令和5年9月議会報告


大庭議員の一般質問・・・見てね!!


目次

大庭議員は9月定例会において中小企業支援策や教育支援策等について
質問(提言)をしました。ここに、質問要旨と答弁をお知らせします。
   

中小企業支援策について

  要旨
  本市経済は中小企業・小規模企業に従事している約6割の従
  業者によって支えられている。コロナ禍以降、一層厳しい経済
  環境下、当該企業への支援が求められている。
    (1)中小企業振興基本条例の導入について
      ア 中小企業振興基本条例の導入の考えはあるか
      イ 条例に中小企業の受注機会の増大をさせていく条
        文を。
      ウ −〃−中小企業・小規模企業振興会議開催の明
        記を。
      エ −〃−労働団体の参画や役割も明記しては。
    (2)理工科大内に設置された中小企業の支援策として
        期待される「袋井産業イノベーションセンター」の
        これまでの成果と今後の展開は。

20番(大庭通嘉) 改めまして、こんにちは。今日も、たくさん傍聴においでいただきましてありがとうございます。

 それでは、通告に従いまして、一般質問させていただきます。

 最初に、中小企業支援策ということでお伺いをいたします。

 御案内のように、本市経済を支えていただいている市内企業、数多くありますが、その大部分を占めるのが中小企業、小規模企業であります。こうした中小企業の役割は大きく、本市経済への貢献は言うに及ばず、雇用を支える担い手として、重要な役割を果たしてくださっています。

 ちなみに、令和2年度の本市の規模別従業者数を見ますと、全体で1万3,558人いますが、そのうち300人未満の事業所に8,186人ということで、60.3%の皆さんが働かれています。

 しかし、本市の中小企業、小規模企業は、人口減少、高齢化、経済活動の国際化などによる経済社会環境の変化や、IoTやAIなどに代表されますように、技術革新の進展の影響を受け、事業所数の減少、売上げの低迷、価格競争の結果、人材確保難などの課題を抱えています。しかも、こうした中、2020年春先からの世界的新型コロナウイルス感染症感染の蔓延で、当該企業を取り巻く環境は一層厳しいものになっております。

 本市でも、こうした状況に対処すべく、中小企業経営力強化支援補助事業や中小企業物価高騰対策事業費補助、また袋井市経営持続特別支援などなど、多くの事業を展開していますが、決して十分なものと言える状況にはありません。

 申し上げるまでもなく、中小企業、小規模企業の発展を促進していくためには、当該企業者自身が計画的かつ主体的に経営の向上に努めることはもちろんでありますけれども、地域社会全体で、こうした中小企業の皆さんを支援していくことが不可欠ではないかと思います。

 いずれにせよ、こうした中小企業の重要性に鑑み、国では2010年、中小企業憲章が閣議決定されました。2014年6月、小規模企業振興基本法が国会で制定されるなど、法整備が進められてまいりました。

 さらに、これを受け、全国的には中小企業振興基本条例が各自治体で制定されてきていますし、本県におきましても、中小企業、小規模企業振興を重要施策として位置づけ、当該条例が制定されております。

 令和5年度の県内の条例の制定状況ですが、静岡県をはじめ、35市町のうち23市町、率にして65.7%で条例が制定されております。特に23市のうち18市、率にして78.2%が制定済みで、まだ制定していない市は、熱海市、伊東市、湖西市、島田市と、そして私たちの袋井市であります。

 そこで、以下、中小企業、小規模企業振興基本条例について質問させていただきます。

 まず、1点目、県内35市町、県を入れて36になりますが、そのうちただいま申し上げましたように県を入れて24の自治体において、中小企業振興のための基本条例が制定されていますが、本市における中小企業、小規模企業振興基本条例を制定、導入する考えがあるか、まずお伺いします。

○議長(鈴木弘睦) 大場市長。

〔市長 大場規之 登壇〕

○市長(大場規之) おはようございます。

 大庭通嘉議員の御質問にお答えを申し上げます。

 初めに、中小企業、小規模企業振興基本条例の制定への考えについてでございますが、本市における中小企業向けの施策につきましては、融資制度をはじめ、高校生と企業を結ぶ合同企業説明会の開催や経営革新計画の策定支援など、商工団体と連携し、多様な取組を実施しており、令和3年4月には、市と静岡理工科大学、商工団体、金融機関の産学官金による地域ぐるみの体制で、ふくろい産業イノベーションセンターを設置し、本地域の特性に応じた効果的な支援に取り組んでいるところでございます。

 しかしながら、令和2年からの新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、売上げの減少による資金繰りの悪化など、中小企業や小規模企業は大きな打撃を受け、現在でも、原油・原材料価格の高騰や円安に伴う物価高騰など依然厳しい経済状況であり、さらには、脱炭素化や人材確保、デジタル化への対応など、多くの課題を抱えている状況でございます。

 こうしたことへの対応といたしましては、企業の主体的な経営改善のみならず、これまで以上に、地域ぐるみで総力を上げて支援していくことが必要であると考えております。

 そのため、本市の強みであるイノベーションセンターの活用や、商工団体とのさらなる連携により、環境の変化に対応し発展を継続できる強い企業や、未来に向かって新たな価値を生み出す企業の育成、創出に向け、各支援団体が果たすべき責務、役割を示し、中小企業、小規模企業の活力が最大限発揮される環境づくりを明文化した条例の制定について、関係団体等と協議をし、検討してまいりたいと存じます。

 2点目、市内中小企業への支援策です。一つの例として、他市の条例などでは、市が発注する工事物品購入請負等において中小企業の受注機会の増大を図るように努めるなど、こうした条文も明記して、中小企業を支援しているわけですが、このことについての見解をお伺いします。

 次に、条例への中小企業の受注機会の増大の明記についてでございますが、これまでも現行制度において、市が行う工事発注は、袋井市建設工事入札参加者選定要領に基づき実施しており、令和4年度の市内事業者受注率は、金額ベースで約90%と高く、物品や役務の調達についても、本要領に準じて市内企業を優先的に指名するよう運用しているところでございます。

 今後、条例の制定を検討していく際には、こうした市内企業優先での工事発注や物品、役務の調達など、地域経済の活性化に向けた理念や考え方の明記について、関係団体等と協議してまいりたいと存じます。

 3点目、中小企業、小規模企業振興会議の開催についてであります。条例の中に振興施策を効果的に推進するために、会議を開催し、各種団体の意見を聴いていくと、そのような条文明記も必要かと思いますが、その点について考えもお伺いします。

 次に、条例への中小企業の受注機会の増大の明記についてでございますが、これまでも現行制度において、市が行う工事発注は、袋井市建設工事入札参加者選定要領に基づき実施しており、令和4年度の市内事業者受注率は、金額ベースで約90%と高く、物品や役務の調達についても、本要領に準じて市内企業を優先的に指名するよう運用しているところでございます。

 今後、条例の制定を検討していく際には、こうした市内企業優先での工事発注や物品、役務の調達など、地域経済の活性化に向けた理念や考え方の明記について、関係団体等と協議してまいりたいと存じます。

 4点目、さらに労働団体の参画も加えて、総合的に中小企業の支援をしていくことが大事であろうと思います。他市でも導入している、そうした労働団体の役割も含めての条例制定の導入ですが、当局の考え方をお伺いします。

 次に、条例への中小企業の受注機会の増大の明記についてでございますが、これまでも現行制度において、市が行う工事発注は、袋井市建設工事入札参加者選定要領に基づき実施しており、令和4年度の市内事業者受注率は、金額ベースで約90%と高く、物品や役務の調達についても、本要領に準じて市内企業を優先的に指名するよう運用しているところでございます。

 今後、条例の制定を検討していく際には、こうした市内企業優先での工事発注や物品、役務の調達など、地域経済の活性化に向けた理念や考え方の明記について、関係団体等と協議してまいりたいと存じます。

 中小企業の最後の質問になりますが、5点目、中小企業の支援策として期待されるふくろい産業イノベーションセンターの、これまでの成果と今後についてであります。

 大学を生かしたまちづくりは、本市に1991年、平成3年、静岡理工科大学が開設されたときからの大きなミッションであり、また、願いでもありました。当該センターは今日、時代の変化に対応した「稼ぐチカラ」の高い中小企業の創出に向け、産学官金が一体となり、令和3年に静岡理工科大学内に設置された産業支援機関ですが、今年で3年目を迎え、今後の大いなる成果に期待が寄せられています。

 今年度も、ふくろい産業イノベーションセンター地域研究助成として700万円の予算がつけられていますが、当該センターにおけるこれまでの成果と、中小企業支援に向けて、今後どのような展開を考えているのかお伺いをして、最初の質問とさせていただきます。

 次に、ふくろい産業イノベーションセンターのこれまでの成果と今後についてでございますが、令和3年4月に静岡理工科大学内にセンターを設置し、令和4年度には、各種セミナーやビジネスアイデアを実現する場として、ピッチイベントを開催したほか、中小企業が抱える技術課題の解決を図るため、大学の持つリソースを生かし、大学教員による技術相談を41件と、大学との共同研究を16件実施いたしました。

 これに加え、新たなビジネスチャンスの創出を目的とする医療・介護現場アイデア実現物づくりプロジェクトを立ち上げ、医療介護の現場職員と企業や金融機関等の多業種が連携する中で、ワークショップを開催し、新製品のアイデアを企画、提案いたしました。

 本年度につきましても、大学教員による技術相談や、大学との共同研究として廃棄茶葉を活用した建設材料の防腐効果や、新型電化熱源を利用したメロン栽培の研究など11件を行っており、本年7月には、ワークショップで提案されたアイデアの中から、座った人を簡単に乗せられる車椅子をテーマに、市内の物づくり企業や聖隷袋井市民病院などでプロジェクトチームを結成し、試作品の開発に向け、スタートしたところでございます。

 今後も、大学教員との技術相談や研究開発の推進をはじめ、物づくりプロジェクトを通じて中小企業の積極的なチャレンジを促すとともに、業種別交流会やピッチイベントの開催など、分野の垣根を越えた様々な主体の交流機会や共創の場を設け、できる限り早い成果獲得を目指し、取り組んでまいります。

 また、本センターの具体的な事業につきましては、5カ年計画で進めておりまして、本年度は中間年の3年目となります。これまでの実績を総括した上で、今後の展開や取組をブラッシュアップしてまいりたいと存じます。

 以上で、私からの御答弁とさせていただきます。

○議長(鈴木弘睦) 大庭議員にあらかじめ申し上げます。再質問をする際には、初めにどの部分の質問か 番号等を述べてから質問に入っていただくようお願いいたします。

 20番 大庭議員。

20番(大庭通嘉) ただいまは大場市長のほうから、大変この条例制定に前向きな御答弁をいただきました。恐らく中小企業の皆さん、喜ばれるんじゃないかなと思います。ぜひとも早急に、条例制定に向けて御準備をいただきたいと思います。

 なお、(1)への労働団体の組入れにつきましても、県下、私の承知している範囲では8地区において、そうした団体の皆さんも参画をされているということでありますので、また制定に当たっては、そういう皆さんの声も聴いていただきたいと思います。

 
新聞に取り上げられた記事

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教育支援問題について

  (要旨)
  本市では市内小中学校16校のうち、半数の学校において、教育
  振興会、または学校後援会の名称の下、学校区に会が組織化さ
  れ、住民の税外負担によるソフト・ハード面への支援が行われて
  いる。
    (1)県内でこのような税外負担を導入している市町はあるか。
    (2)税外負担による地域の教育(学校)支援に対する教育委
       員会の見解は。
    (3)税外負担で存続すべき事業、存続させなくても良い事業
       の認識は。
    (4)当該制度導入による教育効果は。学校間格差が生じるの
       ではないか。
    (5)後援会・振興会等で整備した遊具の管理責任と今後の管
       理方針は。
    (6)旧浅羽町時代に整備された老朽遊具の更新と管理方針は。
    (7)教育に必要な経費は財政当局で措置すべきと思うが当局
       の見解は。

 それでは、次に、2番目の項目の袋井市における教育支援問題ということで、教育の税外負担についてお伺いしたいと思います。

 実は、この問題、私、議会でも何度もこれまで取り上げてきた問題であります。

 ここにきて、学校の教育関係者からも、この組織はいかがなものか、そんなお声を仄聞し、いよいよ令和の袋井の教育改革をしなければならないということを強く思った次第であります。

 御案内のように、袋井市では半数の小中学校において、教育振興会あるいは学校後援会という名称の下に、各自治会より会費を徴収し、小中学校の各種ソフト・ハード事業の支援をしております。

 具体例を挙げますと、例えば部活動の大会参加費、生徒の交通費、吹奏楽やマーチングのための楽器の購入費、教育講演会や学術鑑賞会の経費、はたまた、児童生徒用の図書や、子供たちの善行表彰など各種の取組に対する表彰であります。学校によりましては、地域後援会のお力をいただいて、これまで学校の運動場に大型アスレチックや学校玄関先の庭園、あるいは校庭の整備等々、かなりのインフラハード支援もしていただいてまいりましたが、さすがに時代も変わり、近年では大型のハード事業はなくなってまいりました。

 こうしたハード事業支援が減少してまいりました背景には、PTA活動の変容、保護者の価値観や住民意識の変化があります。特に学校への支援が減少してまいりましたのは、コロナ禍による影響もありますが、やはり浅羽町との合併が一つの転機になったことも事実であります。

 実は、小学校の遊具を例に挙げますと、浅羽町では各小学校ごとに、大変立派な大型遊具が整備されております。一方、袋井市では市からの遊具整備は限定的でありましたので、地域の教育振興会が各種の遊具を整備した学校もありまして、こうした袋井市と浅羽町の学校遊具の整備方針の違い、格差は、合併後、多くの市民が知る由となりました。

 現在、市内の小中学校で教育振興会や学校後援会が組織されている学校は、小学校が5校、中学校が3校であります。違っているかもしれません。ただいま遊具整備の各差で紹介しましたように、浅羽地区では、当該振興会などはどこも組織化されておりません。

 ちなみに、この教育振興会の会費ですが、大体世帯当たり月50円程度、年間600円という額がほとんどで、地区によっては、小中学校合わせて1,200円というところもあります。また、近隣の市町におきましても、袋井市のような学校に対する税外負担を聞いていませんし、今や袋井市特有の制度になっているのではないかとすら感じます。

 私が、また、こうした提案をするに当たり、いっそのこと議員が政策条例として出せばいいじゃないかという御意見があるかもしれません。

 実は、古い話になりますが、浜松市と合併する前の浜北市において、議員提案の条例が出されました。名称は、浜北市の義務教育に関する費用の住民負担を禁止する条例というもので、義務教育諸学校に関する費用、これの住民負担をさせない、もしこの条例に違反する行為が行われようとすることを察知したら、市長が直ちに中止をさせなければならない、そこまで明文化した条例でありました。

 袋井でも、私ども議会でこのような条例提案をすることはできますが、憲法第26条第2項、学校教育基本法第5条第4項、学校教育法第5条、学校教育法第6条など、既に経費負担、教育の無償化が法の下に定めがある以上、屋上屋を重ねることもないと思いますし、教育の機会均等平等という観点からも、現在行われている自治会費からの徴収はやめるように、市がしっかり行政指導すべきだと思います。

 前段でも触れさせていただきましたように、時代は変わりました。この際、見直しすべきという観点から、以下何点かお伺いします。

 まず1点目、周辺市町あるいは県内で、このように教育に係る税外負担を住民に課している市町がどれほどあるのかお伺いします。

○議長(鈴木弘睦) 鈴木教育長。

〔教育長 鈴木一吉 登壇〕

○教育長(鈴木一吉) 教育支援問題についての御質問にお答え申し上げます。

 市内の一部の地区にある教育振興会、学校後援会等につきましては、主に昭和50年代半ば、学校、園施設のより充実した整備を目的に発足した建設後援会が前身であり、建物等の竣工、改修後は、学校、園の充実した教育の振興を援助することを目的とした教育振興会、学校後援会へと会の名称や活動内容を変え、現在に至っているものと認識しております。

 初めに、県内市町の状況についてでありますが、本市の教育振興会等と同様に、地元住民が地区の学校を支援している仕組みがある自治体は、確認できた限りでは6市町となっております。

 

 2点目、こうした教育振興会や学校後援会による教育支援のための地域主導の税外負担について、教育委員会としてどのように把握し受け止めているのか、存続の可否も含めて、その見解をお伺いしたいと思います。

 次に、地域の教育支援に対する見解についてでありますが、学校教育法では、「学校の設置者は、その設置する学校を管理し、法令に特別の定のある場合を除いては、その学校の経費を負担する。」と定められており、市内小中学校に係る経費につきましては、設置者たる市教育委員会が負担すべきものであります。

 市内の一部の地区にある教育振興会等から学校や幼稚園に対して支援をいただいていることは、市教育委員会としても承知しておりますが、それらの支援は、教育の充実を願っての地域の皆様の善意として受け止めております。その支援の在り方につきましては、これまでの経緯があり、教育振興会等において議論し、検討していただくべきものと考えておりますが、住民のコンセンサス等の課題につきましては、学校や幼稚園、教育振興会など、関係の皆様で共有することが望ましいと考えております。

 3点目、現在、市内の16の小中学校のうち8校、半数の学校において、自治会の会費から会費を徴収し、各種の支援事業をしていますが、これらの事業について、存続すべき支援事業、しなくてもいい支援事業とはどのようなものか。その認識についてお伺いします。

 次に、存続すべき事業などについてでありますが、学校や幼稚園の教育環境を整えることは市教育委員会の責務でありますが、整備水準につきましては、時代とともに変わり、また、首長の考え方、自治体の財政状況等により異なっております。

 このような中で、学校や園に対する地域住民や保護者、事業所等からの支援につきましては、教育環境の充実に結びついているものと考えております。これまでの教育振興会等からの支援の使途につきましては、その妥当性等について、市教育委員会として見解を申し上げるべきことではないと考えますが、教育振興会等の皆様と各学校、園とが十分協議の上、決定しているものと認識しております。

 4点目、この各地域の教育振興会や学校後援会の支援による教育効果をどのように認識されているのか、また、こうした事業は、導入している学校としていない学校等で結果、学校間格差を生じさせていると思いますが、その点、教育委員会としてどのように考えているのかお伺いしたいと思います。

 次に、教育効果と学校間格差についてでありますが、教育振興会等の支援による教育効果につきましては、学校や幼稚園の環境整備や、大会に出場する部活動への支援などのほか、例えば三川小学校と岐阜県大垣市の青墓小学校との地域ぐるみでの交流事業や、袋井南小学校や袋井南中学校のマーチングバンドへの支援、高南小学校の合唱団への支援、今井小学校の150周年記念事業への支援など、それぞれの学校の特色を生かす取組にもつながっていると考えております。

 教育振興会等がない地区との教育格差につきましては、市内全ての子供たちが、自立力、社会力を身につけ、心豊かな人としての成長を目指していることを鑑みれば、幼稚園や学校間での教育格差を生じさせないことが大切だと考えております。教育振興会等がない地区の学校や幼稚園におきましては、無償で実施される静岡県舞台芸術センターSPACの観劇や、地域のボランティア団体が主導する草刈り作業、地域学校協働活動によるボランティアの参加など、それぞれ工夫して教育活動に取り組んでおり、教育環境の充実に努めているところであります。

 5点目、旧袋井市時代において地域主導で整備した学校内の遊具、この所在がどのようになっているか、管理責任と今後の管理方針についてお伺いします。

 次に、旧袋井市時代に地域主導で整備した遊具の管理責任と今後の管理方針についてでありますが、旧袋井市時代に整備された遊具の数は、正確には把握できておりませんが、現在、各小学校に設置している遊具のうち、教育振興会等から寄附を受け所有している遊具は、三川小学校の木製複合遊具、今井小学校のジャングルジムと滑り台の複合遊具など、計10台となっております。

 教育振興会等から市に寄附を受けていることから、遊具の管理責任は市教育委員会にあり、今後の管理方針につきましては、引き続き学校施設の建物や構造物と同様に、定期的な点検等を踏まえ、必要に応じた修繕や更新等を行ってまいります。

 

 6点目、同じく旧浅羽町時代に整備された小学校の遊具の老朽化が大変進んでいます。これへのメンテナンスと遊具の更新も含めて、管理方針についてお伺いします。

 

 次に、旧浅羽町時代に行政が整備した老朽遊具の更新と管理方針についてでありますが、学校等の遊具は、事故を未然に防ぎ安全に利用できるよう、各学校等において日常的な管理を行っているほか、年2回専門業者による点検を実施しております。点検により危険であることが判明した場合には、使用停止措置を講じるとともに、修理可能な場合は修繕を実施し、遊具の安全確保に努めております。

 具体的には、浅羽南小学校の複合遊具は、老朽化が進行し、安全規準に適合することが困難になったことから、令和3年度に撤去したほか、浅羽北小学校の複合遊具については、点検により遊具の一部の老朽化が著しく、当該部分の使用を中止し、修繕を検討しているところであります。また、小学校ではありませんが、浅羽南幼稚園の遊具が老朽化し安全確保が難しくなったことから、令和3年度に新たな遊具に更新をしております。

 学校等にある遊具は、子供たちの心を引きつけ、心身の成長を促す大切な教育環境の一つであります。遊具の更新には、大きなものでは約2,000万円の費用を要することから、市教育委員会といたしましては、現状の遊具について、適切な維持管理を継続し、小学校と調整を図りながら、計画的に遊具の更新を検討してまいりたいと考えております。

 

 7点目、教育支援問題の最後になりますが、税外負担をなくしていく方向で、教育に必要な経費は財政当局でしっかり措置をすべき、市がお金を出すべきと思います。これに対する市としての基本的な考え方をお伺いします。

 以上、質問とさせていただきます。

   次に、教育に必要な経費についての基本的な考え方についてでありますが、先ほども申し上げましたとおり、各学校、園に係る経費については、基本的には設置者たる市教育委員会が負担すべきものであると考えております。一方、教育振興会等からの御支援につきましては、地域の皆様の善意として、子供たちの成長を願う思いから支援をしていただいているものと受け止めております。

 今後の教育振興会等からの支援のあり方につきましては、教育振興会等において検討していただくべきものと考えておりますが、まずは、負担されている住民の方々のコンセンサスや使い道など、各地区の状況について、関係者で情報を共有の上、協議、相談するよう学校や幼稚園に伝えてまいります。

 以上であります。

 再質問

 

○議長(鈴木弘睦) 20番 大庭議員

20番(大庭通嘉) 教育支援について、教育長からそれぞれ御答弁いただきました。

 1番目の(1)の他市の状況ということで、6市町ですか、やっているようでありますけれども、この西部、磐田、掛川、菊川、御前崎、浜松、湖西、森町、ここら辺が西遠、中遠、東遠、どのようになっているか御答弁をいただきたいと思います。

 

○教育部長(石黒克明) それでは、大庭議員の再質問にお答え申し上げます。

 西部地域の自治体にあっては、袋井市と同じような教育振興会、学校後援会というものを組織する自治体はございません。

 以上、答弁とさせていただきます。

 

○議長(鈴木弘睦) 20番 大庭議員。

20番(大庭通嘉) よそがやっていないということが改めてはっきりいたしました。

 ちなみに、袋井市内16校あるんですが、先ほど、私がしっかり確認していないものですから、市内でお金を、教育振興会あるいは学校後援会として集めている学校名を御答弁いただきたいと思います。

 

○議長(鈴木弘睦) 石黒教育部長。

○教育部長(石黒克明) それでは、再質問にお答えを申し上げます。

 教育振興会、後援会がある学校でございますが、袋井東小学校については、幼稚園と一緒になって振興会を形成しております。
 袋井南小学校、それから今井、三川、この両方の学校についても、幼稚園と合同で設置をしていると。
 そのほか、高南小学校。中学校では、袋井中学校、周南中学校、袋井南中学校、浅羽につきましては、振興会、後援会はないという状況でございます。
以上、答弁とさせていただきます。

  ○議長(鈴木弘睦) 20番 大庭議員

20番(大庭通嘉) 教育部長からの御答弁をいただきました。

 今初めて知ったんですが、東だとか今井、三川、幼稚園もお金を頂いているんですよね。本当にもう保育園が通う子供が多くなる中で、この地域で幼稚園にお金を出しているということに、ある意味驚きを感じます。

 次に、(2)だとか(3)、(4)にも関係するものですから、全体を通して少し確認させていただきますが、その前に、具体的な例を出して、教育振興会、学校後援会、どのようなお金を出しているかということで、とある市内中学校の振興会の決算報告書をもって御紹介したいと思うんですが、ここの中学校では年間400万円集めています。

 収入400万円に対して、これを何に使っているかというと、部活動の参加費、交通費に250万円、約62%。文化活動費として80万円、約20%。文化活動って何をやっているかというと、落語を聞かせる、中国雑技団を見させる、アスリートの講演を聞く、音楽を聴くみたいな、能を鑑賞するだとか、こういうことに80万円。毎年いろいろなメニューでやっているんですかね。それから、就学奨励、これが12万円、3%。これ、皆勤賞とか精勤賞、これを賞揚する。それから、環境整備に26万円。グラウンドの土だとかグリーンカーテンだとか、情報機器の整備だとか、これが7%。これら全部を足すと大体、約92%ぐらいになるんです。こういうものにお金を使っているということです。

 そこで質問なんですが、グラウンドの土だとかグリーンカーテン、これは、学校が教育委員会にお願いしますと言えば、出してもらえるんじゃないか。そのことについて御答弁いただきたい。

 

○議長(鈴木弘睦) 石黒教育部長。

○教育部長(石黒克明) それでは、再質問にお答えを申し上げます。

 振興会として負担をしている実績がある、グラウンドの土ですとかグリーンカーテンの負担という部分でございますが、基本的には先ほど教育長から答弁申し上げましたとおり、教育に関係をする費用については、市が教育委員会として準備をするという原則でございますが、例えば土の量を必要以上に増やしたりですとか、グリーンカーテンのエリアを広げたりですとか、そうした部分で教育振興会の御支援をいただいているケースもあるというように認識をしております。

 以上、答弁とさせていただきます。

 

○議長(鈴木弘睦)20番 大庭議員。

20番(大庭通嘉) これは本来、学校教育法第5条の答弁にもありましたけれども、学校の設置者は、教育委員会、学校の経費を負担するとなっていますから、必要なものを出さにゃいかんですよね。出さにゃいけないものを、市長部局、財政に言ったら、こんなの、当然出ますよね。後でまた答弁していただきますが。

 例えば部活動、先ほど250万円と紹介しましたけれども、浅羽中学校は、部活動、いわゆる教育振興会を持っていないですが、こういうところは、とある学校は250万円、市民から税外負担で頂く、浅羽中学校のように集めていないところは、それはどうしているんですか。少しそれ、御答弁いただきたい。

 

○議長(鈴木弘睦) 石黒教育部長。

○教育部長(石黒克明) それでは、再質問にお答え申し上げます。

 浅羽中学校については振興会がございませんので、浅羽中学校の部活動のそうした支援につきましては、資源回収の費用を使ったりですとか、保護者の皆様に御負担をいただくと、いただいているという状況でございます。よろしくお願いいたします。

 

○議長(鈴木弘睦)20番 大庭議員

20番(大庭通嘉) 結局、浅羽中学校は、ほかのとある学校も資源回収はやっているものですから、捻出できるはずなんですよね。地域から頂くのが当たり前になってしまうと、こういう使い方になると思うんですよ。

 例えば部活動250万円も使っているお金、袋井市立中学校部活動ガイドライン、平成31年の3月に策定していますよね。この中に、学習指導要領を受けて、部活動は学校教育活動の一環として教育課程等との関連を図る。本来は教育課程外なんだけれども、部活は教育課程内のものとして関連を図るという。もう当然、教育の一環ですから、これ、市長、出していくべきだと思うんですよ。これを財政部局で看過して、地域から出させていることを、これは本当に変えていっていただかないと困る。

 このガイドラインは、市がもう共有している情報ですから、個人負担の軽減については、できる限り保護者負担の軽減を図りますって、ガイドラインにしっかり入っているんですよ。やむを得ず集金する場合は、校長の承認を得るとなっていますね。

 ここら辺の、出すべきものについて出していない、市長部局のほうで、ここら辺について見解をいただきたいと思います。

 

○議長(鈴木弘睦) 富山財政部長。

○財政部長(富山正俊) 大庭議員の御質問にお答えを申し上げます。

 市全体の予算の中でという形でございます。市の予算を組んでいく中で、各部局――今回、教育部局になりますが――からの要求に対しまして、全体最適という中で、全体の枠内の中で予算配分をしていくようになっております。

 当然、教育委員会から出されてきている予算要求につきましては、市が工面すべきものという判断をしておりますので、その中で、満額回答とまではいきませんが、それは全体の中で調整をさせていただきますが、措置をしていると判断をしているところでございます。

 以上でございます。

 

○議長(鈴木弘睦)20番大庭議員

20番(大庭通嘉) 予算の範囲内で措置している、例えば、 とある学校の250万円の部活の費用、4校、全部出すと1,000万円ですよ。予算の範囲内。今年度、いわゆる令和4年度、令和3年度決算で実質収支幾らあります。14億円、15億円ありますよ。要するに繰越明許で、もう来年の分も削っても、翌年に繰り越すお金が十四、五億円ある。

 1,000万円ぐらい、子供のために今、少子化のために、子供のためにって言っているときに、財政部局に、1,000万円ばかりとは言いませんよ、貴重な1,000万円を子供に振り向ける、それが本来の予算措置じゃないですか。もう一度少し答弁をお願いします。

 

○議長(鈴木弘睦) 富山財政部長。

○財政部長(富山正俊) 大庭議員の再質問にお答えを申し上げます。

 財政部局としては、当然、教育部局のほうから予算要求が上がってきているものについての査定というか、そういう中で行っております。その中で、教育部局のほうで、部活動費というか、振興会等で使用させていただいているような金額につきましては、そういう税の下でという判断をされていく中で、市として準備をしなければいけない金額について要求をされているという判断をしておりますので、その中で、決してその部分を大きく削っているとかというわけではございませんので、要求に基づいて、市のほうでも、全体的な金額の中で調整をさせていただいているというものでございますので、その分をあえて削っているというようなことではございませんので、御理解いただければと思います。

 以上です。

 

○議長(鈴木弘睦) 20番 大庭議員。

20番(大庭通嘉) 安心しました。予算を削っていないって、要望すれば出るんですよ。

 地方教育行政の組織及び運営に関する法律、いわゆる地教行法、この33条、管理運営の基本事項について、新たに予算を伴う場合は、教育委員会は地方公共団体の長と協議をしなければならない。それから、教育委員会の意見聴収29条。だから、言えば、出してくれるんですよ、教育長。よろしくお願いします。

 だから、当たり前のように地域からお金を、無心って言葉は少し嫌いですが、寄附を募ることはもう一回見直す。静岡県内35市町で6か所、6市町じゃないですよ、6か所ですよ、大体。ということは、西部はどこもやっていないです、こういうことは。

 それで、時間がないものですから、これ、市長に少し向けてお話しするんですがね。
 なぜこれ、昭和40年代からずっとやっているかというと、袋井市は昭和42年の4月1日に、1億5,000万円の財政再建準用団体になったんですが、鉛筆1本当時管理された。実は、袋井中学校が、建設後援会ができたのは、その翌年の昭和43年からですよね。延々と建設後援会がありました。

 その建設後援会で、例えば体育館を市が造ってくれる、そうすると、側、外枠は造りますが、中の腰かけや椅子は全部地元でやってください。これは当たり前だったんです、当時。だから、建設後援会が、皆さん集めましょうって、こういう感じだったんですよね。それが昭和60年の8月に、どうしますかって言って、時の学校長が熱く語って、地元の自治会連合会長、自治会長にお願いして、結局、教育振興会に名前を変えたんですよ。それから、ずっとつながっています。

 そのお金たるや、最初の頃ですよ、私、ずっと見ているもんで分かるんですが、教育の、学校の先生の出張費だとかパソコン購入費、アプリの購入費、もう普通にあり得ないやつにどんどん使っていたんですよ。私は反対でした。しかし、議会で私が取り上げると、地域の善意って言われちゃうんですよ。みんな、善意は持っているんですよ。16校のうち8校は善意があって、お金を集めていない、振興会のないところは善意がないか。違うんですよ、みんな善意がある。この仕組みができたのは、残念ながら袋井市が貧しい時期を通り越した。

 新しい市長が教育に造詣が深いということで、熱い御答弁をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

 

○議長(鈴木弘睦) 大場市長。

○市長(大場規之) 大庭議員の熱いメッセージありがとうございます。

 今、議員のほうからお話しいただきましたように、今回の、正式名称は、振興基金等教育振興会会費等でございますが、これは先ほど議員お話しいただきましたように、長い歴史の中でこうしたものができて、それが現在引き継いでいるということでございます。

 これまでもるる部長のほうからお話をさせていただきましたように、基本的には自治会の皆さんの善意によるものと思っておりまして、これまでの歴史の中でこういう結果になっておりますけれども、御指摘のように、旧浅羽地域とそして袋井地域との格差も生じているのも事実でございます。善意という言葉で片づけるには、いろいろな課題が出ているということも現実でございまして、今後、何かしらの改善が必要だという認識ではございます。

 ただ、その一方で、こうした地域の皆さんの歴史に基づいた、対応していただいている部分に対して、行政が一刀両断でやるべきではないということで、決定することも、これもまた課題があろうかと思います。冒頭の答弁の中でも申し上げましたとおり、やはり地域の善意に基づいた、歴史の中で培われてきたものでございますので、地域の皆様で改めて検討していただくように、これから働きかけをしながら、改善に向けての取組をしていくべき課題だと思っております。

 重ねてになりますけれども、一刀両断でこうすべきということではなく、やはり地域の一つの課題として、地域として最終的な方向性を出していただくということがふさわしいと考えておりますので、今回この議場で出された課題、これをしっかりと、地域の皆様も共有をしていただくこと、歴史も含めて共有をしていただくことが大切だと思っております。また、そうした情報発信を、行政の責任としてきちんとしていくことが必要だと思っております。

 先ほど部活の話等、例えば具体的なお話を申し上げますと、部活動の例えば遠征費に対しての支援なども出ていると。これが旧袋井、旧浅羽としての格差が生じているということもございます。その一方で、これは本当に格差にもつながってしまう部分ではありますけれども、その遠征に対して負担ができる家庭とできない家庭があると、その部分に対してどういう対応していくべきかというようなことも含めて、総合的な検討を加えて、最終的な解決策、これを地域と、そして行政と一体となって解決していく、こんな解決方法を今後模索してまいりたいと思っております。

 以上で、私からの御答弁とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 

○議長(鈴木弘睦) 20番 大庭議員。

20番(大庭通嘉) 前向きな市長の御答弁をいただきました。感謝申し上げます。

 一刀両断でというよりも、行政が手当てをする、教育委員会、設置者が手当てするって言えば、すぐやめますよ。何も心配されなくてもいいです。

 ぜひともお金の手当てをしてください。文化に必要だったら、文化振興基金113,000万円ありますよ。それから、よそのまちなんかでも、例えば部活動の中学校部活動大会参加費交通費補助基金交付金要綱、こういうのをつくっているところが結構あるんですよね。やりましょう。

 ということで、次の質問に移ります。

 

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防災対策について

 (要旨)
  県の第4次地震被害想定では本市は全壊・焼失棟数が約15,000棟、
  半壊棟数約9,600棟、そして人的被害も死者数600人が予想されるなど、
  全国屈指の震災ハイリスク地域となっている。
    (1)TOUKAI−0 総合支援事業による住宅耐震化について
      ア 昭和56年5月31日以前の1,362戸の耐震化計画の進め
        方は。
      イ 昭和56年〜平成12年までの本市の木造住宅の倒壊予
        測は。
      ウ    −〃− の木造住宅の耐震化策は。
      エ    −〃−     の2階屋根の軽量化支援は出来な
        いか。 
    (2)感震ブレーカーの設置状況と今後の当該補助事業の進め
      方は。
  

次に、防災対策として、2点目お伺いします。

 まず、1点目、TOUKAI−0総合支援事業による住宅耐震補助制度についてお伺いします。

 本市における地震被害の想定ですが、県の第4次地震被害想定では、全壊・焼失数棟数が約1万5,000戸、半壊棟数約9,600戸、そして、人的被害としましては、死者数600人、重傷者数約2,700人、軽傷者数約3,000人が想定されています。

 実は4年前になりますが、週刊朝日で、袋井市が全国ワーストで地震が起こる可能性が高い自治体として、そんな記事が掲載されたこともありました。週刊朝日に指摘されるまでもなく、本市は、震度7に見舞われる地域が地域全体の86%、液状化に見舞われる地域は同じく地域の52%と言われるほど、ハイリスク地域であることは間違いありません。

 そんな袋井市が、木造住宅耐震補強助成事業として助成を始めたのは、平成14年度から県費のみでした。その2年後、平成16年度から市費の上乗せを始めました。当初県のみ、30万円補助でしたが、今日では国、県、市のトータルで、一般世帯100万円、高齢者等の世帯で120万円助成されるようになりまして、こうした補助制度もあって、令和4年度末の耐震化率は、住宅総数にして95.9%となっています。

 そこでまずお伺いしますが、1点目、住宅の耐震化計画の進め方についてであります。本市では、国の耐震改修促進法に基づき、袋井市耐震改修促進計画が策定されていますが、令和4年度末の推計で、昭和56年度5月以前の住宅5,291戸のうち、約1,362戸がまだ耐震化されていません。昭和56年の法改正以前の耐震化がなかなかできないでありますが、この推進策について、まずお伺いします。

○議長(鈴木弘睦) 大場市長。

〔市長 大場規之 登壇〕

○市長(大場規之) 防災対策の御質問にお答え申し上げます。

 最初に、TOUKAI−0総合支援事業による住宅耐震化の在り方についてでございますが、初めに、昭和56年5月以前の木造住宅の耐震化の進め方につきましては、これまで、耐震化の必要性や補助制度などについて、広報や所有者に対するダイレクトメールなどにより、周知、啓発に努めてまいりました。

 また、昨年度は、未耐震の住宅の耐震化をさらに加速させるため、これらの方々に対する意向調査を実施し、本年度、市職員が個別訪問により補助制度の期限や内容などを御説明することで、早期の実施に向けて対応を促しており、その結果、わが家の専門家診断や耐震補強工事の実施に結びついております。

 また、あわせて、昨年度より耐震補強以外の対策として、耐震性を満たさない木造住宅の解体、建て替えに対する補助制度も創設し、個々の状況に合わせ様々な対策を推進することで、耐震性の高い市街地や地域の形成が図られるよう努めているところでございます。

   2点目は、昭和56年以降の木造住宅の耐震化であります。御案内のように、阪神・淡路大震災では、昭和56年の法改正による耐震化以降の建物でも、約4分の1の住宅に被害があったということで、平成12年度、再度の建築基準法の改正がありました。

 市では、昭和56年以降の木造住宅1万8,017戸のうち、平成12年までの木造住宅、要するに昭和56年から平成12年までの間に7,640戸が造られたということで把握されています。この戸数のうち、もし阪神・淡路大震災の倒壊件数を率、この率を袋井に当てはめると、2,000戸が倒壊する可能性があると。現在、耐震化補助制度のない、昭和56年から平成12年までの木造住宅の倒壊予測を市としてどのように推計しているかお伺いします。

 

 次に、昭和56年から平成12年までの木造住宅の倒壊予測についてでございますが、平成30年の住宅・土地統計調査の結果では、この期間に建てられた木造住宅の総数は約7,600戸と把握しておりますが、倒壊予測につきましては推計をしていない状況でございます。

 

3点目は、今申し上げた、昭和56年平成12年までの木造住宅に対する補助制度などの耐震化策をどのように考えているか伺います。

  次に、昭和56年から平成12年までに建築された木造住宅の耐震化策についてでございますが、市では、平成25年度、平成26年度において、この期間に建てられた木造住宅を対象に、公募による簡易な耐震診断を実施いたしましたが、診断した333戸のうち、建設当時の図面が残されており、現場で筋交いの設置状況が整合していることが確認できた208戸を対象に分析を行ったところ、倒壊する可能性がある住宅と倒壊する可能性が高い住宅が、合わせて約85%でありました。

 先ほど申し上げました昭和56年から平成12年までに建てられた約7,600戸を対象に、耐震補強の補助を行った場合、莫大な費用が必要となりますことから、財源の確保が重要な課題となります。国では、来年、南海トラフ地震防災対策推進基本計画の見直しを予定しておりますので、今後、国や県の耐震補強に対する助成の動向を注視する中で、必要に応じて検討をしてまいります。

 

 4点目、同じく昭和56年以降平成10年までの木造住宅のうち、2階屋根の軽量化支援ができないかお伺いします。識者の話では、2階の屋根が瓦が載っているお宅、これ、トタンに計量すると、大体、評定で0.25ぐらい下がるというんですね。かなり効果があると聞いていますが、こういうことに対する見解をお伺いします。

  次に、昭和56年から平成12年までに建築された木造住宅の2階屋根の軽量化支援についてでございますが、市では昨年度より、台風などの強風による瓦の飛散被害を防止するため、建物全体について、基準を満たす瓦屋根や軽量な屋根などに改修する場合、最大552,000円の補助を行っております。

 議員御質問のとおり、屋根の軽量化につきましては、建物の重量を軽くすることができ、必要な筋交いや耐力壁が少なくなるなど耐震化への効果も期待できますことから、この補助制度を積極的に活用していただきたいと存じます。

 再質問

 

○議長(鈴木弘睦)20番 大庭議員。

20番(大庭通嘉) 御答弁いただきまして、防災対策の木造住宅耐震化の関係で、再度質問させていただきます。

 2番目の昭和56年から平成12年までの木造住宅の倒壊予測、(1)のイ。答弁では、東海予測は推計していないというようなお話だったと思います。
 私が防災関係の識者から聞いている情報で、平成7年の阪神・淡路大震災では昭和56年、建築基準法改正後の建物でも、約25%倒れたということであります。それで平成12年、再度の建築基準法改正に、それで改正されたんですよね。

 袋井市でも先ほどの答弁で、簡易の耐震診断をして、かなりの倒壊可能性があるというような答弁だったと思います。改めて、昭和56年から平成12年まで対象家屋が約7,600戸あるわけですが、これが震災になったとき、昭和56年以前と同じように倒れる可能性があるのがどのぐらいあるか、予測されているか再度お伺いします。

 

○議長(鈴木弘睦) 石田都市建設部長。

○都市建設部長(石田和也) 大庭議員の再質問にお答えをさせていただきたいと思います。

 昭和56年から平成12年までの木造住宅、こちらの倒壊予測というような御質問かと思います。仮に、先ほど市長から答弁いたしました、平成25から平成26年に行った簡易な耐震診断では倒壊する可能性がある、もしくは可能性が高い住宅を合わせると、約85%という結果が出ております。そこに、平成30年の住宅・土地調査結果で出ております総数7,600を掛け合わせると、おおむね6,300というような数字になってくるということでございます。

 しかしながら、国では2012年に想定した被害予測などを見直し、南海トラフ地震に係る地震防災対策の円滑かつ迅速な推進を図ることを目的とした南海トラフ地震対策推進基本計画、これを来年の春に見直すということで伺っております。この見直しの中で、有識者によるワーキンググループを立ち上げて、人的・物的被害の数値を新たに算出する方針ということも伺っておりますので、その中で、昭和56年から平成12年までの被害想定が示された場合には、そこを予測値として捉えていきたいと考えております。

 なお、結果の予測時期については現時点では未定と伺っておりますので、県の動向を注視して的確に捉えていきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 以上、答弁とさせていただきます。

 

○議長(鈴木弘睦)20番 大庭議員。

20番(大庭通嘉) 今の部長の答弁でも、簡易で診断した袋井の、いわゆる耐震がないというような建物が85%、7,600に乗ずると6,300世帯がまずいと。そうすると、56年前の1,300世帯と足すと、もう7,000世帯。本当に大きな数字になるんですよね。ただ、熊本地震なんかでは1割ぐらいだったとか、あるいは先ほど申し上げましたように、阪神大震災だと4分の1、25%。

 何が確かな数値か分かりませんけれども、かなり袋井市は、先ほど申し上げましたように、液状化あるいは震度7に見舞われる率が高いものですから、引き続き県の動静を注視していただきたいと思います。

 

 
 

それで、あと残された2分ですが、感震ブレーカーについて質問させていただきます。

 結論は、補助制度は考えていないということですが、今、藤枝市なんか、2,200軒ぐらいやっているんですよね。それから、掛川市も、1,040件ぐらいやっているんです。磐田市は431軒と私、聞き取ったんですが、この間の6月の補正予算で140万円ぐらいつけているんです、この感震ブレーカー。まだやっているということですよね。というわけで、袋井は42軒で止まっちゃっているんですよね。要するに、導入として。

 掛川がなぜこんな、1,000件って多いかというと、うちみたいに7万円8万円の高いのじゃなくて、安い物に対しても補助しているんですよ。補助するということは、周知するときに、こういうあれがありますから、ということが言えることと、それから、藤枝市さんなんかは、実際、カインズだとかそういうところへいったりすると、ジャンボエンチョー、なんか行ったりすると1,000円から3,000円だとか4,000円ぐらいのものがある。私らの家はお金がないものですから、3,500円ぐらいのものををつけてあるんですがね。

 要は、それがやはり保障がないといかんということで、藤枝は社団法人日本配線システム工業会と一般財団法人日本消防設備安全センター、これが推薦、お墨つきのところを買ったら補助するよというやり方をしているんですよね。工夫もあると思うんですが、そこら辺、補助しませんだとか周知します、メローねっとでやります、ホームページでやるって、何も周知じゃないじゃないですか、それは。

 再度、それに対する答弁をお願いします

 

○議長(鈴木弘睦) 渡邊危機管理部長。

○危機管理部長(渡邊浩司) 感震ブレーカーの再質問にお答え申し上げます。

 近隣の市町の感震ブレーカーの補助の申請の状況については、議員おっしゃるとおり把握しております。なかなか件数が伸びているところと伸びていないところというのも把握しております。過去に3年間やったときの、42軒の軒数が少なかったということもあります。やはり自己負担が高額であったというのが要因であったのかなとも検証はしているところでございます。

 この感震ブレーカーにつきましては、先ほども答弁いたしましたが、安価な物ですと、簡単に取り付けられるということで、そこまでの助成というのは現在のことを考えておりません。メローねっとで周知すれば全て市民に周知したと、自分たちも思っておりません。

 今、各自主防災隊長から直接、市民の方にチラシを配って、防災対策についての普及も努めているところでございます。命を守るセールスマンという形で努めているところでございますので、もう少し地域の皆さんに、感震ブレーカーの必要性というものを改めて周知啓発に努めてまいりたいと思っております。

 以上、答弁とさせていただきます。

 

○議長(鈴木弘睦)20番 大庭議員。

20番(大庭通嘉) 周知啓発というのは、7万円8万円の高い物を分電盤につけるということを周知啓発するんですよね。

 

○議長(鈴木弘睦) 渡邊危機管理部長。

○危機管理部長(渡邊浩司) 感震ブレーカーの種類の内容についても周知しますが、高額な物ではなくて、安価な物でもつけられるということも含めて、周知していく考えでおります。

 以上、答弁とさせていただきます。

○議長(鈴木弘睦)20番 大庭議員。

20番(大庭通嘉) 安価な物だったら何でもいいじゃないですよ。ある程度市としてお墨付き、例えば藤枝市さんのようにしたほうがいいと思うんです。もう少しそれ、研究されたほうがいいと思いますよ。要するに、鉛の弾でポトン、と落ちると、いわゆる電源を落とせるのから、1,000円ぐらいのね。それをやはり市が薦めるというのはまずいじゃないですか。

 だから、効果のあるであろうというものを、それなりに調査を市がして、そういうことをターゲットにして説明していくということが大事だと思いますが、再度、答弁お願いします。

 

○議長(鈴木弘睦) 渡邊危機管理部長。

○危機管理部長(渡邊浩司) 感震ブレーカーの種類がこんなものがあるというものを内容。議員がおっしゃるとおり、効果があるものを、また、ないものというものを周知するのはどうかと思いますので、また、効果のある感震ブレーカーについて研究をして、それを中心に啓発周知してまいりたいと思います。

 以上、答弁とさせていただきます。

○議長(鈴木弘睦)20番 大庭議員。

20番(大庭通嘉) 最後に私、ハイリスク地域だと、袋井は残念ながらということで、危機管理部長も大変だと思いますけれども、よろしくお願いします。

 以上、質問といたします。終わります。

○議長(鈴木弘睦) 以上で、20番 大庭通嘉議員の一般質問を終わります。

 

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