視察報告


大庭議員は平成10年11月1日よりドイツにゴミ問題の
研修に行って来ました。10数ページにわたるレポートを
議会に提出するとともに、同僚議員にも、議会報告をし
ました。

ドイツは世界的にも、ゴミ処理の先進地とされていますが、
その報告書の一部を掲載します。

「キーワード」  消費からリサイクル

「結論は袋井市のゴミ処理は、一部(ダイオキシン発生)
においては、改善すべき点がありますが、分別の対応は
ドイツ以上であることが確認できました。」

欧州廃棄物処理・リサイクル事情調査団視察報告書

                              市議会議員  大庭通嘉


1.視察期間     平成10.11.1〜平成10.11.8  8日間                       

2.視察者(団)    JTB地方自治海外研修企画室募集 36名
             内 長期滞在(12日)13名  短期滞在(8日)23名
                                 
3.視察者内訳    自治体職員14名・議員17名・大学教授、研究員3名 
              随行2名                  計 36名
                                
4.視察目的     全行程8日間
          @1日目
           ハイデルブルク市
            ・ドイツ自然保護・環境首都96.97に選出されたハイデルブ
             ルク市の環境政策について
            ・生ゴミのコンポスト処理状況について
            ・コンポストプラント及び最新廃棄物処理施設視察
          A2日目
           ハイデルブルク市一シュツットガルト市
            ・ネッカー川沿いに広がるドイツ最古の大学都市市内視察と移動
          B3日日
           シュツットガルト市
            ・自治体廃棄物処理局訪問
            ・ゴミ減量による環境保全活動の展開
            ・コンポストプラント及び最新廃棄物処理施設視察
            ・世界的自動車メーカー(ポルシェ社)の環境対策について
          C4日目
           シュツットガルト市一フライブルク市
            ・ドイツを代表する商業文化都市シュツツトガルト市の市内視察
            ・世界的自動車メーカー(ベンツ社)視察
          D5日日
           フライブルク市
            ・世界的に知られる環境に留意したまちづくりの経緯と概要               
            ・環境保全のための市民の意識向上
            ・リサイクルセンターなど市内環境関連施設見学
            ・一般家庭シック家における分別状況視察

5.結果

結論要約
〇 今回の視察研修はドイツの先進3都市の廃棄物に絞った研修で、8日間のうち、
  実質4日間、会議室と現場における終日の研修と、4日間移動ということで、
   きわめてハードスケジュールとなった。
〇 ドイツにおける廃棄物処理については、全体の2/3リサイクル(内1/2コンポス
   ト)、1/3埋め立て・焼却、ということで、家庭生ゴミや草、公園の木などを腐敗発
   酵させる大がかりな工場設置をし、コンポスト処理(肥料化)をしているのが特徴。
   日本では小規模にコンポスト化(肥料化)しているのは聞くが、ドイツ方式は今後の
   日本のゴミ処理のあり方に影響を与えるものと思われる
〇  生ゴミ収集は標準一般家庭において、1世帯あたり2−3万円/年間の有料とし
   ており、分別収集も分別ゴミ箱(コンテナ)を町の各所に 配置し、収集している。
   袋井におけるゴミ収集は紙ぷ゛くろ代金のみで基本的には無料にしている。
   また、分別は自治会を主体としたコミニュティーで実施しており、ドイツの3市より徹
   底している。
〇 ドイツのゴミ焼却場ではダイオキシン0.1ng以上(袋井1.6ng)を発生させる施設は
   使用しないなど環境対策は徹底している。
   ドイツも現在は生ゴミも埋め立てているが、2005年から法改正で出来なくなる。
   今後は日本のように焼却処理をするものと思われるか゜、ダイオキシン発生を極限に
   押さえる姿勢は大いに参考にすべきである。
〇 また、ジュース缶などははきわめて少なく、会議に出されるジュースも瓶を使用してお
   り、リターナブル実施率は70%以上となっている。
   自動販売機はほとんど見ない。日本のような缶ジュース販売も見直されるべき
   昔のように瓶は洗って使い直す姿勢に、日本も変えていくべき時期にきている

     〇 自家焼却や野焼きは法律で禁止されている。
        日本では田圃、畑、さらには河川の草刈り後においても野焼きが見られる。
        今後、ドイツのように家庭での自家焼却も徹底されることになる可能性が高い。
     〇 消費からリサイクルという考え方に移行している。
        フライブルク市は環境首都の第1号。環境運動の発祥の地。地球環境都市賞受賞。
        ハイデルブルク市も96/97環境首都に選ばれる。など、両市とも、ゴミ問題解決の
        みならず、都市計画のあり方や、環境全般にわたって幅広く施策が講じられている。
     〇  ゴミ減量教育を徹底しており、子供からの教育を重要視しているる
        また、多民族国家でもあり、カラーパンフレットによる市民啓褒や(パンフレットはドイ
        ツ語以外10ケ国語を採用)、廃棄物カレンダーの作成等、徹底している。
     〇  未包装パッケージ等環境に優しい商店を公表。するとともに、店頭にはトレイや、ビニ
        ール袋に入れた商品は少なく、ばら売りが目立つ。
        便利さだけの追求から、ゴミを出さない思想に確実に変わりつつある。
 

                                                     以上

写真集より

生ゴミから出来た肥料 家庭からコンポスト工場にゴミのコンテナが搬入される
ドイツの一般家庭でも分別は徹底している 研修風景(ハイデルブルクにて)
ガラスやゴミなどを分別する(左)市街地の道路に紙収集コンテナがある(右)

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