ハバナビエハはサルサの音楽と躍りであふれている

キューバの物価

Michitaka Suzuki
1998年10月12日
fj.rec.travel.world

まず,通貨について。キューバには3種類の通貨単位がある。ドル, ペソ,ペソ・コンベルティーブレである。ドルはUSのものをそのま まどこでも使える。セント貨幣も同様に使える。したがって,ドル・ キャッシュの両替の必要はなく,路上の両替屋はいない。ペソは, US$1=20ペソと固定されていて,キューバの経済社会で最も良く使 われる。補助単位として,センターボ=0.01 ペソがある。1ペソ= 7円(1ドル=145円,1998年8月)。ペソ・コンベルティーブレは,キュー バ政府が発行している,キューバ国内でのみ使用できるドル/セント・ システムと思えばよく,US$1=1ペソコンベルティーブレが保証されて いる。

庶民の生活場面ではペソ表示で,ホテル,民宿,高級レストランなど の旅行者関係では,ドル表示である。ドルで買い物をすると,おつり がペソ・コンベルティーブレで出てくる。最初は,ペソもペソ・コンベルティーブレも区別がつかないので,おつりをごまかされたと思ってしまう。ご安心あれ,これはペソ・コンベルティーブレです。ドルで買物をすると,財布の中にペソコンベルティーブレの硬貨が貯まって来る。観光 旅行者の軌道から外れ,庶民の生活にひたると,ペソの硬貨がたまっ て来る。これら3種類の通貨を正しく使いこなすのは至難の業だ。

また,ペソとドルは20倍も違う単位だから,どちらで表示されている かは,明白なように思えるが,これが結構戸惑う。おまけに,ペソ表 示の数字の前にも,ご丁寧に「$」が使われる。店の雰囲気でドルか ペソかは大体分るようになっても,一応確認したくなる。

問題 次の通貨単位は何か?
(1) 街のスタンドで,バティード・デ・フルータス(ミックスジュ ース)が1,00と書いてあった。
(2) ハバナからシエンフエゴスまで(300kmくらい)のバス料金 が14,00 と書いてあった。
(3) スーパーで,バナナ4本を買おうとして,60 と言われた。

いなかの町で見つけた葉巻工場

答えは,(1)(2) ペソ,(3) センタボ。つまり,ミックスジュースが 7円,300kmの道のりのバス運賃が約100円,バナナが1本1円,とい うことになる。ただし,(2)のバス料金は前もって何日も前から予約 を入れておいたときの値段で,外国人旅行者がこの値段で乗るのは難 しく,14ドルとられるのが通例である。その代わり,1時間前にバス ターミナルに現れても何とか席を確保してくれる。そりゃそうだろう ,20倍の運賃を払うのだから。長距離タクシーはさらにもう少し高い 値段で,客が集まり次第出発してくれる。

問題その2 次の貨幣単位は何か?
(1) ハバナビエハで1km少々の距離をシクロに乗って,2と言われ た。
(2) 観光ビーチの町で2分ほどタクシーに乗って,3と言われた。

答えは,いずれもドルです。つまり,旅行者が利用するようなものは ,すべてドルで,しかも地元の人が目をむくようなかなり高いツーリ ストプライスになっている。シクロといっても,アジアでよく見かけるあ の安いリアカー付き自転車を思い浮かべてはならない。ここのシクロ とは,タクシーが入れないハバナ・ビエハの狭い道を行くための観光 旅行者がもっぱら使うものである。

同じように,ホテル,民宿の値段もドルで,安いところを捜そうとし ても,20ドル以下のホテル,10ドル以下の民宿を見つけるのはかなり 難しい。このような値段でも,庶民生活の金銭感覚からいうと,法外 な値段になっている。

このように,ローカル・プライスとツーリスト・プライスのギャップ は,凄まじく大きい。

食費は,ペソ・レストランを利用すれば,かなり切りつめられる。 アミーゴが何人ついて来ても財布はびくともしない。地方のレスト ランで,ピザを3つと水(ミネラルウォータのボトルが出て来た) を注文して,ラ・クエンタ(勘定書き)が 6,00 と 1,00 と二つに 分かれて出て来た。足し算をして,7ペソ(50円)を払おうとする と,カマレロ(ウェイタ)に苦笑いをされた。正解は,6ペソ(ピ ザ×3)+1ドル(水)(計200円)である。キューバには高い山が ないので,安い国産のミネラルウォータができないのかもしれない。

確かに,食費の安さは貧乏旅行愛好家にとっては,たまらなく響くか もしれない。しかし,移動費,宿泊費のツーリストプライスを回避す るのは難しい。この点を工夫してキューバ旅行をさらに安く上げる何 かいい案がないものだろうか。

大卒の初任給が140ペソ/月(7ドル)という。これが信じられない 。でも,他の人に聞いても,「そんなもんだろう」という答えが帰っ て来る。配給制はあるにせよ,それは無料の物資が与えられるのでは なく,安い物資をある量まで買う権利が与えられるだけである。どう やって1000円で1ヶ月生活していくのだろう。

共産主義国にも貧富の差が厳然と存在する。それは日本のそれよりは るかに大きい。乞食や極端に貧乏な人はいないかもしれないが,大多 数の国民は耐乏生活をしている。そして,一握りの人達が日本人並み のリッチな生活をしている。

それにしても,ビーチやディスコテカやラム酒バーに集うキューバ人 たちの明るさは,一体,どこから来るのだろう。


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