夢忘れ物、青春拾遺
OM-1
 色褪せし
 エクタクロムの
 昔き夢

 ---
 一番通ったのは、岡崎の動物園。
 猿山や、アシカ君、見ていると、何時間も...


銀閣寺
 ある冬の夜、銀閣寺の近くで呑んで、外へ...
 知らぬ間に、雪はしんしんと...
 あ、これは何だろう...一瞬無心に。

アサヒビール
 河原町三条、
 秋や冬、窓際、河原町を歩く人々を観ながらのジョッキー、お代わりからが最高。
 梅田阪神の地下のアサヒビールも...


両切りピース
 四条河原町、高島屋1Fコーヒースタンド、
 晩秋から初冬、枯れてしまいそうな西日のなか、
 四条通りを多くの人が歩いているのを見つめながら、
 唇に残る葉っぱの強い苦み。


夏朝まだき
 曉靜かに寢覺して思へば涙ぞおさへあへぬ
 はかなく此の世を過ぐしてもいつかは淨土へ參るべき

 ---
 我が背子をやまとへ遣るとさ夜ふけて
 曉露に我が立ちぬれし

 ---
 朝、とりわけ夏の朝、
 素直に「思い」が深くなる、また同時に、
 いくばくかの「危なさ」があるような気が。
 歳とともにそんな感性は失われましたが、
 今でも、時々何の前ぶれなく全く突然に、
 夏朝まだきの空気のにおいがよみがえる。


スマトラマンデリン
 初秋早朝、ピースに合うのは濃いマンデリン
 何とも捉えどころのない寂しさや、
 おれ、こんな事してていいんだろうか?
 そんなこんなを考えながらの苦みとバロック。


鴨の河原
 加茂大橋から河原に降りて、
 荒神橋から三条まで、
 幸せそうなカップルや家族連れをながめながら、
 ある時は、
 「おれには、できねえや」
 ある時は、
 自分も幸せ側にいるつもりになって。



 此岸と彼岸の渡し
 現代人は忘れたか?
 ---
 尾張国裁断橋碑文

 てんしやう(天正)十八ねん二月十八日に、
 をだはら(小田原)への御ぢん(陣)、
 ほりをきん助(堀尾金助)と申、
 十八になりたる子をたたせてより、
 又ふためともみざるかなしさのあまりに、
 いまこのはしをかける成。
 ははの身にはらくるい(落涙)ともなり、
 そくしんじやうぶつ(即身成仏)し給へ。
 いつかんせいしゆん(戒名)と、
 後のよの又のちまで、
 此かきつけを見る人は、
 念仏申給へや。
 三十三年のくやう(供養)也。

 ---
 橋、何の気なく渡ったり
 橋の真ん中で川面見入ったり
 ...梅田の陸橋では人の流れを
 途中で引っ返したり
 たもとで脚がすくんだり


途中越
 秋の夜、
 ポンコツ車で、琵琶湖から途中越。

 見通し悪いが、すれ違う車もなし。
 カーラジオ消すと、エンジン音がやけに寂しい。
 フロントガラスから見えるのは、
 ヘッドライトの範囲だけ。

 そうか、今夜は月が...
 思って見上げると満天の星。
 ふ〜。
 思わずため息...

 路肩に止めて、消灯、エンジン切ると、
 ...言葉もなし。
 聞こえてくるのは、虫の音だけ。