まちづくり対策特別委員会 委員長報告


2014.6月議会においてまちづくり対策特別委員会が設置されました。
第1回目は、役員の決定。
委員長に大庭通嘉、副委員長に大石重樹氏が選出されました。
視察研修・調査を含めて8回開催されてまいりました委員会は、2015.5.11、下記提言書をまとめ
原田市長に提出致しました。
2015.6.2に開催された6月定例会において、第6回、7回の委員長報告を持って、委員会は終了
致しました。

          企業誘致に関する提言書

              平成27年5月
              袋 井 市 議 会
           まちづくり対策特別委員会

1 はじめに

日本経済は、低い経済成長と長引くデフレにより、失われた20年間と言われるまでに経済の長期停滞を招いてきた。現下の安倍政権は、長引くデフレからの早期脱却と日本経済再生のため、新たな経済施策「アベノミクス」を推し進めている。その中の課題の一つとして位置付けられている「人口減少・超高齢化」にあっては、従来の少子化対策の枠組みのみならず、教育、社会保障、社会資本整備、地方行財政、産業振興、税制など、あらゆる分野における制度やシステムを抜本的に改革すべき時期に来ているとされている。
 こうした背景のもと、国においては、昨年12月、人口急減・超高齢化に直面する課題に対し、地域がそれぞれの特徴を活かし自律的で持続的な社会を創生できるよう、「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」がまとめられた。 この中で地方公共団体は、「地方人口ビジョン」、「地方版総合戦略」を策定し基本目標に沿った各施策の展開が求められている。
これを受け、静岡県では、各界、各層の代表者からなる「美しい“ふじのくに”まち・ひと・しごと創生県民会議」を設置し、地方創生に向けた「地方人口ビジョン」、「地方版総合戦略」の策定に向け取り組むことになった。
本市においても、今後「(仮称)袋井市版地方人口ビジョン」及び「(仮称)袋井市版総合戦略」を策定していくことになるが、特に「(仮称)袋井市版総合戦略」を策定していく上で、人口減少・超高齢化の課題解決は必須であり、その対策として地域産業の競争力強化、移住・定住の推進、若者雇用の推進などはいずれも緊急かつ重要な取り組みとなる見込みである。
時あたかも本市議会では、国の潮流を先取りする形で産業振興、とりわけ、企業誘致を重要なテーマとして捉え、平成26年6月にまちづくり対策特別委員会を設置した。委員会では、発足以来、本市におけるこれまでの企業誘致策に関わる様々な調査・研究をするとともに、今後の袋井市に資する雇用や税収確保のあり方、さらには市内の工業適地の有効活用などを研究し、企業誘致のあり方について多角的に取り組むべき事項を取りまとめたことから、ここに政策提言書として提出する。

2 現状と課題 

(1) 現状

ア 土地利用の変遷
旧袋井市は、既存市街地の土地利用状況に併せて昭和45年3月に最初の用途地域を指定するとともに、新市街地の形成などに合わせて随時用途地域を拡大し、住居地域、商業地域、工業地域と秩序立った土地利用を進めてきたが、用途地域外(無指定地域)でも開発行為による工場立地も実施されてきた。
また、旧浅羽町においても平成9年7月に用途地域の指定をしたが、それ以前は農工法に基づく工業立地が主体であった。
一方、農用地区域については、旧袋井市は昭和49年3月、旧浅羽町は昭和48年2月に農業振興地域整備計画を策定し、数回にわたる変更が行われてきた。傾向としては、用途地域の拡大と工場立地に連動する形で農振農用地は縮小されてきたが、平成21年の農地法改正により農地転用規制が強化され、企業誘致の受け皿となる工場用地の確保が困難な状況になってきている。

イ 産業振興・企業誘致の経過と現状
  旧袋井市、旧浅羽町は、農業を生業とした第1次産業を中心に発展してきた。昭和44年の袋井インターチェンジ開設を契機に多くの企業進出があり、第2次産業が大幅に伸張した。平成以降も工業団地を整備し、積極的に企業誘致を行い、市の人口も順調に増加し現在に至っている。
しかしながら、長引くデフレの影響や、特に東日本大震災以後は、本市のほとんどが浜岡原子力発電所から30km圏内に入ることや地盤の液状化の心配、さらに南部の海岸地域における津波のリスクなどにより、企業誘致の厳しい状況が続いている。

ウ 工業用地の整備状況
平成26年4月時点における工業用地としては、開発済みの工業用地が35ha(山科東工業団地6ha、パイオニア(株)跡地11ha、第一三共(株)跡地18ha)、開発可能な工業用地が24ha(小笠山山麓開発事業用地14ha、用途地域内農地10ha)の合計59haあった。このうち、山科東工業団地6haは平成26年9月に売却でき、パイオニア(株)跡地11haへの企業進出も決まった。また、第一三共(株)跡地18haについても、今後新たな企業進出が見込まれており、今後開発可能な工業用地は24haとなる見込みとなっている。

エ 近隣市の製造品出荷額の比較
製造品出荷額については、昭和50年代までは袋井市は掛川市をリードしていたが、掛川市は昭和63年の新幹線駅開業やエコポリスの開発、さらには、平成5年の東名掛川インターチェンジ開設を機に大きく伸ばし、磐田市も、輸送機械関連企業等を中心に順調に発展してきた。
袋井市は、昭和44年の東名袋井インターチェンジ開設以来、着実に企業を誘致してきたが、平成25年の製造品出荷額は4,957億円であり、磐田市の1兆7,211億円、掛川市の1兆464億円と比較すると、大きな差が生じている。

オ 産業界の動向
   近隣市の事業所数の推移を平成2年度と23年度とで比較すると、袋井市は△30%、磐田市は△35%、掛川市は△38%といずれも減少している。従業員数は、3市とも微増を続けていたが、リーマンショック(平成20年)を境に減少に転じた。
ハローワーク磐田管内の職種別求人求職状況(平成26年3月現在)を見ると、看護師等、建設業、介護などは、全国的な傾向と同様に人手不足であるが、情報処理、一般事務、警備員等では求人不足となっている。全国的には景気が改善しているものの、ハローワーク磐田管内の有効求人倍率はリーマンショック以降、全国平均を下回る事態が続いている。静岡県西部地域は全国の中で「リーマンショックからの立ち直りが最も遅れている地域」と言われている。

カ 市税の状況
袋井市の税収は、土地区画整理事業などによる開発により固定資産税が占める割合が大きくなっているが、近年は土地価格の下落や、家屋・償却資産の新規投資の伸びが少ないことから固定資産税は伸びていない。また、市民税もリーマンショック以降伸び悩んでいる。
なお、住民一人あたりの法人市民税課税額(H24年度)は18,238円であり、県下21市の中では裾野市に次いで第2位と高い水準であり、製造品出荷額との関係についても考察した。

キ 袋井市の財政見通し
   近年、袋井市の一般会計の予算規模は310億円前後で推移している。歳入では平成28年度から33年度にかけて普通交付税が段階的に削減され、歳出では少子高齢化の進展による扶助費の増加に加え、国保、介護保険等他会計への操出金が増えることなどにより、経常収支比率は平成27年度から36年度までの間90%台で推移することが予測され、投資的経費の確保が大変厳しい状況となっていく。

ク 今後の企業立地と産業振興
  (ア) 最近の企業立地ニーズは1~2haが主流であることから、市としては用途地域内農地(山科、小山、徳光、土橋、木原、川井、高尾 計10ha)を活用し、企業を誘致する方向である。これらの用地は民間所有であり、用途地域本来の土地利用を図るべく、所要のインフラを計画的に整備し、企業誘致を図っていく。
  (イ) 小笠山山麓開発については、オーダーメイド方式と農用地除外の定期変更を視野に取り組んでいく。

(2) 課題

  以上の現状と市政の近況を踏まえ課題を整理すると、次の事項が挙げられる。

ア 今後の袋井市のまちづくりを考える上で、企業誘致のために新たな工業用地開発が必要である。ただし、適正規模と、開発可能候補地を慎重に見極める必要がある。

イ 新たな工業用地を開発することで発生する土砂を、袋井市静岡モデル防潮堤整備の盛り土材として活用する方策を検討する必要がある。

ウ 市内経済の活性化や地域社会の維持のため、市外からの企業誘致だけでなく、既存の中小企業の市外転出を防ぐよう設備投資や用地取得、新規雇用などを支援する留置策を検討するとともに、異業種の企業連携や製造業・非製造業のバランス、成長産業分野の企業誘致を考える必要がある。

エ 産業の高度化及び活性化、雇用創出を図る上で企業の進出を奨励するにあたり、企業に対してインセンティブを与える方策として、優遇措置や新たな補助制度の創設、補助対象の拡大を図り、企業誘致に努める必要がある。

オ 山科・川井などの用途地域内農地(未利用地10ha)について地権者・地域の意向を確認し、有効な土地利用を検討する必要がある。なお、川井地区の開発にあたっては、アクセス道路整備(川井徳光線)の検討も併せて進めなければならない。

カ 田原地区の協定農地については、有望な企業誘致の候補地であることから、地域との協議を前向きに進める必要がある。

キ 市内中小企業の動向調査や、他市町・関係機関との情報交換を積極的に行い、情報収集する必要がある。

ク 市内の開発可能地における土地利用基本構想を策定し、袋井市へ進出希望のある企業への紹介や、市北部地域にかかる内陸フロンティアを拓く取り組みである食のセントラルキッチンなどへの対応も必要である。

ケ 広域的な産業振興を図るため、企業が立地しやすい環境の構築を目指し、東名掛川ICや新東名森掛川IC、さらには磐田スマートICを活用した道路網整備について、隣接市町と連携するとともに、積極的に協議を行う必要がある。

3 提言

(1) 企業誘致の候補地について、工業用地の面積を概ね30ha以上に保つべく開発を進め、市内への進出を希望する企業のニーズに即時対応できる開発可能地の土地利用基本構想を作成し、備えること。また、企業ニーズを的確に把握するためマーケティングリサーチの取り組み体制を充実させ、情報収集を積極的に行うこと。

(2) 委員会の提案をもとに、三川・宇刈地区等の土地利用可能性調査を行ったが、今回の結果において評価が低かった地区については、周辺企業への需要調査など異なる観点からの調査を専門機関(日本立地センター等)に再度依頼するなど、企業動向を見据えた開発の可能性を今一度検討されたい。

(3) 新たな工業用地とする候補地選定のための調査結果(土地利用可能性調査)を踏まえ、開発の所要期間が短いこと、周辺のインフラ整備の状況の優位性、開発発生土の袋井市静岡モデル防潮堤への活用の観点から、開発地として豊沢地区が最適と考えられる。開発を早急に進められたい。
なお、当該地は静岡理工科大学と隣接していることから、企業誘致にあたっては、産学連携の優位性を視野に入れて市の方針を定めること。

(4) 小笠山山麓開発事業については、クリーンセンター建設時における地元との約束事項である。防潮堤整備への発生土活用が期待できるため、事業を積極的に進められたい。農用地除外の手続きについては、具体的に企業進出が決まれば随時変更により除外できる可能性が高いが、平成28年までに進出企業が決まらない場合、平成29年度の定期変更に向けて県の同意が得られるよう、関係部署において農用地除外の要件を整理し、地権者等の意向を確認するなど十分に協議されたい。
なお、小笠山山麓開発事業地周辺における臭気については、規制基準値である臭気指数13以下を今後も保つよう指導されたい。

 第6回、7回 まちづくり対策特別委員長 報告     2015.6.2

  おはようございます。それでは、4月8日に開催されました第6回、及び、4月28日に開催されました第7回のまちづくり対策特別委員会の委員長報告をさせて戴きます。

 当委員会は、昨年6月、 企業誘致及び産業振興について調査・研究並びに政策提言を行うことを目的として設置をされまして、特に昨年度の正副議長からは、本市の将来を見据えて、雇用及び税収の確保をし、産業振興、とりわけ企業誘致の推進で、他市に遅れを取ることなく、議会としてもしっかりとした議論を進めて貰いたい旨の意向を受けスタートしてまいりました。

 この1年間、視察研修も含めまして8回の委員会を開催し、袋井市の企業誘致の取組の経過と現状、近隣市との製造品出荷額の比較や市税収の状況など、多角的な調査や分析、検討を加えるとともに、市内の企業誘致候補地の現地踏査はもとより、隣接市の企業誘致の状況調査、さらには県外の先進地視察や、財団法人日本立地センターにおいて企業誘致のノウハウについての研修を受けるなど、様々な角度から企業誘致について検討致してまいりました。
 第6回、7回の特別委員会では、これら検討結果をもとに、「企業誘致に関する提言書」として、今後の企業誘致のあり方や、進め方について、各委員からの意見をもとに、取りまとめましたので、その概要について報告させて戴きます。

 「企業誘致に関する提言書」は、「はじめに」、それから、「現状と課題」、そして「提言」と言う形で、大きく3つに分けて作成させて戴きました。
 すべてを報告させて戴くのが望ましい訳ですが、時間の関係で、「現状と課題」につきましては、概要を、「提言」につきましては全文を報告させて戴きます。

まず「現状」ですが、袋井市の企業誘致の現状をそれぞれの切り口で整理させて戴きました。委員会における検討テーマとして、1.土地利用の変遷、2.産業振興・企業誘致の経過と現状、3.工業用地の整備状況、 4.近隣市の製造品出荷額の比較、5.産業界の動向、6.市税の状況、7.袋井市の財政見通し、8.今後の企業立地と産業振興、の8つの視点から現状を整理させて戴きました。

 次に課題でありますが、現時点及び、今後の企業誘致に向けて重要と思われる、9つの課題を挙げさせて戴きました。その概要ですが、
 1.企業誘致の為の開発可能候補地の見極め、2.袋井市静岡モデル防潮堤整備への開発土砂の活用、3.市内既存企業の留置策、4.企業誘致の優遇措置など奨励策、5.用途地域内未利用地の土地利用検討、6.田原地区協定農地の取り扱い、7.企業誘致に関する情報収集、8.開発可能地の土地利用調査、9.広域的な産業振興の推進など、9つの課題を挙げさせて戴きました。
 
 次に、今回のまとめでもあります「提言」であります。内容は、市当局に対し、すみやかに実施して戴きたい、以下の4点を挙げさせて戴きました。

(1) 企業誘致の候補地について、工業用地の面積を概ね30ha以上に保つべく開発   を進め、市内への進出を希望する企業のニーズに即時対応できる開発可能地の土地   利用基本構想を作成し、備えること。また、企業ニーズを的確に把握するためマー   ケティングリサーチの取り組み体制を充実させ、情報収集を積極的に行うこと。
    
(2) 委員会の提案をもとに、三川・宇刈地区等の土地利用可能性調査を行ったが、今回の結果において評価が低かった地区については、周辺企業への需要調査など異なる観点からの調査を専門機関(日本立地センター等)に再度依頼するなど、企業動向を見据えた開発の可能性を今一度検討されたい。
  
(3) 新たな工業用地とする候補地選定のための調査結果(土地利用可能性調査)を踏まえ、開発の所要期間が短いこと、周辺のインフラ整備の状況の優位性、開発発生土の袋井市静岡モデル防潮堤への活用の観点から、開発地として豊沢地区が最適と考えられる。開発を早急に進められたい。
なお、当該地は静岡理工科大学と隣接していることから、企業誘致にあたっては、産学連携の優位性を視野に入れて市の方針を定めること。

(4) 小笠山山麓開発事業については、クリーンセンター建設時における地元との約束事項である。防潮堤整備への発生土活用が期待できるため、事業を積極的に進められたい。農用地除外の手続きについては、具体的に企業進出が決まれば随時変更により除外できる可能性が高いが、平成28年までに進出企業が決まらない場合、平成29年度の定期変更に向けて県の同意が得られるよう、関係部署において農用地除外の要件を整理し、地権者等の意向を確認するなど十分に協議されたい。
なお、小笠山山麓開発事業地周辺における臭気については、規制基準値である臭気指数13以下を今後も保つよう指導されたい。
 以上であります。
 
 今回の提言書につきましては、企業誘致の推進に向け、早急に事業に反映して戴きたい重要な点だけを絞り提言させて戴きましたが、委員会で出された様々な課題につきまして、新たに策定する総合計画並びに、工業振興計画にも十分反映して戴きますよう要望致します。
 尚、この提言書につきましては、5月7日に前秋田議長に、また、5月11日、原田市長にそれぞれ提出致しましたので、併せてご報告させて戴きます。
 終わりに、委員各位におかれましては、この1年間、常に、建設的で、しかも貴重なご意見を多数戴きました。また、当局の担当部局からも、多くの資料提供、情報も戴きました。ここに、改めて関係皆様に御礼申し上げ、第6回、及び、第7回のまちづくり対策特別委員会の委員長報告とさせて戴きます。

 第5回 まちづくり対策特別委員長 報告     2015.2.24

 おはようございます。それでは、2月4日に開催されました第5回まちづくり対策特別委員会の委員長報告をさせて戴きます。
当日の特別委員会には、当局から4件の報告事項を提出戴きました。
 
 冒頭理事より、今回が実質4回目の委員会になる。本日は袋井市の将来の為の企業誘致、立地の受け皿をどのように考えるかを論点にして戴くべく、土地利用可能性調査の結果等を報告させて戴く。市内に残された企業誘致の可能性のある土地をはじめ、用途地域内の未利用地や田原地域の協定農地の今後など、市全体の土地の状況を把握して戴き、これらを踏まえて、政策提言につなげて欲しい旨のご挨拶を戴いたところであります。

 それでは、議題に沿って報告をさせて戴きますが、
 まず最初に、報告事項 1点目、パイオニア株式会社跡地利用状況についてであります。
 これにつきましては、パイオニアの土地のおよそ1/3の約3.9haを健康食品等の通販事業をされているティーライフ株式会社、資本金356,625千円、東証二部上場でありますが、先に取得をされたヨシコン株式会社から土地建物を今年3月上旬に取得予定である旨の報告がありました。
 これに対し委員より立地補助及び、周辺インフラ整備についての質問がありました。
 当局より、物流に関する補助金は、今年度新たに制定したが、特に、機械で仕分け、雇用と償却資産がある等、高度な物流に対しては補助をしていく。ティーライフがもし補助対象であれば対応していきたいと言うことでありました。
 また、周辺インフラにつきましては、当面は物流センターとしての活用で、既存の、県道袋井春野線からの進入路で対応するとのことでありました。
 さらに、他の委員から、残された土地の状況についての質問が出され、パイオニアが真ん中の1号館を5年間ヨシコン株から借りて使用する予定で、残る土地については未定とのことでありました。なお、この残された土地約4.9haにつきましては、1月21日に取得企業が決定し、運送業・倉庫業の株式会社ツカサにより土地取得がされた旨の報告を、2月12日、当局より全議員に情報提供して戴いたところであります。

 次に、用途地域内農地10haの状況についてであります。
これは、市内の用途地域、特に工業地域内に、約0.3ha~1.0haで、現在14カ所の未利用地が点在していますが、これら土地の今後について検討するものであります。
 委員から、当該農地の地盤にたいする企業の反応を確認する質問が有り、大型機械導入企業は軟弱地盤を懸念する。一方、高度な物流企業は地盤より交通の利便を重視する、など、需要は様々との説明でありました。
 また、他の委員から未利用地への企業誘致は、市外からの企業誘致だけでなく、市内企業への配慮も必要ではないかとの意見に対し、今後も市内用途地域内農地の情報提供にも努め市内企業の留置を図っていきたい、とのことでありました。
 また、川井西地区の未利用地の進捗と道路の見通しを確認する質問に対し、川井西地区の地区計画の状況は、現在案が定まり、地権者の同意率は約6割で、まだ都市計画決定できる状況にはない、来年度中には都市計画決定が出来ればと考えているが、道路の整備計画については現時点未定とのことでありました。
 なお、未利用地に関連し、第一三共と、小笠山山麓開発についても、当局より進捗説明をして戴きました。
 それによりますと、第一三共跡地利用につきましては、一昨年9月に事業閉鎖をし、昨年12月に新たな企業が入札により決定する予定であったが、これが遅延し、今月2月に入札を実施し優先交渉権者を決定し、3月に契約締結をする予定とのことでした。
 また、小笠山山麓開発につきましては、14ha、地権者41人、地権者会を平成26年7月1日に設立、当初引き合いがなかったが、山科東やパイオニアの土地が売れ、ここに来て引き合いが出始めている。今後静岡モデルへの発生土搬出も含め、地権者の意向を聞きながら企業誘致を進めたいとのことでした。
 これに対し、第一三共は袋井市にとっては残された有望・貴重な土地であり、単に物流業者に流れることなく市としての当該地への企業誘致の方向性を明確にして、臨まれるように、要望があったところであります。また、小笠山山麓開発からの発生土の有効利用が期待されている静岡モデルの推進につきましても、早期に方針を定められるよう委員会としても申し入れをしたところであります。

 次に、田原協定農地の状況についてであります。
 この田原協定農地は、昭和62年集落整備法を受け、田原の下新池地域を中心に北は土地改良、中心部は田園区画整理事業、南側の13.1haを協定農地と言うことで定めまいりましたが、これの期限が切れ、今後の土地利用のあり方について、地元地権者を中心に協議検討していくというものであります。
 委員から、地権者や周辺住民等、地域の意向を聞いて進めていくとのことだが、市としての当該地をどのようにしたいかといった、基本的考え方や、市としての方針を固めて地権者に臨んで欲しい旨の質問、意見がありました。
 これに対し、当局より、市としての考えを持ちながら、スピーディーに進めていきたいとの答弁があったところであります。

 次に、土地利用可能性調査の結果についてであります。
 この件につきましては、本市に現在、企業誘致のストック、候補地が59haありました。場所・面積ですが、山科東工業団地が6ha、パイオニアが11ha、第一三共が18ha、小笠山山麓開発事業用地が14ha、未利用地、いわゆる用途地域内の農地が10ha、都合59haであります。前段で触れましたが、このうち、山科東、パイオニアは決定し、あと42haということで、さらに、第一三共18haもこの3月には方向性が出ます。
 これ以外に、袋井市として企業誘致にふさわしい土地を選定できないかと言うことで、前回までの特別委員会で議論が重ねられ、これを受けて、当局から市内の白地候補地、豊沢地区、宇刈地区、三川西山地区など、さらにこれを8地区に分け、これらを坪あたり単価や、交通状況、インフラ状況、遺跡の有無等、現場状況等、大項目で9つの観点から、小項目で30数項目に亘って評価をしたものであります。
 この土地利用計画作成業務委託で出された結果でありますが、調査を致しました8地区について、それぞれ〇、×で評価をし、提出をされたものであります。
 結論から申し上げて1地区が○、他は×というものでありました。
 
 これについて、委員から意見・質問を戴きました。
 内容につきましては、豊沢地区が〇、その他、宇刈、三川西山地区など7地区が×という評価を受け、評価の判断基準が豊沢に優位な項目になっている。コンサルが重視した点や、売買の可能性の有無など質す意見がありました。
 これに対し当局より、交通項目では新東名、東名、バイパス、JRなど複数で判断している。また、販売の時における競争力についても、坪単価や周辺インフラなど総合評価をしている とのことでありまして、豊沢地区が優位になったのも地盤や、静岡モデルとの連携で切り土の売却により、坪単価の点がクリアしたためとのことでした。

 他の委員からは、すべて×の評価は、袋井に適地が無いことを、むしろ、公表することになる。たとえ1カ所でも適地を探す調査にすべき。との意見や、他の委員からは、これまでの市が進めてきた内陸フロンティアの推進経過にも触れ、この駄目だという結果だけが一人歩きしてしまうおそれがあり、豊沢以外は開発しないではなく、開発する方向で資料を生かし研究してほしいとの意見も出されたところであります。
 さらに他の委員からも、〇×は評価の為の手段の一つで有り、むしろ、うまく活用して欲しいとの意見も出されたところで有ります。
 これら、8地区の開発可能地の内、今回の評価で○となった、豊沢地区について委員会としましては、企業誘致の候補地として進めていく。また、開発により静岡モデルに60万㎥の発生土を期待できることから、当該地域の地権者に当局が入って話を進めることについて委員会として全会一致で了承し、早急に進められたいということでまとめさせて戴きました。
 なお、委員会として、豊沢開発地区は、静岡理工科大隣接地であり、当局においても企業誘致にあたっては、産学連携の優位性も視野に、市の方針を固めて戴く事や、地権者にもご理解戴くよう、地元に入るにあたりましては、慎重に対応されることを併せて、要望したところであります。
 
 さらに、委員から三川の西山地区につきましては、施政方針で内陸フロンティアに関連して言及されており、磐田のスマートインターの活用など、広域的に見ていくことも重要との意見や、墓地公園西側には約39haあり、県道横川磐田線などの県道整備については市長も議会で答弁しているなど、青地の農地を含む地区でありますが、まだ可能性も残されており、さらなる調査をして欲しい旨の要望や意見が出されたところであります。併せて、その他、今回の調査結果に対し再度の検討を求める意見も多数出されました。
 いずれにせよ、今回の8地区調査の内、7地区が×評価と言うことでありましたが、さらなる調査を日本立地センターなど袋井市の実情を分かっている専門機関等に委託するなどし、開発の可能性をもう一歩探って欲しい。
 また、今回の土地利用計画作成業務委託で出されたデータにつきましては、一定の評価をしつつも、次年度の予算の中で再度検討するなど、さらに可能性の有無についての調査を実施して欲しいとの意見を特別委員会としてまとめ、閉会させて戴いたところであります。

 以上をもちまして、第5回のまちづくり対策特別委員会の委員長報告とさせて戴きます。 

 第4回 まちづくり対策特別委員長 報告     2014.11.25

まちづくり対策特別委員長 報告              

 おはようございます。それでは、10月22日に開催されました第4回まちづくり対策特別委員会の委員長報告をさせて戴きます。
当日の、特別委員会には当局から4件の報告事項と、委員会として産業振興、特に企業誘致の方向性を議論すべく1件の協議事項をテーマに委員会を進めさせて戴きました。

 それでは、議題に沿って報告をさせて戴きますが、
 まず最初に、報告事項 1点目、産業振興・企業誘致の経過についてであります。
 当局よりこれまでの本市の昭和30年代から今日まで、80件余に及ぶ企業誘致や公共インフラ整備等の経過や実績についての説明がありました。また、朗報でありますが、山科東工業団地のB区画が10月8日、愛知県の輸送用機器関係の企業と売買契約が締結され、企業進出が決定した旨、報告を戴きました。雇用計画は3期計画で300名程度、来年10月に操業開始と言うことで有ります。尚、現時点、社名は公表出来ないと言うことでありました。また、パイオニアにつきましても、静岡のヨシコン株式会社に売却され今後施設の一部は、引き続きパイオニアが賃貸し、残りをヨシコン株式会社が新たに企業誘致をしていくと言うことでありました。

 2点目は、本市での農工法における企業誘致の可能性についてであります。
 この問題につきましては、農工法を活用した企業誘致が20年ほど前まで本市でも、実施されており、こうした手法で、企業誘致ができないかとの委員会の意見を踏まえて、当局において再度調査した内容を報告戴いたものです。それによりますと、当該制度は、①人口が増えていない、②第2次産業就業者比率が低い地域等、これら2つの条件を満たすものとなっており、本市のように、人口増加率+0.08%、第2次産業就業者比率が40.8%で国の人口増加率基準、-0.16%、第2次就業者比率基準23.7%を大幅に上回っており、農村地域工業等促進法、通称農工法活用は出来ないと言うことでありました。

 次に、3点目、3市の製造品出荷額の比較についてであります。
 近年における、袋井市の製造品出荷額約4,900億円、これに対し、磐田市、約18,600億円、掛川市約13,400億円と、本市は隣接両市に比べ大きく劣っています。しかし、、平成24年度の市民一人あたりにおける法人市民税額は袋井市が18,238円、掛川市15,958円、磐田市12,709円と言うことで本市が、市民一人あたりの法人市民税課税額は、県内21市の中でも裾野に次いで2位、と言うことでありました。
 これに対し委員から、磐田市、掛川市両市の製造品出荷額の伸びは、第3セクターによるインターチェンジ設置に伴うもので、例えば磐田市では磐田原総合開発株式会社、掛川市では小笠山麓株式会社の設置等の影響によるものではないか。また、第三セクターは、開発事業の収益をインターチェンジ開発の借り入れ返済に充てるために工業団地造成に注力したのではないか、との質問がありました。
 これに対し、当局から、「掛川市も磐田市も第三セクターは大規模な工業用地の開発を行わず、掛川市の小笠山麓株式会社では、駐車場収益や広告収入などにより借入金の返済を行ったものであり、また、磐田市の場合、工業用地の造成として、磐田インターチェンジ近くのブリヂストン株式会社等工業用地は、県企業局が行ったものである。磐田市は、インターチェンジ開発の借り入れ返済は、駐車場事業収益等で返済する予定である。製造品出荷額の伸びは、いずれも第三セクター効果ではない。」と言うものでありました。
 さらに委員から、現在磐田市も下野辺に、そして掛川市も上西郷等に、第2東名を見据えた企業誘致を進めていることに鑑み、本市もそのような施策を進めて欲しいとの意見・要望も出されたところであります。

次に、4点目、平成25年度製造業・非製造業別法人市民税額の比較についてであります。
 これは本市における法人1858社のうち、272社が製造業であり、一方税収は69%の10億900万余が製造業であるとの説明でありました。しかも、上位50社がそのうち約9割を占めているなど、これら企業誘致の基本となる税収等の数値説明を戴きました。

 次に協議事項であります。
 テーマは、袋井市における産業振興・企業誘致の方向性についてであります。
 実はさる9月22日でしたが、3回目の委員会のこの日には、袋井市の企業誘致候補地、及び、掛川市並びに磐田市の候補地の現地踏査、視察を致しまして、10月の22日開催した第4回の委員会では、それら視察を踏まえての発言も各委員から戴きました。
 この問題は、本市に現在、企業誘致のストック、候補地が59haありまして、場所・面積ですが、山科東工業団地が6ha、パイオニアが11ha、第一三共が18ha、小笠山山麓開発事業用地が14ha、未利用地、いわゆる用途地域内の農地が10ha、都合59haであります。うち、山科東、パイオニアは決定し、あと42haということで、これ以外にも施政方針で推進をうたっている三川西山や、商工会議所から提言が出されています宇刈、村松、さらに以前より課題となっています。豊沢開発地などがあります。こうした事をベースに、今後の本市の企業誘致の方向性を探るべく議論を戴きました。

 はじめに委員から、浜岡原子力発電所の問題、それから製造業中心のこれまで企業誘致の考え方、静岡モデル推進と企業誘致という観点から、それぞれ質問がありました。
 当局より、各企業との情報交換の中で、UPZ30km圏内の問題や、地盤、液状化の問題など本市の場合それらの点を指摘されることが多い。しかし、そうした中、袋井にも地盤のよい所はある、袋井は日本の真ん中であるなど、むしろ本市の優位性を紹介して対応しているとのことでした。また、製造業中心の企業誘致から、最近では医療や医療機器、食品、物流もターゲットに誘致をしている、最近の武蔵野や第一倉庫はそうした取組の成果だと認識している。さらに、企業誘致と静岡モデル、すなわち防潮堤の盛り土の関係ですが、開発と防潮堤をまちづくりの観点からも、リンクさせて考えていきたいとのことでありました。
  
 また、他の委員より、小笠山山麓開発についての臭気問題、UPZ問題についての課題をどう捉えるか、また、第一三共を土地開発公社で取得するなど、そうした考えがあるかと言った質問がありました。
 これに対し、当局より、臭気問題は行政も一体となって指数低減に努力している。小笠山山麓開発事業はクリーンセンター等地元との約束事業であり、誘致にあたっては化学工業なども誘致のターゲットにしているとのことでした。さらに開発公社による買い上げですが、土地開発公社は、公有地の拡大の推進に関する法律の規程でつくられている団体であり、法的な裏付けは再度確認するが、現時点で開発公社での第一三共の土地購入は考えていないと言うことでした。
 尚、委員から、臭気問題が解決されないと、当該地への企業誘致が厳しいのではないかとの指摘もあったところであります。

 また、他の委員から、静岡モデルの為の土搬出の候補地として、あるいは企業誘致の候補地として、豊沢開発地が最有力ではないかとの発言、意見が出されたところであります。

 また、他の委員から、企業誘致のストックは60ha程度をめざしてはどうか、三川西山の開発は、施政方針で工業開発がうたわれ、市の方針として整合性のある進め方をされたい、土地価格が磐田市下野辺開発の坪10万円~12万円との比較で、西山開発の根拠を示されたいとの意見に対し、西山の開発等、売却単価の算定など、もう少し深掘りをしたい。委員会として様々な角度からの、さらなるご議論を戴きたいとの答弁でありました。

 加えて他の委員から、個別の候補地を上げての企業誘致論議も大事だが、第2東名が開通し、内陸フロンティアや食と農のセントラルキッチンを推進する、とした当局方針を具現化するために、どのように袋井市の産業振興を図るかといった政策的な議論が大事、というような、積極的な企業誘致による市の発展を提言する意見も出されたところであります。
 こうした意見に対し、当局からは人口減少社会、これに伴う労働力人口の減少、また、企業の海外転出、UPZ圏内にある本市の置かれた状況、山科東工業団地の売却にこれまで多くの時間を要してきた実情、等、当局の企業誘致に対する考え方の披瀝もありました。
 同時に今後の議論を深めるために、鈴木理事からは、これまでの企業誘致候補地として進めてきた以外の開発可能地、豊沢、宇刈、村松、西山等について、開発公社等の経費も視野に入れ、スピード感を持って調査をしてみたいとの踏み込んだ発言も戴いたところであります。

 いずれにせよ、本市には現在、企業誘致のストック、前段触れましたように候補地が59ha、山科東、パイオニア、第一三共、小笠山、他未利用地等、ありますが、このうち、既に山科東、パイオニアなど一部話が順調に進んでいる土地もありまして、これ以外に今後の企業誘致の候補地として位置づける事が出来る可能性のある候補地を絞り込むべく、今後、当局の数字的なデータも出して貰うなどして、再度、この問題の議論を深めていくことを確認し、当日は、委員会を閉じさせて戴きました。

 以上、第4回まちづくり対策特別委員会の委員長報告とさせて戴きます。

 第3回 まちづくり対策特別委員長 報告     2014.9.22

 市内の企業誘致候補地を見学 後援会ニュースNO160参照

 第2回 まちづくり対策特別委員長 報告     2014.9.2

 おはようございます。
それでは、8月11日に開催されました第2回まちづくり対策特別委員会の委員長報告 をさせて戴きます。
 ご案内のように、この特別委員会は、6月定例会において設置をされました。特に、設置にあたりましては、正副議長の強い要請によるもので、本市の将来を見据えて、雇用及び税収の確保をし、産業振興、とりわけ企業誘致を推進し、他市に遅れを取ることなく、議会としてもしっかりとした議論を進め、産業政策についての政策提言をして貰いたいとのご意向を受けスタートしたものであります。
 したがって、委員会の目的としましても、企業誘致及び産業振興について調査・研究並びに政策提言を行うことを目的とし、具体的委員会のミッションとしましては、新総合計画や工業振興計画への提言、また、企業誘致全般に対しての提言や小笠山開発等、個別の開発についても提言をしていけたらと考えております。
 また、市当局におきましては、既に土地利用等について施政方針の中に明示をしつつも、具体的に緒についていないものや、不明な点も散見されることから、特別委員会として土地利用可能性調査等、次年度への予算付けも視野に入れ議論を進めることができたらと考えている次第であります。

 いずれにせよ、人口減少や不透明社会、厳しい財政の中で、今後、袋井市の産業政策をどのようにしていくかは、極めて難しい課題ではありますが、当局及び、委員各位のお知恵を戴きながら、その方向性を、今年度中、概ね7回程度の委員会の中でまとめていければと思っています。

 以上のようなことから、第2回となりました、当日の特別委員会には報告事項8件について当局より、説明戴き、本市のこれまでの土地利用、市税収や財政、さらに企業誘致や、他市の状況等も振り返り、まさに過ぎ越し袋井市の経過について復習をし、その上に立った今後の方向性について報告を受け、これに対し、各委員からご意見を戴きながら進めると言う形をとらせて戴きました。

 まず最初に、1点目、土地利用についてであります。
 本市におきましては、昭和40年代、都市計画用途地域の決定、及び、農業振興地域の決定がされている事に対し、委員から用途外、あるいは郊外への開発区域の拡大があっても良いのでは、さらに農地転用を積極的に進めていく姿勢が必要ではないか、との意見に対し、当局からは人口減少、人口密度が低下している昨今、用途拡大や線引きは厳しいとの認識が示されました。
  また、委員からは、国、県がコンパクトシティを誘導する時代であるが、徒に縮小論議を展開するだけでなく、まだ袋井市は拡大の検討の余地があるのではないか、との意見に対し、当局からは、一度時間を取って、袋井市のコンパクトシティの考え方について議論をしたいとの見解も示されたところであります。

 また他の委員からは、平成9年頃からの本市の企業誘致が減少している実状に照らし、当局の取組や農地転用等、取り巻く環境変化があったのでは、との意見にたいし、農用地が、平成21年度の法改正より、厳しくなっていることに加え、県との協議においても、感覚的ではあるが、農地転用が厳しくなっている実感はあるとの答弁でありました。

 次に2点目、市税収についてであります。
 税務課より、昭和55年以降の袋井市・浅羽、両市町合算での課税状況推移について説明がありました。また、各種市税の分析も加え、詳細な報告がありました。特に、法人市民税が平成18年度、21億円余の税収が、平成25年度15億円程度と減少し、併せて、固定資産税、中でも償却資産分が減収していることの説明に関連し、委員より、製造業ありきの視点から、製造業、非製造業のバランスを見た企業誘致や、雇用を重視した誘致も必要との意見も出されたところであります。

 次に3点目、財政についてであります。
 本市財政状況は、財政力指数、経常収支比率、市民一人あたりの税収、一人あたりの地方債残高等、全般的に見て、類似団体及び隣接市との比較の中で、大旨同等、若しくは良好な状況にあるとの報告がありました。これに対し、委員から実質公債費比率の掛川市との比較説明について質問が出され、当局から本市は平成24年度、実質公債費比率12.3%だったが、25年度決算では、10.9%、25年度単年度では8.7%と掛川市より低くなっている。これは短期借り入れ、集中償還の結果によるものとの説明でありました。さらに、委員から、健全財政も良いが、投資的経費が下がってきている状況下、重点的積極投資も必要ではないかとの意見も出されたところであります。

 こうした意見に加え、他の委員から人口減少、高齢社会、の中で、後継者不在等具体的事例も紹介しながら、税収、財政のあり方も含め、今一度立ち止まり、まちづくりを考えていく時期ではないかとの課題提起もされたところであります。なお、これに対し、当局から、本質的な問題と認識している。現在、さまざまな環境変化を考慮し新総合計画を策定中だが、みんなで共有出来る目標づくりが一層必要となっている。との認識が示されました。

 次に、4点目、産業振興課より、過去の企業立地の状況、本市及び近隣市における工業団地の整備状況、産業界の動向を一括して説明を受けました。
 これに対し、大企業誘致も必要だが、中小事業所の工業団地化、大学との産学連携等、中小企業支援を求める意見に対し、商工会議所、商工会との連携をしていきたいとの答弁がありました。
 特に、企業誘致の受け皿としての工業用地についてでありますが、本市では、山科工業団地6ha、パイオニア11ha、第一三共18ha、小笠山14ha、用途地内農地10ha、合計59haの工業用地があり、最近、数年の企業の引き合いから見て、大旨適当な面積であり、この本市の工業用地59haは、5年間は十分対応が出来る面積であるとの説明がされました。これに対し、委員からは、工業団地は必要。掛川や近隣市と比較しても少ない。さらに、これまでの低迷している本市の企業誘致の経緯を踏まえ、積極策が必要である。施政方針と照らし合わせても、59haに漏れている候補地もある。など、こうした、当局の企業誘致の姿勢に対し、積極的な取組を求める意見が多数、出されました。
 委員会としましても、この59ha以外で、しかも、施政方針にもうたっている可能性用地も視野に入れ今後、議論を進めていくことで、当日は締めさせて戴きました。

 次に、5点目、工業振興計画の進捗状況、今後の本市の企業立地と産業振興についてであります。
 この説明に対しましても、積極的な意見が出され、例えば、内陸フロンティアを前面に出している本市の姿勢を鑑みる中で、もっと、工業出荷額や従業者数等、少し物足りないとの、意見も出され、袋井市の工業、とりわけ企業支援をさらにすべきとの意見も出されたところであります。
 これ以外にも、3.11東日本大震災を受け、本市における海岸地域の企業の防災対策支援に関連し、小笠山開発等による土砂を防潮堤に流用できないか。掛川・磐田市においても防潮堤築堤計画がある。袋井市も、企業誘致に連動させ、企画政策課で総合的に検討して欲しいとの要望に対し、様々な計画を踏まえ、合理的な計画につなげていきたいとの、答弁がされたところであります。

 次回は、市内始め、企業誘致に資する工業用地現場、近隣市の工業用地等、現地踏査、視察をすることにし、第2回目の会議を閉じました。
 以上、第2回まちづくり対策特別委員会の報告とさせて戴きます。



詳細はohba@mxu.mesh.ne.jpまで。


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