【ひみつ】〔秘密〕
隠して(一般の)人に知らせたり、見せたりしない事(様子)。
「 ―― をあばく ・ ―― のベールにおおわれる」
劇場で公開されていた頃は、所詮ヒロスエのプロモーションビデオだろ?と、
見る気が起きなかったのだが、先頃のTVでついに見るに到ったこの『秘密』。
簡単に言うと、事故で若返ったヨメさんに捨てられる亭主の話である。
もちろん、単に 若返って☆ラッキ〜 と手放しで喜んだ話ではない。
一緒に事故に遭った娘・藻奈美(広末)の体に、母・直子の意識が宿るのである。
他人の娘は平気で愛人にするオッサンでも、自分の娘となれば話しは違う。
他人の迷惑は省みない、満員電車でも強引に席を 横取り 確保するオバハンも
自分の娘の体を 横取り 確保してまで若返りたいと考えはしないだろう。
個人的にはそういうギレン・ザビの様な人間も大好きだが、それとは関係ない。
妻でありながら、娘でもある女性との関係に悩む主人公、平ちゃん。
離婚のわずか5日後に、娘ほどに年の離れた女性と再婚した兵ちゃんとは
同じ呼び名でありながら、ヤマンバと鈴木その子の化粧の色ほどに違う。
石坂浩二が鉄道員(ぽっぽや)に出ていたなら、さぞかし器用な駅長を演じた
事だろうと思う。 鉄道員だけに脱線気味に話しがそれた。
自分の存在が夫である平ちゃんの自由を縛るのだと考えた直子は、自分の
存在を消し藻奈美として生きて行く事を決意。これがタイトルの由来であろうが、
互いに相手の幸せを願い、一人考え抜いた末に、別れる事を選んだ二人。
その前にみのもんたにでも相談していれば、あるいは島田紳助あたりに
相談していれば オモロイ 良い解決案を考えてくれそうな気もするのだが、
全国ネットでぶちまけてしまっては秘密も何もあった物ではなくなってしまう。
なんにせよ、微妙な心の動きを良く描いた映画だと思うし、
広末涼子も女子高生になった40女なんて難しい役どころを 下手なりに
好演しており、興行的に芳しくなかった割に面白い作品だと私は思う。
“Majiで恋する5秒前”ドコロか、むしろマジでブチ切れ5秒前 位の印象しか
なかった広末涼子だが、この映画で多少評価が変わったと付け加えておこう。
その位この映画の言わんとする事が、私の心の琴線に触れた事は確かなのだ。
【この映画の言わんとする事(予想)】
若いヨメを囲える中年は金持ちだけ!
ありえない設定の割に、現実をシビアに捕らえている点が好評価の映画なのだ。
実はオンナの前であったにも関わらず、不覚にも“涙”した、なんてことは
映画のタイトルではないが、それこそ 秘密 にしておきたい事である。