一年以上ロスに行っていないが,今でもまだ,国際線ターミナルであのイラン人 たちは商いをしているだろうか。
飛行機を待っていると,イラン人が声をかけてくる。初めてのときは真面目に答 えた。
イ: | Excuse me. Are you from Korea? |
僕: | No, I'm from Japan. |
イ: | Oh, Japan! (すごく驚いた口調で) |
とか言って,次に恵まれないイラン人の子供たちのことを写真を見せながら話す。 そして,最後に募金して下さいと来る。ここに来て,冒頭の会話が伏線として効い てくる。「日本人なら金を持っているだろう。証拠を見せろ」とでも言いたげに。 僕は,「友人にお土産を買わなければならないので」と言うが,さらにしつこく迫 ってくる。「じゃあ,少しだけ」と言うと,イラン人のオジサン,これ見よがしに とファイルを開き,「ここに署名して下さい」と言う。見ると,100ドル平均の募金 と日本人の署名が並んでいる。「いくら寄付してくれますか?」と聞いてくる。僕 「じゃあ,1ドル」と言って,署名リストに書き込もうとすると,「じゃあ,いら ない」と言ってファイルを閉じられてしまった。このイラン人のことを信用してい た訳ではないけど,この時その正体がはっきり分ったような気がした。
100ドル平均の寄付金と署名は本物のようだった。使い残した金だからといっても よくもまあ100ドルもの金を使ってしまうものだ。こういうところが日本人が馬鹿 にされる所以だ。次の旅行に使えるし,少なくとも,日本円に両替できるのに,と 思ってしまう。イラン人たちもよくこういうところに目を付けたものだなあと感心 する。最初は小規模だったが,毎年従業員を増やして,かなり大きな「会社」にな った。
二回目以降は完全に無視しているが,次回は,こういうふうにやってみようかな あと思っている。
イ: | Excuse me. Are you from Korea? |
(ちょっとすいません。韓国からですか?) | |
僕: | Yes. How did you know that? Have you been to Korea? |
(はい。どうして分ったの? 韓国に来たことあるの?) |
ここで,相手が何か韓国語で話してきたら,待ってましたとばかりに,こう言う。
僕: | Well, I'm afraid you should learn more about pronunciation. I didn't understand a word. |
(うーん,もう少し発音を勉強した方がいいな。 一言も分らなかったよ。) |
以下,全くデタラメの韓国語を教える。このとき,自分が日本人だということをう すうす感付かれた方がよい。しばらくすると,恵まれないイランの子供たちの話に なり,「寄付して下さい」と来る。
僕: | I really want to, but I can't. You know, I'm Korean and not so rich as Japanese. Why don't you find Japanese? There're many here. |
(したいんだけど,できないんだ。僕は韓国人で 日本人のように金持ちじゃないからね。日本人を見つけたら。 ここには沢山いるじゃないの。) |
これなら,日本人のプライドも,日本人としての自分のプライドも守りながら,体 (てい)よく断われる上に,相手を小ばかにすることができて楽しく待ち時間を過 ごすことができる。いかがでしょう。
このポスト,韓国の方たちに失礼だったかしら。すいません。 なお,"Korea" は年によって,"Taiwan" のこともあります。