「みずっち的日常」





仕事納め☆ぶらぼ〜


「じゃあお先で〜す。 良いお年を。」

正月連休の前日、仕事納めとあってフレックスで3時頃から退社の人が多い。
今年は暦の都合から年も押し迫っており、すぐに帰省という人もいるのだろう。
職場の先輩Kさんも即帰省すると言い、3時頃から帰り支度を始めていたのだ。

『あれ?Kさんもう帰るんすか?良いお年をと言うより、むしろいい歳なのに』
「なにおう!歳は関係ないだろ歳わッ!みずっちはまだ仕事してるフリして
 く気か。 帰省はしないの?帰省は」
『いや、今年はちょっとパス。Kさんと違っていろいろ忙しいですからねぇ』
「そうか。正月ぐらい帰ればいいのに今世紀最後親不孝決めこむかぁ」

年末、使われ過ぎて食傷気味とも言える“今世紀最後の――”。
今年の“ミレニアム”にせよ、来年の“21世紀”にせよ、一体何の記念か
知らないが、うっかり『別に平成12年13年だろ?』とでも口にしようものなら
非国民扱いされかねない盛り上げ様。 まさにメディアの力恐るべし!である。

『まぁ21世紀になったからと言って、別にどうもこうもなりゃしないんですよね。
 今まで世紀末的な事件とか言ってた物を、どう呼ぶのかは楽しみですけど』
「わかんね〜よ。来年になったらタイヤが無くて、浮いて走る(飛ぶ?)クルマとか
 開発しよう!なんて言い出す奴がいるかも知れないしさ」
『そうですよね。ホンダだってクルマやめてロボット造ってるくらいですからね。
 あれの2号機をアトムって名前つけるとか。版権があるから腕は樹脂にして』
鉄腕じゃなけりゃ良いって問題じゃないだろ。 って言うかホンダは別に
 クルマやめてないし。 い〜からもう帰ろうぜ」

そう、単に区切り方の問題であって、特に何がかわると言う物でもない。
実際には恐怖の大王だってケンシロウだって現われてはいないのである。
なるべく仕事を片づけて帰ろう!なんて我ながら殊勝な考えでいたのだが、
これではやる気も萎え萎えなのだ。

『まぁ今から他部署も動く訳じゃないし、年明けにやっても同じですからね』
「そうそう、今日できる事は明日やりゃいいんだ!

なんともスバラシイ意見である。“今日できる事は今日やろう” ならともかく、
“明日やりゃいいんだ!” なんて言い放つのは、Kさん以外にはせいぜい
ジャイアンが居るのみであろう。ともかく帰り支度を始めようとしたその時・・・

【みずっち君ちょっといい? この仕事、今日中に頼むよ】 と、課長である。
『あ、はい。え〜と、でもこれ急ぎなんですか?』
【特に急ぎって程でもないけど、年前に終わらせた方がスッキリと正月休みに
 入れるだろ?次はもう21世紀になるんだしなぁ】

「だから帰れる時には、さっさと帰った方がいいんだって。じゃお先〜♪」
それを横目で見ていたKさん、晴々した表情で満足そうに帰ったのである。

【今世紀最後の教訓】
 今日できる事は今日やろう 

今日できる事は明日やりゃいいんだ!

どうせそんな教訓も連休中には忘れ、21世紀に生かす事はないのであるが。




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