2022年


(大庭議員は9月定例会において共産党議員の反対討論に対して、賛成討論をしました。)


 (賛成討論 全文)


大庭通嘉 賛成討論
 

○議長(戸塚哲夫) 次に、20番 大庭通嘉議員の発言を許します。

 20番 大庭議員。

20番 大庭通嘉 議員 登壇〕

20番(大庭通嘉) それでは、市民クラブを代表いたしまして、賛成討論をさせていただきます。

 先ほど常任委員会に付託されました全議案につきまして、各常任委員長から議案可決、認定の報告があったところであります。私どもも、このたびの9月市議会定例会に上程されました全ての議案に賛成でありますが、特に反対討論がありました議第50号、議第51号、議第57号、これら3議案につきまして、それぞれ賛成の立場で討論させていただきます。

 初めに、議第50号 令和3年度袋井市一般会計歳入歳出決算認定についてであります。

 まず、令和3年度一般会計の予算総額ですが4251,900万円余ということで、新型コロナウイルス感染症対策に関連する事業により、歳入歳出とも前年度に次ぐ大型の予算となりました。令和3年度の決算を振り返り、特筆すべき点を挙げますと、やはり大場新市長が4月に当選をされ、令和3年度の市政運営に当たられた初年度であったという点がまず挙げられると思います。予算的には、前任市長の骨格予算の下にほぼ前年同様の事業執行ではありましたものの、令和2年度に引き続いてのコロナ禍にあってのかじ取りということで、大変であったと推察します。

 それでは、以下、決算の主な内容について述べさせていただきますが、決算の歳入総額4151,900万円余、これに対して歳出総額は3986,700万円余で、歳入歳出差引額は165,100万円余となっており、翌年度への繰越財源を除いた実質収支額は144,700万円余となりまして、これを前年度と比較いたしますと、3億8,300万円余の大幅増となっています。これは、地方交付税の追加交付やふるさと納税の増額が影響しているものであります。

 また、予算現額に対する執行率を見ましても、歳入が97.6%、歳出が93.8%であり、それぞれ適正な執行がなされているものと判断いたします。

 さらに、財政運営の健全性を判断する財政健全化判断比率を見ますと、実質赤字比率、連結実質赤字比率は、いずれも黒字であります。また、将来負担比率につきましても47.4%、実質公債費比率は過去最低の5.8%となっておりまして、全ての比率が要注意とされる早期健全化基準を下回っており、健全な財政状況にあるものと判断いたします。

 次に、令和3年度執行されました主な事業について、総合計画の政策に沿って、分野ごとに申し上げたいと思います。

 最初に、「子どもがすこやかに育つまち」の分野ですが、保育所、待機児童の解消に向けてであります。4月に開園しました子育てセンターにじいろの整備支援や、山梨幼稚園、若葉幼稚園の認定こども園化などの取組で、今年4月、ついに待機児童ゼロになりました。

 また、教育面では、ICT教育専門官の採用や児童生徒への1人1台の学習用タブレット導入、令和2年度から進めてきました浅羽中学校の建物部分の完成など、これら積年の計画が成就いたしました。

 次に、「健康長寿で暮らしを楽しむまち」の分野ですが、本市では総合健康センターを中心に、保健事業と介護事業を一体的に進め、高齢者の多様な課題に対応すべく、医療専門職などによる重症化予防、個別指導にも取り組んできています。また、子育て世代包括支援センターの体制強化で、妊産婦支援も充実してきています。

 昨年度は、東京2020オリンピック・パラリンピックが開催され、聖火リレーやアイルランドチームの事前キャンプへの体制提供なども進めてまいりました。

 次に、「快適で魅力あるまち」の分野ですが、袋井駅南地区のまちづくりについて、ついにノブレスパルク袋井をはじめ、全体が完成しました。袋井駅南地区の開発につきましては、旧袋井市時代、なかなか進捗しなかったわけですが、浅羽町との合併を機に、南側から乗れるJR駅整備の要望もあり、線整備から面的整備へと開発が進み、今日の運びとなりました。この完成は、市にとりましても大変意義深いものを感じます。このほかにも、都市計画道路や各種道路が整備をされてきました。

 また、環境の取組でも、袋井市ゼロカーボンシティ宣言が行われましたことは特筆すべきことでありましたし、ごみ減量に向けての取組も、ふくろい5330(ごみさんまる)運動をスタートさせるなど、新たなフェーズに入った年でもありました。

 次に、「活力みなぎる産業のまち」の分野ですが、大学を生かしたまちづくりの事業とも言えるふくろい産業イノベーションセンターが設置をされました。また、企業誘致の推進では、小笠山工業団地の造成工事がつち音高く進められていますし、農業の取組でも、スマート農業をはじめ、袋井市農業施設ストックマネジメント計画を策定するなど、インフラ整備も進められてきました。

 次に、「安全・安心に暮らせるまち」の分野でありますが、消防団袋井方面隊第5分団車庫の建て替えに向けた実施設計や、自主防災隊の資機材の整備、津波対策の防潮堤の整備など、着実に行われました。治水対策では、袋井市かわプログラムを策定し、市内全体の河川整備の方向性が示されました。

 最後に、「市民がいきいきと活躍するまち」の分野ですが、公民館からコミュニティセンターになって3年目、コロナ禍にあって、まちづくり協議会が若干停滞気味となっていますものの、官民競争に向けた事業が進められました。

 ほかにも、前段触れましたふるさと納税などでは、磐田市や掛川市を上回る過去最高額の3億9,500万円余の収支となるなど、以上、大場市政初年度でありましたが、多くの行政実績を残され、私どもも評価をさせていただいているところであります。

 それでは、ここで反対討論がありました個別の内容につきまして、以下、触れてみたいと思います。反対項目、たくさんありましたので、長くなりますが御容赦をいただきたいと思います。

 まず最初に、コロナ対策は国の施策ばかりで、市独自の取組がないとの趣旨の御意見でありました。

 令和3年度の新型コロナウイルス感染症対策事業でありますが、予算ベースで426,600万円余、事業件数にして51件が執行されました。

 新型コロナウイルス感染症感染対策事業につきましては、カテゴリーごとに挙げますと、まず市民の安心・安全に万全を期す事業、例えば新型コロナウイルス感染症ワクチン接種事業など27事業に、また地域経済を回復させる事業では、ふくろい応援商品券など17事業に、さらに規制改革等制度改革への新陳代謝を促進する事業では、スマートスクール推進事業など6事業に、そして未来への投資としましては、ふくろい産業イノベーションセンター設置事業に、これら全体で51事業、決算額にして328,389万円の事業執行がされました。

 これらの事業の中には、特に生活困窮者自立支援や子育て世帯への臨時特別給付金、また住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金など、本日も追加補正予算が提出されますが、生活が大変な皆さんへの国の事業を遅滞なく実施するとともに、新型コロナウイルスワクチン接種事業も、国県の接種率を上回るペースで実施していただきました。

 加えて、市単独の事業として、ひとり親家庭応援事業や経営持続特別支援金、また飲食店応援事業や農業振興対策事業など、全体で51事業中、実に39件もの市単独事業が実施されるなど、新型コロナウイルス感染症感染対策事業を的確に推進されてまいりました。コロナ禍にあって、こうした取組は大いに評価されるものと思います。

 次に、マイナンバーカードに関連しての反対意見、財政を圧迫しないようにとの御意見でありました。

 国は、令和4年度末までにほぼ全ての国民がマイナンバーカードを取得することを掲げ、その普及に努めているところでありますが、私が令和元年度より担当いたしましたICT活用特別委員会でも、マイナンバーカードについて取り上げ、令和2年11月、当局へ活用に関する意見書を提出しました。

 その中で、マイナンバーカードは今後の市民生活において不可欠であるとの認識の下に、カード普及と利活用の両面から、積極的な取組を特別委員会として当局に求めたところであります。もちろん情報漏えいに対する不安や申請・交付手続等の煩雑さなどにより、取得をためらう方もおられましたことから、情報セキュリティー上の不安解消など、制度や機能に関する丁寧な説明とともに、多様なカードの申請機会の創出に努めるよう申し添えたところであります。

 袋井市におきましては、これも私が一般質問した平成29年には7.9%、県下最下位のカード交付率でありましたが、その後、当局の努力もあって、今月9月11日時点の交付率は58.18%、県下35市町中2位、21市中1位という状況になっており、こうした当局の努力はむしろ高く評価するものであります。

 マイナンバーカードは、健康保健証の機能を持たせるなど、今年度末までに全ての医療機関、薬局など、方向性が国でも示されていますし、今後は自宅にいながらにして行政手続やサービスが受けられることを目指しているものであり、既にe-Taxなど利便性を享受している市民も多数います。

 御案内のように、IMD、国際経営開発研究所が発表しています世界デジタル競争力ランキング2021によれば、日本は世界で64カ国中28位、既にデジタル後進国になっています。こうした日本のデジタル化の遅れは、コロナ禍により、国民の多くが知る由となりました。

 行政の遅れを改善するためにも、デジタルトランスフォーメーション推進のためにも、当該事業は将来に向けて必要不可欠であり、しかも、一部報道では、カード交付率が低い場合、国のペナルティーが課せられるとも言われており、事業推進はむしろ財政面ではプラスとなります。したがって、当局には一層の普及促進を図るよう求めるところであります。

 次に、介護・福祉事業に関連してサービスが低下しているとの御意見でありました。

 ここでは時間の関係で介護保険を中心に申し上げますが、令和3年度は第8期の初年度でありました。高齢化率の伸びとともに介護の需要は高まり、介護保険会計も年を追うごとに増額となってきております。

 そうした中、介護サービスにつきましては、居宅介護、地域密着型介護予防、施設介護サービスなど利用者合計2,935人、要介護・要支援認定者数3,437人の85.4%の利用率で、前年を1.1%上回っております。様々な事業が行われている中、本市は先日、県公表のお達者度において、令和元年度になりますが、男性が県で1位になりました。お達者度とは、要介護度2から5でない状況を自立していると県が定義をし、人口や死亡数、介護認定状況のデータを基に算出しているものですが、本市でも、健康マイレージ制度の活用や、ほかにも出前健康教室の開催など、こうした様々な事業の取組成果が今回の1位につながった要因だと思います。

 また、静岡県の第8期基準介護保険料を見ましても、県平均月額5,681円に対して、本市は5,100円と据置きとなっています。県内最高保険料は南伊豆町の6,900円、隣の森町も袋井市より1,200円高い6,300円となっています。実は、平成21年度でしたが、本市は県下一保険料が高く、当時も、私も一般質問で基金投入の提案をし改善を求めたこともありますが、いずれにせよ、適切な介護事業、福祉事業が行われていると思いますし、そのほかにも、福祉施策が適切に実施されているものと判断いたします。

 次に、袋井市産業立地事業補助金についてであります。

 誘致した企業への過大な投資、大企業への補助が問題との御指摘のようですが、私はそれは当たらないと思います。企業誘致の目的は、自治体経営の基本政策に据えられるものであり、それは言うまでもなく、働く場の創出、効用の確保、市財政への寄与などであります。

 県内では、本市のような補助金の名称でなくても、企業立地促進事業費補助であるとか地域産業立地事業費補助とか、様々な呼び名をもって補助をしています。県下35市町のうち30の自治体で補助していまして、特に県西部地区では、磐田市や掛川市、森町をはじめ、全ての市町で導入しています。

 しかも、県内製造品出荷額が1兆円を超すような、既に十分な企業誘致が進められていると思われる市ほど、全て補助制度があります。袋井市がインセンティブこそつけても、なくすことは大きなマイナスになりますし、この制度の導入は結果、支援する事業者のみならず、こうした誘致により、中小企業の皆さんや市内の様々な商店、事業者へもプラスの経済波及効果等、影響をもたらしているものであります。優良な企業の誘致は結果、若者のUターン、Jターン、Iターンの選択肢にもなり得るもので、当該補助はしっかり継続すべきものと思います。

 次に、都市計画税について、問題との御意見でありました。

 これは、地方税法の定めに基づいて課税しているもので、都市計画事業、土地区画整理事業に要する費用の一部に充てるための目的税であり、主な使途としましては、街路整備事業、土地区画整理事業、下水道事業に充当しています。

 令和3年度決算におきましては、先ほども話がありましたように129,000万円余の収入があり、都市計画税充当事業費18億円余、土木費と公債費に充当していまして、このうち公債費の支出根拠ですが、平成22年総務省、地方税法の施行に関する取扱いについて、この通知に基づき適正に行われております。

 御案内のように、都市計画税は、こうした都市計画事業を着実に推進するための必要な財源でありますとともに、旧浅羽地域の皆さんにとりましても、これら事業により整備しています都市計画道路諸井山の手線などの道路、下水道事業をはじめ、先ほど申し上げました袋井駅南地区の開発など、直接的、間接的に受益がもたらされているものと考えます。したがって、以上のような観点から、引き続き適切に対応していただきたいと考えます。

 ほかに、教育等もありましたけれども、時間の関係もありますので割愛をさせていただきますが、もちろん私どもも、課題がないわけではないと認識しています。

 例えば治水問題です。

 先日の23日から24日未明にかけた台風15号による水害では、人的被害をはじめ、物的被害が床上・床下浸水で住家・非住家合わせて318棟にも及ぶ、昭和49年の七夕豪雨以来の大災害となりました。関係皆様に衷心よりお悔やみ、お見舞いを申し上げます。

 本市では御案内のとおり、昨年、治水対策のための袋井市かわプログラムを策定しました。そして、今年は柳原の雨水ポンプ場の整備方針も示され、64億円の事業費が示されましたが、工事の着手は令和6年、再来年であります。1機目のポンプの供用開始は令和10年となっています。昨今の気象状況を見るにつけ、一日も早い前倒しの事業が必要です。また、同様の浸水被害が発生しました松橋川や蟹田川ほか、市内の各河川の早急の河川改修等、対策が急務です。

 さらに、他の課題として挙げますと、一般会計の収入未済額が令和2年度対比1億4,000万円、大幅に減額をさせまして、この10年間で過去最低の4億3,213万円となりました。このような収納対策は高く評価できるものでありますが、しかし、それでも県下23市中18位という収納率です。本市の徴収職員は他市に比べ少人数で、他市の3倍から6倍の職員の負担となっていることも事実であり、当該負担も軽視できません。

 また、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種につきましては、国、県を上回る接種率ですが、これも職員の時間外勤務等で乗り越えているという問題もあります。

 加えて、待機児童はゼロになりましたものの、潜在的待機児童が4月現在で105人いるとのことであります。また、保育所の整備の反面、公立幼稚園の空き数が671人、入園率34%となっているなど、新たな課題も出てきています。そして、放課後児童クラブの待機児童ですが、今年4月現在72人いましたが、54人も減少させました。しかし、まだ18名の待機児童がおります。

 ほかにもあります。

 いずれにせよ令和3年度は、第2次袋井市総合計画後期基本計画のスタート年であり、挙げました課題の整理、これ以外にも様々な課題はありますが、その解決に向けて、市長以下全庁一丸となって、日本一健康文化都市の実現に向け一層の取組をしてほしい、その実現を期待しつつ、議第50号 令和3年度袋井市一般会計歳入歳出決算認定について賛成するものであります。

 次に、議第51 令和3年度袋井市国民健康保険特別会計歳入歳出決算認定について申し上げます。

 国民健康保険事業は、平成30年4月1日から、国民皆保険を堅持しつつ、医療保険制度を将来にわたり持続可能なものとするため、県が国民健康保険の財政運営の責任主体となり、各市町と共に国民健康保険の運営を担うという新たな仕組みが実施され、本市でも、引き続き保険税の賦課、徴収、資格管理、保険給付などを行っています。

 国民健康保険事業は、被保険者の年齢が高く、医療費水準が高い、退職者や年金生活者が多くを占め、被保険者の所得が低いなどの構造的な課題を抱えています。

 令和3年度、国民健康保険制度改革3年目を迎えた本市の国民健康保険の決算ですが、歳入総額805,683万円余、歳出総額797,320万円余、予算に対する執行率は99.0%となっております。また、歳入歳出差引残高は8,363万円余となっております。

 歳入を見ますと、国民健康保険税では、収入未済額が3億2,392万円余であります。10年前の平成24年度には8億円余の収入未済額がありましたが、毎年減額させ、令和3年度の3億2,392万円余という額は過去最低額となっています。これも、当局の努力がうかがえるものです。

 国民健康保険の負担が高いとの意見もありますが、国民健康保険の中央会が出版しています『国保のすがた』、この本によれば、1人当たりの保険税、保険料ですが、協会けんぽが平均年齢37.8歳で保険料が117,000円、医療費が181,000円、組合健保では平均年齢35.1歳で保険料が129,000円、医療費が16万円。これに対し、袋井市を見ますと平均年齢で55.6歳で保険税が101,000円、医療費が369,000円ということで、両健保に比較し保険税では安くなっています。

 また、基金も、平成30年度3,000万円、令和元年度8,000万円、令和3年度1,230万円を取り崩し、県の保険税率統一に向けて、急激な税負担とならない激変緩和の財源とする、そのように承知をしております。

 また、無所得や低所得の方の経済的配慮をするため、7割・5割・2割の軽減の補塡分を基盤安定として2,676万円余、国から受けていますし、県繰入金は8,600万円余、さらに保険者努力支援での評価では県下では8位、4,099万円の交付を受けました。これが、令和4年度では藤枝市に次いで2位になるなど、こうした努力を高く評価したいと思います。

 このほかにも、新型コロナウイルス感染症対策として、令和2年度に次いで減収世帯への減免、新型コロナウイルス感染症感染で休職した方にも傷病手当金を給付するなど、細やかな対応もしています。

 以上のことから、議第51号に賛成するものであります。

 最後になりますが、議第57号 令和3年度袋井市水道事業会計決算認定についてであります。

 令和3年度の決算内容は、消費税を除いた総収益が165,342万円余に対しまして、総費用は149,416万円余であります。この結果、1億5,925万円余が当年度純利益となっております。前年度と比較しますと3,756万円余ほど減少しております。

 このような利益を上げている背景には、水道担当職員が、全国の同規模の事業体の平均職員数23.6人に対して、会計年度任用職員も含めて18人と少なく、職員の努力も利益の要因の一つとなっています。

 今後も、給水人口や水需要の減少に伴う給水収益の減少が見込まれ、老朽化した施設の更新、計画的な管路整備など、財源の確保が必要となっています。

 そうしたことから、今年度から水道料金の値上げを昨年決めましたが、特に本市の導水管、送水管、150ミリ以上の配水管の基幹管路耐震化事業では、平成26年耐震適合率が40.2%だったものが、令和3年度48%とまだ半分以下、1年に1%程度の進捗です。

 御案内のように、市内には昭和30年代に布設した100ミリ以下の配水管や小口径の管路が多く残されており、大規模地震において震度7に見舞われる地域が袋井市域の86%、液状化の影響が心配される地域が52%と言われているだけに、災害に備えた施設整備を積極的に推進する必要があります。

 なお、遠州広域水道の費用は経費の多くを占めていることから、私が一般質問した平成29年2月を契機に、令和14年度見直しに向けて方向性が出されました。その後、構成市町と県との間で、負担軽減に向けて協議が毎年行われております。御指摘がありましたように、これは大変重要なことでありますので、引き続き関係市町で協議を進めてもらいたいと私どもも思います。

 いずれにせよ、水道事業は、今回の静岡市清水区の断水を見るまでもなく、私たち市民の重要なライフラインであります。将来にわたって安定的に事業を継続するため、本市の水道事業は経営の効率化、適正化が図られている、このように考えられるため、私は議第57号に賛成するものであります。
 以上、少し長くなりましたが、賛成討論とさせていただきます。(拍手)

○議長(戸塚哲夫) 以上で、上程19議案に対する一括討論を終了いたします。これから採決に入ります。初めに、議第45号から議第49号までの5議案について一括して採決いたします。以上5議案に対する委員長の報告は可決であります。以上5議案は委員長の報告のとおり決定することに御異議ございませんか。

「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(戸塚哲夫) 御異議なしと認めます。したがって、以上5議案は原案のとおり可決されました。次に、議第50号について採決いたします。

 本案に対する委員長の報告は認定であります。本案は委員長の報告のとおり決定することに賛成の議員の起立を求めます。

賛成者起立〕

○議長(戸塚哲夫) 起立多数であります。したがって、本案は原案のとおり認定されました。次に、議第51号について採決いたします。本案に対する委員長の報告は認定であります。本案は委員長の報告のとおり決定することに賛成の議員の起立を求めます。

賛成者起立〕

○議長(戸塚哲夫) 起立多数であります。したがって、本案は原案のとおり認定されました。次に、議第52号から議第55号までの4議案について一括して採決いたします。以上4議案に対する委員長の報告は認定であります。以上4議案は委員長の報告のとおり決定することに御異議ございませんか。

「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(戸塚哲夫) 御異議なしと認めます。したがって、以上4議案は原案のとおり認定されました。次に、議第56号について採決いたします。

 本案に対する委員長の報告は可決であります。本案は委員長の報告のとおり決定することに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(戸塚哲夫) 御異議なしと認めます。したがって、本案は原案のとおり可決されました。次に、議第57号について採決いたします。

 本案に対する委員長の報告は認定であります。本案は委員長の報告のとおり決定することに賛成の議員の起立を求めます。

賛成者起立〕

○議長(戸塚哲夫) 起立多数であります。したがって、本案は原案のとおり認定されました。次に、議第58号及び議第59号の2議案について一括して採決いたします。

 以上2議案に対する委員長の報告は認定であります。以上2議案は委員長の報告のとおり決定することに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(戸塚哲夫) 御異議なしと認めます。したがって、以上2議案は原案のとおり認定されました。次に、議第60号から議第63号までの4議案について一括して採決いたします。

 以上4議案に対する委員長の報告は可決であります。以上4議案は委員長の報告のとおり決定することに御異議ございませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(戸塚哲夫) 御異議なしと認めます。したがって、以上4議案は原案のとおり可決されました。

 参考 反対討論
 

これから、議題となっております上程19議案に対する一括討論に入ります。討論の通告がありますので、順次、発言を許します。

 初めに、12番 竹村眞弓議員の発言を許します。

 12番 竹村議員。

12番 竹村眞弓 議員 登壇〕

12番(竹村眞弓) 改めまして、こんにちは。

 上程されました議案のうち、議第50号 令和3年度袋井市一般会計歳入歳出決算認定について議第51 令和3年度袋井市国民健康保険特別会計歳入歳出決算認定について議第57号 令和3年度袋井市水道事業会計決算認定について、以上の3議案について、賛成できない立場で討論をいたします。

 まず、議第50号 令和3年度袋井市一般会計歳入歳出決算認定についてです。

 令和3年度一般会計歳入歳出決算額は、歳入総額4151,900万円余、歳出総額は3986,700万円余であり、実質単年度収支は8億838万円余と今までと比べると大きな黒字となりました。市民の求めている事業はきちんと行われたのでしょうか。

 令和3年度は新市長体制となり、また、第2次総合計画後期基本計画のスタートの年でもありました。子育てセンターにじいろの整備支援、浅羽中学校校舎改築改修工事、袋井駅南まちづくり事業の推進、また、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種事業、ひとり親家庭応援事業など各種の事業に取り組んでこられました。さらに、ICT教育の推進のための新たな時代に向けた各種の事業にも取り組まれました。そして、市民にとっては、新市長による、今までとは違う市民目線での積極的市政への期待も大きかったのではと思います。

 市民の生活はどうであったかというと、爆発的な感染拡大による消費低迷の継続で、厳しい経済状況となりました。経済的、社会的に立場が弱い人ほど犠牲を強いられ、格差と貧困が拡大しました。さらに、今年に入り、円安、物価高騰が続いています。このような状況だからこそ、市民の生活を支え、守ること、子育てや医療、介護といった住民福祉の向上を図ることをまず第一に考えた行財政運営が行われるべきです。

 そこで、6点について意見を述べたいと思います。

 1点目、本市の新型コロナウイルス感染症対策についてです。

 歳出総額約398億円の中の42億円余が充てられましたが、そのほとんどは、国や県からの交付金活用による対応でした。感染爆発の中、電話が通じない、検査ができない、子供が感染して濃厚接触者になってどうしようなど、多くの不安の声がありました。市内のクラスター発生もありました。市独自事業として行わなければいけないこともあったと思います。しかし、市の財源を充てて対応することは不十分でした。感染拡大への予防対策、安心・安全への取組、検査体制の充実などの施策にも、市の財源を投ずるべきだったと考えます。

 2点目、歳出2款3項1目戸籍住民基本台帳費についてです。

 2億6,000万円余、前年度より3,000万円の増額となりました。マイナンバーカードの普及促進については、カードの普及率は6割ということです。情報技術は急速に進歩し、活用する人口も増加してきています。本市においても、国の施策の下での普及促進事業として、係を新設し、体制も人員も手厚くするなど、取り組まれてきました。その反面、政府が進めるデジタル社会形成、自治体デジタル化について、個人情報のプロファイリングや国民監視、情報漏えいなど、不安を持つ方も少なくありません。

 マイナンバーカードの普及により、個人情報の保護より市場創出が優先されています。自治体の施策が国の鋳型にはめられて、独自施策に混乱が生じ、かえって住民サービスの後退も懸念されます。本来、個人の選択とされていた取得が、何回も通知するなど強制的なものにも変わりつつあります。マイナンバーカード取得でマイナポイントが5,000ポイント、健康保険証としての利用申込みで7,500ポイント、公金受取口座の登録で7,500ポイント付与するということです。ポイントで個人情報を提供してくださいということでしょうか。この税金の使い道に反対の声や、使用の必要性がそれほど感じられないという意見があります。普及による費用削減効果、経済効果は、普及促進にかける費用には見合わないと思います。

 3点目、歳出3款1項2目老人福祉費のうち、産業政策課分の1,751万円余についてです。

 シルバー人材センター補助金額が、昨年より130万円の減額となっています。近年の高齢化とともに、健康で働く意欲のある方も増えています。相談件数や求人数は増加しているにもかかわらず、あっせん件数は年々減少、平成30年度に比べ半数という状況にあります。会員の拡大や就労開拓の推進を図ったと言えるのでしょうか。

 4点目は、歳出7款1項3目工業振興費における産業立地事業費補助金1億9,932万円余、工業立地奨励補助金1億7,450万円余についてです。

 この補助金は、土地購入費の2割を補助する、建物や償却資産の固定資産税相当額を3年間補助するという、進出企業にとっては至れり尽くせりの制度となっています。しかし、市にとっては、10年間は税収増にならないこと、さらに、産業立地補助金に地域振興を図る目的として交付された地域振興基金から1,500万円余が充当されることは、この基金の目的、趣旨から外れたものであり、問題だと考えます。

 5点目は、歳入1款6項1目都市計画税です。

 令和3年度も129,000万円余と、膨大な税金の徴収でした。都市計画税の負担の重さや不満については、以前より市民から多く寄せられています。都市計画税は、都市計画事業の一部に充てられるとして、住民から徴収しています。しかし、事業には4億3,000万円余と3分の1しか充当されていません。残りの3分の2は、公債費、借金返済に充てられています。このように、大半を公債費に充当するということは、本来の目的から考えてどうなのでしょうか。趣旨に沿った、市民に理解されるように見直しが必要と考えます。

 6点目、歳入22款5項2目10節教育費雑入の児童送迎バス乗車料430万円余についてです。

 市が営利事業としてバス送迎を行っているわけではないこと、バスの運行には地方交付税で措置されているということ、そして義務教育は無償、このことから考えて、児童送迎バス乗車料は徴収すべきではありません。市民の意識調査結果において、子供を産み育てやすい環境について整っていると思うと回答された方は、全世代的に20%以下という結果でした。また、厚生労働省の調査でも、子供がいる世帯の6割が生活が苦しいという回答です。

 本市においても、少子化の進行を抑えることが喫緊の課題だと考えます。長引く新型コロナウイルス感染症の影響、物価高騰の中でも、安心して子供を産み育てられる環境に向けての対策が必要です。子供を産もうと考えている市民、子育てをしている市民の立場に立てば、児童送迎バス乗車料の徴収はやめるべきですし、学校給食費の無償化や就学援助対象の認定基準の緩和など、子育て支援策の拡充が必要だと考えます。

 次に、議第51 令和3年度袋井市国民健康保険特別会計歳入歳出決算認定についてです。

 令和3年度の国民健康保険税収入は173,600万円余でした。また、滞納整理を推進するために、収納対策本部を設置し、全庁体制による集中的な滞納整理を実施しました。これにより収納率は82.3%となり、前年度と比較して1.8ポイント上回っています。滞納者を対象に、差押え処分等の収納業務にいき過ぎはなかったのでしょうか。

 国民健康保険は、低所得者が多く加入する保険で、コロナ禍、物価高騰により、今まで以上に重い負担となっています。国民健康保険は、年金生活者が多く加入していますが、その年金額も減らされ、今後、ますます市民への負担が重くのしかかる状況が考えられます。

 そのような中、令和4年度から令和6年度の国民健康保険税の引上げを決めました。基金の繰入れは令和3年度は1,200万円余、基金残高は令和2年度8億9,100万円余、令和3年度は8億8,100万円余と、大きな減少はありません。基金は、もともと被保険者の国民健康保険税が原資ですから、加入者の、重い、高いの声に応え、基金を有効に活用した負担軽減策が求められます。また、際限のない国民健康保険税の引上げ解消には、国の負担を大幅に増額するなど、抜本的な制度改革が必要だと考えます。

 最後に、議第57号 令和3年度袋井市水道事業会計決算認定についてです。

 令和3年度の純収益が1億5,900万円余となりました。給水の状況は146人の減、配水量は前年度比1%減という結果です。また、遠州水道受水量は前年度比1.9ポイントの増で5億9,595万円余、139万円余の増となりました。さらに、遠州水道からの受水割合は、初めて全体の80%を超えました。市の方針は、災害対策等から自己水源を確保するため、遠州水道からの受水は75%までとしています。台風15号による静岡市の状況を見ても、自己水源を確保することが重要ではないでしょうか。

 令和3年4月からの水道料金の値上げは、コロナ禍で生活が大変だからという理由で延期となりましたが、令和4年度からの値上げは収束の見通しのないコロナ禍の中で決められました。この値上げにより、利用水量の減少傾向は歯止めがかからないと予測されます。

 水道料金の収入減に対する対策、費用削減のための対策は、これまでも過大な遠州水道受水費の問題を指摘してきたように、受水費の低減しかありません。市が実施した将来水需要予測に基づいた適正な水量に引き下げること、遠州水道との過大な契約水量の見直しがやはり必要だと考えます。将来の人口減少を見通して、受水5市町と受水量、受水費の見直し協議について、強い姿勢で臨んでいかれることを求めます。

 以上、反対討論といたします。



             

「トップへ」



「議会目次へ戻る


「ホームページ目次へ戻る」