミミズ的には本日のメインイベントだった。
 ウードというのは中近東の民族楽器で、西洋古楽器のリュートによく似た弦楽器なんだけど、 フレットが無い、確か。その点、ウッドベースから転向するとっかかりがあるんだろうか? でも、現地で使っている音階では西洋音楽の半音よりずっと細かい音程を使っているので、 本格的にやろうとすると耳の力も必要な、とても難しい楽器だと聞いた覚えがある。

   エスニックでとても和やかで柔らかいアコースティックな音がホールに反響する。 やっぱこの会場はガシガシの電気音よりこういう方が合うみたい。 ウードと箏の相性がとても良い。箏は主に分散和音を奏でてハーモニー担当という感じ。 箏ももともと大陸から渡ってきた楽器だよな。それでこんな風にアジア的に あたたかく共鳴しあうんだろうか?
 彰太さんが使っているあの太鼓はなんだろう? 抱えて叩ける小ぶりのやつで 金属製の胴がきゅっとくびれてる。その太鼓の音もエスニック。 そして林さんのソプラノ! サックスの哲人(鉄人?)と言いたくなるようなさっきの de-ga-show での演奏とはまったく別ものの、美しく澄んだもしくはやぁらかい癒やし系の音色。 自然に。目を閉じて音に包まれる感覚を味わいたくなる。
 1曲終わって林さんが(!)マイクを取る。このメンバーだとMCは林さんになっちゃうのねー(笑)。 今日は国仲さんはベースは弾きません。と釈明する。プログラムには国仲勝男(b)と はいっちゃってるのだ、失礼だよなー。

 次の曲は箏が抜けて3人で林さんの曲ナーダム 。えーっ、この編成で? あ、でもメロディーはもともとアジア系無国籍なのかな。 結果はすごく楽しい演奏だった。中間は祝祭的な雰囲気が漂って、 ドラムのどこどん・どこどん・どこどん・どこどん・すたたか・すたたか・すたたか・とん、 みたいなリズムにのってウードが踊りだしそうだった。ほら、結婚式に 村中一族郎党が寄り集まって中庭で唄い踊ってる、みたいな。
 残りの2曲は箏も入って4人で。 多分、ウードと箏だけで充分、世界は完結するのだろう。さらりと暖かい音の和みたいな ものが弦楽器二人の間にはあると思う。そこへスルスルスルッと入ってきて、 巧みに色を添える彰太さんと、悲しくなるくらいきれいな林さんのソプラノ。 (最後の曲でds-ssで白熱した場面が一瞬あったけど。)
 心にローソク1本灯してもらったような、何とも言いようのない感動の1時間だった。

 しかしここで余韻に浸ってぼーっとしている訳にはいかない(笑)。YJPはまだ始まったばかりだ。 よし、次っ!はまた後日。


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