数年前から悩まされ続けたガンマの片肺化現象
IGコイル交換、腰上OH、ECU交換、CDI交換
キャブ清掃、MJ、SJ交換等々思い付く事は片っ端からやってみたのですが
どれもこれも効果無し。
去年は片肺になる頻度も多く、買い替えも考えたほど
今年に入って初心に帰って燃調を見直そうと思い
ニードルのクリップを1段上げた所、これが効果絶大
此処に到ってJN、NJ共に消耗品だと言う事を思い出し
JN、NJの交換を試してみました。

何故かガンマページのHIT数が多いので
今回は作業手順を少し詳しく説明してみようと思います。



使用する工具を紹介

5mmの六角レンチ
シートを取り外す時に使用します

10mmのソケットとミニラチェット
ガソリンタンクを取り外す時に使用します。

プラスドライバー、#2,#3が必要
#3はエアクリボックスを脱着する時に必要
#2はあらゆる所で(笑

3mmの六角
カウルの取り外しに使用します。

8mmメガネ
ニードルジェット取り外しに使用
12mmオープンエンド
チョークプランジャ取り外しに必要

キャブドライバー
メインジェット取り外しに使用

作業開始

シートを取り外します。
シート先端の穴を覗くとHEXボルトが見えます
5mmの六角レンチでこれを緩めると
シートが外れます。

シートを外すとガソリンタンクを止めているボルトが見えます。
10mmラチェットでこれを外します。

タンクを外す前にガソリンコックをoffにしておきましょう。
これは未だonの状態、真上に向けるとリザーブ

ボルトとステーを外すと
タンクを挟む感じで上下に2個ゴムブッシュが入っていますので
落とさないように気をつけてください。

タンクを外すとエアクリボックスが見えます。
フレームに#3のプラスネジ
キャブにバンド(#2プラスネジ)で固定されています。
これを外してエアクリを取り外しましょう。

キャブとの取り付け部のネジ
度重なる脱着でネジの頭が舐めまくりです。
今回はこのバンドも交換します。

エアクリボックスを取り外すと
やっとキャブとご対面です。
エンジンが汚ねえ?
2stなんだから仕方なかんべ(苦笑
手が入る隙間がほとんどないから
O/Hの時くらいしか磨けないですorz

この左側の黒いナットがスタータープランジャーです
俗に言うチョークと言う奴(厳密にはチョークじゃない)
ナットが樹脂製の為、劣化していると簡単に折れます。
(過去に左右とも同時に折った)
キャブを取り外す前にこれを外して置きます。
12mmのオープンエンドで外れます。
右側の8mmナットとプラスネジの組み合わさった物が
スロットルストップスクリュー
L型はリモートワイヤーが出ています。
M型以降だと、左はネジ、右はリモートになっています。

プランジャーを外した所。
傷を着けない様に気をつけて放置しておきましょう(笑

キャブトップのプラスネジ2個を緩めて
スロットルバルブを引き抜きます。
滅多にキャブをばらさない個体(調子の良い個体?)だと
かなりきつく固着していると思います。
良いドライバーを使用して、しっかりと押し付けながらネジを回しましょう。
スロットルバルブ先端のニードルは少しでも曲がると大変なことになります。
十分に気をつけて作業してください。

こんな感じでバネを縮めていくと・・・・・・

スロットルバルブが外れます(^^)
バネを無くさないように注意しましょう。
(フレームの隙間に落としてちょっと焦った)

スロットルバルブをひっくり返すと
ジェットニードルが抜けます。
上が新品
下が今まで使っていた物
パッと見では磨耗状況はわかりにくいですが
表面の傷や、色の違いから
かなり磨耗している事が予想されます。
クリップ位置は標準では真ん中ですが
かぶり気味だったのでクリップを一段上げています。
新品ニードルはクリップを真ん中に戻して装着しました。

次はニードルジェットの交換と
インマニのバンド交換
キャブをえいやっと持ち上げて・・・・・・

まずはこのバンドを交換
まだまだ十分に使用可能ですが
一応念の為(^^)

ニードルジェットの交換
フロートチャンバーを固定している4箇所のネジを外します。
これもオリジナルのネジのままだと、かなり固着していると思います。
舐めないように十分に気を付けて緩めましょう。
舐めちゃったら・・・バイスプライヤーで摘んで緩めましょう。
このネジは綺麗でしょ?
純正の鉄ネジだと頭が錆びてすぐに舐めるので
キャブ関係はステンのネジに換えるようにしています。
電食?、キャブボディがおそらくアルミですから
鉄のネジだろうがステンのネジだろうが固着します。
だったら錆びにくいステンの方が良いでしょう。

フロートチャンバーを外した所。
真ん中の真鍮の六角がメインジェット
これの下にニードルジェットがいます。
ちょい下の円筒の中にパイロットジェットがいます
これが合う工具が少なくて外しにくい(苦笑

こっちがフロートチャンバー
錆も無く、ごみも無く
綺麗なものです。
まめに開けていますから・・・トラブルが多い証拠だねorz

一度も開けていないキャブだと
ごみが溜まっていたりしますので
キャブクリーナー等で綺麗に掃除しましょう。

メインジェットを外します。
8mmメガネをニードルジェットに掛けて
キャブドライバーをメインジェットに掛けて緩めます。

古くなるとニードルジェットがキャブの中で折れていたりします。
VJ21Aガンマで一度(左右共)TS50ハスラーで一度経験があります。
エンジンが掛からなくなったと思ったら折れてた・・・(T_T)

これがメインジェット
M型、N型は左右共に260番です
L型は左のみ250番

この穴が詰まると調子を崩します。
徹底的にキャブクリーナーで洗浄します。

8mmメガネでニードルジェットを外します

こんな感じで間にリングが入っています。
ニードルジェットの横の穴が詰まっても調子を崩します
内部をニードルが往復運動しますので
自然と磨耗します、磨耗が進むと調子を崩します。
今回は新品に交換しますが
再利用の際は徹底的に洗浄します。

新品と比較
違いがわかんねえ

キャブの穴と言う穴を徹底的に洗浄
状況によっては油面調整も行ないましょう
今回は省略

黒い樹脂製の物がフロート
油面を決める重要な部品
左右のキャブで傾きが違うから
フロートも左右で別物なんて話が某巨大掲示板で出ていますが
パーツカタログを見る限りではL,M,N共に左右で同一品番(13250-12C00)
左右でキャブの傾きが違うのは確かなので
油面調整はきっちり行ないたいものですね。
と言っても、VJ21Aのサービスガイドには油面調整の手順が載っているのですが
VJ22Aのサービスガイドには油面調整の手順は載っていません。
調整するなと言うことなのか、調整くらいは書かなくても出来るだろうと言う事なのか
はたまた、油面が狂ったらフロートassyで交換しろと言うことなのか・・・・・・
さっぱりわかりません、さすがスズキクオリティ(笑

さあ、分解と逆の手順で元どうりに組み直しましょう。

続いて右側のキャブに作業を移します。
右側のアンダーカウルを外します。
使用工具は3mmの六角レンチ
赤い矢印のネジを6箇所と
カウル裏のベータピン1個を外せば取れます。
VJ21Aはクイックファスナーだったから楽だった
VJ22A STDはネジだからめんどくさい
クイックファスナーに打ち換えようかな・・・

隙間を覗くとキャブを固定しているバンドが見えます
横からネジを緩めてキャブを外します。
手順は左と一緒なので省略します。

こっちのキャブはトラブルが少なかった証拠
6個のネジのうち4個がオリジナルのままです。
15年物のネジですから錆まくりです。
頭は比較的しっかりしていますが
ドライバーを掛けた時に嫌な感触があったので
念の為、ネジは全部取り替えます。

ホームセンターで買ってきたステンネジ
一応JIS規格は通っています。
何故か抵抗が1本紛れ込んでいる(笑
茶黒赤金・・・1kΩですか・・・

さて、ニードル交換の結果は・・・
今回は元の状態との比較の為
あえて同調の取り直しを行なっていません。
素組みの状態でこのとおり
今まではアイドリングが1000rpm程度だったのが
クリップを元に戻したにもかかわらず
規定の1500rpmにほぼ戻りました。
試乗した結果も上々
吹け上がりも悪くはないしアイドリングも安定しています。
プラグの焼け具合もまあまあ。
15年も経てば、あちこちガタも出てきます。
じっくりと腰を据えてメンテしていかないと駄目ですね。