大庭のエッセイ


「笑いが人を救う」


  
 正月番組は毎年恒例ですが、お笑いものが多く取り上げられています。たまに家でリラックスするには、意味もなく自然と顔がほころび、何だか嬉しくなるようなそんなひとときが、日頃の激務の疲れを大いに癒してくれるものです。
 「笑う門には福が来る」「笑いは百薬の長」古くから色々言われていますが、やはり笑顔に勝るものは無いと思います。
 実は、この「笑い」が最近の研究によるとガンの発生を抑制したり、リウマチなどにも効果のあることが分かってきました。「日本笑い学会」を始め笑いの研究家の間で、現在最も注目されているのが、ナチュラルキラー細胞(以下NK細胞)とガンとの関係だそうです。
 NK細胞とはリンパ腺の一種でガン細胞を攻撃し破壊する働きをします。私たちの体内には毎日約3000〜5000個のガン細胞が生まれているそうですが、しかし、体内には約50億個あるNK細胞がこれら毎日生まれるガン細胞を破壊してくれています。だから私たちはガンにならずにすんでいるのだそうです。
 医師であり笑いの研究家の伊丹仁朗先生が行った実験によると、「なんばグランド花月」で3時間にわたり漫才や喜劇などで大笑いした後と前ではNK細胞(ガン細胞を破壊する細胞)が活発に働きガンに対する免疫力を高めることが分かったそうです。また、阪神大震災のような震災直後に同様の実験を行ったところ、NK細胞の働きは低下したとの記録が残っているとのことです。要するに悲しみや怒りといったストレス状態はNK細胞の働きを弱めるわけです。
 いずれにせよ、笑いがもたらす効用はこのように科学的に明らかにされつつあります。
とにかく、NK細胞を活発化し健康な毎日を過ごしたいと思いますが、その「キラー細胞健康法」ご紹介しますと
     @毎日7〜8時間の睡眠をとること。
     A心身両面のストレスと過労を避けること。
     B心配・不安・悲しみなどを、なるべく短く乗り越えること。
     C憂鬱感が長く続くときは、早めに専門医に相談し回復をはかること。
     D適度な運動を毎日、少なくとも週三回実行すること。
     Eカラオケなど、自分が好きなことに打ち込むこと。
     F体内のキラー細胞が、ガンを食いつぶすイメージトレーニングをすること。
     Gおもしろいことがなくても、いつも表情だけは笑顔を心掛けること。
     Hおもしろい話を聞いたり、自分でも考えたり、話したりして楽しく笑うこと。 だそうです。
 今年は、こんな9つのことに心がけて生活してみてはどうでしょう。
     「笑いが人を救う」
 最近は健康ブームで健康食品、健康器具など健康と名の付く言葉を良く耳にします。確かに高価な食品や機材によって健康が保たれることも良いのですが、お金もかからない、私たち一人一人の心のあり方を変えていくことも有効な健康術ではないでしょうか?私自身そのような視点からも今年1年間を生活してみたいと思っています。  2003.1
参考> 日本笑い学会 http://www.age.ne.jp/x/warai/
  笑いの健康学 伊丹仁朗 三省堂・笑いと治癒力 ノーマン・カズンズ岩波書店
 



詳細はohba@mxu.mesh.ne.jpまで。


「戻る」


「ホームページ」へ戻る