平成23年2月議会報告


大庭議員の一般質問・・・見てね!!


目次

大庭議員は2月定例会において後期総合計画、基本計画の推進、文化行政について質問(提言)をしました。
ここに、質問要旨と答弁をお知らせします。(議事録をご希望の方は後援会まで)   

後期総合計画の初年度を迎えて
「前期」総合計画5年間の総括と
     「後期」総合計画の推進、事業の優先順位について

  要旨  
    ア.事業の優先順位について
    

 

(午前1050分 再開)

○議長(佐藤省二) 休憩前に引き続き会議を再開いたします。

 次に、21番 大庭通嘉議員の発言を許します。21番 大庭通嘉議員。

21番 大庭通嘉 議員 登壇〕

21番(大庭通嘉) 質問に先立ちまして、ちょうどこの時間、前収入役の溝口 博氏の告別式が行われております。前収入役におかれましては、合併後の新市発展に向けて大変な御尽力をされ御功績を残されました。ここで謹んでお悔やみ申し上げ、御冥福をお祈り申し上げますとともに、これからの袋井市の発展に天上から御加護を垂れ賜んことをお祈り申し上げつつ、一般質問させていただきます。

 それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。

 今定例会、市長から、初日の施政方針演説をお伺いしておりまして、社会情勢の変化、また、行政から見た情勢認識を伺いながら、ここに来て袋井市も、大きく変わろうとしているのだなということを感じながら聞いておりました。実は、先般受けた研修で、京都の山田府知事から、これからの国と地域の形というお話を伺いました。知事いわく、人口減少社会が本格的になるということで、死亡者の数も現在の年間119万人から10年後には142万人に、また、10年後には女性の3人に1人が65歳以上になる、そして、生涯未婚率も10年後には女性が17.4%、男性が26%になる、さらに、高齢者のひとり暮らしは現在の471万人が635万人、さらに、認知症は現在の210万人から330万人になる、このような話を伺ってまいりました。こうした少子高齢社会は、全国レベルだけの話ではなく、我が袋井市におきましても同様で、全市的には高齢化率18.6%と、県下でトップクラスに若いわけですが、地区別に見ますれば、高齢化は着実に進行しておりまして、袋井地区の29.8%、笠原地区の29.3%、駅前地区の27.8%と大幅に進んでおります。また、高齢化が30%を超す自治会は、南町の38.9%を初め、金屋敷、新町、下区など10自治会にも及んでいるわけであります。まさに、地域が変わる時代、高齢社会を目前にした中での私ども袋井市の平成23年度予算が始まろうとしているわけであります。

 ところで、新年度の袋井市の特徴は、何といいましても、合併後7年目を迎え、前期総合計画を終え、平成23年度から平成27年度までの後期の総合計画のスタート年ということだと思います。そこで、節目となります平成23年度、これまでの過ぎ越し6年間、とりわけ総合計画推進の5年間をどのように総括されているか、あわせて、後期計画推進に向けての決意と後期総合計画に登載されています各種事業がたくさんありますが、特に、優先して着手すべき事業についての考え方をお伺いしたいと思います。御案内のように、私ども議会、市長ともどもに、今任期はあと2年ということでありますが、この任期中になし遂げたい事業、そして、優先順位についてもお伺いしておきたいと思います。

○議長(佐藤省二) 原田市長。

〔市長 原田英之 登壇〕

○市長(原田英之) 大庭通嘉議員の御質問にお答えを申し上げます。

 冒頭、議員から、前収入役でございました溝口 博様の御逝去につきましてのお悔やみの言葉をいただきまして、ありがとうございました。ただいまの時間、ちょうど、御葬儀がとり行われていると、このように思いまして、議長の御許可を得て、私どもを代表して村田副市長が出席をさせていただいておりますので、ぜひ、議員の皆様におかれましても、御了解とお願いをいたしたいと存じます。

 最初に、政治姿勢についてでございますが、合併以来、私は、まちの将来像である、「人も自然も美しく 活力あふれる 日本一健康文化都市」の実現に向けて、各種の施策を進めてまいりました。中でも、グリーンウェーブキャンペーンを初め、教育施設の耐震化、メロープラザ、風見の丘などの施設整備を行うとともに、浅羽中学校、浅羽北小学校の体育館、山梨幼稚園の整備を初めとした教育施設の充実や、水道料金や都市計画税などの制度統一といった、市民の一体感の醸成と市政発展の基盤づくりに鋭意取り組んでまいりました。この5年間は、今申し上げましたハードなものの整備もございますけれども、基本的には、旧袋井市と旧浅羽町の市民、町民の融和と申しますか、それが一番だと思いまして、4年間は続けて、元浅羽町役場に週1回、水曜日の日に行って、浅羽で、週1回の時間でございましたけれども、いろいろな方とあの場でお会いできればということで、4年間は続けさせていただきました。5年目以降につきましては、私もこちらのほうで執務する時間が多くなりまして、なかなかそうした時間をとることができませんけれども、私自身が浅羽に出向いて、そして、いろいろなことをあの場で皆さん方とお話をするということが、今でも大切なことであると、このように思っております。

 その5年間を振り返ってみてどうかという全体的な感想としては、醸成感、一体感の醸成というのは、ある面では大変難しいことでございまして、どのまちもそうでしょうけれども、合併して、なかなか両方が一緒になっていくというのは、相当時間がかかります。だけど、時間がかかりますけれども、一緒になったまちでございますので、今後とも努力をしていかなければいけないこういう気持ちでございます。それから、いろいろな事業面の中では、当面、大変困難な要素に直面している事業もございます。しかしながら、大宗といたしましては、目指していたところは5年間、おおむね達成できたと、このように思っております。

 そうした中で、今年度、後期の総合計画の策定に取り組みました。その後期の総合計画の中で、優先的に取り組む事業についてでございますけれども、計画に登載いたしました事業は、すべて政策目標を達成するために必要でございますけれども、あえて、中で申しますと、新病院の建設、それから保健・医療・介護構想の実現、これは仮称でございますが、総合健康センターということで実現をしてまいりたい。それから袋井駅の南北自由通路の新設、それから新学校給食センターの建設、それから市営墓地の整備、そのほか企業立地の推進、非常にたくさんございます。このように、今申し上げましたハード的な事業もそうでございますけれども、その進め方として、市民と行政のパートナーシップによる推進、これを図ってまいりたいと思いますし、この市民と行政の、一緒になってやっていくということがすべての事業の成功につながるものと、このように考えております。

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施政方針について

  (要旨)  
    (1)行政が求める市民の力・地域の力とは
    (2)個人情報保護の在り方(条例の見直し・マニュアル作成)
    (3)定員適正化計画について(計画の未達の分析と今後の展開)
    (4)早期退職増加に対する見解と
                    人材育成に関する職員アンケートの活用について
    (5)愛知のトリプル選挙を受けて(減税の可否)
     

 

ことしの施政方針の特徴のもう一点、それは市民の力、地域の力を全面に出しての施政方針であったと、そのように思います。前段、私が申し上げましたように、想像を絶する高齢化社会が待っている、そのことを思うとき、ことしの、市長が掲げた市民の力、地域の力は、重要なキーワードになってくると思います。しかし、それはどのような概念であるのか、そのイメージできる具体的なものがわかりません。私は、向こう3軒両隣精神、これから必要になってくるものは、まさに、日本に息づいていた、これまでの、地域の心とでもいう、みんなが思いやり、助け合うまちだと思っています。私の地域にもありますが、祝儀、不祝儀するにも、5人組というものが不文律であり、何かのときには一体となってやってまいりました。ことしの施政方針の中でいう、行政が求める市民の力、地域の力とは、具体的にはどのようなものか伺っておきたいと思います。

次に、市民の力、地域の力についての御質問にお答えを申し上げます。

 市民の力、地域の力というのは何のことであるかと、こういう意味かと思います。地域の課題の解決に向かって、みずから立ち上がり、よりよいまちを自分たちでつくっていこうとする人の力や、そのつながりを持つ力の総称である。少し、言い方として、ごろ回しみたいな感じがしますけれども、議員から少しお話がございました、少子化もそうですけれども、高齢化がより進んでいくと。そうすると、私は、今起こっている行政課題よりも、もっと多くの行政課題がたくさん起こってくるのではないかと。そうした中で、それは広い意味での行政課題と言えると思いますけれども、それを今度はすべて、今の、現在の行政の組織と力だけでは、なかなか、解決できないと。そうなりますと、より、もっと、住んでいる地域の皆さん方の御協力、あるいは御支援と申しますか、そういうもので、市と一緒になって解決をしていったほうがいいと。そのほうが、地域ごとのいろいろな課題に細かく対応できるし、より効率的な対応ができると、そういう意味でございます。現在でも、自治会活動を筆頭に、地域ではいろいろな自治会活動と一緒になりながら、防災とか、あるいは安全とか福祉、そういうものをいろいろな皆さん方がやってくれています。それは、地域ごとにもやってくれています。あるいは、全市では、福祉とか、あるいは医療関係でもそういうようないろいろな皆さん方から御尽力をいただいております。

 そうした中でございますけど、大分、自治会の皆さん方も、市からいろいろなことをお願いしたりして、非常に、自治会長を初め、班長等もいろいろなことで大変であると、そういうことも伺っております。これが、地域の高齢化とか、あるいはそれに伴って、なおも余計な行政課題が生じてきたときには大変で、どうしようもないのではないかということが想定されます。そうした中でございますので、私は、想定される未来に向かって、それでは、一体何をすべきかということで、そうなりますと、市の人たちも、市の職員も、もっと現場に出て、現場に出る方式もいろいろな出方があると思います、ここに籍を置いて出る方法もあるし、あるいは、公民館等に、直接、籍を移してそこでやる方法も、いろいろな方法があると存じますけど、そういう方法を検討しながら、地域でできることは地域でできるだけ解決するし、全市的にやったほうがいいことは全市的にやっていきますし、その振り分けをやりながら、特に、地域の場合には地域の皆さん方のお力を、より出していただいて、いろいろな方々がいろいろな地域で御活躍をしてくださっておりますが、あえて言えば、その力を、こちらの行政のほうと一緒になってやるような、そういうベクトルも向けていただけたらと、こういう気持ちもあります。これは、むしろ、私から市民の皆さん方へのお願いになるわけでございますけれども、そのお願いを、来年度、平成23年度から各地域ごとに、あるいは全市的に、私はしていかなければいけないと、このような認識を持っております。

 

 

先月、この市の言う、市民の力、地域の力に逆行する話を、ある民生委員からいただきました。その民生委員いわく、地域のエリア内の個人情報を市からいただけないというのであります。確認しましたところ、市の個人情報保護条例は、掛川、磐田と比べましても、情報開示には審査会の意見を聞くことを前提とするなど、ハードルの高さを感じました。これからの社会に必要なものは、それは地域の人が知り合うこと、知っていること、支え合うこと、それが重要であります。いずれにせよ、協働の精神を具現化する阻害要因となる個人情報保護は問題であります。当該条例の見直しについてお伺いするとともに、地域力、市民力を効果的に引き出す個人情報保護のあり方と、自治会、公民館活動等を含めた運用マニュアルの作成についてもお伺いしたいと思います。

  次に、個人情報保護のあり方についての御質問でございます。

 言うまでもございませんが、個人情報保護制度は、個人情報保護の基本理念を定めている個人情報保護法と、その取り扱い方法を規定している条例等で運用をされております。本市が保有する個人情報は、袋井市個人情報保護条例に基づき管理をしておりまして、個人情報を外部に提供する場合には、本人の同意があるときや法令等の規定に基づく場合などを除き、袋井市個人情報保護審査会の意見を聞いて、公益上、特に、必要と認めたときに提供をしております。個人情報保護条例は、各地によって異なっておりますが、本市におきましては、第三者委員による審査会、それが先ほど申しました袋井市個人情報保護審査会でございますけれども、これに諮問し、個人情報の取り扱いについてさまざまな御意見をいただき、適切に対応しているところでございます。

 民生委員の方への情報提供のことでその例示をいただきました。民生委員活動に必要な情報は、既に提供していると判断をしておりますけれども、さらに、必要となる情報がないかを、所管課のしあわせ推進課で精査し、提供に向けて準備を進めていることでございます。民生委員の方の活動がしやすい状況をつくるということが必要なことであると、このように思います。

 御質問の条例を見直ししたらどうかということについてでございますけれども、各市の状況も確認するとともに、この条例の見直しにつきましても、現実に、個人情報が、保護する面と、それから、実際にそれを活用するという面が、うまく調和ができるように、その面につきましても検討してまいりたいと存じます。個人情報の保護について、議員から、恐らく、質問の時間では少し短いのであれだったと思いますけれども、私も、この問題については、大変、ある面で、少し、今、過渡期に差しかかっているような感じがします。と申しますのは、1点、個人の情報保護というものが非常に強く出てきまして、あらゆる面で、個人の情報保護があるからだめなのですよというのが、我が国の、これは国もそうでした、それから、自治体全般においてもそうです。ところが、それを余り進めていくと、せっかく守ろうという、かえって個人情報を保護することによって、本人が不利益をこうむることがあるのではないかと。端的な例で申しますと、災害のときに、要援護者という対象がございます、これ、要援護者台帳、援護者になる人が、個人情報なので援護者になる人の名簿ができないということになります。名簿ができないと、災害のときに、一番最初に、行政としてといいますか、地域のみんなでも手助けをしたいという方のリストが出てこないのでと。現実的に、よくこういう問題が、当市の内部でも、袋井市の中でも起こっております。起こっておることを、だんだんそれを解消しようとしておりますけれども、個人情報、個人の情報を大切にする、それから、しかしながら、公共的な意味で、その個人の情報をうまく使うことによって、むしろ、個人が不利益にならないような、利益を享受するような、こういうことを考えていかなくてはいけないという意味での、内容面でのチェックが一つ。

 もう一つ、個人情報で手続面です。先ほどの、私どもの市では審査会を設けておりまして、審査会経由でもって個人情報を使っていいか、悪いかと、こういうような、その情報を出したらいいかどうかというこういう審査をする。審査会を経由するということは、それだけ時間がそこでかかります。とかく、情報の話というのは、それだけ時間をかけて議論をしているうちに、大切な時間が過ぎてしまいましてということもありますので、この個人情報について、可能な限り、早い時間で結論が出るようにと、このプロセスも検討する必要があると、このように思っておりますので。

 個人情報の保護のあり方につきましては、今、私が答弁したほかに、そのために議員のほうからは、自治会、公民館活動を含めた運用のマニュアルの作成はどうかと、こういう御質問もございます。そうしたものを含めまして、より検討をしていかなければいけない、必要であれば、運用マニュアルなんかをつくれば、それによってやっていけば汎用性が図れますので、その運用マニュアルにつきましても、作成をしてまいりたいと、このように思っております。せっかく御質問をいただきましたので、この面につきましては、より深い検討をして、早急に、必要なところの手直しと申しますか、直しは直していきたいと、このように考えております。

 

 次に、施政方針に触れられています袋井市の定員適正化計画についてお伺いしたいと思います。

 御案内のように、本市でも職員を削減し、コストを抑えるということで、市職員の定員適正化計画を合併後策定してまいりました。平成17年当時、病院職員を除き571名いましたが、これを平成22年度、今年度までに計画では520名にするという目標を立て、51名減を市民に約束したわけですが、結果、548名ということで、23名減にとどまっています。理由としましては、一般行政職14名、教育行政12名、公営企業2名増ということで、トータル28名が予定より多くなっているわけですが、減員できなかった理由と問題をどのようにとらえているのかお伺いしたいと思います。また、正式職員を減らせないばかりか、臨時嘱託職員は121名から149名と28名の大幅増となっていまして、削減計画とは名ばかりとなっています。総人件費の推移も含めて、どのように総括されているのかお伺いしたいと思います。

 定員適正化のもう一点は、平成23年から平成27年までの今後の計画の考え方についてであります。後期の計画は、現在の548名を504名に、44名の減員を計画していますが、前期でも達成できなかった削減計画、本当に達成可能なのか、削減の具体策と進め方についてどのように考えているのかお伺いしたいと思います。


 次に、定員適正化計画についてでございますけれども、本市ではこれまで、平成17年度から平成22年度までの6年間の定員適正化計画に基づき、市全体で63人、市民病院を除く一般職員で、退職者の3割補充による51人の職員数の削減を目標に、組織機構や事務事業の見直し、指定管理者制度の導入や民間委託の推進、専門分野や特定業務への非常勤嘱託の活用などによりまして、職員数の削減に努めてまいりました。しかしながら、平成17年度の一般職、571人おりまして、これが平成22年度は548人と23人の減員にとどまりました。目標の51人の削減は達成できませんでした。いろいろその理由を調べてみましたけれども、やはり、建築確認事務等や開発行為の許可事務、あるいはパスポートの発給、そういう地方分権によります権限移譲とか、そういうものがまずあったということ。それから、いろいろな各関係機関へ職員の派遣をしたり、特定健康診査などの、計画策定後に発生した事務事業が相当出てきたと、こういうことが私は理由であると、このように思っております。いずれにしましても、51人が23人の削減にとどまったということは、反省すべきものがたくさんございます。正規職員は23人削減したものの、非常勤嘱託が28人増加していると、このような御指摘がございました。こうした非常勤嘱託につきましては、幼稚園教員とか、あるいは介護保険の調査員などの専門的な業務や定型的、補助的業務に任用しているところでございまして、任用も必要最小限にとどめておりますことから、こうした取り組みが総人件費の抑制にもつながっているものと考えております。

 次に、本年1月に策定いたしました新たな定員適正化計画についてでございますが、本計画の策定に当たりましては、各所属における事業量の実態の把握、あるいは、類似団体別職員数データ等を参考とする中で、組織がより効果的、効率的に機能するよう適正な人員配置を検討したものでございます。本計画における基本的な考え方は、職員の採用に当たっては、保育士、幼稚園教員以外は退職者の5割以内とし、平成27年度までに44人の職員を削減すると、このようなこととしております。このため、毎年度、組織や職員配置、事務事業の見直しを行うとともに、指定管理者制度の活用、外部委託の推進、市民と行政との連携、協働のまちづくりの推進などの、さまざまな手法を活用することで目標の達成に向け努力してまいりたいと存じます。

次に、早期退職者に対する考え方と人材育成に関するアンケートの活用についてであります。合併前には比較的少なかった退職者、特に、早期退職者が多くなっていまして、退職される全体が、17年から平成22年度まで140名いらっしゃいますが、そのうち101名が早期ということで、70%にも及んでいます。以前、私が提案し、市でも職員を対象に人材育成アンケートをとりましたが、その中に、仕事にやりがい、充実感を感じているかとの設問で、職員全体560名のうち、9.9%、55人ぐらいが仕事にやりがいを感じていない、あるいは、どちらかというとやりがい、充実感を感じていないと答えています。もちろん、この数字と退職者数が相関関係にあるとは断定いたしませんし、むしろ、経験豊富な有能な職員の中途退職は、市にとっても大きな損失であります。人事政策上、現在の早期退職者のこの数字をどのように判断をしているのかお伺いするとともに、あわせて、さきに実施した人材育成に関する職員アンケートの結果をどのように分析し、活用されているかお伺いしたいと思います。

 

 

次に、早期退職者の増加に対する見解と、人材育成に関する職員アンケートの活用についてでございますが、御質問の勧奨退職や自己都合退職などの早期退職者数は、合併後の平成17年度から本年度末の退職予定者まで含めました140人のうち、101人でございます。自己都合退職者には、それぞれ事情があると考えられますし、勧奨退職は人事の刷新と組織の活性化を図るために実施しているものでありますことから、御質問にありました職員アンケートによる、やりがいや充実感の不足が直接影響しているものとは考えておりません。しかしながら、こうした退職者の増加が、今後の業務体制に影響を及ぼさないよう、退職者数を考慮した職員採用を行うとともに、業務量と職員数に偏りが生じるなど、職員個々の負担が増大しないように業務のスリム化と事務事業の見直し等を行い、適切な人員の配置に努めているところでございます。
 次に、人材育成に関する職員アンケートの活用についてでございますが、御質問にありました、人材育成に関するアンケートは、平成2011月に、市民病院の医療職を除く職員を対象に実施し、560人から回答がありました。このアンケートは、理想の職員像、人事制度、研修制度や職場環境、仕事のやりがいについて調査したものでございまして、その結果は、公平、適正な人事異動や職員の勤務実績を的確に把握し、昇給、昇格などに反映させる勤務評定の検討に用いることや、専門的知識の習得だけでなく、職員がやりがいや充実感を持つため、多様で魅力ある職員研修を行うなど、さまざまな形で人材育成のため活用し、効果を上げております。

 

 次に、政治姿勢ということでの最後になりますが、さきに行われました愛知の知事選、名古屋市長選、同市議会解散の賛否を問う住民投票のトリプル選、これらについての見解をお伺いしたいと思います。特に、名古屋、河村市長のマニフェストは、これからの地方自治に大きな影響を及ぼすものと予想されます。名古屋ショックとまで言われている減税公約、本市における減税実施の可否についての考え方をお伺いしたいと思います。

 御案内のように、名古屋市では、すべての行財政改革で、185億円を捻出したということで、これを裏づけとして市民税10%を減税するというもので、161億円の減税公約が掲げられました。個人市民税均等割3,000円を2,700円に、所得割6%を5.4%にするというもので、これを本市に当てはめれば、おおよそ4億円程度に相当すると思います。名古屋市的発想で行政改革効果を減税にということになれば、袋井市は行政改革効果を3億5,800万円見込んでいますから、この3億5,800万円の減税ということでの議論になろうかと思います。すなわち、袋井市の1世帯当たり、平均で約1万円程度の減税ということになりますが、本市でこうした考え方、発想はできないか、できないとしたら、どのような条件がクリアできれば減税への取り組みができるのか、減税の可否についてお伺いしたいと思います。

 次に、愛知県のトリプル選挙を受け、特に、名古屋市長選挙で争点となった市民税減税の可否についての御質問にお答えを申し上げます。

 私も興味がある問題につきましての御質問なので、少し、私見を交えての回答とさせていただきたいと存じますが、河村名古屋市長が実施を掲げている、行政改革の効果として節減された予算を、市民税の減税という形で市民に還元すると、こうした政策を当市としてもやったらどうか、できますかと、こういうことの御質問でございますけれども、少し、私は、そのまま、こういうことを通してやるということにつきましては、異なった考えを持っております。議員からちょうどお話がありましたように、市民税の減税額と、それから、袋井市でやりました行財政改革の成果というのは、行財政効果が3億5,000万円でございますので、ほぼ、数字的には一致するものでございますけれども。

 どうして、私は、河村市長が言っているのと少し異なった考えを持っているかということをお話しいたしますと、行政改革というのは、行政の無駄を省き、効率的な行政運営を行うためのものでございます。ですから、市民の皆様からお預かりした税金を可能な限り有効に活用するためのものでございます。本市におきましては、まずは、市民の皆様からいただいている、また、そのほかにいっぱい、いろいろなことを市民の皆さんが、これをやってくれ、こうやらなくてはいけない、こうであるという、こういうような、いろいろな要素がございますので、行財政改革で浮きましたお金を、まずは、市民の皆さんがこうしてやってほしいという施策の中に、優先的に振り分けていくと、こういうことが、私は優先すべきだと、このように思います。言いかえますと、市民税の減額によりまして、市民の負担を軽減するか、あるいは、行政サービスの充実により市民満足度を高めるか、この議論になるわけでございますけれども、本市におきましては、まだまだ、市民サービスの充実を優先すべきであると、このように判断をいたしております。

 もう一つ、現実的に、今度は、本当に、この行財政改革で節減した部分を、それを市民税の減税という形で還元することが、袋井市の市民にとりましては非常にわかりやすいこういうような感じになるかもしれませんが、袋井市の財政を運営していくという面から考えると、余り、必ずしも、得策ではありません。例えば、袋井市が独自で減税をしますと、当然のことながら、特別交付税が、今、袋井市でおおよそ6億円ぐらいもらっておりますけれども、恐らく、これは総務省へ照会したわけではございませんけれども、制度の趣旨からいったら、つまり、特別交付税は、あなたの市は減税を独自でするぐらい余裕のある市だから、特別交付税を交付する理由はないでしょうということで、まず、特別交付税が相当減らされることになります。そういう点があります。それからもう一点は、地方債の発行につきましても、市債、これを発行するについても、ある面では制限を受けると、こういう点が、財政運営上の問題があります。それから、もう一点、今度は、納税者サイド、市民サイドから考えたときに、確かに、その分、税金が安くなると、その分、市民サービスがなくなるわけでございますけれども、税金を納めていない人もございます。税金を納めていない人にとりますと、これは、そういう人にまでは、減税してもメリットが届かないと、こういうことになります。いろいろな点があると思います。名古屋と袋井では、規模や自治体の構成要素にも違いがあると、こういうこともあるかと思います。
 私は、今、自分が少し異なった考え方を持っておりますということで、その論拠を申し上げましたけれども、これは一つの手法であると、このようにも思いますし、現在の自治体を運営していく上で、その行財政改革をした部分を減税という形で市民に戻すのか、あるいは、それを、もっと市民が要求している、ほかの施策の中で戻すのかと、これはいろいろな考え方があるところでございますので、より、今後とも検討をしてまいりたいと、このように考えております。

 以上で私の答弁を終わりまして、あと、文化行政につきましては教育長から答弁をいたしますので、よろしくお願いを申し上げます。

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歴史文化の顕彰、振興策について

 (要旨)
    (1)浅羽支所に開設する(仮称)歴史文化館
            の位置づけと今後について
    (2)文化財の総棚卸と整理・活用について
    (3)博物館建設について
    (4)文化協会等から出されている要望書について
    (5)袋井市の歴史物語づくりとITライブラリー化について
    (6)袋井市の市史編纂と文化財審議会の充実について
    (7)澤野記念館10周年の総括と
          今後の充実した展開について

 次に、歴史文化の顕彰、振興策についてお伺いします。

 昨年、12月の定例会の常任委員会の報告の中で、浅羽支所の2、3階を(仮称)歴史文化館としてのスペースとしたいとの報告がありました。市の提案では、江戸時代以降の古文書、歴史資料の調査、修復、展示、学習を行う施設を検討するということで、旧袋井市史、浅羽町史を活用した、歴史講座を行う歴史学習施設としたい、また、明治、大正、昭和の公文書についても、ワールドカップや国民体育大会等の大きな出来事などを展示していきたいというものでありました。私も、こうした袋井の文化を体系的に整理し、ハード、ソフト両面での運用を望んできた者の一人として、古文書の整理など、歴史館的活用はありがたく受けとめさせていただきました。しかし、新市になってから、博物館や郷土資料館、さらには袋井の文化財の収蔵物をどのように市民に見せるか、また、今後、文化財施策をどのようにするかなどの意見交換や議論の機会はなく、今回の歴史文化館構想は、率直に申し上げ唐突なような気もいたしました。以前、兼子議員から、袋井市での博物館の建設についてどのように考えるかとの質問に対し、市長は、今後の文化施設のあり方を検討する中で検討したい、資料館は場合によったら図書館との兼用もあり得る、今後、総合計画の中で検討したい、このように答弁をされておりました。実は、市の総合計画の中では、図書館や郷土資料館について、教育施設整備10箇年計画に、新中央図書館、資料館建設事業として、平成26年、平成27年に基本計画や基本設計を予定しているわけであります。このように、今回出されてまいりました(仮称)歴史文化館は、総合計画の中で、わずかに、資料館建設事業がありそうな、そんな頭出しがされているだけで、具体的議論は、議会では新市になってからはなかったと記憶しています。いずれにせよ、文化財について、市が何を考え、今後、どのように当該事業を展開しようとしているのか、ことしの施政方針にも全く触れられていないだけに、しっかりと整理をしておく必要を感じます。浅羽と袋井が合併しはや6年、両市町の歴史文化を一緒に掘り起こし、一体となって進める文化行政、とりわけ、歴史的顕彰や展開は、多いに意義あることだと思います。

 そこで、今後の展開について、何点かお伺いしたいと思います。

 まず、1点目として、今回の文化館の位置づけはどのようなものかお伺いしておきたいと思います。すなわち、博物館、郷土資料館的施設なのか、将来、浅羽支所はこうした郷土資料館に改装していくのか、それとも、近藤記念館等、類似施設と複合的に、歴史文化の顕彰、学習ゾーンとして考えていくのか。要するに、教育施設整備10箇年計画との整合させた将来ビジョンについてお伺いしておきたいと思います。

 

議長(佐藤省二) 小林教育長。

〔教育長 小林哲雄 登壇〕

○教育長(小林哲雄) 私からは、歴史文化の顕彰、振興策についての御質問にお答えを申し上げます。

 最初に、(仮称)歴史文化館の位置づけと今後についてでございますが、本市では、昭和60年代から、大規模開発により発掘した大量の埋蔵文化財や古文書等、その他の文化財が数多く収蔵されておりますが、旧袋井市には常設の博物館、資料館がございませんでしたので、埋蔵文化財等の保管管理は、公民館の空きスペースや仮設の建物を使用し、展示会や歴史講座は、市民ギャラリーや図書館、公民館のホールで実施してまいりました。また、旧浅羽町では、平成3年に浅羽郷土資料館が整備され、ここでは、歴史資料の展示とともに、地域の民具の収集や浅羽佐喜太郎などの郷土の偉人の掘り起こしも行われてまいりました。近年、浅羽支所周辺は(仮称)エントランス広場を中心に、メロープラザや浅羽郷土資料館・近藤記念館、浅羽図書館などの、文化・教養ゾーンとして整備されております。このことから、浅羽支所、2階、3階を整備して、文化財を整理保管する(仮称)歴史文化館として利活用するもので、展示室を設け広く市民に文化財を公開する歴史文化施設といたします。

 

  2点目は、文化財総棚卸しと整理活用についてということでお伺いしたいと思います。

 今回の市の考えでは、江戸時代以降の古文書類等を対象に、展示を考えておられるようですが、江戸時代以前、また、古文書以外の遺跡発掘物や各種の歴史的資料をどのように体系、系統立てて整理していくのかお伺いしたいと思います。御案内のように、現在、袋井市では、郷土史資料につきまして、平成8年度から旧袋井市の市域にゆかりのある考古、民族、古文書、絵画などを購入し、将来の博物館建設に向け収集し、既に、122点余に及んでいると承知しています。こうした最近の収集以外にも、文化財に係る収蔵品は本市にはたくさんありまして、例えば、田原文化財資料室に埋蔵文化財が1,300箱、民具が2,000点、高尾文化財資料室に埋蔵文化財が2,800箱、中央公民館地下室に1,600箱、袋井図書館に埋蔵文化財が10箱、古文書が100箱、松山倉庫に300箱、浅羽郷土資料館に古文書が50箱、合計で埋蔵文化財が6,010箱、民具が2,000点、古文書が150箱と、実に多くの収蔵物が、ほとんど日の目を見ることなく倉庫に眠っているわけであります。私の知る範囲では、これ以外にも東京国立博物館を初め、名古屋市や浜松市の博物館、明治大学や国学院大学考古学博物館に11種類、文化財の点数にして数千点保管、展示をしていただいていると伺っています。そのほか、保健センター北側の倉庫の中には、秋葉線の客車を初め、後世に残したいものが山ほどあるわけで、これらは、知る人ぞ知る、議員も知らなければ職員も、当該行政にかかわった者しか見たことがないというのが実態であります。ともあれ、多額な費用をかけ発掘してきた文化財を初め、多くの資料をどのように整理し、また、広く市民に周知するかが今問われています。今回、歴史文化館の展示対象外となっている古文書等の文化財を、今後、どのように展示していくか、あわせて、現有する文化財、旧袋井、旧浅羽の保存している資料等を、今後、どのような施設に、どこに、どのような形で保存をしていくのかお伺いしたいと思います。

 

次に、文化財の総棚卸しと整理、活用についてでございますが、先ほど、御説明申し上げましたように、市内には、旧袋井市と旧浅羽町時代より収集、保管してまいりました資料が、6施設に分散して保存されております。こうした資料につきましては、今回、計画しております歴史文化館の一部に資料を集約し、分散化をできるだけ解消するとともに、この資料を、時代や種類、年代など、系統立てて整理し、展示してまいります。さらに、発掘した土器などを、学校での歴史学習、公民館での地域学習などに、また、昨年秋に完成しました近藤記念館と郷土史料館を利用することにより、展示のみならず体験学習にと活用してまいります。

 

  3点目は、博物館建設についてであります。

 前段申し上げましたように、以前、議会の答弁として、総合計画の中で考えたいとしていましたが、具体的に、どのように考えたのかお伺いしたいと思います。旧袋井市では、博物館建設について1年半近く議論が交わされ、袋井市立博物館基本構想調査研究報告書が、時の大場助役や浅井教育長、学識経験者まで交えて真剣に議論され、平成5年に市議会にも報告され、市議会でもこれまた、全員協議会で真摯な議論が交わされてまいりました。また、袋井市における今後の適正な公共施設のあり方について、現在、部課長になられている皆さんが議論されましたが、その中で、博物館が真剣に議論されたこともあります。いずれにせよ、積み上げた袋井でのこれまでの議論、恐らく、旧浅羽でも同様な熱い議論が交わされあの郷土資料館建設に至ったと思います。現時点、すなわち、歴史文化館をスタートさせる段階での博物館建設に対する見解を伺っておきたいと思います。

 

 次に、博物館建設についてでございますが、御質問にございました博物館基本構想研究報告書においては、体験学習に重点を置いた教育普及活動や、市全域を博物館活動のフィールドとする考え方、博物館を袋井市の歴史文化に関する総合情報センターと位置づけているというように承知しております。このたびの歴史文化館は、周辺施設と有機的に結びつけ、ゾーン全体で博物館的機能を発揮できる施設となるよう運営してまいります。

  4点目ですが、文化協会、浅羽史談会、袋井ふるさと研究部から出されています袋井市内の古文書等、歴史資料の収集、保存と伝統芸能の伝承にかかわる要望に対する市の考え方についてをお伺いしたいと思います。古文書、考古資料、典籍、伝統芸術資料の調査保存、また、資料の収集保存にかかわるIT機器の活用、市民への資料公開、伝統芸能の継承のためのイベント企画等、文化協会長を初め、皆様から要望が出されていますが、これに対する考え方について、それぞれお伺いしたいと思います。  次に、文化協会などからの要望書に対する考え方についてでございますが、要望の中で述べられている市内の古文書等の収集保存と公開など、相当の機能を担う施設が、歴史文化館になるものと判断しております。なお、一例として、要望にある古文書等の資料の収集保存を行い、基礎資料の充実を図るとともに、収集した資料は適切なデジタル化を行い、市民の歴史に対する理解を深めるために活用してまいります。また、資料の収集や活用につきましては、市内の歴史研究団体の皆様の御協力をいただきながら進めてまいりたいと考えております。 
  5点目、袋井市の物語づくりとDVD等、ITライブラリー製作についてであります。

 城下町としての掛川市、国分寺、国府としての磐田市、多くの歴史資源に恵まれているまちとは違い、限られた資源を活用してのまちづくり、これがこれまでの袋井市と申し上げても過言ではありません。東海道どまん中も、五十三次、江戸日本橋、京三条大橋それぞれ、数えて27番目、たまたま真ん中、ど真ん中ということで、本市では議会の議論の中で、このCI、シティー・アイデンティティーが生まれたというのも事実であります。その後、私も平成10年の議会で取り上げましたが、文化10年、1813年、大阪の豪商、升屋平右衛門の「仙台下向日記」から、医者を含む10人が袋井宿に1泊し、翌朝に、食事に「たまごふわふわ」が出た、それが、今日ではB―1グルメで袋井の大きな売りとなっているわけであります。事ほどさように、古きをたずね新しきを知る、そして想像する、温故知新こそ文化行政のスタートであります。

 私から、きょう、1件の例を挙げ、提案したいのは万葉集であります。遠江には、防人部領使、史生、坂本朝臣人上が大伴家持に進上せし18首のうち、拙劣歌、つたなき歌11首を除いた7首の防人の歌があります。このうち、2首が袋井の地にゆかりある歌とされ、袋井中学にも歌碑が建てられています。その1首は、山名郡出身の防人、丈部真麻呂が詠んだ「時々の花は咲けども何すれぞ母とふ花の咲き出来ずけむ」、もう一首は、同じ山名郡の丈部川相、この川相は、諸説いろいろありますが、西地区の現在の川井の出身者であろうということですが、「遠江志留波の礒と尓閇の浦と合ひてしあらば言も通はむ」であります。遠江に、七つしかない防人の歌が2首ある、このことすら、すごい意味があることでありますが、浅羽と合併し、「紅の浅葉の野らに刈る草の束の間も我を忘らすな」との歌と、さらに、柿本朝臣人麻呂の「浅葉野に立ち神さぶる菅の根のねもころ誰がゆゑ我が恋ひなくに」との歌、4首となったわけであります。あえて、この歌を挙げて申し上げますのは、旧浜北市、現浜北区には、万葉の森公園がありますが、浜北にゆかりがあるということで、4首の歌を宝物のようにしています。万葉集は、偉大な文化遺産として、奈良時代の我が国最後の歌集、長歌や短歌など4,516首余りが20巻の中におさめられているわけですが、当時、東国、東の国と言われた地域に、4首とは珍しいこととして、旧浜北市の植木、緑花木の産地に絡めて、公園までつくったわけであります。しかも、その浜北市の万葉の森開館にかかわったある先生が、袋井には防人の歌が2首もあって、すばらしい、浜北は1首だけだと言っていました。そんな袋井市が、さらに、浅羽と一緒になって4首となったということは、これまた誇れることだと思います。要するに、申し上げたいことは、いにしえに思いをはせ、限られた地域資源をいかに掘り起こすか、そして、その物語を、まちの誇りとして市民に等しく共有するかであります。そうした意味において、DVDや写真、模型、ジオラマを作成し、展示、あるいはどのようにプレゼンテーションするかが問われてまいります。浅羽、袋井の合併後、誇れる共有の地域資源、今こそ、歴史文化の見える化事業を計画的に進めるべきだと思いますが、これに対する考え方をお伺いするものであります。

 次に、袋井市の歴史物語づくりとITライブラリー化についてでございますが、本市では、袋井宿や遠州三山などの歴史資源を活用したまちづくりが行われており、御指摘の歴史資源の掘り起こしによる、袋井市の歴史物語づくりやITライブラリー化などによる見せ方は、袋井の歴史を知っていただく上で有効な手段ととらえております。また、旧袋井市より失われていく地域の歴史資源につきまして、映像で残す文化財ビデオシリーズを制作し、DVDなどのデジタル化を進め、図書館を中心に閲覧や貸し出しを行い、PRにも努めております。一方、郷土史料館を中心に、袋井宿や遺跡のジオラマ、パンフレットなどの作成を行っており、これらをさらに進め、歴史文化の見える化を充実したものとしてまいります。御提案いただきました万葉歌につきましても、平成21年度に、浅羽郷土史料館講座として袋井の万葉歌を開催し、好評を得ておりますので、このような地域資源をより具体的に理解していただけるよう、その活用に努めてまいります。

 

 6点目は、市史編さんについてであります。

 袋井市の市史は、昭和56年から昭和60年ごろにかけて、浅羽では平成12年ごろ、それぞれ編さんしてまいりました。その後、文化財の所蔵目録などもまとめてきたわけですが、継続的に、体系的に整理されていませんし、その後の文献など追記もされていません。また、浅羽と一体となったものを整理する必要を感じるわけですが、合併後の市史編さんのあり方、及び文化財審議会の、さらなる組織の充実や歴史掘り起こし体制の構築が望まれると思いますが、当局の今後の方針を伺いたいと思います。

  次に、市史編さんと文化財審議会の充実についてでございますが、御指摘のように、袋井市史は昭和58年に通史編を、浅羽町史は平成12年に通史編が、それぞれ刊行されております。このため、市史編さん事業後の、新たな古文書等の文化財の収集や保管につきましては、歴史文化館を中心に体系的な整理を行い、市史編さんのあり方について検討し、準備を進めてまいります。また、文化財保護審議会は、考古学、古建築、仏像美術など、それぞれの分野で地域を代表する専門家などからなる13名の委員により構成され、文化財の指定を初めとして、市史刊行後の未調査になっている資料の調査を実施し、仏像調査報告書や古建築調査報告の作成を継続的に行い、基礎資料の充実に努めております。今後、審議会委員の専門性を生かしつつ、調査の成果などを市民向けの講座などに盛り込むなど、歴史掘り起こしの取り組みも進めてまいります。
  7点目、最後に、澤野医院記念館の今後の運用について簡単にお伺いしたいと思います。

 地域の皆さんが、世話人会としてお世話いただいて10年、立派に地域資源を守っていただいてまいりました。これまで約2万人弱の来館者があり、旅人を初め、市民に立ち寄っていただいてまいりました。しかし、展示してあるもの、内容は、開館当時、職員も展示に意を配し、定例世話人会にも出席していたものがなくなり、郷土資料館的位置づけとは名ばかりで、最近では、展示は、だれが見ても充実しているとは言えないものになってまいりました。当初、澤野先生が所蔵していた「解体新書」や「大和本草」など、目玉の資料を中心に、健康文化都市にふさわしい健康文化の発信、歴史文化資料の展示を含めた、市が所蔵する各種の古文書や発掘物等の展示の期待、さらに、歴史や文化の教育的施設として子供たちも学習に利用できる機能を期待していたわけですが、いつしか、展示もまばらな、そして、コンセプトも地元任せの施設になってしまいました。いずれにせよ、あの場所は、市長が就任し、五街道サミットをした初仕事の場所であります。今後、澤野医院記念館をどのように位置づけるかということは、(仮称)歴史文化館の立ち上げにあわせて、今後の方針や位置づけを明確にすべきだと思いますが、過ぎ越し10年、行政から見た澤野医院記念館の総括と充実した今後の展開ということでお伺いし、一般質問を終わります。

 次に、澤野医院記念館10周年の総括と今後の充実した展開についてでございますが、当館は、開館以来、地元の方々を中心とした、澤野医院記念館世話人会による、まさに、献身的な御協力をいただいて、日常の管理と運営が実施されてまいりました。世話人会の皆様には、深く感謝を申し上げたいと思います。また、袋井市の近代化と地方医療の歴史を物語る建築物であることから、その特徴を生かしつつ、周辺の小学校の児童や旧東海道を散策される方々の体験学習の場となっております。今後、さらなる利用者の増加に向けまして、2016年には袋井宿開設400年を迎え、旧東海道沿いの立地が注目されますことから、私どもと地域の方々と、地域の方々の声も伺いながら、ともに効果的に活用を進めてまいりたいと存じます。

 以上で私の答弁とさせていただきます。

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再質問

○議長(佐藤省二) 21番 大庭通嘉議員。

21番 大庭通嘉 議員 登壇〕

21番(大庭通嘉) それぞれに御答弁をいただきましてありがとうございました。

 もう少し深入ったところで質問させていただきたいというように思いますが、行政が求める市民の力、地域の力、これが、個人情報保護が阻害要因になっている節があるということでの認識が、市長も同一にしていただいて心強く思いました。条例の見直しも含めて、また、マニュアル等も検討をお約束いただいてありがたく思いますが、このスピードアップをしていただきたいというように思います。以前、自治会ハンドブックを作成するということでしましたけれども、充実が、まだ、いま一歩かなというように思います。ぜひとも、その進め方、掛川、磐田を見るまでもなく、すぐやれるようなこと、特に、職員のレベルが課によって違うということもあり得ます、そういったことに対する取り組みも、あわせて、担当部長でも結構でありますので、御決意をいただいておきたいというように思います。

 一つ市長に、認識を改めてお持ちいただきたいことが、先ほど申し上げたように、高齢化の件であります。袋井市は、限界集落は、全然、関係ないまちだというように思っていました。限界集落の概念というのは、1991年に、当時の高知大学の大野晃先生、今、長野大学の先生ということで、提唱された新しい概念だというように言われていますが、65歳以上の方が50%を超すと限界集落、それがさらに進むと超限界集落で、それが進むと消滅集落。限界集落の手前は、55歳以上の方が50%以上住んでいるところを準限界集落。実は、袋井には限界集落はないわけですが、準限界集落というのはありまして、調べて私もびっくりしたのですが、砂本町の55.6%、青木町が55.5%、清水町が54.6%、金屋敷が55.4%、小川町55.4%、下区52.2%、新町52.2%、中央52.1%、南区51.6%、大通50.7%、本町50.0%と11自治会もあるのです。55歳以上の方が40%以上を超しているところは43自治会で、156自治会のうち3分の1ある。市長が目指している、地域の力、市民の力と、これは、まさにターゲットは合っているというように思います。しかし、分析の仕方も、袋井市は、本当に、真剣に考えていかないと、地域の力どころか、地域に力がなくなってしまう。運動会をやっても綱引きもできない、こういう状況であります。いま一度、そういうこともお進めをいただきたいというように思いますし、それから、個人情報の関係で、例えば、袋井西公民館で5歳児祝い式をやっています。来年、小学校に上がる子供たちの名簿が欲しいといっても、教育委員会では出してもらえないのですよね。こういうのというのは、地域でわざわざお金まで出してやっていますよ、それが、応援もできない、この個人情報の保護というのは、どうかな。そこら辺の見解をこの際いただいておきたいと思いますが、いかがでしょうか、お願いしたいと思います。

 それから、愛知のトリプル選の、名古屋ショックの件なのですが、実際、この均等割、所得割を愛知並みにやったら幾らぐらいになるかというのを、試算してあったら教えていただきたいというように思います。あわせて、市長と私も大体同じ見解で、今すぐ早急にやるべきかどうかというのは、これはちゅうちょするところもありますし、今後、より検討していただきたいと思います。ただ、袋井市の場合、都心と比べて、自治会費なんかが物すごく高いのですよね。税金で1万円カットしてもらうより、大体、各自治会、1万円から3万円ぐらい払っているわけです。本来は、行政サービスの中でやっていただくべきものが、市民負担になっている。こういうことについても、あわせて見直していただきたいということで、そこら辺の見解がありましたらいただきたいと思います。

 澤野医院記念館についてであります。展示をいま一歩充実させてほしいなというように思いますので、改めて、質問しながら要望するわけですが、2016年の宿駅400年に向けてということで、結構なことだというように思います。袋井宿は五十三次のうち51宿目にできて、あと、箱根、庄野宿ができて五十三次が完成したわけですが、あと5年後ですか、これが、イベントがあるときに、あの澤野医院記念館に、さらに、喜んでもらって、多くの皆さんがおいでいただく、その目標ができるということは、地域の皆さんも、また、新たな澤野医院記念館のお世話をしていただけるのではないかと、このように思います。ただ、いかんせん、今の展示の充実を、ごらんになって、そこら辺、どのようにお感じになっているかお伺いしたいというように思います。

 例えば、万葉集の話を少ししましたけれども、物語をつくって、それを見える化をするということが非常に大事で、「遠江志留波の礒と尓閇の浦と合ひてしあらば言も通はむ」という歌が一つありますが、ああいう歌を一つとっても、歌碑が袋井中学校にもある、三ヶ日中学校にもある、御前崎白羽にもあるし、竜洋のなぎさ会館もある。みんな、自分たちのまちの地域資源を、何とかしようとしているのですよね。山名郡出身の丈部川相が詠んだということで、袋井はそれを売りにしているわけですが、志留波とか尓閇の浦に関係する三ヶ日だとか白羽地区は、それを自分らに取り込もうとしている。事ほどさように、そういうものを、例えば、川井に御縁があるのだったら、何か、そういうプレゼンテーションをしていく、ジオラマにしてもそうですし、浜北の万葉の森をごらんいただければわかりますが、ああいうほんのちょっとした切り口で市民の皆さんにわかっていただく、その活動が大事ではないかなというように思います。澤野医院記念館の展示物についての今後の進め方について見解と、あと、市長、10年ぶりであります、市長、先ほど、私のところに、世話人からいただいた写真がありますけれども、大変お若い写真で、10年過ぎ越したちましたけれども、御感想を一言いただきたいと思います。

 以上をもちまして終わります。

○議長(佐藤省二) 原田市長。

〔市長 原田英之 登壇〕

○市長(原田英之) 大庭通嘉議員の再質問にお答えを申し上げます。

 1点目が、個人情報と、それから、どちらかといいますか、市民の皆さん方の御協力の問題で、先ほど、ちょうど5歳の方の年齢をと。これ、実は、消防団の加入の際なんかにも、相当、こういう問題も生じましたし、お話がございました民生委員の皆さん。私は、行政の責任者としての発言というよりも、あえて、個人的な見解という意味でいうと、個人情報の保護というのは、人権的な意味でとても大事なことでありますけれども、余り保護し過ぎることによって、かえって個人の利益が阻害されることもあるのではないかということを、時折強く感じることがあります。これは、法律の問題、条例の問題等で、いろいろ難しい問題がありますけれども、しかし、守り過ぎることによって、しかも、本人が守るのではなくて周りの方が守ることによって、御本人の、場合によったら、御意思とは逆に、個人の利益が阻害されることがあります。これは、法律とか条例を直すというよりも、それぞれの判例というか、事例の積み重ねによって変えていくべき問題が相当多くあると思いますので、早急に、担当部署のほうで、各いろいろな市の行政実例がたくさん出ていると思いますので、実例をとにかく取り寄せて、それによって庁内の中でのコンセンサスを図り、そして、今後、対応していきたいと、このように思います。スピード感を持ってやっていきたいと、このように思います。

 2点目の、名古屋の例で、税外負担の問題、自治会費とか、私も、今、市内の葵町に住んでおりまして、その前に睦町に住んでおりますと、睦町と葵町とは随分負担が違いまして、これの中に、今、ちょうど班長をしております関係で、よくわかるのですけど、なかなか、納めてくれるのが大変なお宅もあります、現実的に。それで、その中には、屋台のお金とか、あるいは、公会堂のお金とかも入っているのですが、そういうものを除いても、結構、高いものですという、しかも、それは、どちらかというと所得に関係なく、皆さん全部同じようにいただいておりますので、これにつきまして、私も、確かに、議員がおっしゃいますように、相当、この税外負担という言葉は余りいい言葉ではないかもしれませんけれども、それぞれの皆さん方が、地域のためにということで御負担をいただいておりますけれども、これにつきましても、個別個別に事情はあるのでしょうけれども、全体として高いという認識を持っておりますので、せっかくのこうした議員からの御質問もございましたので、今後、いろいろな方面へ働きかけをしていきたいと、このように存じております。

 最後に、澤野医院記念館、先ほど、ちょうど、議員から写真をいただきまして、平成13年1月20日の、私もまだ髪の毛もいっぱいありましたころの写真でございまして、とてもいい写真を見せていただきまして。これを見て思いますのは、もう一度、初心に戻りまして頑張りますので、また、どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。

 税の数字の問題につきましては、担当部長のほうからお答え申し上げますけれども、限界集落の件につきましては、議員からお話がありましたように、55歳以上のところの箇所につきましては、おおよそわかっておりまして、そういう認識を持っていて、今後、市のほうから各地域に、どういう形で職員を向けてやるというときに、私は、少し、高年齢のところのほうが先にスタートしていったほうが、年齢層が高いところが先にスタートしたほうがいいなという感じを持っていますが。ただ、総じて言えることは、全体の、例えば、地域で申しますと、高南の地域というのは、一緒に皆さんが生活をスタートしていますもので、一斉に高くなっている。こういう高さのところと同じ高さなのですけれども、いつも三川の例を出して恐縮でございますけど、三川の場合には、高い人と、それから、新しく萱間の新しいまちができて、高い人と両方入りまじった結果として、数字としては、高南地域と三川がやや似てくるといっても、大分、中の事情が違いますので、こういう違いも意識しながら、これからの、市民とのパートナーシップの事業を進めていきたいと、このように思っております。

 以上でございます。

議長(佐藤省二) 小林教育長。

〔教育長 小林哲雄 登壇〕

○教育長(小林哲雄) それでは、私から2点、再質問にお答えを申し上げたいと存じます。

 まず、5歳児の名簿の件でございますが、私も袋井西地区で、今、お話がありました5歳児のお祝いの会、青少年健全育成部で2年間仕事をやらせていただきましたが、同じような課題は承知しておりました。ただ、先ほどの個人情報のほうの問題と同様で、そういう点も考慮しながら解決できればいいなと当時もそういうように思っておりました。

 次に、澤野医院記念館のことについてでございますが、まずは、私ども、子供たちを中心に、第一に考えたときには、今も小学校が総合学習等で利用しておりますが、さらに、お隣には幼稚園もございますし、例えば、幼稚園の子供たちがあそこへ行って、あの昔の暮らしの中のところで、それにふさわしいような本の読み聞かせをするとか、そういったこともいいのではないかというようなことが、我々の中でも話題になりました、これが一つ。それから、二つ目の展示の充実についてでございますが、先ほど申し上げましたように、メロープラザのところを中心に、一体化された形で、新しい歴史文化館、それから郷土資料館・近藤記念館等々、一体となっていろいろな展示会等も催します。そういったものを巡回展のような形で、他のところでも、例えば、図書館でもやることができるものであれば図書館で、また、澤野医院記念館でやることができれば澤野医院記念館でもというような形で、ひとつ考えております。もちろん、通常の展示につきましては、世話人会の皆様とも一緒に考えながら、充実させる方向で考えたいと思います。

 それから、三つ目の、物語の見える化でございますが、今、議員から教えていただきました三ヶ日や白羽の例なども参考にしながら、我々もこういうことについて研究を進めてまいりたいというように思っております。

 以上で私からの答弁とさせていただきます。

 

議長(佐藤省二) 企画財政部長。

〔企画財政部長 三浦鉄朗 登壇〕

○企画財政部長(三浦鉄朗) それでは、私からは、大庭議員の名古屋市と同じ減税をやった場合には袋井市はどういう試算になるのかという御質問でございますけれども、これは、平成23年度、その当初予算の個人市民税、それを、算定基礎に基づいて試算をすれば3.5億円、この減税を達成するためには、名古屋市と同様に、まず、均等割を3,000円から2,700円に引き下げ、所得割の税率については、現在6%でありますので、これを5.47%、したがいまして、おおむね1割程度の減税をすると、そういったことになるものでございます。 以上で答弁とさせていただきます。

○議長(佐藤省二) 以上で21番 大庭通嘉議員の一般質問を終わります。

 会議の途中でありますがここで休憩とし、午後1時15分から会議を再開いたします。(午後零時06分 休憩)                   

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