平成28年9月議会報告


大庭議員の一般質問・・・見てね!!


目次


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大庭議員は9月定例会において一般質問を行いました。
ここに、質問の全文と答弁をお知らせします。   


教育行政について  


(1)教育改革について
  ア.地教行法改正による本市への影響について
  イ.総合教育会議の効果と今後の展開について
  ウ.チーム学校の導入と今後の展開について
  エ.小中一貫教育の具体的進め方について
(2)教育の事務管理、執行状況の点検・評価について
  ア.点検・評価全体を振り返っての総括について
  イ.子どもの健康で安全な生活を目指した
         取り組み「体力の向上」について
  ウ.子どもの学力向上を目指した取り組みについて
  エ.図書館事業について
  オ.青少年の健全育成事業「地区懇談会」について

19番(大庭通 改めまして、おはようございます。

 それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。

 まず、教育行政、そのうちの教育改革の視点からお伺いしたいと思います。

 昨年、平成27年度地方教育行政の組織及び運営に関する法律、いわゆる地教行法が変わり、教育委員会制度が大幅に変わりました。日本では大きな教育改革は3度あったと言われております。1度目は明治維新、このときは、明治4年、文部省が設置され、その後文部大臣森有礼大臣が着任し、近代学校の体系がつくられたと言われております。2度目の大きな改革は戦後、このときは国家統制の強かった教育制度が改革され、初めて教育委員会制度が導入されました。その後、さまざまな変遷を経て、今回の改革は、識者によれば3度目の大きな改革と言われております。

 これまで、教育委員会制度は地域住民の意向を十分反映していない、迅速さ、機動性に欠ける、権限と責任の所在が不明確、教育委員会の審議の形骸化など言われてまいりました。そうした反省を踏まえて、新制度では、1点目として、教育委員長と教育長の一本化、2点目として、透明化、チェック機能の強化で教育委員会の組織改革、3点目として、総合教育会議の設置、4点目として、首長が策定する大綱など、大きく四つの点で変わってまいりました。

 そこで、大きな改革の節目に当たってお伺いしますが、まず1点目、日本の三大教育改革の一つに挙げられるほどの今回の改革であります。本市教育委員会としてどのように受けとめているのか、また、どんな影響があったのか。さらに、法改正を受け、袋井市として何が変わろうとしているのかお伺いしたいと思います。

○副議長(村松 尚) 鈴木教育長。

〔教育長 鈴木典夫 登壇〕

○教育長(鈴木典夫) おはようございます。

 それでは、私のほうから大庭議員の教育に関する御質問にお答え申し上げます。

 初めに、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正による教育委員会改革についての御質問にお答え申し上げます。

 まず、制度改革による本市教育委員会の影響についてでございますが、昨年度の法改正による主な変更点4点についてお答えいたします。

 一つ目の教育委員会組織につきましては、改正法の附則の旧教育長に関する経過措置を適用しておりますので、私の任期満了日までは教育委員長以下従前の教育委員会組織となっております。なお、旧法の教育長は、市長が議会の同意を得て任命した教育委員の中から、教育委員会により任命されておりましたが、次の新教育長につきましては、市長が議会の同意を得て直接任命することとなります。

 二つ目の議会の透明化とチェック機能の強化につきましては、本市では、法改正前より教育委員会の会議を公開し、議事録も市のホームページで公表しておりましたので、会議の透明はこれまでも確保されており、これは今後も変わるものではございません。また、チェック機能の強化についてでありますが、改正法では迅速な危機管理体制の構築を図り、責任の所在を明確にするため、新教育長が教育行政の第一義的な責任者となり、権限が集中することとなります。このため、教育委員による新教育長へのチェックが必要となりますが、改正法においても教育委員会は合議制の執行委員会であり、その意思決定は従前どおり出席者の多数決で決せられることから、チェック機能は十分あると考えております。

 三つ目の総合教育会議の設置につきましては、市長が招集する会議であることから、市長部局が執り行う市町もございますが、本市では、会議の円滑な運営を図るため、教育委員会事務局職員が市長より補助執行の命を受けて、昨年度6回開催いたしました。

 四つ目の教育に関する大綱の策定につきましては、市長の権限とされており、総合教育会議で議論し、平成28年3月に袋井市教育大綱を策定いたしました。本市では、改正前より年2回、市長と教育委員との意見交換会を設けて、教育につきまして共通理解を図ってまいりましたが、法改正を受け総合教育会議が設置されたことで、より一層市長と教育委員会が議論を深め、教育大綱の基本理念である心豊かな人づくりの具現化を円滑に図れるものと考えております。

 2点目は、総合教育会議の設置でどのような変化、効果があったのかお伺いします。

 本市でも既に平成27年度より6回の総合教育会議が開催されておりまして、議事録を読ませていただきまして、袋井市教育大綱の策定など、大変委員皆様御熱心な、かつ中身の濃い議論が交わされていることがわかりました。今後の総合教育会議の目的や具体的な展開、審議内容についてどのように考えているのかお伺いしたいと思います。

 次に、総合教育会議の設置による効果についてでございますが、前述のとおり、昨年度は総合教育会議を6回開催し、教育大綱の策定に向け、本市の教育についてさまざまな議論を重ねてまいりました。総合教育会議の一番の成果といたしましては、ただいま申し上げたとおり、市長と教育委員会が本市の教育について公の場で議論を交わし、教育施策の方向性を共有して執行に当たることができることでございます。

 その具体例といたしましては、本市の教育大綱にある確かな学力の育成という部分におきまして、学校教育へのICT機器整備や英語教育強化策の一つである児童生徒に対する英語検定受験支援事業、こうしたものについて事業化することができました。

 総合教育会議の今後の予定でございますが、本年第1回の総合教育会議は8月29日に開催し、タブレット、あるいはICTの有効活用や英語教育などについて意見交換をいたしました。2回目は10月に開催し、教育大綱を具現化するために、来年度予算を見据えた重要施策などについて協議する予定でおります。

 このように、本市の総合教育会議は予算の編成を掌握する市長と、行政、教育行政を執行する教育委員会が同じ教育目標の実現に向けて協議し調整する場として非常に重要な会議になっていると考えております。

 3点目は、昨今話題のチーム学校の取り組みについてであります。

 御案内のように、平成26年から中央教育審議会で検討され、昨年暮れ、文部科学省にチームとしての学校のあり方と今後の改善方策など、三つの答申がされました。とりわけこの中のチーム学校、これが実現されますと、学校主体の運営から学校運営協議会がチームとしての学校を支え、(仮称)地域学校協働本部とともに運営していくことになると言われています。いずれにせよ、本市では、チーム学校、今後どのように導入し展開していくのかお伺いしたいと思います。

 次に、チーム学校の導入と今後の展開についての御質問についてお答え申し上げます。

 これまで、学校の教職員は学習指導や生徒指導のほか、部活動や地域との連携など、幅広い職務を担い、子供たちの状況を総合的に把握しながら指導を行ってまいりました。こうした総合的な取り組みは我が国の教育力を支えるものとして高く評価されているところでございます。

 しかしながら、今日、社会や経済の変化に伴い、子供や家庭、地域社会も変容する中で、難しい生徒指導、そうした問題を抱えている子供たちがふえていることや、小中学校で特別支援教育の充実が求められることなど、専門家や専門機関と連携しなければ対応できない事案が増加したことで、教員に求められる職務はますます拡大しており、多忙な状況が深刻化しております。こうした状況に対応するため、本市では、本年9月から全ての小中学校に校務支援ソフトを導入し、教職員の業務の効率化を図ることにより、教員が子供と向き合う時間を確保できるよう努めているところでございます。
 さて、こうした状況とは別に、次期学習指導要領では、英語教育やプログラミング教育、アクティブラーニングといった新しい時代を生きる上で必要な資質、能力を育むための教育の導入が予定されております。そのため、学校は社会や世界と接点を持ちつつ、多様な人々とのつながりを保ちながら学ぶことができる開かれた環境として、授業改善を初め、組織運営の変革が一層求められているところでございます。

 このように、複雑化、多様化した課題の解決とともに、学習指導要領改訂の理念を実現するための組織のあり方を含めた総合的な対策として、国は、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、部活動指導員といった専門スタッフを学校の中に配置するいわゆるチーム学校の方針を打ち出したものと理解しております。

 本市におきましても、この方針は学校の教育力や組織力を高め、教員が授業などの本来的業務に専念できる体制と個々の児童生徒に対してよりきめ細やかな対応を可能にするうえで極めて重要であると考えているところでございます。

 しかしながら、チーム学校を実現するためには多くの専門スタッフを配置する必要があり、予算措置や人事配置等を含めた課題も多く、国や県の財政支援が不可欠であると考えております。こうした状況ではございますが、本市が取り組んでおります教育支援事業レインボープランは、各学校に特別支援教育充実支援員や外国人相談員、図書館サポーター、フーちゃん先生、不登校児童生徒支援員、外国語指導助手、ALTのことでございますが、学校健康安全支援員等を配置して、さまざまな教育的ニーズに対応するいわば袋井版チーム学校の取り組みであると考えております。今後、国や県の財政支援が可能となった際は、専門スタッフを加えた組織体制として袋井版チーム学校を拡張、充実させてまいりたいと存じます。

 このほか、本市では、本年4月、全ての学校に学校運営協議会を設置し、いわゆるコミュニティスクール化いたしました。これにより学校には多様な専門性や経験を持つ地域の人材との安定的、継続的な連携、協働を進め、地域とともにある学校として一層充実した教育の推進を期待するところであります。既に幾つかの学校で取り組まれている放課後学習ボランティアとの連携、協働も充実しておりますことから、今後オール袋井による子育ての体制の実現について期待しているところでございます。

 

 4点目は、小中一貫教育の進め方についてお伺いします。

 これも教育基本法、学校教育法の改正などを背景に進められ、平成26年、文部科学省の実態調査では、全国で小中一貫の実施件数は小学校2,284校、中学校1,140校、両方で1,130件導入されているとのことであります。本市でも、昨年、27年度の小中一貫教育調査の検討部会の報告書がまとめられましたが、私が見させていただく範囲では、今後の具体的な進め方についてどのようにしていくか、進めていくかが見えてまいりません。そこで、今後、本市の小中一貫の具体的な導入スケジュールについてどのように考えているのかお伺いしたいと思います。また、公共施設マネジメントと小中一貫教育をどのように関係づけているのかもお伺いしたいと思います。

 次に、小中一貫教育の進め方についての御質問にお答えいたします。

 袋井市教育委員会では、昨年度学校関係者による袋井市小中一貫教育調査検討部会を設置し、本市における小中一貫教育の可能性についての調査研究を行いました。この報告書の中で、小中一貫教育は学力向上やいじめ、不登校などの解消に対し一定の成果が期待できるとされたことを受けまして、今年度は、学識経験者を初め、小中学校の代表や保護者、市民の代表に皆様から幅広く意見を聞くため、袋井市小中一貫教育検討委員会を設置し、本市における小中一貫教育の基本方針を中長期的な視点に立って未来志向で整理することといたしました。これまで、7月6日と8月24日に検討委員会を開催し、小中一貫教育の検討の背景や袋井市の教育の現状を確認した上で、本市における小中一貫教育の方向性について意見交換をいたしました。

 委員から寄せられた言葉には、教育が抱えている課題が少しでも改善するのであれば導入すべきである、また、子供の教育に当たって次の学年、次の学校における成長を見据えて系統的に考えて教育に当たるべきである、あるいは、袋井市としての小中一貫教育の枠組みをつくるのは大切であるが、各学校が主体性を出せるようにしたいなどの意見をいただきました。
 こうした御意見を踏まえ、本市教育委員会では、全5回の検討委員会を開催し、今年度中に袋井市小中一貫教育基本方針を策定する予定でございまして、この基本方針の中で小中一貫教育の導入時期や学校施設のあり方についても整理をいたす予定でございます。
 このうち、施設のあり方につきましては、本市では、この先10年程度の間は複式学級をとらざるを得ないような学校はないと推測されますこと、また、本市の小中学校は全て耐震化が実施済みでありますことから、当面は現行の施設で対応することを基本とし、その中でどのような小中一貫教育の導入ができるか議論を進めてまいりたいと考えております。なお、議員の皆様方にも来年1月末をめどに基本方針案をお示しし、御意見をいただきたいと考えております。

 
  教育行政の大きな2番目になりますが、教育の事務管理、執行状況の点検評価についてであります。

 御案内のように、これも教育改革の流れの一環だと思いますが、平成19年、地教行法の改正に伴い、平成20年より教育の点検評価が本市でも導入されてまいりました。教育委員会が毎年教育に関する事務の管理及び執行の状況について、学識経験者の知見の活用を図りながら点検及び評価を行うというもので、その結果が議会にも報告されています。これは、教育改革でよく言われるレーマンコントロール、すなわち住民による意思決定にも資する教育の見える化が図られた意義ある取り組みになっているのではないかと思います。

 当初、平成20年度、平成21年度は実現度と重要度、また、平成22年度、平成23年度は実現度と緊急度という二つの側面から評価をしてまいりました。その後、平成24年度以降は、現在の目的、手段、目標、または指標、実績など、六つの点検評価項目を定め、それぞれ数値や指標をもって評価をしてきているところであります。

 さて、議会にも報告されているこの報告書、ABCD評価で記載されておりまして、Aは十分に達成、Bはほぼ達成、Cは達成するにはまだ努力が必要、Dは達成していないということで、4段階に達成度が分けられておりまして、ちなみに平成27年度の結果は、ほとんどの項目において十分達成、もしくはほぼ達成ということになっておりました。したがいまして、達成していないというD評価がゼロということで、大変結構な結果であると思う反面、果たして本当に問題がないのか疑問に感じる点もあるわけです。そこで、確認する意味で何点かお伺いしてまいりたいと思います。

 まず1点目、これまでの点検評価全体を振り返っての総括についてお伺いしたいと思います。既に法施行以降、8年間こうした点検評価をしてきているわけであります。こうした点検評価を通してどのような成果があったのか、また、課題は何であるか、点検評価全体を通してお伺いしたいと思います。

 

 次に、教育の点検評価についての御質問にお答えいたします。

 平成19年の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正により、教育委員会は教育委員会の事務の管理及び執行の状況について、教育に関し学識経験を有する方の知見を活用を図りながら、点検及び評価を行うこととなり、以降毎年度実施をしてきております。

 本年度も、平成27年度に行った教育委員の活動を初め、徳育の推進や学力向上、子育て支援や社会教育事業の推進など、全32項目に係る点検及び評価を行い、その結果を7月26日開催の市議会民生文教委員会に報告した後、市ホームページで公開しております。

 この評価につきましては、平成24年度の事業に係る点検及び評価からPDCAサイクルの考えを取り入れまして、年度当初に定めた取り組み指標や目標に対する達成度を評価するとともに、評価の反省を翌年度の改善につなげていくシステムとしております。

 御質問の8年間の点検評価を通しての総括でございますが、成果といたしましては、教育行政の透明性が高まったこと、また、データや数値など根拠に基づく効果的な事務事業の進捗管理が定着してきたことが上げられると思います。一方、課題といたしましては、適切な指標や目標値を設定することでございます。とりわけ教育目標はその性質上、例えば心豊かな人づくりといったように理念的にならざるを得ないところがありますので、達成度を具体的にどのような数値であらわすかについては少なからず難しい点がございます。こうしたことを工夫する余地、改善する余地はまだまだあると思っております。

 いずれにいたしましても、今後の本市の教育の充実発展のため、指標や目標を明確化し、効果的な点検評価の実施に努めてまいりたいと存じます。

 

 2点目は、教育委員会が管理執行を教育長に委任する事務の中から、子供の健康で安全な生活を目指した取り組み、その中の体力の向上についてであります。

 この項目につきましては、平成24年度から平成27年度までの過去4年間の達成度は毎年Cということで、全体32項目中最も低くなっております。本市の子供たちがどうしてそんなに体力が劣っているのか、その原因分析、例えば学校別、地域別、学校遊具の充実度、さらには社会体育の参加率など、さまざまな要因が考えられると思いますが、日本一健康文化都市を標榜する本市としてどんな分析がされているのか、また、どのような対策がとられているのかお伺いしたいと思います。

 次に、子供の健康で安全な生活を目指した取り組み、先ほど申し上げた点検評価の項目の一つでございますが、体力の向上についての御質問にお答え申し上げます。

 まず、平成27年度の全国体力・運動能力・運動習慣等調査では、32項目中全国平均記録を上回ったのは18項目で、達成率は62%程度となっております。そのうち、小学校では16項目中7項目、中学校では16項目中11項目で全国平均を上回ったことから、課題は小学校にあると考えております。

 その原因については、学校規模や地域の状況、学校遊具の充実、社会体育の参加率など、議員御指摘のとおりさまざま考えられますが、なかなか特定は難しいと考えております。ただ、本市として注目しておりますのは、本市の小学校1年生から中学校3年生までの全ての学年において、身長と体重、いわゆる体格の数値が全国平均を若干でありますが全て下回っているということであります。これは一般に身長や体重が多いほうが筋力量の多さに関係し、握力やボール投げといった筋力を必要とするものに有利と言われております。今後とも体格と体力の関係は注目してまいりたいと存じます。

 次に、市として今後の課題解決のための対策についてでございますが、先ほど申し上げた体格の問題については、食生活や生活習慣の改善など、学校教育だけではなかなか改善が難しい点もございますが、体力の向上については、運動量をふやすことで改善を図りたいと考えております。まず、体育の授業が楽しいと答える児童生徒が多い学校が体力テストの記録もよい傾向が見られることから、今後もさまざまな運動に興味を持ち、運動に親しみながら意欲的に取り組ませたい、そのことが体力向上につながると考えております。

 また、体育教員の指導力向上、特に投力、投げる力の向上を目指した研修を実施して授業力を高めることで、効果的な支援や指導を行うよう努めております。そして、児童生徒の運動能力の状況を把握し、一人一人が目標をもって挑戦する活動を推進するため、本市では、本来秋1回実施することになっている体力テストを、春と秋の2回実施しております。春の記録をもとに秋に向け目標を持ってみずから体を動かそうとすることで記録の伸びを実感したり達成感を味わったりすることができる、運動に対する意欲や自主性を高めていくことができるというふうに考えております。

 さらに、小学校には県が推進する体力アップコンテストに積極的に参加することを呼びかけております。ドッジボールラリーや的当て、8の字跳びといった種目があり、休み時間など授業時間以外にも積極的に運動する時間を持つことで、児童個々の運動時間を確保し、体力の向上につなげていきたいと考えております。

 

 3点目、同じく委任事務のうちの子供の学力向上を目指した取り組みについてであります。

 これは、ここ4年間、毎年B評価、すなわちほぼ達成しているということであります。この指標基準は事業の内容がよくわかると答える児童生徒の割合が、小学6年生で85%、中学3年生が80%の目標に対し、結果は小6、85%、中3、78%ということで、ほぼ達成のB評価ということであります。しかし、この評価とは裏腹に、平成27年度全国学力・学習状況調査結果では、本市の、インターネットにも公表されていますが、結果は極めて厳しいものでありました。いずれにせよ、本市の子供たちの学力をどのように評価され、学力向上に向けてどんな取り組みをされているのかお伺いしたいと思います。

 あわせて今年度、平成28年度の学力調査結果はどうだったのか、また、教育委員会として結果は満足いくものであったのかお伺いしたいと思います。

 次に、子供の学力向上を目指した取り組みについてお答え申し上げます。

 全国学力・学習状況調査は、教科に関する知識と活用力を問うテストと、児童生徒の学習、生活環境に関するアンケート調査の2種類に分かれております。本市では、その中から児童生徒の学力を、授業内容がよくわかるという意識面と、全国規模の学力調査において全国平均を上回る科目の割合の二つの側面から評価しております。

 議員の御指摘のとおり、平成27年度実施の全国学力・学習状況調査では、授業の内容がよくわかると答える小学校6年生は88%、中学校3年生は78%と、意識面ではおおむね目標に達している状況にあると考えられるものの、全国平均を上回る科目の割合は、小中、小学校、中学校合せて10項目、これは国語、算数、数学、それから昨年度は理科がありましたので、全部で10項目と、そして、A、Bというふうに科目が分かれますので10項目になります。小中合せて10項目の中の上回った教科が1項目で、全体としては上回った割合が10%と非常に厳しい状況となっておりました。

 この状況は、全て生徒が受ける悉皆受験となった平成25年度からの本市の課題であり、学力向上推進委員会等を立ち上げ、対応策を検討し、新しい授業に取り組んでまいりました。その授業の一つとして、子供たちが、わかった、できたを実感できる授業を目指し、各学校で主体的に大学教授等を招聘した研修会を開催する等、授業改善に熱心に取り組んできたことにあります。教員の授業力が高まり、その結果、授業の内容がよくわかると答える児童生徒の割合が高くなっているものと考えております。
 また、対策の二つ目として、学力向上は当該学年だけの問題ではなく、それ以前の学習の定着をおろそかにしてはならないということから、本市では、小学校4年、5年、中学校1年、2年生に袋井版学力・学習状況調査を導入し、児童のつまずきを早期に発見するとともに、定着の点検をしながらきめ細かく指導に当たり、次年度に学び残しがないよう努めてまいりました。

 お尋ねの平成28年度、今年度の結果でございますが、全国のデータを集計した業者、中学校のデータに集計漏れのミスがあったということで、文部科学省よりまだ正式な公表を控えるようにという指示がございますことから、現段階では正式な結果、その詳細を申し上げることはできませんが、現在把握している状況において、国語、算数、数学の8項目で全てで全国平均を上回っており、学力・学習状況調査の結果に向上が見られております。これは、児童生徒や教職員の努力が実を結んだということでもございますが、学校を支援していただいているNPO法人や地域のボランティア団体、公民館等、そうした地域の皆様の学習支援の輪が広がってきたことも大きな成果と考えております。今後もこの状況を維持できるよう学力向上に向けた取り組みを推進してまいります。

 

 4点目は、同じく委任事務の図書館事業について、そのうち図書館の充実についてであります。

 図書館の平成24年度からの4年間の評価は、B、B、B、Cということでありました。平成24年度から図書貸し出し冊数は大体53万冊程度で推移していましたが、これに対し、平成27年度の貸し出し目標はいきなり70万冊台と大幅に引き上げまして、結果、評価はCとなりました。先般、東洋大客員教授の南学先生のお話を聴講する機会がありましたが、そもそも貸し出し冊数は意味がない、図書館は入館者数で管理すべきだとの指摘をしていました。ともあれ、今度具体的にどのような図書館機能を充実させ、目標を達成させていくのか、昨年まとめた図書館のあり方提言を今度どのようにスケジュール立てて進めるのかお伺いしたいと思います。

 次に、図書館事業についての御質問にお答え申し上げます。

 議員から御指摘のとおり、平成27年度の貸し出し冊数目標として712,200冊という高い目標を掲げておりますが、これは平成22年に策定した袋井市総合計画において、当時年間約4万冊の増加を見込んだもので、その後、見直しを行わなかったことにより実態に合わない数字となってしまったものでございます。急速な少子化や活字離れ、さらには電子メディア等の普及により、平成23年度以降、全国の図書館では貸し出し冊数及び入館者数は減少しており、この傾向は今後とも続くと考えられております。

 袋井市立図書館全体では、平成23年以降貸し出し冊数は微増しております。平成26年度には531,652冊、平成27度には534,149冊であり、厳しい状況下にあって努力の成果はあったと評価しております。新たに策定した第2次袋井市総合計画では、実態に合わせて平成32年度の目標値を592,000冊に修正いたしました。

 また、入館者数で管理すべきという御指摘ですが、入館者数の把握は大切なことであると考えており、平成27年4月15日から、袋井市図書館、それから月見分室に来館者自動計数機を設置し、入館者数の計測を始めました。年度途中からの計測ではありますが、平成27年度には269,708人の利用者がございました。これにより、貸し出し冊数と合わせて入館者数がカウントできることから、平成28年度以降の実績を他の統計と合わせて分析し、今後の図書館運営のための重要なデータとして活用してまいります。

 次に、図書館サービスを今後どのように充実させるかという御質問ですが、平成27年3月に策定いたしました袋井市の図書館のあり方という報告書において、現在の袋井図書館、浅羽図書館及び分室の施設を最大限活用して図書館機能やサービスの向上を目指すと方向づけしております。図書館としてはレファレンスの充実として、国立国会図書館デジタル配信サービスを開始するとともに、郷土資料の収集に努め資料の充実を図ってまいります。サービス面におきましては、特に図書館が地域における子供の読書活動を推進する上で重要な役割を果たすことが求められております。

 本市では、今年度、第3次子ども読書活動推進計画を策定しており、これに基づき幼児期からの読書の重要性について理解を深めるため、幼児、保護者を対象とした読み聞かせや、各種講座を充実させ、対象を障害を持つ子供や外国人の子供に対しても広げてまいります。また、来館者の多様化を進めるため、ヤングアダルト、若者向け、高齢者向け、障害者向け、外国人向けなど、それぞれの求めに応じた選書やリクエストに対応してまいります。身近なところに三つの図書館があるという利点を生かし、地域のきめ細やかな要望に応え、活用される図書館となるよう努めてまいりたいと存じます。

 

 5点目は、青少年健全育成事業の中の地区懇談会についてであります。

 この目標は、青少年声かけ運動参加者数累計1万人としまして、結果は平成27年度、9,893人、達成度はBということであります。この声かけ運動につきましては一定の評価をしてもよいと思っておりますが、健全育成事業の中で参加者数をふやすといった目標を立てています地区懇談会について改めて実態等についてお伺いしたいと思います。

 実際、全市的にどの程度の地域でどのくらいの参加率なのか、また、地区懇談会の本来の目的は何だったのか、現在その目的が達成されているのか、さらに、今後教育委員会として当該事業をどのように具体的に展開していく考え方なのか、地区懇談会に対する見解をお伺いしたいと思います。

 以上、最初の質問とさせていただきます。

 最後に、青少年健全育成事業の中の地域懇談会についての御質問にお答え申し上げます。

 地域懇談会についてでありますが、袋井市青少年問題協議会規則に基づき、地域の青少年が健全に育つ環境や方策について情報交換をしたり、子育て中の保護者が悩みを打ち明け合ったりすることで、子育てのヒントを得たり、地域で子供を育てていこうという機運を高めたりすることを目的としております。

 平成27年度の実施状況は、自治会単位、連合自治会単位、近隣地区合同など、開催単位はさまざまですが、市内174自治会のうち、154自治会で実施され、自治会単位での実施率は88.5%となっております。参考に出席者数を申しますと、小中学生とその保護者を中心に自治会関係者の皆様など、3,488名でございました。地域懇談会の内容につきましては、講師を招いての講演会やテーマをもとにした意見交換会など、それぞれの地区の実態に合わせたものとなっております。

 また、地区懇談会には学区の小中学校の教員が参加する地区もあり、日ごろ学校に足を運ぶことの少ない地域の方にとって、学区の様子を知ったり、スマートフォンやインターネットなどの使用についてといった新たな問題について理解を深めたりする貴重な機会となっております。

 一方、20年以上にわたって行われてきました地区懇談会でありますが、保護者世代の参加者の減少や内容のマンネリ化など、運営に改善の余地があることも認識しております。現在、市内に青少年健全育成を推進する委員の方が14名おられ、年間2回の会議を開催いたしておりますので、この会議の中で委員の皆様より御意見をお聞きした上で、今後の地区懇談会のあり方について検討してまいりたいと存じます。

 以上、私の答弁とさせていただきます。

一問一答

○副議長(村松 尚) 大庭議員にあらかじめ申し上げます。

 再質問の際には通告書のどの項目に対して再質問を行うかを明確にしてから発言をお願いいたします。

 19番 大庭通議員。

19番(大庭通 それぞれ御答弁をいただきました。分量も多く、それぞれに再質問したいところでありますが、時間の関係で4点に絞って質問させていただきます。

 まず最初に、教育改革、ウのチーム学校の導入と今後の展開についてであります。ただいまは袋井版チーム学校を進めたいということでありました。チーム学校というのも、私ども、急に耳にしているくらいな新しいという感覚を受けとめています。教育委員会ではいろいろな議論をされて、学校教育課長がこれからはチーム学校という考え方で多くのものが動いていきますと御発言されています。全てのチームとして機能していくことは、校長や教頭のマネジメント力にもかかわるとおっしゃっていて、教育長が各校長先生にお話しされている様子が議事録等からも伝わってまいります。
 具体的にこれからどんな展開をというところを聞く以前に、例えば袋井市、先ほどレインボープランに基づいて進めるというスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、部活動支援員、ACT支援員、ALT、外国語指導助手等々、フューチャー先生だとか、さまざまな先生がいらっしゃると思いますが、現在何人くらいいらっしゃるのか、各学校どの程度の進捗で進められているのか、まずお伺いしたいと思います。

○副議長(村松 尚) 鈴木教育長。

○教育長(鈴木典夫) 大庭議員の質問にお答えします。

 教育支援事業レインボープランと申しまして、総額予算は1億1,300万円をこの事業に投入させていただいております。平成27年度の実績で申し上げますと、この事業において学校に派遣している派遣人数は全部で75人。

 具体的な内訳を申しますと、フーちゃん先生、これは非常勤の講師、授業の集団を例えば小集団を分けるために一つのクラスを二つに分けると、そういった授業に使っているフーちゃん先生が6名。それから、特別支援教育充実事業に関しては、支援員は39人配置。それから、今申し上げた特別支援員は特別支援が必要な子供たちを取り出して、指導している子供たちにつくといった内容でございますが、それから、三つ目、学校健康安全支援事業、この学校安全支援員と申しますのは、基本的には保健室へ複数配置にかわるものとして保健室に配置している者が市内で4名。それから、図書館サポーターが4人。それから、外国人児童生徒サポート事業でサポーター指導員が10名。それから、ALTは外国人指導助手ですが、6人。それから、不登校生徒支援事業では支援員が6人、そうした内訳となっております。

○副議長(村松 尚) 19番 大庭通議員。

19番(大庭通 今の御答弁のとおり、チーム学校、単位学校で進めるというところには到底おぼつかないという人数だと思います。それぞれの学校にこうした支援員が配置されるというのが遠い将来、もしくは近い将来出てくると思います。

 私、今回、教育改革のことで質問させていただいたんですが、改めて最近は学校と地域の連携、これがキーワードになるという感じがいたしております。これが教育改革の柱の一つと言われておりますし、これまでの教育改革の流れを少し拾ってみますと、2000年から学校運営に関する意見を聞くための制度として学校評議員制度ができました。2004年から保護者や地域住民が一定の権限、責任を持って学校運営に参画するコミュニティスクールが導入されました。2007年から地教行法改正で学校評価が、先ほど私、質問しましたけれども、位置づけられ、2011年から学校運営の改善のあり方等に関する調査研究協力者会議が地域とともにある学校づくりといった提言をまとめた。要するに、支援から連携・協働、総合化ネットワークを目指すことが重要な時代になるなと、こんな感じがするわけです。

 つきましては、袋井市のチーム学校の大体の時期、いつごろに各学校ごとに考えていくのか、3年だとか5年だとか、そういうようなアバウトでも結構ですから、方向性についてお示しをいただきたいと思います。 以上です。

 

○副議長(村松 尚) 鈴木教育長。

○教育長(鈴木典夫) 大庭議員の御質問にお答えします。

 チーム学校のやはり一つの目玉というか、ポイントは、スクールカウンセラーあるいはスクールソーシャルワーカーとした専門家を学校に設置するということが一番の一つの目玉になるんじゃないかと思っております。それにつきましては、スクールカウンセラーにおきましては、現在市内に4人、それから、スクールソーシャルワーカーにつきましては、袋井市ということではなくて、西部教育事務所等に配置されているソーシャルワーカーを必要に応じて回していくという、そんな状況でございまして、実は全く不十分な状況にある。これを本当に各学校に配置していくとなりますと、これに関してはかなりの費用が必要になります。したがって、これは先ほど答弁でも申し上げたとおり、国等の施策として予算措置、そうした措置ができないと単独の市町で実施するというのはこれはかなり難しいんじゃないかなと思っています。その点で、具体的ないつという時期については少し私のところで現在お答え申し上げられないということでございます。

 

○副議長(村松 尚) 19番 大庭通議員。

19番(大庭通 モデル校等を考えているかどうか、そこら辺について考えがありましたらお伺いしたいと思います。

○副議長(村松 尚) 鈴木教育長。

○教育長(鈴木典夫) 先ほどの答弁で少し間違いがございましたので、最初に訂正させていただきます。

 スクールソーシャルワーカーにつきましては、現在周南中学校に配置されております。しかし、それは先ほど申し上げたように、周南中学校単独ということではなくて、その方が市内を見るというような状況でございます。

 そういう点では、モデル事業にそれが当たるかどうか少し難しいところもございますけれども、具体的にそうした中で、言い方はあれですけど、スクールソーシャルワーカー等の本当に活用の仕方といったものについて現在試行が行われていると理解しております。 以上、答弁とさせていただきます。

○副議長(村松 尚) 19番 大庭通議員。

19番(大庭通 多くの議論を交わしたいところでありますけれども、まだ決まっていないということでありますので、さらなる検討、研究をお願いしたいと思います。

 

 次に、小中一貫についてお伺いしたいと思います。

 検討委員会を設置して来年の1月には議会にも報告だということであります。ずばり連携と一貫があるけれども、袋井市は一貫教育を市として研究すると教育長は総合教育会議等で答弁されていますが、施設分離状態が続けば一貫にならない、連携ともなると少し曖昧な方針を示されていますが、一貫なのか連携なのか、一貫と連携を複合でやるのか、そこら辺について基本的なところについてお伺いしたいと思います。

○副議長(村松 尚) 鈴木教育長。

○教育長(鈴木典夫) なかなか一貫と連携の違いというのを説明するのは難しいところがあるんですが、一つだけ違う点は、一貫教育の場合には、小学校から中学校3年生まで9年間を同じ教育課程、カリキュラムといいますが、それで通すものを基本的には一貫と申します。ですから、例えば9年制の学校を今現在は義務教育学校という言い方をするわけですが、施設一体型の義務教育学校、小中一貫校では当然一つの学校ですので、一つのカリキュラムに基づいて小学校1年から中学校3年まで教育が行われる。それが、施設を分離型であったとしても、教育課程、やる内容については一貫したものを行っていくという方向で一貫教育ということは使わせていただいております。

 

○副議長(村松 尚) 19番 大庭通議員。

19番(大庭通 いろいろなケースが考えられると思うんですが、袋井市は一貫教育で進めるという理解でよろしいでしょうか。

 

○副議長(村松 尚) 鈴木教育長。

○教育長(鈴木典夫) その方向で検討していただいております。

 

○副議長(村松 尚) 19番 大庭通議員。

19番(大庭通 きょうの新聞でも、掛川では実践研究2017年かというお話でありますし、磐田市では向こう30年を見通した小中一貫を進めようとされていらっしゃいます。袋井市では大体いつごろから進められるか、それについてお伺いしたいと思います。

○副議長(村松 尚) 鈴木教育長。

○教育長(鈴木典夫) 先ほど御答弁申し上げましたように、今年度中に小中一貫の基本方針といったものの答申が得られます。その中で具体的に示されるものだと思っておりますので、今の時点では時期的なものの明示は控えさせていただきたいと思っています。

 ただ、本当に、例えば小中一貫の今申しました教育課程を9年間そろえて、学校は違っても一つの教育課程、カリキュラムのもとに教育を行っていくんだということが実際にできるのはいつかという時期に申しますと、新教育課程が平成32年から完全実施となります。今、例えばカリキュラムをつくったとしても、新教育過程に変わっていくときにそのカリキュラムをつくり直さなきゃいけないという現実がございます。したがいまして、袋井市としてそういう方針だということではございませんけれども、一貫した教育課程をきちっと新教育課程に合せて組んでいく、そして実践するとなったときには平成32年というのが早くても一番その時期がそうした一貫教育の実施時期になるんじゃないかなと想定はしております。ただし、申し上げましたように、まだ方針が出ておりませんので、今のは客観的な状況から見てそういう判断ができるだろうということでございます。

○副議長(村松 尚) 19番 大庭通議員。

19番(大庭通 教育大綱には平成32年までに小中一貫で学力の向上を推進すると、いわゆる平成32年を明示して書いてありますけれども、それと符合させるという認識でよろしいでしょうか。

○副議長(村松 尚) 鈴木教育長。

○教育長(鈴木典夫) 平成28年度に方針を出して、今申し上げました平成32年を目途に進めてまいるということでございます。ただし正式な小中一貫というものについては、制度的にはその時期ですけれども、今年度、魅力ある学校づくりという授業を全ての小中学校で取り組んでおります。これは浅羽中学校区、昨年度、一昨年度行った不登校をとにかく未然に防ごうというその動き、小中連携した動き、それが成果を上げたということから、今年度、全ての中学校区、周南でももちろん、袋井中学校、それから袋井南中学校のそれぞれの校区で魅力ある学校づくりに取り組んでいます。実はこれは本当に生徒指導という側面における小中一貫の考え方、一貫の連携であります。そうしたできることに関して言えば一つずつ進めてまいりたいと考えております。

 

○副議長(村松 尚) 19番 大庭通議員。

19番(大庭通 小中一貫に関連して、公共施設マネジメントでお伺いしたいんですが、教育長が総合教育会議等の発言の中で、本来は市長部局、市長のほうが考えるべきだと。しかし、教育委員会が先行した場合は理想的な小中一貫はこうですよということで市長部局に申しあげていくということでありますけれども、袋井市はどういうスタイルをとろうとされているのかお伺いしたいと思います。

○副議長(村松 尚) 鈴木教育長。

○教育長(鈴木典夫) 先ほど議員も御紹介されたように、磐田市では、30年計画で、30年後には全て施設一体型の小中一貫学校にしていくんだという計画を市長部局のほうが出されたと聞いています。袋井についてはどういうように進めていくかというのについて市長部局とも正式な打ち合わせではないんですが、話をしている中で、袋井市の8万7,000人という規模、それから、中学校四つ、小学校が12という規模の中においては、今市教育委員会ではこういうように考えている、公共マネジメントは今こう考えているということを少しずつすり合わせながらその方向性を定めていこうと。少し曖昧なように聞かれるかもしれませんけれども、どちらか教育委員会がこうしたい、あるいは市長部局が公共マネジメントはこうではなくて、常に情報交換をしながらそのすり合わせの中でよりよい形を目指していきたいと考えております。

 

○副議長(村松 尚) 19番 大庭通議員。

19番(大庭通 ちょうど市長もいらっしゃいますので、どういう御認識か、公共マネジメントの進め方、ちょうど私も今委員会のまとめ役をやっておりますので、方向性だけお示しいただけると大変ありがたいと思います。

○副議長(村松 尚) 原田市長。

〔市長 原田英之 登壇〕

○市長(原田英之) 公共施設全体が大分古くなってきて、あるいは新しい機能も必要になってきてということで、マネジメントを行うことで今、それに取りかかっているわけなんですけれども、その中で教育施設が相当のボリュームを占めます。これは道路とか橋梁とかというものを除きまして、俗にいう箱ものでいったら相当のボリュームを占めます。これをどうするのかというのは相当公共施設マネジメントを進めていく上では重要な問題になります。

 さはされども、やはり公共施設マネジメントは全体の財源全体が、それから制度がある、その中のやはり相当なボリュームを占めるのが教育施設なんですけれども、全体の公共施設のマネジメントの中の一環であることは、ちょうど全体の仮に6割であっても7割であっても、全体の公共施設マネジメントの中の一翼であるという認識は私は持ってやっていきたいと思います。

 以上でございます。

○副議長(村松 尚) 19番 大庭通議員。

19番(大庭通 教育長、市長、総合教育会議でもやっているわけでありまして、教育長のほうからすり合わせというお言葉がありました。ぜひともこの件は内部ですり合わせる場をしっかり持って、その方向性を委員会のほうにもお示しをいただきたい、これは要望だけさせていただきます。

 
  次に、学力について質問させていただきたいと思います。

 先ほどの話で、平成28年度はまだ基本的にはオフレコ段階だということでありながら、80%目標に達しているということで、最終目標が10分の8教科ということになると80%、100%が平成32年の目標なものですから、かなりいいところへ行っているなと私は心強く感じました。

 これは市長に少しお伺いしたいんですが、学力についての向上については市長のマニフェストにも載っております。あわせて総合教育会議でも市長が大変学力について御心配されている向きの発言が随所にあります。そうした議事録を見させていただく範囲で、袋井市の学力ということに対して市長、どういう御見解かということと、それから、お金もかかるじゃないかということも御発言されていらっしゃいますが、これに対してどんな取り組みを検討、考えていらっしゃるのか、総合教育会議にも御出席をされているお立場で御心底を伺えればと思います。

 

○副議長(村松 尚) 鈴木教育長。

○教育長(鈴木典夫) 申しわけありません。少し説明が不足して、今年度の結果でございますが、前回、昨年度は理科が入ったものですから10項目という形になります。今年度は理科がありませんので、8項目が全国平均正答率と比較できると。その8項目中全てが全国平均を上回ったということでございます。100%。

  ○副議長(村松 尚) 原田市長。

○市長(原田英之) 学力に関する私の見解、それはやはり学力って、今度全国の学力の同じ問題で全国で点数をつけ合うということで、川勝知事が一番最初のときにいろいろなことを言っていろいろな反響もありましたけれども、同じ問題でやるということは極端なことを言って、何で同じ問題でやりますかといったら、相対的な比較ができるように同じ問題でやる。ですから、やはり自分たちの市がどのポジションに全国の中で、あるいは県下の中でどのポジションンにあるかということをまず認識することは絶対に必要なこと。それをどこまで公表するかというのは別の問題で、やはり認識は少なくとも全部の教員、あるいは全部の教育関係者はしっかりその点について認識をしなければいけないというのが基本的に私はあります。

 そうした上で、具体的にどういうようにするのかというのは、これは教育委員会、専権事項です。私が教育の中身を云々という話じゃございませんので、教育委員会に任せます。だけれども、それによって学力を高めていくときにこういう経費が必要でございますというのは、これは私どもの財政の許す限りで協力をしていきたい。私はやはり学校教育の中で心の健康とか、あるいは体の健康、これも最も大事。それからやはり学力についてもしっかりしたレベルを維持してということも大切だと思います。そのうちのどれが大切だという感じじゃございませんけれども、大切だと思います。そういうことに対してやはり教育委員会、とりわけ一つの学力という非常に相対的に数字が出る問題では今後ともさらなる努力をしてもらいたいと思っております。

 以上でございます。

 

○副議長(村松 尚) 19番 大庭通議員。

19番(大庭通 ありがとうございました。私は市長の考え方を支持したいと思います。浜松の康友市長なんかの御発言なんかを見ていても、やはり市長と同じような形で、学力で全てが人格まで決定されるものではありませんけれども、同じフィールドには、教育長もおっしゃっておりますミニマム・リクレィアメント、いわゆる最低限必要なものは確保する、そういう認識は必要ではないかと思います。いずれにしましても100%、平成28年度は見えたということは喜びたいと思います。

 最後といいますか、教育の関係でもう一つ、地区懇談会について少し質問をさせていただきます。

 いただいた御答弁では、20年以上続けてきた、内容について改善の必要があるということで、青少年健全の役員の皆さんと今後検討するということであります。そもそも地区懇談会、袋井市以外でどの程度進められているのか、承知をされていたらそこら辺の数値について御教示いただきたいと思います。

 

○副議長(村松 尚) 大河原教育部長。

○教育部長(大河原幸夫) それでは、私から再質問にお答え申し上げます。

 県内の自治体の状況までは全て承知はしておらないんですが、近隣の磐田市、掛川市等には照会をしましてお伺いしました。結果的には、こういった地区懇談会というような形での取り組みは今のところ行っていないと、個別具体に美化活動とかそういったことを地域挙げて一体になってやっているというようなことは行われているようですが、青少年の健全育成を目的としたそういった袋井のような形の懇談会は設けていないといったようなことを承っております。

 以上、答弁とさせていただきます。

 

○副議長(村松 尚) 19番 大庭通議員。

19番(大庭通 恐らく県内どこも、県外もやっていないと思うんですよね。それから、いい悪いは別ですよ、そういう状況だということだと思うんですが、先ほど出席者が3,488名ということですが、分母がどの程度で出席率が何%かわかったら少し御教示いただきたいと思います。

 

 

○副議長(村松 尚) 大河原教育部長。

○教育部長(大河原幸夫) 参加者数のほうの関係で申し上げます。ただ分母のほうをどこの年代を分母にするかというのがございますが、参考までに小学校4年生ぐらいからを対象にして分母にしますと、10歳以上から75歳ぐらいまで参加していただけるということを想定しますと、約7,000人ぐらいが分母になります。そのうちの3,400人ぐらいが参加者ということになりますので、参加率としますと5%弱、このぐらいが袋井市の参加状況と見ていただければと存じます。

 以上でございます。

 

○副議長(村松 尚) 19番 大庭通議員。

19番(大庭通     PTA、学校のことを地域に知らせるところから、今では青少年健全育成になって、コミュニティ、いわゆる公民館事業になって、自治会長が絡んで自治会連合会長が絡んで、一番今悩んでいるのは、自治会長や自治会連合会長が今年度事業を何するかということを悩んでいるというのが実態です。少し検討するということでありますので、教育長、ぜひともそういう幅広い中で御研究、検討いただいて最終的な御決定をいただきたいと思います。

   

○副議長(村松 尚) 大河原教育部長。

○教育部長(大河原幸夫) 今後のあり方をどうするかということでございますが、先ほど教育長からも御答弁は申し上げましたが、長い歴史がある中でのことでございますので、地区の皆さん方と十分話し合いをして、これは廃止も含めた中で、あるいはやり方も再度検討した中で今年度中に一度方向性を出して来年度に向けて改めるものは改めていくと考えております。

 以上でございます。

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環境行政について 


(1)公共下水道と合併処理浄化槽の公平性について
(2)合併処理浄化槽の市町村設置型事業の導入について
(3)適正な公共下水道料金について
(4)合併処理浄化槽の維持管理費の引き下げについて

 次に、質問を移らせていただきたいと思います。

 次に、公共下水道構想見直しに関連し、合併浄化槽についてお伺いしたいと思います。

 本市の公共下水道事業は、公共用水域の保全と生活環境の改善に向け整備が進められてまいりまして、袋井市処理区は平成4年から、また浅羽処理区は平成7年より整備が進められてまいりました。市全体の汚水処理施設の普及率を見ますと、平成27年度末現在で全体で72.5%、そのうち下水道が42.6%、農業集落排水が0.3%、合併処理浄化槽が29.6%の普及率ということになっておりまして、一方、国の普及率は全体で89.9%、静岡県でも78.7%、そのうち国の下水道普及率は77.8%、県は62.1%ということでありますので、本市は、国、県の水準から見ましてもかなり低い普及率となっております。

 御案内のように、昨今下水道事業を取り巻く環境が厳しい中、本市でも国土交通、農林水産、環境の3省で策定されました持続的な汚水処理システム構築に向けた都道府県構想策定マニュアルに基づき、基本構想の再検証が行われているわけであります。

 今後のスケジュールとしましては、基本構想を今年度中に住民説明会やパブリックコメントを受け、来年、全体計画を策定し、再来年、平成3011月までに事業計画を見直すということであります。特に合併処理浄化槽につきましては、今年度中に方針検討し、制度設計を2年かけて行い、平成31年度から浄化槽新制度開始ということであります。今回の基本構想再検証の中で一言でいえば集合処理から個別処理に、いわゆる袋井、浅羽処理区の面積で見ましても、公共下水道を約35%減少させ、その分合併処理浄化槽にシフトするということで、大幅な変更になると承知をいたしているところであります。

 そこで、現時点でも問題が指摘されています合併処理浄化槽のさまざまな課題について、何点かお伺いしたいと思います。

 まず1点目は、公共下水道と合併処理浄化槽の導入に当たっての公平性であります。

 イニシャルコスト、ランニングコスト、トータルで見て、現在どの程度の差があるか、区域設定による不平等は生じないかという点でお伺いしたいと思います。

○副議長(村松 尚) 原田市長。

○市長(原田英之) 下水道に関する御質問にお答えを申し上げます。

 最初に公共下水道と合併処理の浄化槽のイニシャルコスト、ランニングコストの格差についてのお尋ねでございます。

 まず、イニシャルコストとしますと、設置に関する個人の負担につきましては、公共下水道と比べまして合併処理浄化槽の5人槽ではほぼ同額です。7人槽になりますと、5万3,000円ほど公共下水よりも合併処理浄化槽のほうが高くなります。それから、ランニングコストといたしましては、維持管理など個人の負担につきましては、合併処理浄化槽の5人槽では、公共下水道よりも2万9,000円ほど高く、それから、7人槽では4万3,000円ほど高くなっております。現状では、イニシャルコスト及びランニングコスト双方の個人負担には格差は生じております。下水道と比べて公共下水道と格差を生じております。

 ということで、下水道と合併処理浄化槽の公平性が保てますよう、維持管理費に対する新たな助成を初め、全体的な制度設計の再検討を行い、平成31年度から新制度を実施できますよう平成29年秋ごろまでに支援制度の方針を決定してまいりたいと考えております。

 

 次に、浄化槽区域の住んでいる方の税金を下水道施設に充てるということについてでございますけれども、都市計画事業の一環として進めております公共下水道事業には、都市計画税を初めとする税金が充当されているわけでございますが、市全体のさまざまな事業と同様に、下水道事業や合併処理浄化槽などの汚水処理事業につきましても効率的かつ効果的に推進できますよう、適切に市の税金を充当しているわけでございますので、ぜひ御理解を賜りたいと存じます。

 

 2点目は、合併処理浄化槽の市町村設置型事業の導入についてであります。

 昨年2月の議会では、木議員の質問に答えて、掛川市等で導入している当該事業を施設の所有権、資料料の徴収等課題を整理し、基本構想の再検証の中で導入を検討したいとの前向きな方針を示していましたが、検討結果がどのようになったのかお伺いしたいと思います。

 二つ目でございます。

 合併処理浄化槽の市町村設置型事業の導入についてであります。市町村が各家庭の合併処理浄化槽を設置していくことにより、合併処理浄化槽の普及率のスピード化が図られること、それから、維持管理を市が行うことで浄化槽の機能を恒常的に発揮できること、こうした効果がございますが、今度は合併処理浄化槽が市の財産となりまして、今後本体更新費が発生し、将来の財政負担が増加、継続していくこと、それから、処理槽が市のものということから、民地内にあります私有物件の取り扱いについて、さらには事業推進に多くの人員とか予算が今後必要になってくるなど、そうした課題もあるわけでございます。

 また、市内の合併処理浄化槽などで汚水処理を行う区域全体を市町村型のいわゆる公営で管理していくと、そのような区域にするということは非常に難しいということから、今度はある区域だけをやりますと、市町村設置型の区域と個人設置、今ある現状の個人の合併処理浄化槽を持っている方の区域、これが混在することになります。そうしたことによって生じておりますさまざまな、今度は合併処理浄化槽に対する助成制度、現行のものを含めましてのこうした制度の面にも大きな影響を与えてまいります。でありますので、やはり、いわゆる市町村設置型、市が設置するこういうスタイルの導入につきましては、相当今後内部にわたって検討をしていかないと、このほうが早く進みますわということだけでは少し参らないかなと認識をいたしております。

 3点目は、適正な公共下水道使用料金についてであります。

 現在、県内でも平成28年度現在、本市は29市町のうち、使用料は12番目に安く、また、汚水処理に係る経費のうち、下水資料料により回収した割合を示す数値、経費回収率ですが、平成26年度末で40.7%、これも県内29市町のうち7番目に低くなっています。将来的に国土交通省は回収率100%にと言っているようでありますが、100%ということになれば現在の使用料の約1.5倍以上になりますが、本市が考える適正な公共下水道使用料金とはどの程度のものを考えているのかお伺いしたいと思います。

 次に、適正な公共下水道使用料についてでございますが、平成27年2月の水道料金等懇話会の意見書を受けまして、平成28年4月から、下水道使用料を平均12%値上げいたしました。月20立方メートルの使用料が2,000円程度となりまして、使用料単価は、1立方メートル当たり101円から113円になる見込みとなっております。使用料の適正化につきまして、総務省のほうでは、現在の使用料単価では汚水処理原価を回収できない事業にありましては、まずは使用料単価を1立方メートル当たり150円、今、今度値上げして113円でございますが、これを150円といたしております。例えば本市の場合、使用料単価が1立方メートル当たり150円になりますと、もちろんそれによりまして使用料の収入が多くなります。そうしまして、汚水処理に係る維持管理費と記載の償還金を補うことができるようになるということでございますし、現在の経費回収率の40.7%が100%になるということになります。

 しかしながら、急激な使用料の改定が市民の生活に大きな影響を与えるということもございますので、前回から5年後になります平成30年には水道料金等懇話会の意見を聞きながら使用料の見直しを検討してまいりたいと考えております。

 4点目は、合併処理浄化槽の維持管理費の引き下げに向けた取り組みということでお伺いします。

 維持管理は、点検、清掃、法定点検で構成されているわけですが、現在5人槽5万7,840円、7人槽で7万9,824円ということであります。そもそも人槽基準が昨今の国勢調査によれば4人以下の世帯が96%であることから、時代に合わないという問題や、農家など敷地面積の広い場合、2人暮らしでも建築基準法施行令に基づき130平方メートルを境に7人槽になるなど、大きな問題となっています。

 したがって、一つとして、三重県下の市のように県に応募し、130平方メートルの基準を変えてもらうか、あるいは二つ目として、市内業界関係者と引き下げに向けた検討を進めるか、さらには三つ目として、富士市のように補助制度の導入で実質負担額を引き下げるか、こうしたいずれかの取り組みが求められますが、実施する考えがあるかお伺いします。

 次に、合併処理浄化槽の維持管理費の引き下げに向けた取り組みについてでございます。

 先ほど来相当公共下水と差がありますよということに対する今度は維持管理費の面でございます。静岡県内では、建築確認申請時に浄化槽の処理対象人員算定基準というものがございまして、これによりまして、議員からずっとお話ございました建物の延べ床面積130平方メートル以下の場合には5人槽でもいいんですが、これを超えますと今度は7人槽としてそれを静岡県の県下では統一的に実は取り扱っております。議員からお話、私も全く同じでございまして、人口減社会や核家族化の進展する中で、本市におきましても平均世帯人数は2.6人です。現在の基準では使用人員と設置する浄化槽の人槽に明らかに差が生じていると思います。今後、他県の状況を踏まえるとともに、市の設置状況を精査しまして、基準の緩和につきまして県と、現在のいわゆる実はこの話、県の指導でやっておりますので、県の指導の内容につきましてやはり意見の交換をして直すべきは直していく必要があると、そのことを県の指導を変えてもらうように要請していく必要があると、この面については強く感じているところでございます。

 また、合併処理浄化槽の清掃料金も結構公共下水道と違ってかかるわけでございます。平成22年9月に、清掃業者との協議によりまして値下げをしていただいた経緯もございます。合併処理浄化槽の普及率向上を目指す中で、清掃業者との意見交換に努めて、やはりここの面での値下げも交渉していく必要があると思っております。

 また、維持管理に対する助成を現在富士市などで実施しております。この点につきましては、いわゆる負担の公平性の問題で支援制度を設置するかどうかということがございますけれども、今少し数字の内容も検討させていただきたいと、その後に考え方を整理してまいりたいと思っています。

 

 5点目は、4点目にも関連するわけですが、生活困窮者への支援であります。

 生活に不可欠な汚水処理、これは避けて通れない問題であります。格差社会ともいえる今日、こうした皆さんへの支援をどのように考えているかお伺いしたいと思います。

 以上、質問とさせていただきます。

 

 そうしますと、今度は生活困窮者、いろいろな意味で浄化槽にしていきますと高くなったりしますので、生活困窮者への支援についてどのように考えるかということでございますけれども、公共下水道の供用開始区域の土地所有者などに建設費の一部を御負担いただく受益者負担金につきましては、公の生活扶助を受けている方は全額減免とさせていただいておりますが、公共下水道の使用料には減免制度は規定されていないというのが現状でございますので、生活困窮者への支援につきましては、合併処理浄化槽に対する格差是正を目指した支援制度の創設に当たりましてやはりこれに対してはきめ細やかな支援制度につきましての制度設計をしていかなければいけないと考えております。

 以上で私からの答弁といたします。

 一問一答 
 

○副議長(村松 尚) 19番 大庭通議員。

19番(大庭通 御答弁いただきまして、イニシャルコスト、ランニングコスト、この価格比較をして、いかに合併処理浄化槽が厳しい環境に置かれているかということを改めて数値の中で私も認識いたしましたし、当局の皆さんも御認識されたと思います。時あたかも35%公共下水道区域を減らして合併浄化槽にシフトしようというときなものですから、さまざまな手だてを考えるしかない。幾つかあるうちの一つなんですが、先ほど県に建築基準法施行令の130平方メートル、延べ床面積の、これについて要望していかなければということで市長から御答弁いただきました。

 実はこれ、私も知らなかったんですが、環境省から平成25年7月31日、県に通達が出て、県から平成25年9月4日に各市町宛てに浄化槽整備事業の効率的な実施についての対応についてということで通達が来ています。要するに、結論から申し上げますと、130平方メートルは市町に任せたいと県は言っているんですよね。これは袋井市が限定特定行政庁という位置づけの中で、主体的に考えることができるのではないかと思うんですが、それについてどんな見解を持っているかお伺いしたいと思います。

○副議長(村松 尚) 原田市長。

○市長(原田英之) 今のいわゆる130平方メートル以下だったら5人槽、それから130平方メートル以上だったら7人槽でなくちゃいけませんよというのは、これは県の指導になっている。ところが、法律的な根拠を見るとこれは市町村で決定してもいいよということになっている。今議員からそういうお話。ところが、実際は私もそこまできちんと調べてはあります。だけれども、調べてあるけれども、どうして県はそういう指導をするんですかというところに大変な疑問がありまして、今回の質問を機会にこういうことです。例えば、そのことを袋井は、じゃ、実態に合わせていきましょうよと、仮に130平方メートル以上でも人数が少ない人数だったらいわゆる5人槽でいいじゃないの、何も7人槽にしなくたってということにします。そうすると、今度は一つの仮に太田川といういわゆる処理後の水というのはどこへ行きますというと、河川へ行きます。結局河川を管理する、じゃ、太田川の水の水質浄化となりますと、これは少なくともわかる限りでいったら私どもと森と掛川と、それから磐田が関係します。そういう意味で県ではやはり全体の管理をしようということで、今県のほうではそこのところを一つの指導としてやっています。

 だけれども、法律的に言ったらはっきり私どもが、袋井市が決定することができます。そういう実は実情と法律上の問題、いわゆる相違があります。そういうことを踏まえまして、私は先ほど少し申し上げましたように、じゃ、どういう意図でそれをやっているのかということをもう一度確認したり、あるいはしっかりしたスタンスで県に対して私が言うことも必要ですし、それから、場合によっては森の町長、磐田の市長や掛川の市長等と一緒になって、余りにもいわゆる現状に住んでいる人とそれを面積で、昔これは区分したと思いますけど、少しいつごろかわかりませんけれども、その区分とは余りにもかけ離れていて、それをいわゆる県はそれが一つの基準なんです、それに沿ってやっていただきましょうと指導することは私は合理的でないと解釈をしています。

 

○副議長(村松 尚) 19番 大庭通議員。

19番(大庭通 今市長がおっしゃったとおりだと思います。県が適切な進め方をしているかどうかということのほうが私は率直に思います。県に通じている市長でいらっしゃいますので、ぜひともこの問題は環境省から県に出て、県と市が当時、平成25年、いいでしょうということで進めたと思いますが、現状がこういう厳しい状況であるということを再認識する中でお進めいただきたい。

 しかし、130平方メートルを三重県尾鷲のように160平方メートル、165平方メートルにしても、それはやはりワンオブゼム、小さな改善なんですね。ですから、富士市のようにさらにダウンさせる、例えば法定点検というのは6,000円かかっているんですが、例えばそれを半額にするだとか、そういうことも可能だと思うんですが、そこら辺についての見解がどの程度持っていらっしゃるか、部長に少し確認したいと思います。

 あわせて業界の皆さんに当然値下げをお願いするとしても、やはり行政がやるべきこと、ただ値下げをせよということは生業を持っていらっしゃる皆さんには大変厳しい要望になると思います。全体バランスをとるということが大事だと思いますが、そこら辺を踏まえて御答弁をいただきたいと思います。

○副議長(村松 尚)荻原成夫水道部長

○水道部長(荻原成夫) 大庭議員の再質問にお答えを申し上げます。

 法定点検につきまして、維持管理に関する法定点検につきましては6,000円ということになってございます。先ほどそれは半額にするかというようなお話もございましたけれども、当初の市長の答弁にもありましたランニングコスト、それからイニシャルコスト、全体的な制度の見直しをするという中で、法定点検をしていくことも含めてこれについて取り込んだ中でランニングコスト的なものを検討した上でしてまいりたいと思います。

 また、法定点検につきましては、合併処理浄化槽についての機能を一定に保っていくという重要な役割がございますので、水質が守られていくというようなことでこの点検は必要だと考えておりますので、ランニングコストの中にこれを含めた中で検討してまいりたいなと思います。

 それから、もう一点の業界との意見交換でございますけれども、先ほど議員からもお話がありましたとおり、公共下水道の区域を縮小し合併処理浄化槽の区域を拡大するというようなことが見直しの中に入っております。こういった中で、今度の合併処理浄化槽、清掃業者の皆さん、業界の皆様の区域がおおむねこれくらいになるんだというようなこともお示しをしながら、その中で今の業界の状態、それから今後の状況も踏まえながら、単に料金の値下げ、また、その値下げの方法のなかでは、一つには清掃のやり方であるとか、そういったことなどもいろいろ意見交換をしながら対応してまいりたいなと考えております。

 以上でございます。

○副議長(村松 尚) 19番 大庭通議員。

19番(大庭通 部長のほうでそういうように前向きに進められるということでありますので、大いに期待したいと思いますが、市長、私、今回もこういう質問をさせていただくに、住民説明会で、例えば7月に行われた。長い目で見れば浄化槽は不利じゃないかというような意見、あるいは下水道更新のための費用を浄化槽区域住民の税金で充てるのは不公平ではないか、こんな御発言をいただいた。私、1年間数十通手紙やはがきやメールやいろいろ貰うんですが、この方はのを読みますと、当地区は下水道の除外地域に当たります。市は、公的支援の補助金も厚くし、生活用水までの合併処理浄化槽の設置を進めています。設置家庭もちらほらふえています。次のような点を感じましたので、お考えください。
 1、合併浄化槽の人槽について、法律で定める人槽と家庭人数が合っていない。建物によって処理槽が大きさが決まるが、田舎では建坪が多く10人槽や8人槽の基準の家が多く、実際の家庭人数よりも大きな処理槽を設置しなければならない。ひとり家庭や2人家庭の家も多くなっている中、公立浄化槽法は国が定めることで、市は従うのは当然であるがということだとか、
 処理浄化槽に、るるこういうようにお手紙をくれるんですよね。やはり仕組み、制度設計を市の中で考えていただくしかない。この方は掛川の市町村型を見てきてと言っていただきまして、掛川まで行きました。掛川の場合は、やはり5人槽で3,200円、6人、7人で1カ月4,000円なんですね。大体下水道とほぼ一緒。ところが、その掛川も1,500から1,700ぐらいまでやって、少し先ほど市長がおっしゃったように、非常にリスキーな部分があるということで、これでどうもおやめになるような雰囲気でした。

 いずれにしましても、トータルでバランスを考えてこの案件を進めていただいて、周辺部、三川だ、浅羽だ、さまざまな地域の皆さんが公平性の中で汚水処理が進められますように、内部でも十分御研究、御検討をいただきたい。

 以上申し上げまして私の質問を終わります。ありがとうございました。

○副議長(村松 尚) 答弁はいいですか。

19番(大庭通 御決意を一言いただきたいと思います。

 

○副議長(村松 尚) 原田市長。

○市長(原田英之) まさしく議員おっしゃるように、この話って公平性の担保の問題だと思います。やはり私は公共下水を使っている方、それから合併浄化槽を使うようになる方との間であらゆる面での負担の公平性を担保される。その担保される数字をどういうようなところに置いていくかという問題はございますけど、やはり公平性が担保された制度でないとなかなか御納得いただけないような感じがしますので、それを旨として進めてまいりたいと思います。

○副議長(村松 尚) 以上で、19番 大庭議員の一般質問を終わります。

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