令和元年度一般会計等決算審査


2020.8.20(令和2年)決算監査の結果を以下まとめ市長に提言しました。

1 市税等債権管理について

平成24年度からの市税等収納対策アクションプランの取組みや、平成26年度の私債権管理条例の策定及びその運用により、平成23年度に約21億円あった市税、国民健康保険税及び使用料等債権の収入未済額は、令和元年度末には約11億8千万円余となり、着実に縮減されており敬意を表します。今後、コロナ禍により、納税困難な納税者の増加が懸念され、収納の業務遂行が困難となることが想定されますが、未納者の生活状況に配慮しつつ、公平公正のため適格で適正な収納事務に取り組んでいただきたい。

2 後期高齢者医療保険料の収入率アップについて

後期高齢者医療保険料の公平性確保の観点から現年・過年度分とも収入率をアップされたことを高く評価しております。今後も継続的な取り組みを期待するとともに、担当職員の持っている収納事務のノウハウを他の職員に教示・横展開させることで、市全体の収納率のアップに繋げていただきたい。
・現年度分:H30 99.76%  R元 99.89%   0.13%
・過年度分:H30 61.49%  R元 93.82% 32.33%

3 ふるさと納税について

ふるさと納税の推進にあたり、インターネットの納税申込サイトの楽天・さとふるなど新たに6つの申込窓口を開設するとともに、うなぎやDHCサプリメントなど返納品を121品から209品に増やし、寄附件数で約7倍、寄附額で約4倍を確保され、収支で4,400万円の黒字となったことを評価いたします。しかしながら、近隣市と比較しても、まだまだ努力する余地はございますので、なお一層の御努力をお願いします。

4 幼、小、中学校等教育施設管理について

教育施設等3Rプロジェクトを策定され、計画に沿った事業が展開されておりますが、監査時に3Rに基づく年次計画に定めのない小修繕や設備・備品の更新などの要望が寄せられました。財政が大変厳しい状況ですが、将来を担う子どもたちの安全・安心、また快適な環境のために十分な予算配分をしていただきたい。特に、小・中学校のトイレの洋式化(目標:洋式化率50%)及び無線LAN・Wi−Fiを計画的に整備して、一層の教育環境の向上を図ってください。

5 待機児童対策について

待機児童の解消を目指し、小規模保育所2園の新設支援や袋井南幼稚園の認定こども園への移行、更には袋井南保育所と笠原こども園の定員拡大などに積極的に取り組んでいただき、令和2年4月時点の待機児童数は33人と昨年度より25人減少し、改善が図られたことに感謝申し上げます。しかしながら、待機児童数は、県下最下位という状況を脱しているわけではございませんので、令和3年4月からの認定こども園化の整備を進めている浅羽東幼稚園及び若草幼稚園の計画を着実に実施してください。更に、令和4年4月の(仮称)袋井南認定こども園開園に向けた事業を推進するとともに、入園率が減少している公立幼稚園を統合や改築を行う中で認定こども園を設立するなど、待機児童ゼロを実現してください。

6 伝票の誤謬について


出納室では、令和元年度で5万7千枚余の伝票の内、誤謬で出納室から差し戻した支出伝票は、指導や注意喚起、更には研修等の実施により、平成30年度で9.4%(約3,900枚)であった返戻率が、令和元年度には8.0%(約3,400枚)に改善されています。誤りは、事務を煩雑にして、非効率になるばかりではなく、大きな問題を引き起こしかねません。このため、出納室が掲げた目標値である返戻率5%以内を目指し、引き続き全課一体となって取り組んでください。また、事務処理の効率化を図るため、出納室においても公営企業会計(水道・下水道・病院)の伝票が電子決裁できるよう、先進地事例等を研究していただきたい。

7 自治会・自治会連合会との連携強化について


当市における自治会加入率は84.5%で、近隣市と比較しても数値は高く、地域コミュニティが良好に形成され、住民自治組織が確立されていることは当市の強みです。しかしながら、自治会加入率は年々減少(−0.8%〜−0.3%)し、将来の地域コミュニティの形成が危惧されるところです。市政の円滑な運営を継続するため、自治会・自治会連合会との信頼関係の構築及び役割分担の明確化等を図るなど、更なる支援策が重要と思われます。
@ ビックプロジェクト(総合体育館、消防庁舎・防災センター、街路整備等)が終了するため、予算措置等に配慮し、自治会要望へ最大限の予算措置の対応を図る。(道路の破損補修、白線の引き直し、カーブミラー・防犯灯設置等) 

A 電算室が空き室となったときには、自治会長の来庁時に対応する部屋・スペースを設ける。

B 外国人世帯(R2.42,552世帯)の中で自治会未加入世帯への加入促進を支援する。


8 土橋工業用地開発事業の推進について


土橋地区内において、開発可能性調査を実施するとともに、農業振興地域内農用地区域の除外に向け関係機関と協議を進められております。これまでの地権者や地元住民の方の努力、また事業費の損失につながらないように、今後とも未同意の方に粘り強く交渉を行う等、事業推進への打開策を見出していただきますよう御尽力ください。

9 新たな農業への研究・取組みについて

クラウンメロンとお茶の生産力の把握に加え、新たな農業の進展に向け、先進的な取>組(森町:レタス・とうもろこしの取組等)を取り入れる必要があります。特に、小山地区のトマト栽培者の取り組みは素晴らしいものがあり、今後の本市農業にとって明るい展望が開かれるものと思われますので、一大生産地としたブランド化など研究を進めていただきたい。

10下水道接続率について


公共下水道の接続の必要性について、接続推進員による接続依頼の実施、イベントや広報紙による啓発活動の実施、工事前説明会の開催等を展開されていますが、接続率は昨年度同様の89.6%であり、接続率アップへの新たな取り組みが必要であると思われます。特に、自治会別の接続率を見ますと、事業効果が表れていない地区があり、事業目的を達成する上からも接続推進員の人的パワー等を強化するなど戦略的な課題解決に取り組んでいただきたい。

11図書館内に大日本報徳社コーナーの設置について


昭和62年度から一般社団法人 勧農報徳社からご寄附をいただき、その総額は4,050万円(購入図書数:5,145冊)になります。これまでの感謝と報徳の精神高揚のためにも、図書館内に大日本報徳社のコーナーの設置を検討してください。

12袋井市スポーツ協会による全戸一律会費集めの廃止について

袋井市スポーツ協会が各自治会に依頼している全戸一律の世帯会費集めは、市民から「税外負担であるとの意見」や「自治会未加入世帯との不平等性(納付率:61.2%)」、更には自治会役員から「住民への説明に苦慮している」との声が聞かれます。自治会加入世帯からの一戸当たり年間200円の一律会費は、前近代的なものと思われます。袋井市スポーツ協会に対し、スポーツ振興事業に見合った予算措置等の支援する中で、一律の寄附を止めるよう指導することをご検討ください。

13消防団の分団数及び団員数の見直しについて

消防団員は、常備の消防職員とは異なり、「自らの地域は自らで守る」という崇高な郷土愛護の精神に基づく不可欠な存在です。しかしながら、消防団を取り巻く社会環境は厳しい状況であり、年々消防団員数は減少し、分団の中には40人の定員を割っている分団もあります。分団によって、負担が過大になっていることも考え、再度、適正な分団数及び団員数、また公平性や負担軽減などの見直しを検討してください。

14洪水・浸水等治水対策の推進について

安全・安心な地域づくりの基盤となる治水対策にあたり、袋井市河川等整備計画などに基づき河川や水路の整備に着実に取り組んでいただいております。しかしながら、市内4
河川(蟹田川、松橋川、油山川、秋田川)における流下能力が低いことから、毎年浸水被害(川井、木原、下新池、村松及び高南地区等)が生じている状況から、次の事項を検討してください。

(1) 地域住民の不安解消に向け、河川改修への最大限の予算措置を引き続き行ってください。
(2)洪水災害等における水難救助活動において、安全かつ効果的な救助活動を行うことのできる資機材の確保や救助技術の向上に努めてください。(例:救命ボートの配備)

15 コロナ禍における救急隊の備えについて

新型コロナウィルス感染症は、いつ収まるか分からない状況です。救急隊の活動は、日々危険と隣り合わせであり、御尽力に敬意を表します。対策に必要となる感染防止資機材の確保及び救急隊員の感染防止対策の徹底に努めてください。





詳細はohba@mxu.mesh.ne.jpまで。

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