平成20年9月議会報告


大庭議員の一般質問・・・見てね!!


目次

大庭議員は9月定例会において地方分権や行財政改革について質問(提言)をしました。
ここに、質問要旨と答弁をお知らせします。(議事録をご希望の方は後援会まで)   

財政改革・財政について

  要旨  
    ア.最近の景気動向の認識と
       市税収等、今後の自治体財政見通しについて
    イ.健全化法4指標で確認できた本市の課題   
       実質公債費比率計算変更で国が意図したもの  
        本市の適正な実質公債費比率とは 
    ウ.4指標の他市との比較分析について
     エ .健全化指標から推定する
       本市の適正債務と適正基金とは
     オ.新病院建設基金創設について
     カ.財政見通し(事業計画)の変更について  

   

○22番(大庭通嘉) 一般質問初日最後になりました。お疲れとは存じますがおつき合いをいただきたいと思います。特に市長はお疲れと思いますがよろしくお願いします。
 それでは、通告に従いまして一般質問させていただきます。
 まず、最初に、行財政改革という観点から市の財政についてお伺いをしたいと思います。
 御案内のように先月の国の月例経済報告でも景気の基調判断をこのところ弱含んでいるということで下方修正されまして、景気が後退局面に入ったことを事実上政府が認める、そんな報道がありました。また、その後日銀の金融政策決定会合でも金融危機といわれたあの1998年から10年ぶりに景気判断を減速という表現から停滞という表現に下方修正しまして、まさに2002年2月に始まった戦後最長の景気拡大もここに来てついに終息してきたということであります。
 原油や原材料の価格高騰で食料品初め各種商品の相次ぐ値上げが家計を圧迫しておりますし、また、企業収益も急速に悪化してきているようでありまして、市内でも大手企業を初め特産のクラウンメロン農家も原油の高値安定ということで大変厳しい経営状況と伺っております。
 自治体財政を取り巻く環境もこうした背景から市税の滞納を初め本市の今年度に入っての市税収の伸びが懸念されるわけでありますが、市長がお感じになっている最近の景気動向の認識、それから市税の収納状況と今後の自治体財政の見通しということで、まずは御見解をお伺いしておきたいと思います。

○議長(久保田龍平) 原田市長。
〔市長 原田英之 登壇〕
○市長(原田英之) 大庭通嘉議員の御質問にお答えを申し上げます。
 最初に景気の動向、それから健全化についての財政的な問題でございますけれども、議員から今までの経験とかそういうものを生かしましての御質問でございまして、1件1件相当中身の数字も入れ込んだ答弁をさせていただきたいと存じます。
 まず、最近の景気動向の認識についてでございますけれども、議員御指摘のとおり内閣府の月例経済報告によりますと、景気の回復は足踏み状態でありましたが、8月には景気がこのところ弱含んでいると、下方修正されたところでございます。また、原油価格につきましては9月に入り若干下がるきざしが見られますが、原材料の価格は引き続き高騰傾向であり、食料品を初めとする生活必需品から自動車などの耐久消費財にも波及をし、本市におきましても産業やそうした市民生活への影響を懸念しているところでございます。私も9月議会を前にいたしまして市内の企業の代表者懇話会でそれぞれの企業の皆さん方の景気の動向を伺ったり、あるいは東海財務局の静岡財務所長との間でこの当管内の袋井市内外のいろいろな企業の景気動向、あるいは税収の動向をお伺いいたしましたが、いずれにしましても、今後の見通しにつきましては大変厳しい状況でございました。そういうことでございまして、市税収入の収納の状況と今後の財政見通しにつきまして申し上げたいと存じます。
 本市の平成19年度の決算で見ますと、市税が全体で御存じのとおり150億3,000万円余です。平成19年度の決算は前年度より9.1%増、額にして12億5,000万円増加である。これは大変結構な話でございます。これを主な税目別で見ますと、個人市民税が所得税からの税源移譲、これが制度的に変わりましたので、そうした面も含めまして11億円の増。また、固定資産税は企業誘致などによりましておよそ2億5,000万円の増。一方、法人市民税のほうは既に平成19年度の決算におきましても景気の影響が少し出ておりまして1億4,000万円の減額と、このようになっております。今後の主な市税の収入を推計いたしますと、先ほどの企業の方々のお話、あるいは東海財務局の静岡財務所長のお話なんかを考えていきますと、やはり個人市民税、固定資産税ともにほぼ横ばい、法人市民税はやや減少と見込まれております。そうした意味では今後の財政見通しにつきましては来年の予算をつくっていくに当たりまして相当税収につきましてはある程度数字の整理を厳しい目で考えていかなければいけない。つまり、今申し上げたいのは、次元次元によってこれが下降する傾向にありますので、そうするとやはり今の時点よりも、また来年の3月時点、来年の実際の税収が入る時点においては今よりもなおも下がっている可能性がある、こういうことで臨まなければならないと、このようにも思っております。相当予算の編成もつらい予算編成になる感じがいたします。

 御承知のように夕張市の財政破綻を契機に昨年6月地方公共団体の財政の健全化に関する法律、いわゆる健全化法が成立し、地方公共団体は毎年度、各健全化判断指標を監査委員の審査に付し、また、議会に報告し、公表しなければならないこととなりました。来年の4月が本格的試行ということですが、平成19年度決算からの義務づけということで既に今議会初めて監査委員からも意見書が出されましたし、ことし3月の議会報告に続き、先般、各会派に説明がされたところであります。他市においては、初めての制度導入ということで当該指標についてそれぞれの市町で詳細な説明と多くの議論も重ねられていると仄聞いたしております。
 ともあれ、本市の4指標、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率、これら4指標について初めて正式にまとめられたわけですが、膨大な資料での集計は担当者もさぞ大変であったと推察いたします。と同時に、この指標を整理したことによって改めて確認できたもの、見えてきたものは何だったのか、その点、まずお伺いしておきたいと思います。

 

 次に、健全化法4指標についての御質問にお答えを申し上げます。
 結論から申しますと、本市の現段階での健全化判断比率につきましてはいずれも健全な指標となっております。今回の指標の算定を通しまして改めて確認できましたことは、健全化法の4指標は実質公債比率と将来負担比率とでは、例えば、起債の償還期限を長くすれば、これは御存じのとおり実質公債比率は低くなるわけでございますけれども、将来の負担はふえるということでございます。また、実質赤字比率と連結赤字比率との関係でいえば、下水道や病院への繰出金を通しまして相互に関連性がある。やはりこの四つの指標はいずれも密接に関連しているということで、この四つを全体に見まして公共団体の財政の健全化が判断されるということで、うまくそれを数字の上で逃げようとしてもなかなか四つが組み合わせになりますので逃げられない。少し不見識な表現でございますけれども、逃げるという表現は不見識かもしれませんが、数字上のそういうことではいけない、四つとも中で相当、財政の状況が正確に表現されてくると、こういう認識をいたしております。

 

 ところで、この指標の中で実質公債費比率は総務省の計算方式に変更があったということでありまして、これまで本市は今年度は17.3%、来年度は17.7%を予測しておりました。18%からが地方債許可団体いわゆる国、県の許可が必要ということで、本市は健全財政とはいえ、その手前にあったわけであります。それが都市計画事業を財源として発行された地方債償還額に充当した都市計画税を計算式の分子から減じることで実質5ポイントも下がるという結果を生じたわけであります。低くなれば起債を今まで以上に増額発行できるのかといえば、合併特例債とて補償してくれない国のことですので、借り入れをふやしていくことは市としても極めて心配されます。改めて総務省の計算方式の変更を意図したものは何だったのか、袋井市の目標にする実質公債比率をどの程度においていくのか、いわゆる適正な地方債の発行、それはどの程度が望ましいのか、それぞれにお伺いしたいと思います。

 

 その次の問題で、今回の実質公債比率の算定の方法は少し一部変更した面がありました。この変更は一体どういう意図に基づいているのかという、こういうことで、これは都市計画税につきまして実は算定に変更がありました。少し細かい話になりますけれども、つまり、都市計画税につきましては使い道が特定されている目的税でありまして、都市計画事業の起債の元利償還金にも財源が充当できるということから、元利償還金から差し引くことで実質公債比率に反映されると、こういうことで、実際は都市計画税の算入の方法によりまして少し公債比率が低目に出るという、有利な方法になっているわけでございますけど、これは国のほうではそのねらいというのは自治体におきまいしてできるだけ財源を多くとるようにということで、都市計画税をその算入から除くことによりまして比率を低くするという、そういうことであろうかと私は考えております。 次に、本市の目標とする実質公債比率でございますけれども。実質公債比率は低ければ低いほど財政運営にとりましては好ましいことでありますけれども、一方、起債の主たる目的であります長く使用する施設などの負担は後年度に使用する人たちも含めて負担をしてもらうことが、これはある面では逆から言ったら公平でございます。そういうことでありますし、交付税の基準、財政需要額への措置など、こういう有利な面もあるということで、やはり起債の活用、公債比率が低ければ低いほどいいのですけれども、起債につきましても制度上の問題でありますからこれも活用すべきところは活用する。そのことが公平な世代間にわたる税の使い方、お金の使い方としては公平であると、こういうことであると私は認識をしております。
 平成19年度決算における単年度の実質公債比率が12.6%でございます。この算定方法で起債が制限される率は18%でございます。例えば、18%まで、制限比率いっぱいまでということを仮に計算いたしますと、毎年度の起債償還金はおおよそ24億円今よりもふえても18%ぎりぎりにおさまると、こういうことになります。これを単純に10年間で償還します起債で、それこそ仮定の計算でございますけどいたしますと、それは225億円の借り入れが可能になる。これは余り現実的でない試算でございますが、そういうことにもなります。本市の場合、12.6%ということで、先ほどの18%という起債の制限比率から見ますと余裕がありますが、一方では、今後の事務事業に支障を及ぼすような後年度の負担は可能な限り下げなければなりませんし、やはりその間にすき間があるからといってどんどん起債を借りますと財政公表の弾力性を非常になくします。それから、経常収支比率も高くなる、こういうことにあると、このように思っております。
 次に、4指標の分析についてでございますが、他市の平成19年度の指標はまだ公表されておりませんので、公表され次第、類似団体や県内他市との比較など行ってまいりたいと考えておりますが、平成18年度決算における比較をいたしますと、これは平成19年度の前の年なので少し前になりますけれども、実質公債比率につきましては、類似団体では48団体中低いほうから25番目、それから県内の政令市を除く21市中低いほうから13番目と、こういうことになっております。また、普通会計における市民一人当たりの地方債残高につきましては、類似団体の中では48団体中少ないほうから5番目、21市の中では少ないほうかた6番目となっております。そうした意味では指標的では中位から上位の間に位置していると、このように思っております。また、来年度には新公会計制度によるバランスシートのほか財務4表の作成もしてまいりますので、それらとあわせまして総合的な分析も必要になってくると、このように思っております。
 

 

 私からは昨年9月議会でも取り上げ、市の財政白書を作成し、全国の類似団体や県内の他市との比較の中で財政の実情がどの程度の水準なのか調査すべしとの提案をした経過がありますが、今回の指標をどのように分析されているのかお伺いしたいと思います。
また、国が示した健全化4指標からわかる袋井市の適正な債務や基金をどの程度にしていくべきと判断されているかもお伺いしておきたいと思います。
 さらに、新市民病院統合に向け、掛川ではやっておりますが、新たな建設積み立てをする考えがあるのか。また、あるとするなら、どの程度を見込んでいるのかもお伺いしたいと思います。
次に、健全化指標から推定する本市の適正債務と適正基金の額ということでございます。
 先ほど実質公債比率の中で申し上げましたように、将来負担比率におきましても、一つは比率の上限、例えば18%までを適正と考えることができるかと思いますけれども、将来の事務事業を着実に推進するためにも財政運営の弾力性、そういうものもありまして、どの程度の債務を適正にするかというのはなかなか一言では言うのが難しい問題でございます。私もどれぐらいの率がいいのかなというのは、今から類似団体あるいは将来の袋井市のいろいろな財政のあり方をもう少し分析させていただいてからどれくらいが適当かということを申し上げたいと存じます。したがいまして、やはり基金と債務というのが今度は逆にプラスとマイナスの要素で並んでまいりますので、適正な基金がどれくらいかということにつきましてもそうした分析が済んだ後に数字を詰めて、またいずれの日にかそれをお話しさせていただきたいと、このように思っております。
次に、新病院建設に向けての新たな基金創出をしたら、基金の積み立てをしたらどうかと、こういう御提案でございます。
 昨年度策定いたしました財政見通し、これは昨年、景気GDPが2%ぐらい伸びるかというときに策定した財政見通しの中でございますので、今とは大分状況が違いますけれども、昨年のときにはこういうことでございました。平成21年度から平成24年度までの4年間で病院建設にかかる費用が約300億円かかると。そのうち袋井市分としてどういうようになるかわかりませんけれども、一応半分を考えると150億円。これ全部を起債として推計しまして、それを10年間の財政見通しの中で入れ込んでのバランスをつくりました。この財政見通しを経済成長率がゼロ%とか、そういうときにもう一度つくらなければいけないと、私はこのように思っておりますので、そうした中でこの病院建設につきましてどういうような位置づけにしていくかということを検討してまいりたいと思います。また、現在、新病院につきましては掛川市・袋井市新病院建設協議会で協議をしておりまして、どれくらいの規模になるかというのが500床ということが決りましたので、そうするとおおよそ全体の経費が大ざっぱには出てくるわけでございますけれども、基金の創設という点につきましては全体の財政計画を含めましていま少し検討させていただきたいと、このように思っております。

 

  実は、本市では昨年平成19年度に、平成27年までを見通した財政計画を策定した経過があります。例えば、教育施設整備10カ年事業に約70億円、主な道路整備事業に120億円、そして、JR袋井駅や治水事業を含む駅周辺の区画整理事業等に約180億円ということで、これら主要事業だけでも都合400億円を下らない事業を予定されているわけであります。加えて、こうした毎年の投資的経費以外にも他会計繰り出し、例えば、公共下水、病院、ごみ焼却場などの各会計等に年約60億円、また、人件費や扶助費、退職金等にこれまた1年で約73億円、公債費も毎年36億円前後が支出を予定されており、今まで以上に精度の高い財政計画を立てていかなければなりません。
 そこで、昨今の景気動向を見極め、改めて財政見通しをし直さなくてもいいのかお伺いしておきたいと思います。

 

 次に、財政見通しの変更についてでございますが、先ほど少し申し上げましたけれども、平成19年度に平成27年度までの財政見通しを作成いたしました。議員から御指摘のとおり、最近の景気動向から歳入の見通しが下方修正しなければならないと考えておりまして、現在、その作業に取り組んでおります。いずれにいたしましても、今後とも健全財政を維持して、そして、財政の破綻になったり、あるいはどうしても非常な硬直化してしまって全く困ったということがないように心がけてまいりたいと存じております。
○議長(久保田龍平) 原田市長に申し上げます。
 会議時間延長のため発言を中断いたします。
 本日の会議時間は議事の都合によりあらかじめ延長いたします。
 原田市長の発言の継続を許します。どうぞ。

 

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行財政改革・人材育成について

  ( 要旨)  
    ア.最近の景気動向の認識と
       市税収等、今後の自治体財政見通しについて
    イ.健全化法4指標で確認できた本市の課題   
       実質公債費比率計算変更で国が意図したもの  
        本市の適正な実質公債費比率とは 
    ウ.4指標の他市との比較分析について
     エ .健全化指標から推定する
       本市の適正債務と適正基金とは
     オ.新病院建設基金創設について
     カ.財政見通し(事業計画)の変更について  

   

     

次に、本市における人材育成について質問させていただきます。
 御案内のように国の厳しい財政状況を受けて行財政改革が断行されております。とりわけ、行政改革の柱ともいえる職員の減員につきましては、先ほども質問がありましたけれども、国の定員適正化計画の指導のもと、これが進められ、本市でもこの6月の全員協議会にて平成19年度までの行政改革の進捗状況が報告されたところであります。その報告の中で病院経営の悪化から急激な病院職員の減員に対し行政職は減員できなかった旨の報告や教育など特別行政部門において4名増など、平成17年4月当初の退職者30%不補充の方針も危ぶまれるなど当初計画の達成が難しい状況になっております。
 実は、このように当初の計画に比較しほとんど減員がないにもかかわらず、最近、多くの職場から職場での繁忙感と高度化した職務の悩みを耳にします。しかもメンタルな問題から休職する職員が、合併前年当たり一、二名だったものが、6月議会の総務部長答弁では6から10名、先ほどの質問でも、ことし7名いるということであります。この先、地方分権の推進からさらに業務は厳しさを増し、しかも高度な政策形成能力や判断能力が求められる中で、課題を克服する職員、公務やコミュニケーション能力など知力、精神力ともに充実した職員の育成は喫緊の課題となっております。加えて、本市の場合、団塊の世代を初め向こう5年間で73名の退職者が想定されていることから、次の管理職の昇任最低年齢も必然的に若年化する傾向にあります。昇任年齢が早期化する20歳から30歳代の職員の意欲向上を図ることも重要な施策となってまいりますし、任用に当たってはこれまで以上に能力、実績に基づく透明で公正な人選方法の確立が求められてくるものと思われます。すなわち、行政も民間同様限られた人材、いや、今までより少ない人材でいかに成果を上げるかが問われる時代になってまいりました。「人は石垣、人は城」武田信玄の時代にも符号する職員を大切にし育てて生かす。職員の能力を上司が引き出す。そんな人材育成施策こそが今改めて求められているものと思います。そして、職員の能力を引き出し、モチベーションを上げるには部下から尊敬され、この人ならついていける、どんな仕事でも向かっていけると思えるような上司、管理職、役職者の育成を忘れてはならないと思います。
 ところで、国ではこうした人材育成の必要性にかんがみ、平成9年11月当時の自治省策定の地方自治新時代に対応した地方公共団体の行政改革の推進のための指針において、職員の能力開発を効果的に推進するため人材育成の目的、方策等を明確にした人材育成に関する基本方針を策定することとの項目が盛り込まれました。また、平成16年の地方公務員法一部改正により、この第39条3項にて「地方公共団体は研修の目標、研修に関する計画の指針になるべき事項、その他研修に関する基本的な方針を定めるもの」と明記され、人材育成の方向性が示されたわけであります。
 そこで、基本的な本市の人材育成について何点かお伺いしたいと思います。
 まず1点目、本市の人材育成基本方針についてお伺いしたいと思います。前段、申し上げましたように、国でも指針となるべき基本的事項を定める旨、法の中で明記をされました。旧袋井市の時代では、職員研修総合計画といった計画を策定し、議員に配付したことがありましたが、今新たな時代に対応できる体系整備が必要と思いますが、行政改革推進でも示されている本市の人材育成基本方針を具体的にどのように考えているのか職員のメンタルでの強化策も含めお伺いしたいと思います。

○市長(原田英之) 次に、人材育成についての御質問にお答えを申し上げます。
 まず、人材育成基本方針につきましては、職員研修だけではなく、人事制度全般を通して人を育てる方策を方向づけたものでございまして、業務の進め方など職場風土の改革を目指すものでございます。本市の人材育成基本方針につきましては、平成18年度に作成し、毎年度の職員研修計画に基づきまして各種研修を計画的に実施いたしているところでございます。人材育成の目指す方向性につきましては、日常業務に必要な専門的知識はもとより企画立案や政策形成能力、効率的な行政運営を実現させるための職務遂行能力を身につけた職員の育成に努めているところでございます。また。自己啓発を初め職場研修や職場外研修を通しまして職員一人一人の資質の向上を図ることにより組織の総合力を高めるとともに職員の意識改革に力を入れ、分権社会にふさわしい人材の育成に鋭意努めているところであります。今後におきましてもより一層力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。
 求められる職員像につきましては、高い責任感と高い倫理観を持ち、市民の立場、視点に立った考えに立ちまして、高い実務能力と新しい課題や問題に積極、果敢に挑戦する行動力を有した職員であると認識いたしております。なお、私は求められる職員像というのは、やはり、、組織の上に立つのではなくて市民の上に足場が立っているということと、それから前向きであ明るくてということと、それから持っている気持ち、マインドが心身ともに健康なといいますか、そういうように社会に対して健康な姿勢で向かっていくと、そういうのが私にとりまして求められる職員像でございますが、そのことを文章表現いたしますと今申し上げましたような表現になるわけでございます。

 2点目、人材育成の目指す方向性と求められる職員像についてであります。市にとって最大の資産ともいえる職員の皆さん、そうした皆さんに最大限実力発揮してもらう仕組みづくりが、今求められています。もちろん人材育成は市もしますが、職員の皆さんの能力向上は自己啓発が基本でありまして、みずからがキャリアプランを考え、キャリアデザインをしていくということが望まれます。そのために、市が誘導するさまざまな諸制度を活用し、自発的能力向上を図ることが求められます。いずれにせよ、職員の個々のモラル向上に向け目指す方向性をどのように求めていくのか、また、市が考える職員像とはいかなるものなのか基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
 3点目は、人材育成の諸制度についてであります。まず、諸制度の1点目、職員採用についてであります。
 筆記試験に加え、最近では個人あるいは集団面接、それ以外にも集団討議なども採用される時代となってまいりました。さきに話題になった大分教育委員会の例を見るまでもなく、透明性をどのように確保していくか、さらに民間企業経営者などの参画も視野に入れ、計画的な採用が求められていると思いますが、平成22年目標の定員適正化計画に向けた採用方針とあわせて職員採用の選抜のあり方についてお伺いしたいと思います。
 諸制度の2点目、任用制度についてであります。
 初任者層では職員個々の適性や能力を見極めるために窓口部門、事業、福祉、管理部門など各行政分野に配置した後、ジョブローテーションを行い、長期的視点で人材育成が求められます。が、他市などでは5年周期で、課長職でも3年程度を配置の基準としているようでありますが、その昔、本市では二十数年以上の名物土木課長がいましたが、長いことが否定される以上にむしろ信念と責任を果たしたという観点では評価もされておりました。ともあれ、本市の望ましい人事のローテーションの基本的な考え方についてお伺いしたいと思います。あわせて、管理職登用試験の考え方についてもお伺いしたいと思います。


  次に、人材育成の諸制度についてでございますが、まずは職員採用につきましては行政需要に対応した効率的な組織、機構の見直しや業務量に応じた適正な職員配置を行い、事務事業の整理縮小とともに指定管理者制度や業務の民間委託の推進などにより定員の適正化を進めていくものでございます。職員の採用の選考につきましては知識だけでなく適性や人間性、将来性を重視した採用試験を実施するとともに専門的知識や民間企業等での経験、実績を有する幅広い人材の採用に努めているところでございます。
 次に、任用制度についてでございますが、人事異動に当たりましては行政需要に対応して組織、機構がより効果的に機能するよう適正な人員と人材配置に努め市民サービスの充実を図っております。職員の自己申告書を初め職員と所属長との面談や勤務評定の結果等をもとに職員の異動希望を考慮しながら業務経験や専門的知識、適性及び組織全体のバランス等にも配慮して人事異動を行っております。人事異動につきまして、やはりどうしても自分の希望するところにすべてうまくいくっていうわけではございません。やはりどうしてもそこには自分の意思に反するということも出てまいります。一つの組織を維持していくためにはある面ではやむを得ない面もあります。しかしながら、そのことというのは、自分が納得してそうした自分の意識するところとは違うところへ行くのだけれども、結果においては納得してその場で仕事をするということが非常に大切なことであると思いますので、これにつきましては人事異動を通しましてそうしたことも図っていかなければいけない、このように思います。
 また、管理職への登用につきましては、職員の能力や勤務実績等総合的に判断をいたし適正に行なっているところでございますので、御質問の試験制度の可否につきましては他市の動向を参考に研究をしてまいりたいと、このように思っております。

 

 諸制度の3点目、人事考課についてであります。
 先ほど勤務評定ということでありましたので、重複する部分がありますが、あえてお伺いします。職務にはそれぞれの特殊性があり、その仕事の分量にはばらつきがあります。目標管理に重点を置いた納得性の高い人事考課の導入が必要だと思います。設定した目標への到達度や目標達成プロセス、職務遂行能力、取り組み姿勢など被考課者の自己評価をもとに面接するなど透明性、納得性をもたせることが大切であります。
 そこで、目標管理制度の導入についての考え方や、袋井市における人を生かし育てる人事考課、勤務評定制度の進め方についてお伺いしたいと思います。

 

 人事考課制度につきましては、勤務評定制度に基づき管理職と職員の面談を実施して、年2回の定期評定を行い、職員の能力や勤務実績を的確に把握、評価し、昇給、昇格や勤務手当に反映させ、人材育成に積極的に活用しております。今後におきましても勤務評定制度をさらに充実させ、職員の人材育成と組織の活性化を図ってまいりたいと考えております。

  諸制度の4点目は、給与制度であります。業務の給与への反映の仕方と人材育成の観点から見た手当の基本的なあり方についてお伺いしたいと思います。
 諸制度の5点目、人材育成の研修制度であります。プロの自治体職員を育成するさまざまな研修制度の導入が望まれます。キャリアデザイン研修やカフェテリア研修、これは選択参加型研修といわれているものですが。また、経営感覚コスト意識を醸成する研修や政策形成、政策法務研修など、昨今、研修にはさまざまなものがありますが、袋井市の研修制度の実態と客観的な研修の充実度、そして、今後の袋井市独自の人材育成に向けた研修制度の進め方についてお伺いしたいと思います。

 次に、業績の給与への反映についてでございますが、勤務評定結果をもとに昇給や勤務手当に反映しているところでございまて、今後とも勤務評定制度を効果的に運用することにより職員のやる気を高め、組織の活性化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、本市の研修計画の実態と進め方についてでございますが、職員研修計画に基づいてさまざまな行政需要に的確に対応し、時代の要請に応じた人材育成のため各種研修の機会を設けているところでございまして、階層による研修などの開催に加え、職員みずからが自発的に希望、選択して受講できる研修の充実や、派遣研修制度、通信教育などを積極的に取り入れております。今後におきましてもさらに多様な研修機会を提供し、人材育成に努めてまいりたい、このように考えております。

 

 人材育成の最後の質問ですが、要するに、最も重要なことは職員が職場で生き生き働ける職場環境づくりができているのか。このことについてお伺いしたいと思います。
 先般、私が視察した大阪茨木市の人材育成の制度設計の段階で、アンケート調査をやったそうであります。その設問、約60項目もあったわけですが、その中の何点かを紹介いたしますと、一つ目に、例えば、あなたの職場では仕事の目標や目的を明確に掲げていますか。二つ目に
あなたの職場ではミーティングなど活発に行われていますか。3番目に、職場では情報の共有ができていますか。4番目に、あなたの職場では悩みなど相談しやすい雰囲気ですか。5番目に、あなたの職場では人間関係が円満ですか。6番目に、あなたの職場では仕事の課題について積極的提案ができていますか。等々であります。まだ、数十項目もあるわけですが、要するに、こんな一部の設問を我が袋井市に投げかけたときに、果たして大丈夫だろうか、そう思いました。
 以前は、議員も今以上に追及が厳しかった。議会も毎回、ストップしていたころがありました。しかし、職員の目は今以上に輝いていた、プライドを持っていた、私はこのように振り返っています。それは互いが我を捨てふるさと袋井のために、袋井を愛していたことにほかなりません。いずれにせよ、人材育成に係る職場アンケートの実施と職場のモチベーションアップ策についてお伺いしたいと思います。特に、最近、自治体が導入しているコーチング研修、民間で役員クラスまで受講しておりまして、こうしたコーチング研修もこの際導入したらどうかというように思うわけですが、いかがでしょうか。

 次に、職場アンケートの実施とモチベーションアップ策についてでございますが、平成17年度に人材育成に関する職員アンケートといたしまして18項目のアンケートを実施し、その結果をもとに人材育成基本方針を作成しておりますので、今後におきましても所属長が定期的に職員との個人面談の機会を設け、部下の職務の状況や心の健康状態などについて把握し、職員のやる気、モチベーションアップにつなげてまいりたいと、このように考えております。議員からお話がありました非常に項目数が多くてそうしたアンケートにつきまして私も興味を持っております。やはりアンケートをして、そしてそれによって職員の皆さんがどういう状況であるかということを的確につかむことは必要だと思いますし、お話がありましたようなアンケートでしたそんなに時間がかかるわけではございませんので、そういうことはより、平成17年度にやったから、だからいいというわけではございませんので、そうしたものにつきましては活用を図ってまいりたいと、このように思っております。
 また、コーチング研修につきましても管理監督者を対象とした研修を実施しておりますので、さらに充実した研修となるように努めてまいります。いずれにいたしましても、職員のやる気や職場の活性化に向けて取り組んでまいります。議員からお話がありましたように、一番大切なことは職場の職員、みんな職員がやる気であって、喜喜として仕事に取り組んでいくということが一番大切で、そのことが職員の生きていく中で相当大切な時間であります活動する時間の8時間をこの仕事に費やすわけでございますから、その費やす8時間が本人にとりまして非常に充実感のあるやる気のあるということはその人の人生そのものもやる気のある人生にさせると思いますので、そうした点につきましてやる気のある職場を目指してまいりたいと、このように思っております。

 

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駐車場対策について

 (要旨)
    二輪駐車場について
      ア.法改正を受けての二輪駐車場整備方針と新規事業の指針化について
 

 一昨年11月、改正駐車場法が施行されまして、自動車の定義に大型及び普通の自動二輪が含められ、これまで自動二輪は駐車場整備の対象から外されておりましたが、法的に含まれるということで大きく変わってまいりました。これまでの認識で原付と同等の扱いをしてきた本市ですが、基本的にそれができなくなりました。いずれにせよ、本市としてこれまで二輪駐車場について今後どのように扱い、整備をしていく方針なのか、あわせて、今回の法改正を受け今後の事業の中でどのように指針化していくのかお伺いしたいと思います。


 次に、二輪車の駐車場対策についてでございますが、袋井市内には袋井駅前と愛野駅前にそれぞれ市営駐輪場がございますが、原動機つき自転車及び自動二輪車が駐車できる収容台数は、現在、袋井駅前駐輪場が95台、愛野駅前南駐輪場が63台、愛野駅前北駐輪場が78台、合計236台が収納可能でございます。
 御質問の改正駐車場法につきましては平成18年5月31日に公布、11月30日に施行され、改正の趣旨につきましては、自動二輪車の駐車違反が歩行環境を阻害している実態を改善するというものでございまして、本市では平成18年9月に袋井市自転車等駐車場条例を一部改正し、50ccを超える自動二輪車につきましても駐車できるように対応し、駅前周辺における自動二輪車の駐車場不足を解消したところでございます。議員からお話がございましたように、平成19年11月に社団法人日本自動車工業会二輪車特別委員会から二輪車の駐車場所の整備促進についての要望がございました。その折、特に400cc以上大型自動二輪車の駐車について課題が多いとの御指摘がございましたことから、利用状況につきまして調査をいたしました。その結果、袋井駅前駐車場における駐車台数は1日数台程度であり駐車スペースは余裕がございましたことから、現状での大型自動二輪車に対して特段の駐車設備等は必要ないと判断をいたしております。
 二輪駐車場における整備方針と新規事業の指針化につきましては、今後、自動二輪車駐車場の看板や、あるいは車輪どめ装置の設置等を検討いたしまして利用促進を図ってまいりたいと、このように考えております。

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警察署問題について

 (要旨)
    ア.新袋井警察署設置後の袋井交番と 後の体制
         JR愛野駅前派出所について(交番設置基準)について
     イ.新警察署の規模と併設武道場の設置について
     ウ.隣接民間施設の扱いについて 

  

 次に、新警察署及び愛野派出所並びに袋井交番の今後についてお伺いしたいと思います。
 御案内のように、本市では平成7年から5回にわたっての知事、県警本部長への要望書提出等関係者の皆さんの御尽力のおかげで新袋井警察署の設置が決まり、用地関係も話し合いが整い、本年度県警において基本詳細設計が行われ、再来年の平成21、22年の2カ年で建築し、平成23年4月の開所予定となりました。これに伴い必然的に袋井警察署設置後における現袋井交番の位置づけと機能、設置場所等、いわゆる袋交番の守備範囲と規模や、前から出されているJR愛野駅の交番の設置の可否が話題になってくるものと思います。
 特に早い段階から要望されておりましたJR愛野駅前の交番の設置についてでありますが、エコパ開設後、平成13年に県知事を初め県警本部長、磐田警察署長あてに提出をし、今日まで引き続き要望がされています。最近では祢宜弥、上石野、石野地区では外国人も含め人口も急増してまいりました。伺うところによれば、交番の設置基準といった観点から考えると、愛野地区は定住人口はこれほどふえてもまだ少ないということで、交番等の設置に当たっては厳しい環境にあることは伺っております。しかし、新袋井警察署と交番設置等の全体の体制確定前に、まちづくりの一環としてJR愛野及びJR袋井駅周辺の市街地周辺に交番設置を要望していく必要があると思います。その点、考え方を伺っておきたいと思います。あわせて、交番設置の基準もこの際伺っておきたいと思います。

 

 次に、(仮称)袋井警察署設置後の袋井交番とJR愛野駅前交番についての御質問にお答えを申し上げます。
 袋井警察署につきましては、現在県におきまして用地買収を終了し、本年度に基本設計及び実施設計、平成21年度から平成22年度の2カ年をかけまして建築工事を行い、平成23年4月の開所に向けまして準備を進めているところでございます。
 御質問の袋井警察署設置後における現在の袋井交番や新たに設置要望をしておりますJR愛野駅前交番につきまして県警本部にはこの点につきましての要望をしているところでございますが、県警本部では現在のところ、袋井交番の廃止や新規にJR愛野駅前交番を設置する計画はないが、交番等は人口動態や世帯数、事故事件等の発生状況などを総合的に勘案し、都市部に交番、郊外に駐在所を設置している。現在の袋井交番は警察官15人と交番相談員1人の16人、県下でも大規模交番の一つとなっており、袋井市から交番の新設要望のある愛野地区も担当している。このため、今後の愛野地区の状況及び県下的な警察警戒力の配分、バランスを考慮し、長期的視点に立って検討してまいりたいと、こういう説明が来ております。JR愛野駅前交番用地につきましては平成13年3月12日、市として既に確保しておりますことから早期に設置していただきますよう引き続き要望してまいりたいと、このように考えております。

また、現在、新警察署の全体のレイアウトと併設される武道場の規模についてお伺いしたいと思います。掛川警察署は敷地面積5,950平米、庁舎棟に3,181平米、車庫、道場等に827平米ということで平成18年に竣工しました。本市でも掛川と同等規模ということで当初伺っておりましたが、袋井の場合、残念ながら武道場は別棟として建設しないということで決定しているとも伺っております。武道の愛好者からはせっかく市内にできる新たな道場施設ということで期待が寄せられていたわけですが、いずれにせよ、新警察署の中東遠における位置づけ及び配備体制、さらにはどのような施設になるのか、施設の規模、機能、道場等などのレイアウトについてお伺いしたいと思います。
 次に、袋井警察署の規模と併設武道場の設置についてでございますが、県警の本部では、建物の規模が地上4階建てで地下部分はございません。延べ床面積が3,000平米、敷地面積が5,100平米で、組織体制は警察官100人規模を基本に考えているということでございます。議員の御要望がございました武道場につきましては別棟建設ではなくて本館内に設置するというように伺っております。このことにつきましては、私からも、市民は別棟を要望しているのですがということを以前県警の本部のほうにお伝えした記憶もございますが、現時点の設計の段階では本館内に設置をするということでございます。いずれにいたしましても、今後、愛野警察署の問題、それから、今の、武道場がいかに市民にとって使いやすいものになるかということにつきましては引き続き要望してまいりたいと、このように考えております。
 あわせて、この隣に隣接いたしております100円ショップ等施設がございますが、民間施設がありますが、今後の扱い等もお伺いしておきたいと思います。
 次に、隣接民間施設の扱いについてでございますけれども、警察署建設予定地に隣接した100円ショップのこの建物につきましては市が取得をすることで地権者に御内諾をいただいておりますが、市役所北側角地の空き店舗につきましては現在協議を進めているところでございます。取得後の利活用につきましては昨年度から庁舎等あり方検討委員会を職員で組織し検討を重ねてまいりました結果、庁舎において特に会議室や倉庫のスペースが不足しており、行政機能に支障を来たしておりますことから、この100円ショップの建物の利用につきましてはこれらを解消するということとともに位置的にも相当使いやすい場所にありますので、研修会あるいは講演、報告会、展示会などで市民の皆様にも御利用できるような施設として活用することを含めて現在検討しているところでございます。

生活環境について

 (要旨)
    ア.公共下水道と合併浄化槽の経費(設置・維持) 経費の比較に認識ついて
     イ.受益者負担と公平化に向けての制度見直しについて
     ウ.合併浄化槽メンテナンス費用の
           適正な行政指導について
    エ.総務省通知に伴う本市への交付税への影響と
           下水道料金への対応について
 

 最後に、合併処理浄化槽維持管理費についてお伺いしたいと思います。
 私のところには多くの市民の皆さんからお葉書、お手紙等たくさん御要望をいただいておりますが、今回その中から1点取り上げさせていただき、質問させていただきたいと思います。
 その方の御意見というのは、私どものような年金だけで生活している者にとっては高齢者健康保険料の天引き、介護保険料の支出で困惑しております。その上、毎年、合併処理浄化槽の清掃代として7万円、10年で70万円もの支出となります。20年前は家族も多く、汲み取り料では数千円だったものが、浄化槽設置に当たり家族の構成人員分ということで2基分設置ということでした。家族は今では2人きりになり、これの支出は大変な負担になっているというものでありました。
 この問題、実は高齢社会、しかも核家族社会、決して他人事ではない今後多くの市民が直面する大きな問題だと思いました。伺うところによれば、合併処理浄化槽の人槽につきましては、建築基準法施行例第32条第1項の規定により建物面積に応じて定められており、浄化槽の清掃につきましても浄化槽法第10条に定められていることから、これを逸脱した設置や管理ができないこととなっているということであります。指摘された問題を調査しましたところ、合併処理浄化槽の維持管理費と下水道使用量等につきまして比較してみますと、家族構成が少人数で敷地面積や建物面積など施設規模が大きいほど合併処理浄化槽のほうが維持管理費等の負担が大きくなっているということがわかりました。また、具体的な事例として、7人槽の合併処理浄化槽では、掛川の1年間6万9,200円の維持管理費に対し、本市は7万8,950円ということで1万円近く高くなっています。さらに400平米、120坪程度のお宅の公共下水道と合併処理浄化槽設置に係るイニシャルコスト、いわゆる設置費用を比較してみましても、公共下水道が97万2,000円、合併処理浄化槽が142万9,000円ということで、45万円余の負担増になっているということであります。いずれにせよ、この問題は下水道接続にせよ合併処理浄化槽にせよ、住んでいる場所によって安価なほうを選択できないという問題もあり、また、敷地面積や家族構成によっても受益者負担が変わるということで、長期で見たとき、高齢者世帯に大きな負担を強いることになってまいります。
 そこで、公共下水道と合併処理浄化槽の経費、いわゆるイニシャルコスト分とランニングコスト分のトータルの経費を比較する中で市としてどのような問題を把握、認識しているのか、まずお伺いしておきたいと思います。
 また、これら問題の改善策として受益者負担の公平化に向けての制度見直しをする考えがあるのかお伺いしたいと思います。さらに、合併処理浄化槽の適正なメンテナンス費用とはどの程度がふさわしいのか、他市との比較の中で適正価格に向け行政指導をどのように考えているのかもお伺いしたいと思います。
 最後にもう一点、ことしの6月、総務省自治財政局から出された通知によりますと、下水道の使用料単価が1立米当たり150円未満の事業には地方交付税の起債は認めないということを明記したということであります。これが実際運用された場合、本市への影響についてお伺いしまして1回目の質問を終わります。
○議長(久保田龍平) 原田市長。
 次に、生活環境についての御質問にお答えを申し上げます。
 公共下水道と合併処理槽の経費についてでございますけれども、まず設置費につきまして議員からお話がございましたように、敷地面積400平米の場合を想定し、計算を概算工事費でいたしますと、公共下水道の場合には受益者負担金、宅内の排水設備工事費合わせて97万円になる、公共下水道計画区内を対象とした合併処理槽をやった場合には市からの補助金があるわけでございますが、これを差し引いても143万円になると、そうすると合併処理槽のほうが46万円の負担増になる。非常に合併処理槽を設置する方にとっては負担が大きいと、こういう現在、数字になっております。しかし、公共下水道の計画区域外で特定集団推進地域の補助金を利用し、単独処理槽、汲み取り便槽からのつけかえを行う場合には、補助金の上乗せによりまして公共下水道の設置費より合併処理槽のほうが約7万円より安くなります。ですから、この区域内の場合には現段階では合併処理槽のほうが高いと、区域外の場合にはそうでもないと、こういうことでございます。
 次に、維持管理費につきまして、公共下水道の使用料は1人当たりの標準使用量が1日290リットルで計算しますと、2人家族の場合には1年間に約1万7,000円、市内の平均世帯の人数3人の場合には約2万7,000円となります。7人家族では、議員からもお話がありましたように7万6,000円ということになります。建築基準法の施行令に定められました建物の延べ床面積130平米を超えた場合に7人槽の合併処理浄化槽のスケールということでございますので、これの維持管理費が清掃点検費と法定検査手数料合わせますと、これが7万9,000円となります。でありますので、7人家族ではほぼ同額でございますが、3人家族の場合には先ほどの建築基準法の施行令に定められた130平米以上の建物の場合には3人家族であっても5万2,000円、それから2人家族であると6万円多くかかるということになります。この結果、議員からお話がありましたように、家族構成が少人数で建物面積が大きい条件のもとでは合併処理槽の費用が相当高くなっている現状になっております。
 このような差が生じる要員は合併処理槽と公共下水道事業におけるシステムの違いによるものでございますけれども、受益者負担の公平化に向けてこうしたものを解決することを考えていかなければいけないと思います。合併処理浄化槽の維持管理費が民間企業によります定額制であります。それから公共下水道は御存じのとおり従量制によりまして料金を設定しております。現行の制度ではそうしたことから相当差がついてくる状況でございまして、負担の公平性に向けた対応が必要であると、このように考えておりまして、この面での年間の維持管理費につきまして、民間企業によります定額制の内容につきましても今後検討していかなければいけないと、このように思っております。
 次に、合併処理槽のメンテナンス費用の適正な行政指導、そういった意味での行政指導でございますけれども、浄化槽清掃料金の基本料金について申し上げましたように、現状の問題点の洗い出しを行い、近隣市の料金体系も参考として浄化槽清掃業者などとの話し合いの場を設けていきまして、この定額制についての内容につきましてより検討を加えて、負担の公平化を図るということに進んでいかなければならない、このように思っております。
 次に、総務省通達によります本市の交付税への影響についてでございますけれども、本年6月に、平成20年度地方財政の運営について総務事務次官通知が示されまして、下水道につきましては、地理的条件や個別事業によって使用料の対象となる資本費が高水準となる事業に対する高資本費対策として使用料単価が少し、言い回しがこの通知のとおり言いましたので複雑な言い方になっておりますが、使用料単価が1立米当たり昨年度の132円から150円以上であることを条件として資本費の一部に地方交付税措置を講ずる、こういうことになりました。
 高資本費対策の基準財政需要額措置は使用料単価のほかに使用開始後30年未満だと、こういう条件もついております。あるいは1立米当たりの使用料対象資本費が45円以上である、こういうことが対象条件になっています。本市の場合には、昭和41年度がスタートでございましたの出、既に30年たっております。30年未満という要件も外れますし、それから、現在の使用料単価もおよそ100円ということでこれも高資本費対策に係る交付税措置の対象となりません。そうした意味で本市の交付税への影響はないということになります。実際に使用料、本市の場合にはそういうことでありますし、それから、使用料の単価が1立米当たり150円以上となった場合におきましても、先ほどの期間の問題とかそういうことがございますので、交付税への影響はないということでございます。
 最後に、公共下水道使用料とが合併処理浄化槽の維持管理費の望ましい価格の考え方についてでございますが、生活排水処理は原則的には受益者の負担により進めていくものでございますが、浄化槽清掃業者との話し合いの経過を踏まえ、今後におきましては適正な使用料のあり方につきまして検討してまいりたいと、このように考えております。
 以上で、私の答弁とさせていただきます。

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再質問

 

○議長(久保田龍平) 22番 大庭議員。
〔22番 大庭通嘉 議員 登壇〕
○22番(大庭通嘉) それでは、再度質問させていただきます。
 それぞれに詳細に御答弁いただきましてありがとうございます。市長におかれましては、企画調整、税務財務、県において精通されていらっしゃいます。特に今後の財政見通しということについては的確な運営を改めてお願いしたいというように思います。あわせて、後段の合併処理浄化槽、この問題、市長、改めて精査していただいて公共下水、あるいは農集排、いろいろなものとの問題で課題がおそらくわかってきたのではないかなと思います。制度設計は得意でいらっしゃいますので、どうか、どうあるべきかということを改めて指示をしていただきたいと、これは要望させていただきます。
 きょう、私が一番大事な質問として取り上げさせていただいたのは人材育成の問題であります。やはり皆さんがやる気になって一生懸命やる、こういう職場づくりをどのようにつくり上げていくかということが今、袋井市は求められていると私は思います。先ほどのアンケート、茨木のを紹介して60件程度あったよと、袋井は18件だったと。その一つを見ましても深堀りがしてあるか、してないかということだ、というように思うのですよね。市長におかれては、今後そういうことも検討する必要があるということだと思うのですが、メンタルな問題だとかそういう発生した問題、顕在化した問題をなぜそうなっているのかという、その調査や原因分析が必要だと私は思うのですよね。そのことについて、いま一歩御答弁を総務部長でも結構ですが、いただければというように思います。
 私はコーチングについて一つ研修の制度として提案させていただいたのですが、最近はいかに人を育てるかということで育成ツールとしてコーチングが採用されているのですよね。コーチングは、質問の中でもさせていただいたように、要するに、職場の話し合いの環境づくり、職員の個々の能力向上で職務を遂行することはもとより、チームワークを持って目標を達成できる職場の環境、風土づくりに効果的だというようにいわれているわけです。要は、上の方が部下のいいところを引き出す、話をよく聞く、部下を信頼する、このことが求められているというように私は思います。コーチングではこんなことも言っていまして、過去の成功体験は必ずしも有効ではない。部下の能力を最大限に引き出す。必要なのはみずから考え、みずから行動できる人材を育てることだ。このように言っているのですね。あのGEのジャック・ウェルチ氏が日経ビジネスのインタビューに答えて、管理職の役割は変わらざるを得ない、部下が知らない情報を管理者が握っていることによってのみ権威付け されたような管理職は存在意義を失う、今後、管理職に必要となるのはコーチとしての資質だ、部下のエネルギーを引き出す力を備えなければならない、このようにおっしゃっていますし、日産のカルロス・ゴーンさんなんかも、成功している企業や高い水準の競争力を持つ企業は教育やコーチングを重視していると、こんなことも言っているわけです。
 ともあれ、部下が働きやすい環境づくり、人材育成に向けての部下の能力を引き出す仕事の進め方、そうした考え方について総務部長からで結構ですので御答弁いただきたいなと、このように思います。
 人、1人1人工であります。やる気になれば2人工、3人工に変わるというように思います。先ほど来からいろいろ答弁を聞いていて、どうもスピーディというか時間に、どのくらいでやらなければならないかというそういう概念が私は欠如しているのではないかなと、それが大変心配されます。できないだったらできないで方向転換するという意思決定も大変重要なことだと思うのですよね。できないものをいつまでもひきずらない、このことは鉄則ではないかなとそのように私は思っています。
 力合わせ、やはり市長も財政については大変心配をされているということで答弁いただいたわけでありますが、こういう時期だからこそ知恵を出し合う、そういう意味での人材育成についていま一度御検討いただきたい、御答弁の中にそういう決意をいただければありがたいというように思います。

 

○議長(久保田龍平) 池野総務部長。
〔総務部長 池野良一 登壇〕
○総務部長(池野良一) 大庭通嘉議員の再質問でございますが、人材育成の意義に関しての御質問でございます。
 最初に、メンタル、心の病の部分で、やはりこの原因分析をいま一度しっかりやれということかというように思います。合併して平成17、平成18、平成19、平成20ということで、今年度この休暇者が減っておりますが、まだ     の方もいらっしゃいます。この病というのはまずもって仕事で問題を抱えている、そして責任感の強い方でまじめな方ということでございまして、仕事の面と、それからもう一つには職場の人間関係ということもございます。ですので、私ども、人事担当からは各所属長に対して常々とにかく職員をよく見るようにと、日ごろの職員の態度といいますか、姿勢といいますか、よく見て、そしてよく聞いて、悩みをよく打ち明けて聞いてもらうということで、これがまずもって所属長の仕事であると、人を育てることが一番の管理職の仕事であるということを常々申し上げてお願いしているところでございまして、このメンタルヘルスの関係ではいろいろな対策、それぞれ研修もございますし、また互助会でもって人間関係をよくしていくというようなそういったことも一生懸命取り組んでいるところでございますけれども、いずれにいたしましても、まだそういった方がいらっしゃるということで、とにかくゼロになく    ということで全庁、全職員一丸となって取り組んでまいりたいと、このように考えております。
 それから、これも部下育成ということで関連しますが、コーチングということでお話がございました。この部下育成に関しては管理監督者研修ということで毎年度実施しております。部下の動機づけ、あるいはよく聞く、先ほど申しましたように、よく部下から聞くこと、そして、その中から部下の育成ということで、あるいは職場の人間関係、この関係づくりをよくしていくということで、そういったことをテーマを設けて実施しているところでございますけれども。例えば、今年度におきましても管理職研修ということで部課長級職員が約65名、それから監督者ということで課長補佐あるいは係長全員が受講でございますけれども、これが200名という程度で実施しておりまして、これはやはり計画的に今後におきましても実施して、職員の能力の向上、あるいはやる気のある職員を育てるということでございます。また、申しましたように職場のコミュニケーションを円滑にする能力、技術、こういったことを高めるための研修を今後におきましてもより実施してまいりたいと、このように思いますし、こういった職場を目指してまいりたいと、こういうように思います。いずれにいたしましても、御指摘のとおり、職員が伸び伸びと働いて、    の職員一人一人の能力が発揮できるということがひいては市民サービスの向上につながるということでございますので、活気ある明るい職場づくりに全庁一丸となって取り組んでまいりたいと、こういうように考えております。
 また、議員からお話がございましたように、社会変化が厳しい中にあって、民間での教育内容といいますか、そういったノウハウ、センスといいますか、そういったものを習得することも私ども自治体経営をする上で必要なことでございますので、現在、一部取り入れている面もございますが、こういった企業での実践といいますか、こういったものも今後取り入れてまいりたいと、こういうように考えております。
 以上で、私からの答弁とさせていただきます。
○議長(久保田龍平) 以上で、22番 大庭通嘉議員の一般質問を終わります。
 以上で本日の日程はすべて終了いたしました。
 次回は、あす午前9時から会議を開き、引き続き市政に対する一般質問を行います。
 本日はこれで散会いたします。

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